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西京極陸上競技場に京都スタジアムを重ねてみた

 

今回は雑なお遊びです。

 

 

突然ですが、「吹田スタジアム最後列が日産スタジアム最前列内に収まるwww」みたいな画像を見た事ある方は多いのではないだろうか?

 

これのこと。(でかい)

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まあ実際にはここまですっぽりとは入らなさそうなのですが。190mと200mではね。

http://www.jssc-test.net/symposium/pdf/fy2016gyouseki4.pdf

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さてここからが本題。

この比較画像でコンパクトさを強調されている4万人収容の吹田と異なり、京都サンガの新本拠地となる京都スタジアム(仮)は収容2万1500人で大きさは180m×143m(公式にわかる範囲内)である。

https://gprime-ebid.jp/26000/CALS/PPI_P/DownLoad/20170814541782017081415104107%20sekkeizu.pdf

 

という事は、日産スタジアムなら縦は問題なく入る大きさ。ただ、"横酷"と比べても実感が沸かないので西京極と比べて見てみよう!というのが今回のお遊びである。

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ちなみにGoogle先生の精度はハーフウェイライン68mをこのように測れる優れもの。

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では実際に測ってみる。

まず南に90m。

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北に90m。わかっていた事だが南北のサイドスタンドに関しては陸上トラック内にすっぽり収まるようだ。

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次いで横幅143m。

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で、この基準点に合わせてスタジアムを置くと…こうなる。(正確無比ではないよ。念の為)

フットボールスタジアムのコンパクトさを改めて感じる結果となった。今回はこれだけ。

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おまけ

真円状のエディオンスタジアム広島なら「ベストアメニティスタジアムぐらいでも入るかも…」と思ってやってみた結果。鳥栖スタジアムは縦約190×横約125である(1996年発行"日本のサッカースタジアム-今日そして明日-"によると189.7×126.5)

http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1394685708434/index.html

 

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鹿児島サッカースタジアム問題 経緯まとめ

 

 

現在計画が進められている鹿児島サッカースタジアムについて、その歴史を紐解くと共に今後の経過を見守る為のまとめ。

なおネット上で調べられる情報をまとめただけなので、鹿児島在住の方がより深く掘ってwikiにでもまとめてくれるとありがたい。

 

 

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引用元:鹿児島ユナイテッドFCホームゲーム!6/26 17時キックオフ!: アラサー女子が鹿児島の魅力を伝えるブログ

 

 

 

●1.5万人~3万人収容専用球技場整備計画

1990年2月26日

県が「国際的スポーツイベントの開催が可能なスポーツ中核施設の整備」の記述を含む計画素案(都市計画?)を公表

1992年7月 2002年サッカーW杯開催都市立候補断念

1993年7月頃

鹿児島市が計画している『ふれあいスポーツ』の場所が確定し、サッカー場を"大手ゼネコンF工業"と"N株式会社"が整備するという情報が一部で流れる?(※94年3月7日鹿児島市議会より)

1994年1月24日

鹿児島市が中山地区にJリーグ開催可能な専用球技場整備を発表

1994年3月7日 鹿児島市平成6年第1回定例会

平山たかし議員「ふれあいスポーツランドの建設については、昨年七月、中山町に既に決定をし、土地買収と造成は鹿児島市在住のI氏とNセンターが、大手ゼネコンのF工業とN株式会社がサッカー場などの上物をつくるという情報が入り、その後も土地売り渡し承諾書の存在、開発に関する同意書の徴収、既に関係業者の間ではサッカー場などの図面もでき上がっているというように、まさに黒い霧の中で何かがうごめいている状況が続いております。このような中で、市当局は一月二十四日に中山町にJリーグ開催可能のサッカー場をつくることを発表しました

鹿児島市企画部長「昨年の十一月二日付で開発業者から内容証明郵便が出されましたので、十一月二十五日付で次のように回答してございます。回答内容といたしましては、本市としては、専用球技場を中心とするふれあいスポーツランド建設事業を計画しているところであるが、現在、適地の選定を各面から検討している段階である。この種の事業を進めるに当たっては、土地は地権者から市が直接買うこと、造成も市が直接行うこと、施設の建設も市が直接行うこととしている。したがって、ふれあいスポーツランド建設についてもこの原則を踏まえ進めてまいりたいということで回答をいたしてございます。次に、計画の図面と業者の図面が一致しているということでございますが、市の計画と開発業者の計画とは全く別のもので、関係はございません。また、市の情報は一切漏れていないと考えております。

93~94年時点では県・市・民間の3つの専用球技場計画が存在していた事に

1994年3月10日 鹿児島県議会平成6年第1回定例会

県知事「スポーツ中核施設につきましては、これまで他県の事例調査とか適地調査を実施するなどいろいろと検討を進めてきたわけでございます。その過程で、今もお示しがございましたように、鹿児島市においても専用球技場などを建設したいという意向を示されたわけでございますので、同じようなものを二重に建設するのはどうかというようなことで、市との調整を図る必要性から、市の動向を見守っていたために予定どおりの建設地の決定ができなかったわけでございます。鹿児島市の計画につきましては、いろいろ検討されておるようでございますが、まだ決定には至っていないということでございまして、公式な話もございませんし、詳しい内容については私も承知をしておりません

1994年3月11日 鹿児島県議会平成6年第1回定例会

県知事「市の考え方を把握した上で最も合理的な進め方をしたいと、そういうことで、いましばらくお待ちを願いたいと、こういうことを申し上げておるのでございまして、気持ちの上では、もう熟しておるわけでございます、私の方も。いかに具体的に進めるかというところで、もう具体的な問題として今調整に入っておると、そういう気持ちをひとつ御理解を願いたいと思うのでございます

この時点ではまだ県と市にそれぞれ専用球技場整備構想があり、県と市が調整中

1994年6月22日 鹿児島市

市が鹿児島市中山町の土地を2万人~3万人規模の専用球技場を含む『ふれあいスポーツランド』の計画地と発表

 

同日 平成6年鹿児島市議会第2回定例会

平山たかし議員「経過を見てみますと、鹿児島市が候補地を発表する前に不動産業者が動き、土地の買収はこの業者、土地造成はあの業者、上物を建設をするのはゼネコンのF工業、その間の資金を出すのはこの金融機関、こういうような話し合いが持たれ、しかもその話し合いは、関係する地域の住民多数を集めての説明会へと広がってまいりました。そのうちに、サッカー場の工事はF工業とフリューゲルスと関係のあるS工業が共同で行うと、こういうような情報まで飛び交うようになりました。そして現実に、不動産業者などが土地所有者から土地売渡承諾書をとったり、スポーツランド開発に関する同意書を集めたりして、鹿児島市にこの件に関する一連の権利を認めるよう申し入れを行うという事態にまで進んでまいりました。このような問題点を含んだまま建設計画が進むのを、私ども認めるわけにいかないのであります。

真偽はともかく佐藤工業の名前が登場。(一方のF工業、フジタならベルマーレの名が出てくるはずだが…フジタは当時平塚や等々力などのグラウンドを施工)

1994年6月27日 平成6年鹿児島県議会第2回定例会

知事「鹿児島市においてもふれあいスポーツランドに専用球技場を建設したいという意向が示されておりましたので、同じような施設を二重に建設するのもどうかということもございまして、市と調整を行って建設の方向を決めたい、そういうことで今日まで市の動向を見守ってきたわけでございます。私どもが思っていた市の意向よりも早く決定がされたような感じがいたしました。まあそれは大変結構なことであったわけでございますが、今後市の用地確保のめどがつき次第、かねて申し上げておりますスポーツ中核施設の建設について具体的な調整をし、そして具体的な進め方を考えていきたい

