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京都スタジアム(仮)計画へ反対する為に嘘をつく共産党京都府議団

 

第2弾といえばよいでしょうか。

以前に京都スタジアムについて書きましたが、今回も京都スタジアム(仮)について。

 

以前の記事はこちらです。あらかじめこの記事に目を通して戴いてから本記事を読んでいただくとより理解が深まると思います。

 

※以下、紫字の部分はリンクが貼ってあります

今回のテーマ

そもそも『京都スタジアム計画』とは、1995年から検討され続けてきた"府内に球技専用スタジアムを整備する計画"のこと。

数えること22年。幾度もの頓挫を経ながら(後述)、2011年に『京都・サッカースタジアムを推進する会』が提出した47万9601筆もの署名*1、同じく2011年に京都府の『京都府におけるスポーツ施設のあり方懇話会』内で取りまとめられた提言*2基に現行の計画が進められ、遂に実施設計完了寸前というところまで来ました。

 

一方、この計画に対して反対の立場を貫くのが共産党府議団です。

 

別に反対する事自体では悪い事ではありませんので、その点に関してはなんとも思わないのですが、、

これまで散々嘘の情報を流して世論を誘導しようとし、また新たにこのようなサイトを活用し、反対運動を超えて妨害運動の域に達していると感じる場面が多々あります

そこで、このサイトで挙げられている事項について正しい情報を説明していき、この記事を契機に京都スタジアム計画を正しく認知していただけると幸いです。

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「3つの問題がある」と主張する共産党

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共産党府議団は、現行の亀岡に球技専用スタジアムを建設しようとする『京都スタジアム(仮)計画』について『水害対策』『税金負担』『アユモドキ』の3つの観点から問題があると主張しています。

 

 

 

水害対策

まず1点目は『水害対策』

建設地周辺は駅の真裏にも関わらず、ずっと一面に民間人所有の田んぼが広がっていました。(※なおこの土地に関する私見は後述します)

共産党府議団は2013年の台風による洪水*3などとも絡め、「元々建設地周辺は遊水地であり、これまで同様に開発はせず遊水地として置いておくべき」と主張しています。

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亀岡駅より建設地を望む

 

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公道より旧建設地を望む

 

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 立て看板

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しかし、浸水しない程度の洪水被害地帯で、治水上問題がない事を確認されながら整備されてきた区画整理事業地に予定地が変更されたことによって、遊水機能の低下を避けることができたほか(黒丸=旧予定地,青丸=新予定地)

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 一級河川桂川(亀岡工区)広域河川改修事業による周辺一帯の改修、下流側に位置する嵐山周辺の治水計画も進められています。

また、これらと併せて、「桂川の高水敷掘削土約34万㎥のうち約30万㎥を盛土に流用することにより、平成25年台風18号の浸水位以上の高さまで造成を行い洪水に対する安全性を確保するとともに、洪水の貯留機能を河川内に確保することで、治水への影響を軽減・緩和」するようしています。

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残念ながら門外漢ですので、この水害対策に関して確証を持って結論づける事はできません。(※私個人としてはなんら問題ないと思います。認知バイアスかもしれませんが)

しかし、これら現行の治水対策について一切触れることなく世論を誘導せんとする行為はいかがなものでしょうか?

「安全だが安心ではない」のような不安を不必要に駆り立てて世論を誘導する行為ではなく、エビデンスに基づいた議論こそが市民・府民の為になるのではないでしょうか?

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天然記念物アユモドキの保護

2点目に『アユモドキ』について。アユモドキは鮎ではなくドジョウの仲間で、国の天然記念物や絶滅危惧種として指定されている淡水魚です。

現在日本にあるアユモドキの生息域は岡山と亀岡のみであり、スタジアムが持ち上がる以前から地元住民や行政による保護が行われてきました。

 

決して「清流でないと住めない」とかではなく、「台風時の洪水などで一時的にできた水たまりで産卵をする」という我々人間からすると非常に謎めいた繁殖条件が必要な魚で、また密漁や外来魚等による捕食も相まって数を減らし、現在に至ります

 

前述した通り、建設地周辺は"田んぼが広がる上に保津川(桂川)が台風で氾濫した際に水が溜まる場所"となっている事から、アユモドキが生息できる場所となっているのです。

 

こうした状況を踏まえて、予防原則が必要だと共産党府議団は訴えています。また共産党府議団のみならず、様々な環境保護団体などが計画の凍結などを訴えてきました。

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この主張自体は決して突飛でもなく、至極正論であると私は思います。

 

しかし、この亀岡市議さんのブログ記事を読んでわかる通り、地元住民に犠牲を強いてアユモドキを保護するやり方は限界に来ていました。

亀岡のアユモドキについて

駅から3分のこの場所はこれからの保津町のまちづくりとしての夢を持っていただけに、天然記念物か何か知らないが、たかが魚であるアユモドキのためにまちづくりをしょうとする我々の構想に水を差され、制限を加えられることを恐れて協力できないと当初はお断りした経緯がある。

地権者の多くが後継者不足と機械が動く間だけとか、自分の体が動く間だけは農業できるが、今後の農業については難しいという回答

地元はアユモドキとまちづくりが共生するための保全というなら考えてもよいが、アユモドキだけを守れ、というのは完全にお断り

亀岡のアユモドキが産卵する近くにスタジアムが決定されてから、急に学者らが反対の声をあげてきた。今までたくさんの地域で絶滅してきたのに何も言わず、なぜ亀岡に今その責任を押し付けるのか、というのが地元の声である。学者ら反対しているもので守れるこのなら守ってくれたらよい。地元はいつでも手をひく

各地で絶滅しているにも関わらず、何の手立てもすることなく、今となって亀岡にだけその責任を負わせるということはおかしいではないか。それとアユモドキも守れなかったら文化レベルが低いとまで言い切った。これに地元は大変な怒りを持って抗議した。地元は怒っている。どうぞ反対されているあなた方で守ってください

予防原則を守って保護しなければならない」。しかし田んぼを維持していく事は難しく、「スタジアム建設と併せたプロジェクトとして税金を引っ張って積極的保護策に出ないと限界は近い」という、綱渡り状態に陥っている事を認識しなければなりません。

種の保存法などの観点から言ってアユモドキを保護する必要性、努力義務はある。その努力義務において攻めの保全に出たのが京都府亀岡市・地元住民という訳です。

 

このやり方に反対の声が上がるのは決しておかしな事ではなく、予防原則から外れている事からリスクの高い手法であるには間違いありません。

 

ただ、①スタジアム計画によってアユモドキの調査が進み謎に満ちた生態が明らかになりつつある事。②保全に向けて官が積極的に環境を整えようとしている事。③スタジアム建設地を専門家会議の提言に従って生息地から変更した事。④専門家会議等での了承を得てからでなければ着工できない事を無視しているのはいかがなものでしょうか?

「拙速だ」と声を上げる建設的な活動とアンフェアな多数派工作、この2つは別物でしょう。

それから、「何がなんでも工事着工という姿勢」という主張。第三者委員会開催のスピードや、保護の確証を得られたとは100%言い切れない(100%言い切れる日なんてこないでようけど…)中で予算を計上する事に対する批判精神の現れなのかなと思いますが、元々スタジアム整備は府知事・亀岡市長両者の掲げる公約であり、旧予定地の建設に関する予算案も一度府議会で賛成多数で可決されています。必要なステップを踏みつつもこれまでの遅れを取り戻すスピーディーな対応とも言えます。石橋を叩いて渡るがごとく慎重性は大事ですが、だからこそこれまで着工を数年も遅らせた挙句、予定地をも変更する柔軟な対応があった訳で…

"アユモドキが倒れるor地元が倒れる"。そうならない為にも不必要に不安を煽るのではなく、客観的事実を基に進めていく必要があります。街づくりとの両立という観点から見ればこれ以上の遅れは致命的です。着工自体への反対よりも検査体制の構築に関してもっと建設的に言及すべきでは?