県と市の計画が一本化し、協調して鹿児島市中山町の『ふれあいスポーツランド』に整備する流れへ

1994年9月20日 平成6年鹿児島市議会第3回定例会

市長「また国際試合やJリーグの試合が開催可能な本格的専用球技場を建設したいと考えまして、その建設に向けて取り組みを進めておるところでございます。一方また県におきましても国際的スポーツイベントの開催が可能な多目的球技施設の建設を計画をされておることは御案内のとおりでございます。県とされましては、鹿児島市が専用球技場をつくるとすれば同じような施設を二重に建設するのはいかがなものかということで、建設場所等を調整をして一緒になって進めたいと、こういう意向を持っておられます。私といたしましても、これは一つの方法であり今後県とも十分な調整を図りながら進めてまいりたいと考えております。正式には用地確保のめどがついた段階で具体的な協議を進めていくことになろうかと思います。なお、土地代などの取り扱いについても今後これを具体的に詰めていかなければならない課題であると、このように認識をいたしております。

市長「ふれあいスポーツランドに建設をするサッカー場は、市民のサッカーへの関心の高さを背景に市民レベルでの試合を中心にJリーグや国際試合にも対応できるものにしたいと考えております。建設省が示しました基準の中でA二にランクされておるものが収容能力一万五千人から三万人で、配置の考え方として都道府県ごとにおおむね一カ所程度ということでございますので、これが一つの目安になるのではないかと、そういう気持ちを持っております

1995年3月8日 平成7年鹿児島市議会第1回定例会

平山議員「専用球技場の基本計画は県がつくり建設も県が行うということでありますが、他の都市を調査をしての問題点は、その専用球技場の管理運営はどこが行うかという問題であります。そのことについて整理はできたのか

1995年9月27日 平成7年鹿児島県議会第3回定例会

知事「多目的球技施設につきましては、お示しのように、鹿児島市が整備するふれあいスポーツランド予定地内に県が建設をするということにしておりまして、鹿児島市ともいろいろ話をしております。現在鹿児島市におきまして、県や学識経験者等で構成する、県も入ってという意味でございます、基本構想等検討委員会を設置をして、ふれあいスポーツランド全体の基本構想策定作業を進めておられるわけであります。ただ、今も申し上げましたように、県も参加しておりますので、その中でいろいろ意見を申し上げながら、そしてまた買収がこれからであるもんですから、具体的なことはなかなかまだ決め切らないわけでありますけれども、そういう、そこでできた基本構想を踏まえて、できれば本年度内に基本計画を県として策定をしたいと、こういうふうに思っております。この施設は、かねて申し上げておりますように、三万人程度の収容規模を有するものと考えておるわけでございますが、施設内容につきましては、今後、関係団体等の意見を幅広くお聞きしながら、国際試合も十分開催できる立派な施設にしたいと考えております

1996年3月7日 平成8年鹿児島県議会第1回定例会

さらにサッカー等の専用球技場を整備することなどによりまして、このチームを支援してまいりたいと考えております。
 次に、スポーツ中核施設の整備につきましては、多目的球技施設の整備に現在取り組んでおりまして、鹿児島市の用地取得等の状況にもよりますが、現在のところは、平成十二年度には完成させたいと考えております。

県と市が協力して鹿児島市中山町のふれあいスポーツランドに専用球技場を整備する流れが確立済

※=ヴォルカ鹿児島

1996年10月07日 平成8年鹿児島県議会 文教商工労働委員会

国際的なスポーツイベントも開催可能なスポーツ中核施設として検討を進めてまいりました多目的球技施設につきましては、先般、約三万人の収容能力を有し、屋根付きのメインスタンドとバックスタンド、映像も可能な大型電光掲示盤、競技や運営のための諸室を備えましたメインスタジアムを整備いたしますとともに、スタジアム内に本県スポーツ史の資料等を展示するスポーツミュージアムを設けることなどを内容といたしました基本計画を策定したところでございます。本年度は、この基本計画を踏まえまして基本設計を行う」

2001年12月10日 平成13年鹿児島県議会第4回定例会(県知事発言)

県政の懸案事項であります多目的球技施設につきましては、これまで長年検討をいたしてまいりましたけれども、過去におきます観客動員数、これに要するスタジアム建設に要する経費並びに財政の極めて厳しい環境、こういうことを総合的に考えまして、九月十八日の県議会の財政改革プログラム骨子における多目的球技施設の取り扱いにつきましては、代表質問に対しまして「凍結せざるを得ないと判断している」と申し上げたところであります

※その後、「スポーツをする」事を主目的とした収容人数1000人規模の県立サッカー・ラグビー場を建設(ベンチシート720人・芝生席2300人)

 

 

 

鹿児島ユナイテッドの本拠地となる専用球技場計画経緯

2013年

ヴォルカ鹿児島FC KAGOSHIMAの統合が決定。「FC KAGOSHIMAが統合して名前を変えた」事になっているので、以前の専用球技場計画とも一応絡みのあったヴォルカはここで歴史に幕を下ろすことに

2014年

鹿児島ユナイテッドJFLに参戦

2015年3月10日 平成27年鹿児島市議会第1回定例会(副市長発言)

ホームスタジアムにつきましては、当面、J3に向け、県において対応されるものと考えております

現在、サッカー専用スタジアムの整備計画等はないところでございます

2015年11月17日

Jリーグ理事会にて鹿児島ユナイテッドのJ入会が認められる

2015年12月7日 平成27年度鹿児島県議会第4回定例会

今年度は、クラブを初め、鹿児島市や県サッカー協会等とともに実行委員会を設置し

2015年12月9日 平成27年鹿児島市議会第4回定例会 (森市長発言)

J2以上に対応するスタジアムの整備につきましては、さまざまな課題がございますが、本市としても県などと連携しながら今後検討してまいりたいと考えております

2016年3月1日 平成28年鹿児島市議会第1回定例会

井上剛議員が鹿児島中央駅西口の県工業試験場跡地および民間所有地も含む市の公園用地全体をスタジアム建設候補地としてどうか見解を質問

2016年6月10日 平成28年度鹿児島県議会第2回定例会

スタジアムに関して市と協議しておらず、市から打診もないと発言

2016年6月22日 平成28年鹿児島市議会第2回定例会

田中良一議員が鹿児島駅中央駅西口一帯の土地についてスタジアム候補地としての見解を質問

市観光交流局長「今後、県や関係団体等と連携して場所等も含め各面から検討してまいりたいと考えております

2016年7月10日 鹿児島県知事選挙

三反園氏がサッカースタジアムや3万人規模ドーム球場の整備を公約に掲げ当選

2016年8月18日 県市意見交換会

サッカースタジアム整備にむけて県と市で協調していく事を確認

2016年9月28日

鹿児島ユナイテッドの申請したJ2クラブライセンスがスタジアム要件で不交付になり、この時点でJ2昇格が潰える。なおJ3ライセンスは取得

2016年10月16日

鹿児島ユナイテッドFCサポコミュニティが鹿児島に「新」スタジアム整備を要望する署名の募集開始

2016年10月28日

鹿児島市が県有地であるドルフィンポートへのスタジアム整備を検討していると報道

2016年11月27日 鹿児島市長選挙

現職の森博幸氏がサッカースタジアム整備を公約に掲げ再選

2016年12月16日

署名73863名分を森市長・三反園知事両名に提出

鹿児島に「新」スタジアム整備を要望する署名提出について » 鹿児島ユナイテッドFC オフィシャルサイト

2016年12月19日 県市意見交換会

三反園知事と森市長がスタジアムに関する協議会立ち上げで同意

平成28年12月27日(火曜日)市長定例記者会見|鹿児島市

 