 

結果的に第三者委員会で条件付きの着工を認められている事から、私個人的には最低限の適正なステップを踏んでの予算計上であり問題ないと感じます。今後はこれまで以上に広く支持を得られるよう、これまで以上に専門家の指導を仰ぎながら慎重に進め、そしてその事を広く周知してもらいたいですね。

 

WWFは建設地変更についてこのような声明を発しています。

 

なお、旧予定地は活用法が確定するまで水田として維持し、アユモドキ保護に役立てます。

http://www.pref.kyoto.jp/spo-syo/news/documents/senmonka8-siryou2.pdf

 

この件に関してアユモドキ保護の委員会等に加わり、スタジアム建設そのものに批判的な立場で提言などをなさっている京都大学大学院の渡辺勝敏准教授が論文等を残されております。

 

 

 

税金投入について

3点目に税金について。ここはもう酷いです。嘘ばっかり。

 

【1.行政負担についての嘘】

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はい、嘘が出ました。

まず、スポーツくじtotoの売上から30億円の助成金*4が支給されますので全額税金は真っ赤な嘘。

更に法人個人から寄付金等を募って行政負担を少しでも軽減する方向である事が報道されています。

 

【2.総工費についての嘘】

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次いでその総工費200億円とやらの内訳に「"旧予定地14億円と新予定地分43億円が含まれている」としています。

旧予定地を「総事業費」ではなく「総工費」に含むのも疑問に思いますが、まあここは共産党府議団同様に込みで計算して比較しましょう。

 

実際に見てみると、

①:亀岡市の旧予定地購入額=14.7億円

②:旧予定地取得に対する国庫から補助金(当時、取得額の1/3助成)=4.9億円

③:亀岡市の新予定地取得負担額=20.5億円

④:京都府亀岡市に対する新予定地取得援助額=13.7億円

すなわち、各行政の負担額は亀岡市29.8億円+国4.9億円+京都府13.7億円=48.9億円。なのでこの時点で土地取得にかかる「57億円」という額そのものと「市と府」とする主張の2点にそれぞれ追加の嘘発見

なお、旧予定地はスタジアムの為の用地にプラスしてアユモドキ保護の為のエリア購入費用も込みでの14億円。

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この土地代合計額47億円にプラスされるのが本体工事費や設計関連の費用です。アユモドキ関連への費用も含め、『専用球技場整備費』とされているものを並べていきます。(誘致活動に係る費用は除外)

平成24年度0.17億円平成25年度0.6億円0.02億円0.1億円平成26年度0.12億円基本設計最大1億円*5平成27年度0.12億円実施設計最大2億円*6平成28年度0.16億円平成29年度19.95億円

うち、平成29年度当初予算の19.95億円は先述した亀岡市の土地取得に対する援助額13.7億円を含み、6.2億円が基礎工事代となります。

これに債務負担行為(解説記事)としてスタジアム本体工事費見込み額125.2億円が計上されています。

 

よって府の設計等合計額4.29億円+府の都市取得援助と基礎工事代合計19.95億円+本体工事費125.2億円=府の支出額149.44億円。(内、最低でも30億円は民間資金援助アリ)

それと亀岡市の土地取得代29.4億円国からの補助金4.6億円34億円

すなわち、『旧予定地取得費用も含んだ総工費』は183億円であり、200億円を超えるとする表現はまたまた嘘。

これ以外にどこのお金を別途カウントしてるのでしょうか?ちゃんと説明してもらいたいものです。

 

更に、現予定地に限ると土地代と基礎代の40億円+設計等4.29億円+本体工事費125.2億円で169.29億円。うち30億円が先述のtoto助成で浮きますので、新予定地でのスタジアムそのものの市と府の「実質負担額」は139.29億円です。

 

 

なお、「土地の無償提供を条件を無視していてアンフェア」という主張は同意できる点であり、一概に嘘と間違いだらけの主張だとは私も思いません。用地取得が可能なのであれば、各自治体提案の候補地以外にも候補地はあったはずですから。(なお京都府議会平成29年2月定例会中の府知事発言によると、この事に関して落選した各自治体から了承は得ているとの事)

 

ただ、それ以前に旧予定地の用地取得を無駄使いと切り捨てる点に恐怖を感じます。

『水害対策』で挙げたように、本来旧予定地は民間人所有の田んぼでした。

その民間人の田んぼが台風による被害を受けるなどしているにも関わらず、アユモドキ保護の為&遊水機能確保の為に「田んぼのまま維持してくれ」と言っているような異常な状態が、亀岡市が土地を取得する事でようやく正常化されたのです。

それに対して「トップダウンで予定地を決めた挙句」とはどういう神経をしているのでしょうか?どちらにせよアユモドキ保護を考えるのならば買い取りないし積極的介入があってしかるべきだったと思うのですが。

 

本当にこの人たちはアユモドキを守りたいのでしょうか?地元の住民に寄り添うつもりがあるのでしょうか?

私にはスタジアムに反対したいが為に無理やり理屈を作り、それがこうして地元住民たちを舐めたようなふざけた主張に繋がっているとしか思えません。台風の被害にあいながら稲作を続けてきた方に本当に失礼な発言で腹が立ちます。「公共の福祉の為に開発をするな」といっておきながらこの点を無視するだなんて。

 

【3.運営についての嘘】

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更に更に更に、現在実現可能性を調査中の『コンセッション方式』にケチをつけ、「市民利用が困難である」と言わんばかりの主張を行っております。一方、京都府は先日行われた説明会*7で市民利用についてこのように答弁しています。

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コンセッション方式とは、公共施設の所有権は自治体・行政などに残したまま、運営権を民間に移すシステム。自治体は運営権売却による収入、運営する民間企業は管理を通じた収入やサービス向上、住民はサービスの向上や負担の軽減。というメリットを享受できます。

このシステムは日本では関西空港など数例で適用中。またコンセッション方式以外の民間企業が関わる公共マネジメントシステム(いわゆるNPM)だと、指定管理者制度が有名です。

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現在の京都スタジアム(仮)計画では内閣府からの助成を受けながらコンセッション方式導入の実現可能性を調査している段階であり、「予定」という既定路線であるかのように謳う表現には語弊があるのではないでしょうか。

 

府議会ではこのような答弁を残されてますが

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確かに、コンセッション方式は運営者の権限が指定管理者制度より大きく、利用料金を運営者が設定できる事から利用料金がより高額に設定される可能性は考えられます。しかしその分収益性が高まるので「税金をつぎ込むな」という主張と相反する部分もあるのですが…その辺りは当然承知してるんでしょうね?政権批判したいだけじゃあないですよね?

 

 

最後に

このように、この特設サイトだけで「全額税金」や「総工費200億円越え」等のいくつもの嘘、また都合の悪い情報を隠しまくって世論を誘導するような行為も散見されました。わざわざ作ってコレですから、本当に恐ろしい。

 

スタジアム建設は自治体が主体となって建設するケースが多く、大きなプロジェクトだけに費用の問題で紛糾するのは当然の事です。

たとえその計画によって生まれる公益が費用より大きくとも、「他の事業を優先せよ」などと反対意見が出ても仕方ないとも思います。

 

しかし、京都の場合はメインスポンサーである京セラ創業主稲盛氏らが資金提供(当時の報道で65億円)を宣言するも議員の反発を喰らい撤回→結局京都市のやる気も無くてまとまらず建たないという歴史もあり…

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その気になればスタジアムなんていくらでも民間で金だして建てられるのに、20年間後回しにされてきて今に至っているのです。

http://www.kyoto-np.co.jp/kp/sport/mandara/c_inoue/inoue.php

https://www.kyo.or.jp/kyoto/pdf/j27_161025_kaiken.pdf

http://www.kyodoyukai.or.jp/essay/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%81%A8%E7%A7%81

 

冒頭で述べた通り、そうした中で府が脆弱なスポーツ施設環境をこれ以上ほったらかしにはできないと改善を図る策の1つで専用球技場整備に動いています。

木津川や横大路といった頓挫したかつてのスタジアム計画にも関わり、スタジアム建設を公約に知事選に当選した山田府知事。またスタジアム建設推進を公約に当選した桂川 亀岡市長。ワンイシューの選挙ではないにせよ、政財界も望むスタジアム計画に「建設反対の声が多数」とは一体どういう事でしょうか?声の大きさでは賛成派の方が明らかに多数派です。(※もちろん多数派だから絶対に正しいという訳ではありませんが)

 

 亀岡駅前の土地では難がある」「土地を買い取れるのなら他があっただろう」「科学的見地からこの場所では…」などと主張し、正しい方向に導くような建設的意見なら大歓迎です。私も府のスタジアム建設の進め方には何点かの不満があります。

しかし、共産党府議団のやり口というものは、実情を無視した主張や嘘で世論を誘導するような行為ばかりではありませんか。

"足りないから整備する"という当たり前の行動を根底から否定する前に、「反対ありき」のその主張を改めるべきなのではないでしょうか。

 

 

 

P.S. 現職の京都府議任期満了日は平成31年4月29日です。

 

 

 

 

 

 

競争に勝った選手と負けた選手

 

 

今日、牟田のFC今治への期限付き移籍がリリースされました。今治側のリリースによると、移籍期間は来年1月31日までのようです。

 

 

牟田といえば、昨年は大補強のピースの一人だったものの左股関節唇の負傷で公式戦出場時間はまさかの0分。今年も序盤の3バック使用時には4試合にフル出場も、9節で4バックに切り替えた後は熊本と湘南戦時の計15分のみ。(クラブの動向自体がアレなので…)来年の動向は全く読めませんが、大学時に8クラブが争奪戦を繰り広げ名古屋では3年間でJ1 56試合に出場した大型CBなだけに本当に残念。

そして移籍先の今治といえば、オーナーが岡田武史という事で何かと注目を浴びるクラブですが、監督も監督であの吉武さん。川崎の可児壮隆やU17W杯で吉武監督と共に戦った水谷琢磨などJリーグファンにも聞き覚えのある名がチラホラ。

J3昇格の為にはJ3ライセンス付与等の外部環境充実もさることながら、年間順位で4位以内かつ百年構想クラブ内で上位2つに入る好成績を収めなければ昇格はできませんので、本来ならば「JFLでプレーする事が考えられない」クラスの選手である牟田には期待に応える活躍が求められます。頑張れ。

 

 

 

さてさて、牟田が"競争に敗れた者"だとしたら、一方で現在スタメンで試合に出場している下畠と高橋は"競争に勝った者"。

一昨年末のサポカンではこんな発言もありましたね。

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http://www.sanga-fc.jp/uploads/pdf/supporterconference2015_151217_002.pdf

菅沼が抜けてしまったので『健全で過酷な競争環境』が存在しているかどうかは微妙ですが、しっかりと今の立ち位置をつかんでいるのは評価したいところ。(他クラブやJ1でもスタメンを張れるだけの実力があるかと聞かれると答えに窮しますが、、、)

下畠なんて15年の夏まではキャリアそのものがどうなっていくか微妙でしたし。高橋も出場機会を得られない点では下畠と同じでした。一時期を思えば二人とも良くここまで来たなと。

「本職ではない下畠が毎年CBのスタメンになる最近の編成とは?」「ユース時代にもっと質の高い指導をして、かつ昇格後はもっと早くに出られる所にローン移籍させていれば高橋はもっと伸びていたのでは?」とか言いたくなる気持ちを押し殺しつつ

 

 

あくまで主観ですが、二人は大木さん・川勝さん・森下さん・石丸さん体制時の指導と、佐川印刷や讃岐での試合出場を経て伸びたと思っています。特に石丸さん(と大嶽さん?)の指導は祐治にとって大きいはず。

やはり「(育成組織を含め)練習で実力がちゃんと伸びる環境」と「期限付き移籍を活用を含む試合出場機会の創出」、この2点を整えねばならないのですが…

 

左利きで身長186cmというロマン砲麻田をちゃんと育て上げられるのでしょうか(不安)

結局なにをしても不安と心配がつきまとうのがこのクラブですね。

 

 

 

 

 

代々木公園サッカースタジアム計画へ脊髄反射的に反対する人について思う事

 

28日、スポーツ報知が「複数の民間業者が東京・代々木公園南側に複合型サッカースタジアムを建設しようと動いている」という特ダネを報じました。

 

複数の民間事業者が東京都に対し、渋谷区内の都立代々木公園内に複合型サッカー専用スタジアムの建設を提案していることが28日、都関係者らへの取材で分かった。スタジアムは約4万人規模で、総事業費は約400~500億円を予定している。サッカーJ1・F東京の本拠地化を目指しており、資金は民間事業者が負担する。建設開始は2020年東京五輪パラリンピック後で、25年までの完成を目指す。

 これまで不毛の地だった都内に、待望のサッカー専用スタジアムが誕生する可能性が出てきた。

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突然のホットなニュースにサッカーファンやネットでもこの反応。

 

一方で、「スタジアムなんて要らないでしょ」「公園で稼ぐ必要なんてないだろ」という意見も散見

 

新国立競技場問題の余波か、かなりアレルギー的反応を見せる人が多かったのでこのニュースについて個人的な雑感を。

 

 

 

●サッカースタジアムとは

まず、ここで言う「サッカースタジアム」=「サッカーなど球技スポーツを観る事を主目的とした施設」です。陸上競技場は陸上競技場であって、日産スタジアムなどを「サッカースタジアム」と呼んでいる人を見ると、とても悲しい気持ちになるものです)

そして「複合型スタジアム」とは、サッカースタジアムとしての機能だけでなく商業施設の併設などで複合化を果たしたスタジアムの事です。日本だとノエビアスタジアム神戸カシマスタジアムがこれに当たります。

 

全く知識の無い方からすると、記事にある「サッカー専用」と「複合型」は矛盾していると思われるかもしれません

しかし、そもそも「専用=陸上競技機能のない」という意味であってサッカーにしか使えないという訳ではありません。

サッカー専用スタジアムで音楽ライブやコンベンション利用は可能ですし、スタンドやコンコースを利用して展示会を行う事もできますし、別のスポーツを行う事も可能です

かつ、必ずしも複合化させる事が正解ではありませんが、スタジアムにジムや商業施設などを複合させて収益性を高めるのです

野球専用スタジアムでありながらライスボウルの開催地であり、イベント利用もあり、ホテルや遊園地などの複合施設がある東京ドームを知らない方はいませんよね?