同日 知事定例記者会見

「ただ、私といたしましては、ドルフィンポートの所は桜島を見る一番景観としては良い所かなと思っておりますし、仮にサッカー場を造った時に、何かあった時の避難施設になり得るかなと思っておりますので、場所的にはなかなか適さないのではないかなと私は思っております」

鹿児島県/平成28年12月19日定例知事記者会見

2017年3月27日 第1回サッカー等スタジアム整備検討委員会

H29年度内中に意見を取りまとめ、森市長に提言する事に

サッカーJ3・鹿児島ユナイテッドFCのホームとなる新スタジアム建設の検討協議会が27日、鹿児島市で初会合を開いた。

協議会の井上佳朗会長(鹿児島大特任教授)や、県サッカー協会の関係者ら11人が出席。現在、ホームスタジアムとして使われている鴨池陸上競技場が、鹿児島国体に向けた改修工事後もJ2ライセンスを満たさないことや、Jリーグの試合以外の使用状況などを確認した。

協議会は5月中旬、熊本市でJ1ライセンスを満たすロアッソ熊本(J2)のホームスタジアムを視察し、6月下旬に2回目の会合を開く予定。

2017年5月15日 サッカー等スタジアム整備検討委員会

2回目の会合を前にミクニワールド北九州スタジアムえがお健康スタジアムを視察

2017年6月27日 第2回サッカー等スタジアム整備検討委員会

新設のサッカースタジアム(=陸上機能を有しないスタジアム)の整備の必要があると意見が一致。

サッカーJ3・鹿児島ユナイテッドFCのホームとなる新スタジアム建設について話し合う第2回検討協議会(会長=井上佳朗・鹿児島大特任教授)が27日、鹿児島市役所で開かれ、専用スタジアムを新設することで一致した。今後、立地条件や施設概要などについて協議する。 この日はJリーグのスタジアム関連の担当者も出席し、国内外の状況を紹介。海外ではホテルや高齢者住宅、商業施設を併設し、スポーツ以外にも活用している例などを示した。ユナイテッドの徳重剛代表も出席し、J1昇格までのクラブライセンスの取得条件を説明。現在の県立鴨池陸上競技場の客席にはほとんど屋根がなく、3分の1以上に屋根があるという条件を満たさないことや、競技場の改修と新設は費用が同じ程度になることを示し、「経済効果も考えると、まちなかでの新設がクラブの意見」と述べた。

委員からは「試合と競合して陸上競技に使えない」という指摘のほか、「試合がない日をどうするかが課題」「まだまだ市民の支持が必要」などの意見が出たが、現在の競技場の改修を望む意見は出なかった。終了後、井上会長は「専用スタジアムの建設に異論は出なかった。市民の理解を得られるだけの建設理由が必要になる」と語った。

2017年6月29日 鹿児島県議会

ドルフィンポートを含む本港区活用調査についてスポーツ施設は検討対象としないと土木部長が発言

鹿児島本港区活用で答弁 スポーツ施設整備は検討せず

鹿児島市のドルフィンポートを含む鹿児島本港区エリアの活用に向けた調査を巡り、県は28日、サッカースタジアムなどのスポーツ施設の整備は検討対象としない考えを示した。

 

 同日の県議会一般質問で、宝来良治議員(自民)の質問に渡辺茂・土木部長が答弁した。県は来年2月をめどに複数の施設配置イメージを作成し、2018年度にグランドデザインを描く予定。

鹿児島市のドルフィンポートを含む鹿児島本港区エリアの活用に向けた調査を巡り、県は28日、サッカースタジアムなどのスポーツ施設の整備は検討対象としない考えを示した。

 

 同日の県議会一般質問で、宝来良治議員(自民)の質問に渡辺茂・土木部長が答弁した。県は来年2月をめどに複数の施設配置イメージを作成し、2018年度にグランドデザインを描く予定。

鹿児島市のドルフィンポートを含む鹿児島本港区エリアの活用に向けた調査を巡り、県は28日、サッカースタジアムなどのスポーツ施設の整備は検討対象としない考えを示した。

 

 同日の県議会一般質問で、宝来良治議員(自民)の質問に渡辺茂・土木部長が答弁した。県は来年2月をめどに複数の施設配置イメージを作成し、2018年度にグランドデザインを描く予定。

鹿児島市のドルフィンポートを含む鹿児島本港区エリアの活用に向けた調査を巡り、県は28日、サッカースタジアムなどのスポーツ施設の整備は検討対象としない考えを示した。

 

 同日の県議会一般質問で、宝来良治議員(自民)の質問に渡辺茂・土木部長が答弁した。県は来年2月をめどに複数の施設配置イメージを作成し、2018年度にグランドデザインを描く予定

鹿児島市のドルフィンポートを含む鹿児島本港区エリアの活用に向けた調査を巡り、県は28日、サッカースタジアムなどのスポーツ施設の整備は検討対象としない考えを示した。

 

 同日の県議会一般質問で、宝来良治議員(自民)の質問に渡辺茂・土木部長が答弁した。県は来年2月をめどに複数の施設配置イメージを作成し、2018年度にグランドデザインを描く予定。

鹿児島市のドルフィンポートを含む鹿児島本港区エリアの活用に向けた調査を巡り、県は28日、サッカースタジアムなどのスポーツ施設の整備は検討対象としない考えを示した。

https://mainichi.jp/articles/20170629/ddl/k46/010/292000c

2017年8月4日 市長定例記者会見

「サッカースタジアムについては、鹿児島市としては、28年度末に協議会を立ち上げて、今2回ほど協議をしていまして、具体的に言いますと、今度8月に幹事会まで開いて、最終的には協議会を開くというように、鹿児島市としては進んでいますが、県としては、まだ策定委員会の中で体育館を主にということで、なかなか取り組みの温度差があるように感じます」

平成29年8月4日(金曜日)市長定例記者会見|鹿児島市

2017年8月25日 第3回サッカー等スタジアム整備検討委員会

新しいサッカースタジアムについて話し合う協議会が25日、鹿児島市で開かれ、立地は「都心部」がふさわしいとまとまった。どんな場所が最適か話し合う前に県の担当者が「ドルフィンポートは考えていない」と発言し委員からは戸惑いの声もあがった。協議会は鹿児島市や県の担当者などが出席しサッカースタジアムの立地については議論した。県企画部の木場信人次長が「所有者の県としてはドルフィンポート敷地についてはサッカースタジアムの立地は考えていない」と発言。どんな場所が最適か話し合う前に飛び出した発言に委員からは「違和感がある」といった声も上がった。結局、集客性、収益性の面で「都心部」に作ることが望ましいとの結論に至った。協議会後、取材に対し木場次長は「今後、議論が無駄になる可能性がある。そういうことがないよう改めて県としての考えを表明した」と話した。次回は10月下旬に開かれる予定。

サッカースタジアム協議会「都心部が最適」 | NNNニュース

 

鹿児島市のサッカースタジアム整備について話し合う「サッカー等スタジアム整備検討協議会」の第3回会合が25日、鹿児島市役所であった。利便性の高さや地域経済の活性化が見込めるなどとして「中心市街地などを含む都心部での立地が望ましい」との意見をまとめた。委員長の井上佳朗・鹿児島大学特任教授は「稼働率を高めてランニングコストを抑え、収益性と公益性を兼ねた施設を目指したい」と話した。 このほか会合では、市が各種スポーツイベントやコンサートなど多目的に利用できる仕様を提案。これに対し、委員から「プロスポーツを最優先した営利目的の施設と定義づける必要がある」などの意見が出た。(毎日新聞地方版8月26日)

鹿児島市のサッカースタジアム整備について話し合う「サッカー等スタジアム整備検討協議会」の第3回会合が25日、鹿児島市役所であった。利便性の高さや地域経済の活性化が見込めるなどとして「中心市街地などを含む都心部での立地が望ましい」との意見をまとめた。

 