 

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●東京と日本のサッカースタジアム事情

記事中にJリーグクラブであるFC東京の本拠地化について記述がなされていますが、現在FC東京東京ヴェルディの本拠地である味の素スタジアムは、2013年の国体開催もあって建設された陸上競技場。サッカーができるスタジアムであって、サッカースタジアムではなく陸上競技場です。f:id:naoki_ks13_7:20170731203335j:plain

ご覧の通り、陸上競技場ではピッチ(※)と観客席の間にトラックがある為、球技を観る上では迫力や臨場感が失われてしまいます

となると、観戦で得られる経験価値が減少し、エンタメ性が低下し、興行主とスタジアムにとっては収入の落ち込み』。地域にとっては波及効果の落ち込みというマイナス効果がおよびます。

※サッカーのコートのみを指す言葉がピッチ。タッチラインゴールライン外の芝やウレタン部分も含めて指す言葉がフィールド。

また、味の素スタジアム2019年ラグビーW杯の開催地にもなっていますが、ラグビーのフィールドは本来縦方向に120mほど必要。陸上トラックとの兼ね合いで縦に107mほどしか芝生部分を確保できない陸上競技場ではそもそも球技をする場として不適当なのです。「アスリートファースト」がコンセプトらしいですけど笑

 

更にサッカーはする・見る共に日本で一二の人気を誇るスポーツであり、JリーグチームだけでFC東京東京ヴェルディFC町田ゼルビアの3チームが都内にあるにも関わらず、都内にあるサッカースタジアムは0。

ただ一つ、プロが恒常的に使うような施設ではない簡素な国立西が丘サッカー場(収容人数7000人)が存在するのみ。

というか、日本全国に範囲を広げてみてもカシマ(茨城)・柏・さいたま・大宮・日本平(静岡)・吹田(大阪)・鳥取の7つしか1万人以上の観客を収容できるサッカースタジアムは存在しないのです。悲しいかな。

8月2日16時追記:"茨城県立サッカースタジアム"でありながらアメフトの開催実績があったり、"市立吹田サッカースタジアム"よりも球技専用スタジアムである"ミクニワールド北九州スタジアム"や"ヤマハスタジアム"の方がフィールドが小さかったり… 我が国においてサッカースタジアムと球技専用のフットボールスタジアムの定義等は実に曖昧です。その為、今回は報道された計画同様に「公称がサッカー専用」のスタジアムを切り取って紹介いたしました。しかし、サッカー・ラグビー・アメフトを定期的に開催する1万人以上収容の「フットボールスタジアム」は、紹介した7か所とは別に全国に14か所のみ存在する事も紹介すべきだとご指摘を受けましたのでここに追記致します。〉

サッカー:カシマ・埼スタ・大宮・日本平吹田鳥取

フットボール:仙台・栃木・蘇我(千葉)・三ツ沢(横浜)・松本・長野・ヤマハ(磐田)・豊田・福井・長居(大阪)・御崎公園(神戸)・北九州・博多の森鳥栖

 

そしてそもそもの話、「サッカースタジアムが要るか?要らないか?」だと要るに決まっているのです。

別にサッカースタジアムでなくてもイイです。陸上競技場でもいいし、コンビニでもいいし、葬儀屋でもいい。入る言葉は基本的になんでもいい。

必要"だけど"、この場所は違う、高すぎる、もう既に数が足りている、景観や都市計画にそぐわない…「だからこの場所には必要ない・今はまだ無理だよね」という話になるのであって、ゼロベースで考えた時に要らない施設なんてのは基本存在しない。

 

だからサッカースタジアム自体は必要に決まっているので、頭ごなしに否定や賛成をするのではなく、「本当にここに建てることが必要なのか?」と妥当性を考える必要があります。全てに通ずるほんとに当たり前の話ですけど。

 

 

●スタジアム改革

さっき言ったようにそもそもサッカースタジアムは(※サッカースタジアムではなくともなんでも、)無いより有った方が良いに決まっていますが、さらに「どれだけ必要性が高いか?」「どうすればより良くなるか?」というのを昨年スポーツ庁経済産業省が資料にまとめてくれました

概要の方を見るだけでもだいたいわかるので見てみてください。

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http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/008_index/toushin/1379557.htm

 

また、スポーツ立国戦略他の法案なども含めてざっくりまとめると、「スポーツのハブ機能を活用すれば社会が活性化されるから、軽視されてきたスポーツへの投資を通じて良い国にしよう!!!」って、国が地方自治体や民間企業、そして私達国民にいま言ってるんです

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第2期スポーツ基本計画について(答申):スポーツ庁

 

政府の掲げる日本再興戦略の中にもスタジアム・アリーナ整備は盛り込まれていて、2025年までに民間活力を活用しながら20か所整備するという数値目標も立てられました

 

スタジアムやアリーナを民間の力も借りながら作っていって、JリーグBリーグクラブのポテンシャルを最大限発揮できるようにし、地域に波及効果を広げていって活性化されるには、まだ人口の減少ペースが緩やかな今しかないのです

(※またスタジアムのような大規模スポーツ施設だけでなく、公園や水道などでも民間活力が導入されていく方向にあります。)

 

これまでは、「サッカースタジアムを建てるべき」と言うと"サッカーファンのわがまま"などと言われてきましたが、「公共性重視ではなく、利用者(観客や興行主)のニーズに応える事を重視したスタジアムは社会に大きな効果をもたらすよ」とお墨付きをもらった事を頭に入れていただきたいと思います。

 

いわば陸上競技ができないというデメリットが生じた代わりに、アスリートファーストであり、顧客ファーストであり、地域ファーストなのです。

(なお昨今では陸上連盟も「陸上競技場を取りやすくなるから」と言う理由でサッカースタジアム整備を応援してくれています。陸上界にとってもメリットがあることも抑えておいてください。)

日本には1試合平均1.8万人(J1)の人が集まるJリーグがあります。ラグビーにはトップリーグという全国リーグがあります。しかし陸上には定期的な興業の場などありません。世界を見渡してみてようやくスーパーリーグのような『IAAFダイヤモンドリーグ』があるのみで、興行には適していないのです。全日本選手権などでも1万人規模の観客数です。

これまで、サッカーW杯や今回の東京五輪でも、何万人規模の陸上競技場を日本は整備してきましたが、サッカースタジアムと陸上競技場をあわせてしまう事が間違いなのです。

サッカースタジアムと陸上競技場を分けてしまう。あるいは設計段階からサッカースタジアム化や野球場化できるようにしなければならないのです。その方が記録会がメインの陸上界と、興行がメインのサッカー界の利害が一致するのです。

(※新国立競技場はこれに失敗してしまっているので、球技専用にしても「赤字額が少し軽減される」程度でしょう)

 

 

●波及効果

例えば、今この記事を読んでいるあなたは、特定のアーティストであったり、アイドルであったり、作品であったり、そういったものを追いかける事で自分の人生に良い効果が生まれていませんか?

働くモチベーションは上がるし、ガンガン消費するし、単にグッズや遠征にお金を費やすだけでなくてCM起用してくれる企業の製品を進んで購買するし、共通の趣味を通じて新たな出会いがあったりするし…と。

 

スポーツの場合、特にJリーグは「地域密着型」「世界的に愛されている競技」「1試合に数万人が集まる」…という特徴があります。その為、単なるコンテンツではなく高い公共性を有した社会の公器であり、個人・法人・地域住民・行政…と波及する範囲も大変広く、かつ終わりが無いので恒常的に影響があります。

 

地元にスポーツチームがあるけれど「無いよりはあった方が良いけど別にどちらでも困らない」という方オリンピックのごたごたで「スポーツ?もうどうでもよくない?」という方、そんな方もきっとなにかハマっている事等あるはず。

是非、自分事として捉えていただいて、スポーツの持つ価値を理解していただければ幸いです

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●代々木公園に建てるリスク

しかし、私も問答無用で「民間主導で文句なしの計画だ!必要なんだからすぐ建てろ!」と言う訳ではありません

先ほど紹介したスタジアム・アリーナ改革指針にて挙げられている成功の為の条件が重なった立地ではありますが、建てた際の弊害もいくつか当然出てくるでしょう。

 

1つ目に『景観』。ただ、すぐ南はNHKがありますからそこまで問題なさそう。

2つ目に『代替施設』。記事によると織田フィールド・球技場・野外ステージの場所に建てる計画とあるので、特に織田フィールドの代替施設を用意する必要があります。これが一番重要な問題なのに、「なんで公園を狭くする?」みたいな意見ばかりだったのには正直辟易。ちなみに現職の渋谷区長さんは織田フィールドは入れない球技場プランを掲げて当選されています。野外ステージおよびイベント機能に関しては、スタジアム内を代わりに使用できるようにすればいいかと個人的に思います。フード系のイベントも、屋根の下で椅子に座りながらできたて熱々のものを食べられるようになりますし天候の影響を受けずに快適に実行できるってのは開催側が一番うれしいでしょうねえ)。建設中の空白期間をどうするのか(駒沢など他の公園で場所がとれるのか)等の問題が一番重要なところかと。

3つ目に『生態系への影響』。これも候補地の場所的に重大な影響を及ぼすとは見えませんが、環境アセスメント等必要になってくるので自然と問題かどうかわかってくるのでいずれ答えが出る話。

4つ目に『新国立競技場との兼ね合い』。新国立競技場は五輪・パラ大会後に陸上トラック上に観客席を設置し、球技専用スタジアムとして供用される事がほぼほぼ決定しました。しかし、8万人と大きすぎる上に最低の設計で、FC東京が恒常的に使う可能性は極めて低いと言えます。そもそもJリーグでは国立競技場を本拠地利用しようとして断られたチームがいますし…新国立は紹介したスタジアム・アリーナ改革指針にまとめてある事と真逆の進め方で整備が進んでおり、悪名高きあの宮城スタジアムを越して我が国史上最悪のスタジアムとなってしまう恐れが非常に高い代物。

〈以下8月2日16時追記:というのも、家を想像してください。新しくマイホームを構える場合、理想的な空き物件を選ぶor自分の理想に沿う住宅を作ってもらう(注文住宅)のどちらかでしょう?

しかし新国立競技場は建設後の主な利用主を決めきれず、「元々陸上競技場だったし、ラグビーW杯の後にすぐ五輪が来るし、サッカーの日本代表戦やコンサートで儲けたいし…」と八方美人的に計画が進められたが故のザハ案撤回に至ったのはまだ記憶に新しい大失態。さらに撤回で計画を適正化するチャンスが再度与えられたにも関わらず、「まずは五輪の為に陸上競技場として整備。その後サッカーW杯を開きたいから8万人のスタジアムに転用できるように設計」というコンセプトで進めてしまう3度目の失態。更にコンペに上げられたA案とB案とでサッカーやラグビーなど球技が見やすいB案ではなくA案を選択しておきながら『球技専用スタジアム化で収益性UP!』などと言い出す3度目の大失態を犯したのでした。

確かに、50年に1度あるかどうかのW杯を睨んで非現実的な"8万人規模"を要望したJFAの責任の一端はあります。しかしながら、建設主体である日本スポーツ振興センター(JSC)がサッカーにすり寄ったのは「サッカー日本代表戦とコンサートが一番金を回収できるから」・「オリパラ後にサブトラックを常設しておけないから」である事。JSCが常に舵取りをミスり続けたことによってサッカー界とラグビー界は「粗大ごみをいかにマシなようにに見せる事ができるか?」という罰ゲームを負わされた状態である事。ザハ案への批判に終始し、そもそも常識から逸脱していた計画を修正できなかった事。この3点を認識しなければなりません。

それでもJFAとは直接関係の無いFC東京に新国立を本拠地として使わせる事で尻ぬぐいをさせて、「サッカー界でなんとかしろよ」と言われてもと個人的に思います。FC東京には宿を選ぶ権利があるし、本拠地化させるのなら英国同様にそれ相応の忖度をするか、最初からFC東京やサッカー側の都合の良いように進めないといけなかったのです。先述したスタジアム・アリーナ改革指針にもそう載っています(文部科学省がらみの事業をスポーツ庁(と経産省)が叩き切った形なのがまたもう…)。民間企業に運営権を売却する事を検討している際中なのでホワイトナイト的存在に期待するしかありません。

そして新国立競技場が完成してもスポーツを観る環境が十分整っているとは言えない状況、なので「ダメなものは淘汰されるほかない」と個人的には思うのです。〉

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【※補足】

新国立競技場整備事業に関する技術提案書 | 新国立競技場 | JAPAN SPORT COU

コンペに敗れたB案は、スタンド~ピッチ間がメイン・バックスタンドで最大でも14.5m。ゴール裏で最大29.5m。1層目の上に嵩増しする仕組みで角度も確保。球技観戦に重要な距離の近さと俯瞰で見られる角度の2点で優れていましたf:id:naoki_ks13_7:20170802172636p:plain

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一方、採択されたA案はこの通り。既存の1層目(20°)から地続きする形で客席を拡張する為、角度がゆるゆる。ピッチ間距離はゴール裏から最大27m・バックスタンドから最大20.5m。B案より見劣りしており、非常に見づらいスタジアムに仕上がる事が予想されます。

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5つ目に『公園機能をどうするか?』。冒頭に紹介したツイートでもあったように、憩いの場としての機能を失う事に対する嫌悪感を感じる方も一定数いらっしゃるようです。しかし、明治神宮の境内も込みとは言えこれだけ緑があったら、赤い四角の部分がスタジアムになっても大きな変化はないと言えるのではないでしょうか…織田フィールドが無くなる事の方がやはり重要問題では?

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〈8月2日16時追記:なお、このほかに公園の持つ機能として『防災拠点』が考えられると思いますが、スタジアムは有事の防災拠点となりうる施設であり、現に備蓄倉庫や避難場所としての活用がなされている事を追記しておきます。〉

 

 

●スポーツで「稼ぐ」意識と

最近になってだいぶ改善されてきた感もありますが、なぜか「稼ぐ」事に抵抗がまだまだある日本。

もちろん収益性を重視しすぎて公共施設が本来有しておくべき機能が失われるような事態があってはダメで(TSUTAYA図書館とか)、そのリスクに嫌悪感を示すのは良くわかります。

 

けれども、そもそも「都市公園にスタジアムを建てたらダメ」なんて規則もなければ、都内には代々木公園だけでなく様々な公園が存在します。

ならば「A公園は憩いの場としての機能を強化しよう」「B公園はスポーツをする場所を整備しよう」「C公園は立地が良いから、スタジアムを建てて賑わいをもたらす場にしよう」というマネジメントが行われるのは当然では?