 委員長の井上佳朗・鹿児島大学特任教授は「稼働率を高めてランニングコストを抑え、収益性と公益性を兼ねた施設を目指したい」と話した。

 このほか会合では、市が各種スポーツイベントやコンサートなど多目的に利用できる仕様を提案。これに対し、委員から「プロスポーツを最優先した営利目的の施設と定義づける必要がある」などの意見が出た。

https://mainichi.jp/articles/20170826/ddl/k46/010/250000c

 

 

 

 

 

※資料

サッカースタジアムに関する議事録 - 鹿児島県議会議員しもづる隆央「ツルのヒトコエ」

 

 

京都スタジアム(仮)でのサンガの応援について

 

 

という事でようやくクラブ側が話をする事になったわけですが、目先の昇格如何以外にも喫緊の課題がたくさんあります。たくさんです。

その中の1つが、設計図が公開されるなど徐々に全容が明らかになってきた新スタジアム 京都スタジアム(仮)での応援です。

https://www.city.kameoka.kyoto.jp/suisin/kurashi/kyoiku/leisure/sports-jigyo/documents/setsumeikai.pdf

https://gprime-ebid.jp/26000/CALS/PPI_P/DownLoad/20170814541782017081415104107%20sekkeizu.pdf

 

 

 

現状のサンガの応援

西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(←は?)を本拠地として使用する京都サンガは、2011年より北スタンドをサンガサポーター席、南スタンドの一部をアウェイ側のサポーター席としてチケットを販売しています。

その為、北サイドスタンド席3284席が京都サポーターが立見可能な席で、実質的にはFの前方ブロックを中心にF後方・I・H・G・E・Dが90分間立って応援するサポーターのエリアとなっています。

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南スタンドがサンガサポーター席だった頃の京都ゴール裏と北スタンドがこう


 


 

 

 

現状、サンガの試合では試合前のバックスタンドやメインスタンドを巻き込んだ応援が一番エンタメ性のある時間帯となっており、

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また試合後についても全くクラブ側が調整する気もないのでサポーター主導でなんとか盛り上げるしかないのが現状。


  

ということで、サンガの試合を観戦して「楽しかった!」と思わせる為にも我々サポーターがなんとかする事が必要不可欠なのですが…

 

現在公開されている資料によると新スタジアムは2層目が1層目に乗り出すような形で設計されており、2層目から1層目が見えない可能性が考えられます。(弧を描いている部分は下層が見えますが)

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2層構造ではない西京極から移転する訳ですから元々ゴール裏の応援スタイルも必然的に変化せざるを得なかったとは思いますが、2層目から1層目が見えないとなると試合前後そして何より試合中の応援により工夫を要することとなるでしょう。

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設計図を見た限り、サイドスタンド1層目全長=17m:2層目全長約15m。うち2層目の先端約5mが1層目に被っていると推測されます。(設計図3階平面図より)

 

 

 

他のスタジアムではどうなのか

京都スタジアム(仮)同様に2層目が1層目に乗り出しているスタジアムは国外では主流ではなく、南長野・吹田・北九州と最近国内で開業したスタジアムに多い形です。

南長野(バック・メイン/2層目12.8m)

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北九州(1層目14m:2層目18m+被り部分)

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国外だとボルドーの新スタジアムなど。HPの充実っぷりにスタジアム文化を感じます

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同じ2層式でもフクダ電子アリーナのような2層目が1層目に乗り出していないスタジアムでは2層が一体となった応援が容易です。

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一方、北九州スタジアムでは2層目から1層目を視野に入れながら応援をするのは困難です。

 

もし北九州スタジアムと同様に2層目から1層目を視野に入れる事ができないとなると、「リード役を二層目にも設ける」「試合前の京都サンガコールおよびアンセム斉唱はスタジアムDJが誘導する」「現在と変わらずサポーターが主導して盛り上げる」等いくつものパターンが考えられます。

またそもそも、2層目を立ち見可能な席として販売するかどうかわかりません。

 今井社長すっ飛ばされ以降は新スタジアムについての言及を避けられてきましたが、クラブとサポーターが共に新スタジアムでの応援を考え、逆算して仕掛けていく時期に入ってきたと思います。そろそろ話してくれないと困ります。

 

なお、2層目から見て1層目(の前方部分)が視野に入らないのかどうかは以下の文面で府に問い合わせ中です。

京都スタジアム(仮)の設備・運営についてです。

Jリーグなどのスポーツをスタジアム・アリーナで観戦する場合、選手達のプレーや場外イベントだけではなく、歌や手拍子といった熱心なファンの応援行為も経験価値を高めるコンテンツとなっています。
私も応援行為を通じて"おらが街のチーム"と"おらが街"への愛着をより強く持つようになり、大学卒業後も京都の街に残ることを決めました。
亀岡駅前に着工が予定されている京都スタジアム(仮)は、客席とピッチとの距離が近くなり臨場感が高まるほか、スタジアム全面に屋根が設置されるなど、サッカーやラグビーなどの競技を『する・見る・支える』為の条件が整った器で、応援の盛り上がりとそれを通じた地域への波及効果も今より更に増す事が期待できます。

一方で、スタンドが全て2層の構造となっており、公開されているスタジアム関連資料からは1層目と2層目とで完全に分断されているように見受けられます。 Jリーグではサイドスタンドの最下層が応援の中心部となる事が多く、そのエリアを発端とする応援で『肌でしか感じ得ない興奮や一体感』が醸造されています。その為、応援という観点から見ると「応援を主導する1層目の客席前列部分が2層目から視野に入るかどうか?」は非常に重要なポイントと言えます。
仮に視野に入らない場合は、1~2層目が連動して応援できるようする仕組みの構築などの準備が必要となってきます。


そこで2点の質問と1点のお願いです。
【質問】
1.京都スタジアム(仮)は全スタンドが2層からなる構造ですが、観戦時に上層から下層の前列部分は視野に入るのでしょうか?
2.京都サンガF.C.など、主たる使用予定団体と設備などについての情報交換は定期的に行われているのでしょうか?

【お願い】
1.附帯機能を除いたスタジアム本体の最大の収益源は計画策定段階からJリーグ公式戦となっており、またJリーグ公式戦を盛り上げるには入念なオペレーション・シミュレーションが必要です。京都スタジアムを核とした街づくり・府の活性化が図られるよう、積極的な情報公開や専門家だけでなく府民も交えたミーティングの開催など、「府民や入居予定企業またスポーツ団体等様々なステークホルダーとの双方向かつオープンな情報交換の実施」を検討していただきたいです。よろしくお願いします。

 

 

 

いまできること

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クラブに呼びかけると同時に、今のうちから一人ひとりができる事をやっていく事も重要です。応援の中心となる北サイドスタンド2450席が盛り上がるように、今の西京極のゴール裏を質と量共にもっともっと上げなければなりません。

質に関しては「頭の上での手拍子の徹底」「声量を上げる」「『手拍子or跳ぶ』をはっきりさせる」「ヤジを言うエネルギーを応援に消費する」等々、量に関してはゴール裏の人口と立って応援する人口を増やす事が必要だと思います。

 

いま、ゴール裏に居るけどあまり歌ってないって人がもう少し歌うだけ声量は間違いなく変わります。(試合がアレなのも影響してるとは思いますが)チャンス時とゴール後は大きな声量が出るだけで、それ以外は人数の割に寂しいじゃないですか。

私は「90分間皆が戦うゴール裏がいい!」なんて思いません。応援を盾に暴れたいだけの人は他所のもっと過激な所にいけばいいじゃないですか(※今の京都にそういう人は居ませんよ)。理想のゴール裏は「老若男女誰もが終始京都の応援を楽しめる場所」です。だからこそもっと活気が欲しい。自然と高揚してしまう雰囲気が欲しい。

苦しい試合展開の時にヴォリュームが落ちる。皆が皆飛び跳ねてもない。人間だから仕方ないじゃないですか。筆者も90分常に飛び跳ね歌っている訳ではありません(し90分歌い続けるようなリードでもないですし)。

ただ、それでもいいから、苦しい時に踏ん張れる「わかっている人」を増やす。今まで歌っていなかった人の声量UPを含めもう少し全体的な平均点を上げる。チャンス時やゴール後のあの活気あふれる瞬間、頂点をもっともっと作っていく。これができると、応援しててもっと楽しくなると思いませんか?