 

特にスポーツをする場と観る場は需要に対して供給が追い付いておらず、かつこれまでに挙げたように機運の盛り上がりもあります。

そして東京は公園の民間活力導入が進んでいる都市ですし(※)、スタジアムに転用できるような良い土地は公園内なら織田フィールド一帯ぐらいしかない。そもそもこの報道が何らかのブラフの可能性もありますが、民間から提案があればかなり良いところまで話が進むのは自然な流れですよね。(※都民じゃないので上野公園等の実際の評判はわかりませんが)

 

 

反対する事は決して悪いことではなく、スタジアム建設はコンセプト固めや設計も含めて慎重に進めるべきプロジェクト。

ただ最初から反対ありきではなく、まず「日本にはスポーツ施設が足りていない事」、「サッカースタジアムの重要性・必要性」「スポーツの持つ可能性」、そして「民間活力を活かした街づくり」を理解してから声に出してもらいたいな~と、今回の件では強く感じました

この記事のように↓

 

 

普段あまり疑問を抱かずに生活する中で、スタジアム問題は自分の街について考える良いきっかけだと思います。

スタジアム以外にも同様のことは言えますが、「必要だとは思うけど今の機能を無くすだけの価値はあるか?どっちが大局的に見て得か?」という観点から、賛成派も反対派もフラットに注視していってほしいところ。

 

ただでさえお先真っ暗な状態なのに、「ハコモノ政治だ!」とか、不必要な反対や自粛で弱りきった社会を若者世代に押し付けないでくださいな。必要なハードを整備する事を悪と見なさないでくださいな。少なくとも記事に書いてあることくらいはちゃんと読んでくださいな。鵜呑みにせずに情報をきちんと集めて適切な判断をくだしてくださいな。

でないと困るんですよ、ほんと。もっと建設的に生きましょうよ。

 

 

 

 

 

 

ではまた。

今度やる気高まった時は「新国立競技場がなにがダメか」を書くよ~

 

●補足資料

 

 

観戦記:ヴィッセル神戸U-15 vs ヴィッセル神戸伊丹U-15 2017/7/15

 

大会名:高円宮U-15サッカーリーグ関西 サンライズリーグ 13節
日 時:7月15日 13時20分キックオフ
会 場:宝ヶ池球技場
カード:ヴィッセル神戸U-15 vs ヴィッセル神戸伊丹U-15
結 果:2-0
得点者:五味郁登(71分)森田侑樹(74分)

https://www.vissel-kobe.co.jp/academy/u-15/search/13444.html

 

 ●動画

 

●感想

前半は互角。

後半は徐々に神戸が自力を見せ始めると、カウンターから五味がスーパーミドル!お互いにシュート意識が低かっただけに目が覚める一発でした。お見事。

続けざま、ロングボールから五味がフリックする形で絡んで神戸が追加点。

その後は伊丹がポスト直撃のミドルシュートを放ったり、PKを与えながらもGKの好ストップが有ったり健闘しましたが、ヴィッセルダービーは神戸の勝利

 

ゴラッソを決めた五味君が今後どういう人生を歩むかわかりませんが、将来選手として大成した時に「この時の!」って言えたら立ち会えた身としては嬉しいし、そうでなくとも何かのタイミングでどうぞご自身で自慢するのに使ってください。エゴサですぐ見つかるだろうし。

決めた後の一体感を含めてほんとに良いゴールでした。

 

観戦記:京都サンガU-15 vs Vervento京都 2017/7/15

大会名:高円宮U-15サッカーリーグ関西 サンライズリーグ 13節
日 時:7月15日 11時30分キックオフ
会 場:宝ヶ池球技場
カード:京都サンガF.C.U-15 vs Vervento京都
結 果:1-1
得点者:小川(サンガのみ)


京都スタメン
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代表で中野が不在。GKはプレミアEASTのメンバーにも登録済みの小林ではなく安田。
今年最初に見た試合(4/23)では4-3-3のフォーメーションで、川島が右SB。しかしこの試合では左WB。

一方のVerventoは昨年府TOPリーグで優勝し、昇格決定戦で勝利を収め初昇格を果たした街クラブ。


●試合経過

後半にCKからの流れで攻め続けた京都がゴリ押して先制。2vs2の場面でうまくDFを引きつった阪上が良かった。
その後自陣深くでビルドアップでミスをしてしまい、奪い返しにかかった上野がファウルでPK→失点
失点したサンガはその後攻め立てるも、決定機に欠き試合終了。

●感想

都合により後半からの観戦であったが、サンガは基本的にボールは握れていた。が、「怖さが無い」状態。
相手陣地に押し込みながらも決定機は演出できず、4-3-3時より疑問を抱く事が多い試合だった。
4-3-3の時は「難しい事をやろうとして消化できないでいる」感じであったが、今回は消化以前に全然理解が追いついていないような感じ。暑さも影響したかも?

特に4-3-3時は、右SBの位置に入っていた川島が攻撃時にはボランチの位置に入ったり、機を見て攻め上がったり、大木体制時の安藤淳のような役回りを見せていたがこの試合では全くなかった。
というか逆サイドだったのと試合から消えていた為全く気づきすらせず…

その代わり、6番上野が良かった。ボールを引き出して前線へ供給しようとする姿勢が目立ち非常に好感が持てた。首振ってるところがちょっと荻野(現 讃岐)っぽかった。
どうしても中1時から抜けていた川島・小川・中野を目が追ってしまうので気づいていなかったが←、次見る時が楽しみな選手。
しかし期待のできる攻め筋としては小川の単騎突破などしかなく、阪上や日野も頑張っていたが有効打にはならず。苦しい。


サッカーは「攻・守・守→攻・攻→守」の4局面に分けて考える事ができるが、まずは守備(組織・個人両面)、そして守→攻での得点パターンの確立が無いと安定して勝ち点3を拾っていけない。(ボールは持てているので、自陣からの前進を含む「ボールを持った状態での崩し」ももちろん重要だが)
暑さの影響もあったと思うが、もっとゴールから逆算した攻めと高めでのボール奪取が見たかったところ。
というか、結果は二の次でいいが選手個人の戦術面・技術面でもうちょっと伸びシロを埋めてあげたい。本人たちの姿勢・資質の問題かもしれないが。。。


8月のクラ選を挟み、リーグの次戦は9/3(日)。
この日は下鳥羽開催で、16時からのプレミアEAST(U-18)とのはしご観戦も余裕で可能なので是非。





naoki-ks13-7.hatenablog.com

京都サンガF.C. 2017年度 U-18・U-15・U-13 背番号リスト

京都サンガU-15と、京都サンガU-13の選手リストです。

(追記:除けてるのもおかしいのでU-18も追加しました)

ここに名前が入っていない選手もいますので、わかっている範囲内のリストです。

U18は現時点での全員分(No.31小林はU-15に所属しながらプレミアのメンバーに登録済)

 

 【注意】

※クラ選の公式記録やスタメン写真などから当てはめていったのでまず間違いはないと思います。でも間違っていたらごめんなさい

※観戦時の参考にどうぞお使いください

 

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●日程

U-15

http://www.jfa.jp/match/prince_takamado_trophy_u15_2017/regional/kansai/

 

U-13

http://www.jfa.jp/match/u13_league_2017/kansai/

 

U-18

http://www.jfa.jp/match/prince_takamado_trophy_u18_2017/premier_2017/east/schedule_result/

 

京都スタジアムの現状について (H29年6月末時点)

たまには明るくて楽しい話をしたいので、今回は新スタジアムのお話。

 

京都新聞によると、6月議会において京都スタジアムの実施設計内容の概要が明らかになり、屋根がスタンドを完全に覆うだけでなくフィールドに少し張り出す形となっているとのこと。

 

全観客席に屋根設置 京都・亀岡スタジアム : 京都新聞(2017/6/28 22:00公開)

 京都府亀岡市に建設を予定する球技専用スタジアムの実施設計内容が28日、明らかになった。観客席最前列からフィールド側に約2メートル分、前に張り出した屋根で全席の頭上を覆う全国初の施設となる。試合開催日以外も会議室として使用できる個室付きのビジネスシートを約310席設ける。

 府によると、新スタジアムは高さ28メートル、地上4階の延べ床面積約3万3000平方メートル。2層式の観客席は約2万1610席を確保する。内訳は、一般席2万880席のほか、VIPシート(2階)約180席、ビジネスシート(3階)約310席、レストランに隣接し飲食しながら観戦できるスカイシート(4階)約180席、車いす席約60席。

 最前列席からプレーが行われるピッチまでの距離はバックスタンドから7・5メートル、メインスタンドから8・5メートル、サイドスタンドから10・5メートルと、間近でプレーを見られる距離にした。1人分の座席の幅は一般席が47センチ。VIP席は55センチで西京極陸上競技場より7センチ以上広い。

 北面と東面のスタンド下には、飲食店など10店舗程度が入居できる約1800平方メートルの「商業ゾーン」を整備する。東面の壁には、岩場を道具なしで登るスポーツ「ボルダリング」などができるクライミングウォールを設けるなど、多機能・複合型のスタジアムを目指す。

 

実施設計において部分部分修正がなされているからなのか、少し前まで見られる状態だった整備概要が見られなくなっていますが…それでも徐々に明らかになってきました。

www.pref.kyoto.jp/sisan/news/documents/seibigaiyou.pdf

 

京都サポですら現状をわかっていない人が多いでしょうから、現行の計画についてわかっている範囲内での情報を備忘録的にまとめておこうと思います。

 

 (7/6 19:00 一部追記・・・追記部分青字)

(下線アリ=リンク先参照)

 

 

はじめに。計画のあれこれ

話だすと日が暮れるので、1995年から今に至るまでの流れはどうぞwikiってください。今回はいま進めている計画の中身についてのみ言及します。アユモドキについても大方スルーで。

京都スタジアム - Wikipedia

 

現在の計画は、2010年の署名活動からの流れを汲んだ専用球技場整備計画(以降:現行計画)で、JR亀岡駅すぐそばにサッカー・ラグビー・アメフトなどの球技をする&見る場として専用球技場を整備するというものです。本来ならH28年度中にスタジアム竣工を迎えていたはず『でした』。

しかし、建設地付近に生息する天然記念物アユモドキの生息環境保全にまつわる調査に時間を費やしたほか、設計そのものが遅れるなどし、最終的には建設場所の変更に至った事でH29年度になった今も着工すらできていません。 ※H29年度1月着工予定

 

そういう色んな紆余曲折があったので、現行計画推進中に、スタジアム設備そのもの等様々なモノに変化が起きています。ここが把握しづらくなった部分?

大きな変化は3つあります。

 

 

 

一つ目の変化。「建設場所」

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亀岡スタジアム建設地変更決定 京都府が市に財政支援へ : 京都新聞

第一に建設予定地が変わりました。

当初の現行計画ではJR亀岡駅から北へ300m。桂川(保津川)と曽我谷川に挟まれた区域の土地が建設予定地だったのが、より駅に近い場所に。

 

元々は、「耕作放棄地になる前に都市開発を」という地元住民らの長年の要望もあり、亀岡市がJR亀岡駅北側の田園地帯をひっさげ、京都府のスタジアム建設地選定に立候補。

地元自治体が京都府に無償提供する形での整備が前提だったので、見事建設地に決まった亀岡市は地権者達から土地を買い取り、アユモドキを保護する共生ゾーンとスタジアムがある都市公園として整備していく形で計画が進められていました。

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 スタジアム事情や法に明るい方はご存知かもしれませんが、「都市公園法」という法律があり、一定の制約(設置できる施設の制限など)はあるものの、都市公園として整備をすると、公園となる土地の取得費用や上物の建設費用に対して国から補助金が下りるようになっています。

AC長野パルセイロの本拠地で知られる南長野運動公園総合球技場は、2015年に改修が完了した全面屋根付きのフットボールスタジアムですが、都市公園である南長野運動公園内にある為、"社会整備資本総合交付金"による助成を受ける事ができました。

なんと改修にかかる費用79億円に対して、国庫から38億円もの助成を受けています。

http://www.mlit.go.jp/crd/index/government/pdf/toshikouen.pdf

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/44993.pdf

 

スタジアム整備を行いたいけど財政的に…そんな地方自治体にとっては大きいですね。残念ながら財政事情が厳しい京都府亀岡市も、当初はこの恩恵にあずかろうとしていました。

 

しかし、先述した通り、「アユモドキの保護と速やかなスタジアム着工の両立を図るには建設地をズラした方が良い」との専門家会議の提言にならって建設地が移ることに。

都市公園内から、スタジアムと並行して都市開発計画が進められていた駅北開発地区に建設地が移る事となりました。

この第一の変化の結果、京都スタジアム計画そのものが大きく変貌する事となるのです。

(以下、当初案を「都市公園案」。最新の案を「駅北地区案」とします。)

 

 

 

2つ目の変化。「コンセプト」

第二の変化は建設のコンセプト。

環境が変わった事により、整備における考え方が変わりました。マインドが変わったともいうことです。

 

新たに建設場所となった駅北開発地区は、元建設地とは異なり商業施設などを建てる為に都市公園として整備しません。ですから、駅北地区案では先ほど紹介した社会整備資本総合交付金による助成を受ける事はできなくなりました。(※その代わり別の助成を活用できるように。後述します。)

一方、法による制限を受けずに自由な開発をすることが可能になり、スタジアムの複合化や多機能化が容易になったりするなどのメリットが生まれます。

 

当初の都市公園案では、「収支は赤字でも赤字額はできるだけ小さくする。その上で、賑わいを作ることで赤字額を補って余るだけの公益をあげよう」という考え方でした。

この考え方でも十分ではあるんです。「スタジアム・アリーナ改革指針」でも、単なる採算にこだわるのではなく都市開発の中できちんと投資以上の効果を出す事が大事だとされています。

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しかし、建設地変更や、着工延期を繰り返しているうちにスタジアム・アリーナ改革指針の発表など周辺環境が変化し…

現在の駅北開発地区案では、都市公園案の更にその上を行く)「利益も公益も上げるスタジアム」へと考え方が変化してきました

市立吹田サッカースタジアムも、採算面でプロフィットセンター化できているはずですが、京都スタジアムでも実現できるとなると素晴らしい事です。

 

 

スタジアムは、複合化や多機能化を実現できると「収益性の向上」などの様々なメリットが生まれるとされています。

www.nikkei.com

これまで日本においてサッカースタジアムの整備が進んでこなかった最大の要因は「黒字経営のスタジアムがない」事です儲かるのならみんな進んでやりますよ。民間企業も。

でも、残念ながらそうではなく――。京都スタジアムの整備が進んでこなかった原因でもありました。

公共性を重視して利便性の低い所に陸上競技場を建てる

人が入らない

自治体の負担に

 

利便性の低い所にサッカースタジアムを建てる

ある程度人は入るが稼働率が上がらない

自治体の負担に

こうした負のスパイラルのせいで成功事例が生まれず、競技人口・人気と反比例して後回しにされてきた訳です。

(「日韓W杯のスタジアムの内黒字は札幌ドームだけ!」とは言うモノの、各施設の残念な立地や機能、残念な観戦環境、小型フットボールスタジアムの比ではない高額の維持費などを考えたら、コストセンターになるのは必然… ※カシマ・ノエビア神戸は例外)

 

現に、Jリーグブーム時や大規模大会誘致によってサッカースタジアム・フットボールスタジアムを建てた所はありますが、それ以外でJ1規模の陸上競技場ではないスタジアムが整備されたのは、アルウィン(松本)・フクダ電子アリーナ(千葉)・南長野・市立吹田・北九州のたった5例のみです。

 

 

話を元に戻します。

利便性の高い場所に複合化・多機能化されたスタジアムを整備できるようになると、整備時に民間資金を調達できる可能性が高まったり、整備後の収益性が上がって黒字経営が可能になります。毎年の黒字分で初期投資費用を回収できる可能性も高くなります。

すると、自治体にとっては施設を整備しやすくなりますよね。

 