 

サッカーを観戦する上で「やらないといけない事」なんてのはルールとマナーを守る事のみで、このようなサポーター論を展開し始めると敷居を上げたりする恐れがあります。

ただ、私がしたいのはそのような堅苦しい"すべき論"ではなく、西京極での応援と京都スタジアム(仮)での応援を"もっと楽しいものにする為"に、「今こそ1人ひとりが変化しませんか?」と「クラブももっと真剣に考えてくれませんか?」という事です。

 

 

個人個人の話からは逸れますが、例えばクラブおよび選手側と調整して勝利後に必ず全員で『飛び跳ねろ』をするように整えたとします。札幌や清水などが好例ですね。


 


これをすると選手側が「やらされ感」を感じて、せっかくの飛び跳ねろも陳腐化してしまうリスクがあります。応援が単なるセレモニーに成り下がってしまうリスクがあります。しかし、だからといって今の信じられないくらいgdgdな挨拶では興行として失格。現に2012年からの今年までの京都サンガを見ている人ならば、強化のプラン同様にその年その年でコロコロ変わってしまう試合後の挨拶から「文化が無いのが京都サンガの文化」という悲しい現実をわかっていただけると思います。なんでこんな事すらできないんだと。凡事徹底のぼの字もないのかと。

2012年:試合後にオーレオーレで共に喜ぶ

2013年:12年と同じく

2014年:監督交代や選手の大幅入れ替え、ホームで全く勝てない影響で2年続いた慣行が消えるほかヒーローの選手を他の選手が待たなくなる。また万歳五唱が万歳1回に。

2015年:ホームでもアウェイでも勝てないのでなんもない

2016年:試合後に選手と共に喜び合う文化が復活

2017年:監督交代と選手の大幅入れ替え、そして勝てない影響でまたもや文化消滅。選手が消え去る前に無理やり巻き込む事で解決するほかない

 

我々はチケットを買って試合を観戦して勝手に応援している立場で、クラブから応援するように請われている訳ではありません。なので応援と試合の演出を絡ませる事に抵抗を感じる人もいるのかもしれません。その影響でいままで整えられなかったのかもしれません。(現状が無理やり巻き込まざるを得ない状況なので、選手の意思も尊重できるし抵抗もなにもないんじゃないかなと私は思いますが…)

しかしクラブとより協働してスタジアムを盛り上げられる事で応援の質は上がるし、ゴール裏の人口増加を含めてファンを増える可能性を上げる事ができる。選手との一体感が強まれば、「あのサポーターがいるから京都でもう1年戦おう」と選手の帰属意識がより高まるかもしれない。また、ファンが増えるとクラブにとっては収入の増加というメリットがある。収入が増えるとチームが強くなる・クラブが良くなる可能性が高くなるからサポーターにまたメリットがある。理屈だけで言えば基本的に得しかない訳です(そんな簡単な問題ではないけれども)。なにより、これができたら単純に楽しいじゃないですか。楽しいからって好き勝手してはいけないですが、楽しくやりたいじゃないですか。

 

 

「新スタジアムに移ってから~」では移転後も今と何も変わらないでしょう。今のうちからもっともっと楽しい空間を作る為に皆が意識高い系になっちゃう事が大事だと私は思います。

そして具体的には①手拍子は頭の上! ②バックやメインもチャンス時に手拍子が上がる環境づくり! ③1人1人がもう少し声量を上げる! ④相手選手や審判に難癖つけるよりも先ずはサンガの選手達にエール! ⑤クラブと協働での環境づくり の5つがいま必要なのではないでしょうか。

 

 

 

最近の試合中のゴール裏などに思った事を殴り書きした駄文ですが読んでいただきありがとうございます。ではまた

 

【幻のスタジアム①】岡山操車場跡地公園サッカースタジアム計画

ふっと湧き出てふっと消えていったスタジアム。計画途中で凍結されてしまったスタジアム。無事に竣工したスタジアム計画の中にあった別案。

そんな我々の目の前に姿を現すことなく消えていった"幻のスタジアム"について、時々触れてみよう…という気まぐれ企画。

 

第一弾は岡山市の『岡山操車場跡地公園球技場』です。

 

 

 

きっかけはチボリ公園計画

 遡ること31年。1986年に岡山市が市制100周年のビッグプロジェクトとして旧国鉄の岡山操車場にテーマパークを誘致する構想を打ち出します。その名も『チボリ公園』。

 

しかし、ご存知の方も多いと思いますが、チボリ公園があったのは同じ岡山でも倉敷市のこと。三セクであるチボリ・ジャパン社の怠慢に、地元からの反発。そして推進派の市長が民意を問うた出直し選挙で落選。こうして岡山操車場へのチボリ公園誘致は露と消え、県の働きもあってチボリ公園倉敷市に建設されることとなります。これがスタジアム計画のきっかけでした。

 

 

サッカースタジアムを核とした公園づくりへ

チボリ公園誘致はなくなったが、岡山操車場を買い取って公園とする都市計画そのものは残された岡山市。市長選で「チボリ公園計画凍結」を訴えて当選したのが安宅敬祐氏が推したのが、『スタジアムを核とした公園』整備でした。

 

Jリーグ開幕から1年後の1994年、3万人収容のサッカー専用スタジアム整備を前提とした岡山操車場跡地公園(仮称)公開設計コンペが行われ、182件もの案が集まりました。最優秀設計者はその後の計画や設計に加わる事となっていたようなので、整備を前提としていたビッグプロジェクト。

当時はまだJリーグクラブが"12"しか存在せず、岡山のような「Jリーグ空白県」が珍しくなかったとはいえ、新設のフットボールスタジアム(いわゆる陸上トラックのない専用スタジアム)計画はJ開幕に合わせたカシマスタジアムを含めごく僅か。それがふっと湧き出てきてくるんですから当時のJリーグブームと2002W杯効果の凄さがうかがい知れます。

 

 

幻のスタジアムたち

 コンペで最優秀案に選ばれたのは(株)松田平田の案。蓮をモチーフとした公園・スタジアムデザインとのことも、残念ながらネット上には画像が上がっておらず、後に幻と消えた為か(株)松田平田も自社のHPに受賞歴を載せているのみ。

なにせ1994年のコンペです。誰もが情報を発信できる現代とは異なります。

 

しかし、いくつかの案はネット上でも発見。

 

1.ネオタイド建築計画案

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2.熊本大学 両角・位寄研究室

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3.ASKA建築研究所(画像中)

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4.新居千秋都市建築設計

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5.南條設計室

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6.アウルデザインオフィス

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とまあこんな感じである。

またネット上では見つからなかった最優秀案だが、1996年発行の『日本のサッカースタジアム 今日そして明日』(2002年版記載なし・2010年版記載の可能性無)にパースが載っています。本当に屋根が蓮の葉のような形をしていて、非常に独創的な案。

そのほか『岡山操車場跡地公園仮称公開設計コンペ記録・応募作品集』には全提出案が記載されているとのこと。岡山県立図書館または岡山市立中央図書館の館内で閲覧可能のようなので、ファジアーノサポーターはもちろんサッカーファンならば岡山に訪れた際にの行って損はないと思います

 

 

 計画の終焉

コンペまで終えて、これから基本計画策定や基本設計へ移ろう…という段階でこのスタジアム計画は一時中断に。

130~140億円程度にのぼるとされた建設費とJリーグブームの冷え込みが主な原因のようですが、県が2005年の国体開催に向けて3万人規模の陸上競技場整備を検討した事(その後頓挫)や、コンペ当時は存在していた川崎製鉄水島サッカー部が神戸へ移転してしまったことも影響してしまったのかもしれません。 ※その後ヴィッセル神戸

 

更に、サッカースタジアム整備に非常に熱を持っていた安宅市長が2期目を終了後に落選。

土地自体は岡山ドームなど公園施設が2000年代前半に整備されるも塩漬け状態で、09年には安宅氏がサッカースタジアム整備案を公約に市長選に再出馬も落選。これで完全に計画は芽が費えてしまった形に。

2010年代にようやく公園の基本構想が固まるも、計画の中にスタジアムはありませんでした。


しかし、3つに区分けされたゾーンの内、総合公園区域自体は憩いの場として整備される為、現存する岡山ドーム以外の新規の施設建造はしない予定。裏を返せば将来的にスタジアムを含む公園に転用する事が比較的容易ではあるということ。ファジアーノ岡山の代表木村氏が専用スタジアム整備への含みをもたせているだけに、今後この場所にサッカースタジアム計画が再燃する可能性も無きにしも非ずです。

 

岡山駅から1駅で現本拠地とも離れていない為に、スタジアムを整備する又はスタジアムのような文化施設を整備する環境としては申し分のない土地。

ここなのかどうかはおいといて。いつの日か、岡山に夢の続きが訪れる事を祈っています。

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最後に、つい先日岡山サポさんの非常に的確で素晴らしいツイートをお見かけしたので紹介して締めと。

 

 

ではまた

 

京都スタジアム(仮)計画へ反対する為に嘘をつく共産党京都府議団

 

第2弾といえばよいでしょうか。

以前に京都スタジアムについて書きましたが、今回も京都スタジアム(仮)について。

 

以前の記事はこちらです。あらかじめこの記事に目を通して戴いてから本記事を読んでいただくとより理解が深まると思います。

 

※以下、紫字の部分はリンクが貼ってあります

今回のテーマ

そもそも『京都スタジアム計画』とは、1995年から検討され続けてきた"府内に球技専用スタジアムを整備する計画"のこと。

数えること22年。幾度もの頓挫を経ながら(後述)、2011年に『京都・サッカースタジアムを推進する会』が提出した47万9601筆もの署名*1、同じく2011年に京都府の『京都府におけるスポーツ施設のあり方懇話会』内で取りまとめられた提言*2基に現行の計画が進められ、遂に実施設計完了寸前というところまで来ました。

 

一方、この計画に対して反対の立場を貫くのが共産党府議団です。

 

別に反対する事自体では悪い事ではありませんので、その点に関してはなんとも思わないのですが、、

これまで散々嘘の情報を流して世論を誘導しようとし、また新たにこのようなサイトを活用し、反対運動を超えて妨害運動の域に達していると感じる場面が多々あります

そこで、このサイトで挙げられている事項について正しい情報を説明していき、この記事を契機に京都スタジアム計画を正しく認知していただけると幸いです。

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「3つの問題がある」と主張する共産党

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共産党府議団は、現行の亀岡に球技専用スタジアムを建設しようとする『京都スタジアム(仮)計画』について『水害対策』『税金負担』『アユモドキ』の3つの観点から問題があると主張しています。

 

 

 

水害対策

まず1点目は『水害対策』

建設地周辺は駅の真裏にも関わらず、ずっと一面に民間人所有の田んぼが広がっていました。(※なおこの土地に関する私見は後述します)

共産党府議団は2013年の台風による洪水*3などとも絡め、「元々建設地周辺は遊水地であり、これまで同様に開発はせず遊水地として置いておくべき」と主張しています。

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亀岡駅より建設地を望む

 

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公道より旧建設地を望む

 

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 立て看板

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しかし、浸水しない程度の洪水被害地帯で、治水上問題がない事を確認されながら整備されてきた区画整理事業地に予定地が変更されたことによって、遊水機能の低下を避けることができたほか(黒丸=旧予定地,青丸=新予定地)

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 一級河川桂川(亀岡工区)広域河川改修事業による周辺一帯の改修、下流側に位置する嵐山周辺の治水計画も進められています。

また、これらと併せて、「桂川の高水敷掘削土約34万㎥のうち約30万㎥を盛土に流用することにより、平成25年台風18号の浸水位以上の高さまで造成を行い洪水に対する安全性を確保するとともに、洪水の貯留機能を河川内に確保することで、治水への影響を軽減・緩和」するようしています。

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残念ながら門外漢ですので、この水害対策に関して確証を持って結論づける事はできません。(※私個人としてはなんら問題ないと思います。認知バイアスかもしれませんが)

しかし、これら現行の治水対策について一切触れることなく世論を誘導せんとする行為はいかがなものでしょうか?

「安全だが安心ではない」のような不安を不必要に駆り立てて世論を誘導する行為ではなく、エビデンスに基づいた議論こそが市民・府民の為になるのではないでしょうか?

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天然記念物アユモドキの保護

2点目に『アユモドキ』について。アユモドキは鮎ではなくドジョウの仲間で、国の天然記念物や絶滅危惧種として指定されている淡水魚です。

現在日本にあるアユモドキの生息域は岡山と亀岡のみであり、スタジアムが持ち上がる以前から地元住民や行政による保護が行われてきました。

 

決して「清流でないと住めない」とかではなく、「台風時の洪水などで一時的にできた水たまりで産卵をする」という我々人間からすると非常に謎めいた繁殖条件が必要な魚で、また密漁や外来魚等による捕食も相まって数を減らし、現在に至ります

 

前述した通り、建設地周辺は"田んぼが広がる上に保津川(桂川)が台風で氾濫した際に水が溜まる場所"となっている事から、アユモドキが生息できる場所となっているのです。

 

こうした状況を踏まえて、予防原則が必要だと共産党府議団は訴えています。また共産党府議団のみならず、様々な環境保護団体などが計画の凍結などを訴えてきました。

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この主張自体は決して突飛でもなく、至極正論であると私は思います。

 

しかし、この亀岡市議さんのブログ記事を読んでわかる通り、地元住民に犠牲を強いてアユモドキを保護するやり方は限界に来ていました。

亀岡のアユモドキについて

駅から3分のこの場所はこれからの保津町のまちづくりとしての夢を持っていただけに、天然記念物か何か知らないが、たかが魚であるアユモドキのためにまちづくりをしょうとする我々の構想に水を差され、制限を加えられることを恐れて協力できないと当初はお断りした経緯がある。

地権者の多くが後継者不足と機械が動く間だけとか、自分の体が動く間だけは農業できるが、今後の農業については難しいという回答

地元はアユモドキとまちづくりが共生するための保全というなら考えてもよいが、アユモドキだけを守れ、というのは完全にお断り

亀岡のアユモドキが産卵する近くにスタジアムが決定されてから、急に学者らが反対の声をあげてきた。今までたくさんの地域で絶滅してきたのに何も言わず、なぜ亀岡に今その責任を押し付けるのか、というのが地元の声である。学者ら反対しているもので守れるこのなら守ってくれたらよい。地元はいつでも手をひく

各地で絶滅しているにも関わらず、何の手立てもすることなく、今となって亀岡にだけその責任を負わせるということはおかしいではないか。それとアユモドキも守れなかったら文化レベルが低いとまで言い切った。これに地元は大変な怒りを持って抗議した。地元は怒っている。どうぞ反対されているあなた方で守ってください

予防原則を守って保護しなければならない」。しかし田んぼを維持していく事は難しく、「スタジアム建設と併せたプロジェクトとして税金を引っ張って積極的保護策に出ないと限界は近い」という、綱渡り状態に陥っている事を認識しなければなりません。

種の保存法などの観点から言ってアユモドキを保護する必要性、努力義務はある。その努力義務において攻めの保全に出たのが京都府亀岡市・地元住民という訳です。

 

このやり方に反対の声が上がるのは決しておかしな事ではなく、予防原則から外れている事からリスクの高い手法であるには間違いありません。

 

ただ、①スタジアム計画によってアユモドキの調査が進み謎に満ちた生態が明らかになりつつある事。②保全に向けて官が積極的に環境を整えようとしている事。③スタジアム建設地を専門家会議の提言に従って生息地から変更した事。④専門家会議等での了承を得てからでなければ着工できない事を無視しているのはいかがなものでしょうか?