またJリーグクラブを既に応援している方なら実感されている事かと思いますが、サッカー観戦を通じて郷土愛が深まったり、観光の機会が増加したり、スポンサー企業の製品を愛用したり、人と繋がったり、政治や社会問題に関心を持ったり、人々の生活に"ポジティブな変化を起こす力"が地域密着型のスポーツクラブにはあります

そうしたポテンシャルがようやく評価され、国策という言い方はあまり好きではありませんが、国家戦略の一つとしてスタジアム・アリーナ改革が進められているのは紛れもない事実。

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0609/shiryo_07-4.pdf

 

京都スタジアムはそんな状況の中で進められている計画である為、京都スタジアム計画の結果いかんでは、単に日本のスタジアム事情が変わるだけでなくて日本全体を変える可能性があるのです。

 

Jリーグのポテンシャルが最大限に発揮される事で、Jリーグクラブとスタジアムをハブに、人と行政と企業らが相互に繋がる。

教育問題・郷土愛の育成地方活性化や地域創生災害対策IcT推進働き方改革国際交流・観光振興・産業振興と税収増加・健康増進と社会保障関係費の減少・少子化問題

もうどんどん人口と税収が減少していきますから、様々な社会問題を抱える我が国および各地方自治体にとって、今がスポーツの力を活用して変化を遂げるラストチャンスなんです。

(※沖縄や甲府などのスタジアム計画はまだ設計にも入っていないので、先行事例となるのが本計画)

日本スポーツの5か年計画がスタート(2017年4月~2022年3月):スポーツ庁

 

現に、この京都スタジアム計画では内閣府からの助成文部科学省からの先行事例の指定を受けて民間事業者による運営管理の検討がなされています。

また、カフェやレストランなどの付帯施設とは別に、商業施設を設置できるスペースを基本設計段階で設けています。

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これらによって、サンガを含む民間企業が府に代わってスタジアムを維持管理し、スタジアム管理事業で収益を得る可能性も高まってきました。

 

完全民間主導で整備した市立吹田サッカースタジアムも非常に大きなプロジェクトで、良い先行事例だとは思います。

ただ、指定管理者制度の活用を含めた「自治体が施設を整備し民間が管理する」「整備段階から民間活力を活用する」形が今後も主流となっていく可能性が高い事と、スタジアムでのコンセッション方式導入は日本で例がないことから、この京都スタジアム計画にかかる期待は非常に大きいと言えます。

(だからこそ、管理者になる・ならない抜きに、京都サンガにかかる責任も大きいのですが…………泣)

 

 

 

3つ目の変化。「スタジアム設備」

最後にスタジアム設備の変化。

やはり我々見る者が一番気になるのは快適に観戦する為の環境。結局コレが整っていなければ意味を成しません。

 

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先述した建設地の変更とコンセプトの変化から、いくつか設計中に変更された点があります。

都市公園案(画像上)と駅北開発地区案(画像下)とでは、「楕円形から八角形に」「スタンドが一層式から二層式に」などの変化のように見た目でわかる違いもいくつか。

 

面倒なので簡素にまとめて見ましたが、

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こんな感じに。

 

今年開業のミクニワールド北九州スタジアムがフィールド面積122.6m×85.2m市立吹田サッカースタジアムで125m×82mほどですから、これらと同様にピッチと近い所で臨場感あふれる観戦体験ができる事でしょう。

レベルファイブスタジアムキンチョウスタジアム(1~2期改修後現在)のように、ラグビーに合わせて長めにフィールドを取ったりしていないので、サイドスタンド(ゴール裏)の見づらさを心配する必要はなし。

 

それから、高さが低くなった事で試合を俯瞰で見る為に必要なスタンドの傾斜を心配する声もありますが、国内最高峰40度の傾斜を誇る鳥栖最高高さ29.5m(2.5万人収容)なので期待はできると思います。

 

また、当初はフィールドとの高低差を無くした"ゼロタッチ"を謳っていましたが、通風口を設けて芝の育成に役立てる為に1.2mかさ上げされる事となりましたちなみに、市立吹田サッカースタジアムが1.5mとの事です。

より質の高い試合を行う事とコンサートなどイベント利用を考えると、芝の育成を配慮したのは間違いなく正解だと思います。

※ちなみに芝の育成にはサンガも興味を持っているようです。

 

 

付帯施設・複合施設で収益を設ける事も大事だけど、まずはスタジアム本体で維持費以上の収益を生む事が大事。

その為にも、まずはサッカーら球技のポテンシャルを最大限に発揮できるふさわしい器に仕上げなければならないし、ポテンシャルを発揮する為のホームチームの頑張りも不可欠……

いまのところホームチームの頑張り以外は問題なさそうです。。。

 

 

 

今後の動き

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現在は、「実施設計」と「運営権の売却または管理の民間委託に関する調査・検討」の真っ最中。

今後は、

2017年 8月 工事そのものの入札

2017年12月 議会提出

2018年 1月 工事着工(議会で承認される・アユモドキ育成に影響と認められた場合)

2019年 8~12月 竣工

2020年シーズン 供用

 順調にいけばこのように進んでいくとされています。

京都・亀岡スタジアム議案可決 工事着手へ準備完了 : 京都新聞

 

 

運営権や付帯施設については、のちのち報道などで明るみになるでしょう。

 

たこの間、京都スタジアムでも寄付を個人や法人から募って税負担額を減らすとの報道がありましたので、寄付と引き換えにネームプレートを掲示できるだとか、そういう施策の実施が今後あるかもしれません。

ミクニワールド北九州スタジアム都市公園に建てたスタジアムでもなく、いわゆる"吹田方式"でもありませんが、ふるさと納税制度活かした寄付が実施されました。

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まだの方はどうぞ今から京都スタジアム貯金を。

(ちなみに、セレッソの桜スタジアム計画では寄付金受付を実施中です

 

 

 それから、先述した通り社会整備資本総合交付金の活用はできなくなったものの、代わりにスポーツくじtotoの収益による助成を受ける事が可能になり、無事に採択されたので30億円の助成を受ける事が確定しました!

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吹田・北九州に続く、3例目となります。次はリニア駅付近に建てた場合の甲府かな~

この助成金で府の負担が減りますし、初期投資費用が抑えられるので収益性↑

更に、toto助成は「スタジアム整備を目的とした助成(例:社会整備資本総合交付金)」以外であれば併用できるようになっているので、市立吹田同様に国交省などからの助成金を受け取る可能性もあります。

 

 

 

スポーツ文化の発展土台として、また閉塞感のある府・亀岡市・サンガの起爆剤となれるのかどうか。

アユモドキ保護が最優先ですから、場合によっては着工の延期や工事の中断もあり得ますが、長年待ち望んできたフットボールスタジアムの完成までもう少しです。

 

 

P.S.

気が向いたら次はスタジアム整備費用か施設運営形態について軽くまとめます。

(2017/8/19追記:費用について触れたよ↓)

 

 

 

 

 

 

●資料

スタジアム・アリーナ改革ガイドブックの公表について:スポーツ庁

平成 28 年度 PPP/PFI に関する支援 支援対象の決定及び二次募集について:内閣府

文教施設における公共施設等運営権の導入に関する検討会 議事要旨・議事録・配付資料:文部科学省

スポーツ未来開拓会議 中間報告:経済産業省

スポーツの未来に向けて「スポーツ未来開拓会議(第3回)」:公益社団法人日本プロサッカーリーグ

「企業立地促進法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました(METI/経済産業省)

日本再興戦略 未来投資戦略2017(ポイント)

第2期スポーツ基本計画について(答申):スポーツ庁