「拙速だ」と声を上げる建設的な活動とアンフェアな多数派工作、この2つは別物でしょう。

それから、「何がなんでも工事着工という姿勢」という主張。第三者委員会開催のスピードや、保護の確証を得られたとは100%言い切れない(100%言い切れる日なんてこないでようけど…)中で予算を計上する事に対する批判精神の現れなのかなと思いますが、元々スタジアム整備は府知事・亀岡市長両者の掲げる公約であり、旧予定地の建設に関する予算案も一度府議会で賛成多数で可決されています。必要なステップを踏みつつもこれまでの遅れを取り戻すスピーディーな対応とも言えます。石橋を叩いて渡るがごとく慎重性は大事ですが、だからこそこれまで着工を数年も遅らせた挙句、予定地をも変更する柔軟な対応があった訳で…

"アユモドキが倒れるor地元が倒れる"。そうならない為にも不必要に不安を煽るのではなく、客観的事実を基に進めていく必要があります。街づくりとの両立という観点から見ればこれ以上の遅れは致命的です。着工自体への反対よりも検査体制の構築に関してもっと建設的に言及すべきでは?

 

結果的に第三者委員会で条件付きの着工を認められている事から、私個人的には最低限の適正なステップを踏んでの予算計上であり問題ないと感じます。今後はこれまで以上に広く支持を得られるよう、これまで以上に専門家の指導を仰ぎながら慎重に進め、そしてその事を広く周知してもらいたいですね。

 

WWFは建設地変更についてこのような声明を発しています。

 

なお、旧予定地は活用法が確定するまで水田として維持し、アユモドキ保護に役立てます。

http://www.pref.kyoto.jp/spo-syo/news/documents/senmonka8-siryou2.pdf

 

この件に関してアユモドキ保護の委員会等に加わり、スタジアム建設そのものに批判的な立場で提言などをなさっている京都大学大学院の渡辺勝敏准教授が論文等を残されております。

 

 

 

税金投入について

3点目に税金について。ここはもう酷いです。嘘ばっかり。

 

【1.行政負担についての嘘】

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はい、嘘が出ました。

まず、スポーツくじtotoの売上から30億円の助成金*4が支給されますので全額税金は真っ赤な嘘。

更に法人個人から寄付金等を募って行政負担を少しでも軽減する方向である事が報道されています。

 

【2.総工費についての嘘】

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次いでその総工費200億円とやらの内訳に「"旧予定地14億円と新予定地分43億円が含まれている」としています。

旧予定地を「総事業費」ではなく「総工費」に含むのも疑問に思いますが、まあここは共産党府議団同様に込みで計算して比較しましょう。

 

実際に見てみると、

①:亀岡市の旧予定地購入額=14.7億円

②:旧予定地取得に対する国庫から補助金(当時、取得額の1/3助成)=4.9億円

③:亀岡市の新予定地取得負担額=20.5億円

④:京都府亀岡市に対する新予定地取得援助額=13.7億円

すなわち、各行政の負担額は亀岡市29.8億円+国4.9億円+京都府13.7億円=48.9億円。なのでこの時点で土地取得にかかる「57億円」という額そのものと「市と府」とする主張の2点にそれぞれ追加の嘘発見

なお、旧予定地はスタジアムの為の用地にプラスしてアユモドキ保護の為のエリア購入費用も込みでの14億円。

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この土地代合計額47億円にプラスされるのが本体工事費や設計関連の費用です。アユモドキ関連への費用も含め、『専用球技場整備費』とされているものを並べていきます。(誘致活動に係る費用は除外)

平成24年度0.17億円平成25年度0.6億円0.02億円0.1億円平成26年度0.12億円基本設計最大1億円*5平成27年度0.12億円実施設計最大2億円*6平成28年度0.16億円平成29年度19.95億円

うち、平成29年度当初予算の19.95億円は先述した亀岡市の土地取得に対する援助額13.7億円を含み、6.2億円が基礎工事代となります。

これに債務負担行為(解説記事)としてスタジアム本体工事費見込み額125.2億円が計上されています。

 

よって府の設計等合計額4.29億円+府の都市取得援助と基礎工事代合計19.95億円+本体工事費125.2億円=府の支出額149.44億円。(内、最低でも30億円は民間資金援助アリ)

それと亀岡市の土地取得代29.4億円国からの補助金4.6億円34億円

すなわち、『旧予定地取得費用も含んだ総工費』は183億円であり、200億円を超えるとする表現はまたまた嘘。

これ以外にどこのお金を別途カウントしてるのでしょうか?ちゃんと説明してもらいたいものです。

 

更に、現予定地に限ると土地代と基礎代の40億円+設計等4.29億円+本体工事費125.2億円で169.29億円。うち30億円が先述のtoto助成で浮きますので、新予定地でのスタジアムそのものの市と府の「実質負担額」は139.29億円です。

 

 

なお、「土地の無償提供を条件を無視していてアンフェア」という主張は同意できる点であり、一概に嘘と間違いだらけの主張だとは私も思いません。用地取得が可能なのであれば、各自治体提案の候補地以外にも候補地はあったはずですから。(なお京都府議会平成29年2月定例会中の府知事発言によると、この事に関して落選した各自治体から了承は得ているとの事)

 

ただ、それ以前に旧予定地の用地取得を無駄使いと切り捨てる点に恐怖を感じます。

『水害対策』で挙げたように、本来旧予定地は民間人所有の田んぼでした。

その民間人の田んぼが台風による被害を受けるなどしているにも関わらず、アユモドキ保護の為&遊水機能確保の為に「田んぼのまま維持してくれ」と言っているような異常な状態が、亀岡市が土地を取得する事でようやく正常化されたのです。

それに対して「トップダウンで予定地を決めた挙句」とはどういう神経をしているのでしょうか?どちらにせよアユモドキ保護を考えるのならば買い取りないし積極的介入があってしかるべきだったと思うのですが。

 

本当にこの人たちはアユモドキを守りたいのでしょうか?地元の住民に寄り添うつもりがあるのでしょうか?

私にはスタジアムに反対したいが為に無理やり理屈を作り、それがこうして地元住民たちを舐めたようなふざけた主張に繋がっているとしか思えません。台風の被害にあいながら稲作を続けてきた方に本当に失礼な発言で腹が立ちます。「公共の福祉の為に開発をするな」といっておきながらこの点を無視するだなんて。

 

【3.運営についての嘘】

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更に更に更に、現在実現可能性を調査中の『コンセッション方式』にケチをつけ、「市民利用が困難である」と言わんばかりの主張を行っております。一方、京都府は先日行われた説明会*7で市民利用についてこのように答弁しています。

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コンセッション方式とは、公共施設の所有権は自治体・行政などに残したまま、運営権を民間に移すシステム。自治体は運営権売却による収入、運営する民間企業は管理を通じた収入やサービス向上、住民はサービスの向上や負担の軽減。というメリットを享受できます。

このシステムは日本では関西空港など数例で適用中。またコンセッション方式以外の民間企業が関わる公共マネジメントシステム(いわゆるNPM)だと、指定管理者制度が有名です。

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現在の京都スタジアム(仮)計画では内閣府からの助成を受けながらコンセッション方式導入の実現可能性を調査している段階であり、「予定」という既定路線であるかのように謳う表現には語弊があるのではないでしょうか。

 

府議会ではこのような答弁を残されてますが

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確かに、コンセッション方式は運営者の権限が指定管理者制度より大きく、利用料金を運営者が設定できる事から利用料金がより高額に設定される可能性は考えられます。しかしその分収益性が高まるので「税金をつぎ込むな」という主張と相反する部分もあるのですが…その辺りは当然承知してるんでしょうね?政権批判したいだけじゃあないですよね?

 

 

最後に

このように、この特設サイトだけで「全額税金」や「総工費200億円越え」等のいくつもの嘘、また都合の悪い情報を隠しまくって世論を誘導するような行為も散見されました。わざわざ作ってコレですから、本当に恐ろしい。

 

スタジアム建設は自治体が主体となって建設するケースが多く、大きなプロジェクトだけに費用の問題で紛糾するのは当然の事です。

たとえその計画によって生まれる公益が費用より大きくとも、「他の事業を優先せよ」などと反対意見が出ても仕方ないとも思います。

 

しかし、京都の場合はメインスポンサーである京セラ創業主稲盛氏らが資金提供(当時の報道で65億円)を宣言するも議員の反発を喰らい撤回→結局京都市のやる気も無くてまとまらず建たないという歴史もあり…

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その気になればスタジアムなんていくらでも民間で金だして建てられるのに、20年間後回しにされてきて今に至っているのです。

http://www.kyoto-np.co.jp/kp/sport/mandara/c_inoue/inoue.php

https://www.kyo.or.jp/kyoto/pdf/j27_161025_kaiken.pdf

http://www.kyodoyukai.or.jp/essay/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%81%A8%E7%A7%81

 

冒頭で述べた通り、そうした中で府が脆弱なスポーツ施設環境をこれ以上ほったらかしにはできないと改善を図る策の1つで専用球技場整備に動いています。

木津川や横大路といった頓挫したかつてのスタジアム計画にも関わり、スタジアム建設を公約に知事選に当選した山田府知事。またスタジアム建設推進を公約に当選した桂川 亀岡市長。ワンイシューの選挙ではないにせよ、政財界も望むスタジアム計画に「建設反対の声が多数」とは一体どういう事でしょうか?声の大きさでは賛成派の方が明らかに多数派です。(※もちろん多数派だから絶対に正しいという訳ではありませんが)

 

 亀岡駅前の土地では難がある」「土地を買い取れるのなら他があっただろう」「科学的見地からこの場所では…」などと主張し、正しい方向に導くような建設的意見なら大歓迎です。私も府のスタジアム建設の進め方には何点かの不満があります。

しかし、共産党府議団のやり口というものは、実情を無視した主張や嘘で世論を誘導するような行為ばかりではありませんか。

"足りないから整備する"という当たり前の行動を根底から否定する前に、「反対ありき」のその主張を改めるべきなのではないでしょうか。

 

 

 

P.S. 現職の京都府議任期満了日は平成31年4月29日です。

 

 

 

 

 

 

競争に勝った選手と負けた選手

 

 

今日、牟田のFC今治への期限付き移籍がリリースされました。今治側のリリースによると、移籍期間は来年1月31日までのようです。

 

 

牟田といえば、昨年は大補強のピースの一人だったものの左股関節唇の負傷で公式戦出場時間はまさかの0分。今年も序盤の3バック使用時には4試合にフル出場も、9節で4バックに切り替えた後は熊本と湘南戦時の計15分のみ。(クラブの動向自体がアレなので…)来年の動向は全く読めませんが、大学時に8クラブが争奪戦を繰り広げ名古屋では3年間でJ1 56試合に出場した大型CBなだけに本当に残念。

そして移籍先の今治といえば、オーナーが岡田武史という事で何かと注目を浴びるクラブですが、監督も監督であの吉武さん。川崎の可児壮隆やU17W杯で吉武監督と共に戦った水谷琢磨などJリーグファンにも聞き覚えのある名がチラホラ。

J3昇格の為にはJ3ライセンス付与等の外部環境充実もさることながら、年間順位で4位以内かつ百年構想クラブ内で上位2つに入る好成績を収めなければ昇格はできませんので、本来ならば「JFLでプレーする事が考えられない」クラスの選手である牟田には期待に応える活躍が求められます。頑張れ。

 

 

 

さてさて、牟田が"競争に敗れた者"だとしたら、一方で現在スタメンで試合に出場している下畠と高橋は"競争に勝った者"。

一昨年末のサポカンではこんな発言もありましたね。

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http://www.sanga-fc.jp/uploads/pdf/supporterconference2015_151217_002.pdf

菅沼が抜けてしまったので『健全で過酷な競争環境』が存在しているかどうかは微妙ですが、しっかりと今の立ち位置をつかんでいるのは評価したいところ。(他クラブやJ1でもスタメンを張れるだけの実力があるかと聞かれると答えに窮しますが、、、)

下畠なんて15年の夏まではキャリアそのものがどうなっていくか微妙でしたし。高橋も出場機会を得られない点では下畠と同じでした。一時期を思えば二人とも良くここまで来たなと。

「本職ではない下畠が毎年CBのスタメンになる最近の編成とは?」「ユース時代にもっと質の高い指導をして、かつ昇格後はもっと早くに出られる所にローン移籍させていれば高橋はもっと伸びていたのでは?」とか言いたくなる気持ちを押し殺しつつ

 

 

あくまで主観ですが、二人は大木さん・川勝さん・森下さん・石丸さん体制時の指導と、佐川印刷や讃岐での試合出場を経て伸びたと思っています。特に石丸さん(と大嶽さん?)の指導は祐治にとって大きいはず。

やはり「(育成組織を含め)練習で実力がちゃんと伸びる環境」と「期限付き移籍を活用を含む試合出場機会の創出」、この2点を整えねばならないのですが…

 

左利きで身長186cmというロマン砲麻田をちゃんと育て上げられるのでしょうか(不安)

結局なにをしても不安と心配がつきまとうのがこのクラブですね。

 

 

 

 

 

代々木公園サッカースタジアム計画へ脊髄反射的に反対する人について思う事

 

28日、スポーツ報知が「複数の民間業者が東京・代々木公園南側に複合型サッカースタジアムを建設しようと動いている」という特ダネを報じました。

 

複数の民間事業者が東京都に対し、渋谷区内の都立代々木公園内に複合型サッカー専用スタジアムの建設を提案していることが28日、都関係者らへの取材で分かった。スタジアムは約4万人規模で、総事業費は約400~500億円を予定している。サッカーJ1・F東京の本拠地化を目指しており、資金は民間事業者が負担する。建設開始は2020年東京五輪パラリンピック後で、25年までの完成を目指す。

 これまで不毛の地だった都内に、待望のサッカー専用スタジアムが誕生する可能性が出てきた。

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突然のホットなニュースにサッカーファンやネットでもこの反応。

 

一方で、「スタジアムなんて要らないでしょ」「公園で稼ぐ必要なんてないだろ」という意見も散見

 

新国立競技場問題の余波か、かなりアレルギー的反応を見せる人が多かったのでこのニュースについて個人的な雑感を。

 

 

 

●サッカースタジアムとは

まず、ここで言う「サッカースタジアム」=「サッカーなど球技スポーツを観る事を主目的とした施設」です。陸上競技場は陸上競技場であって、日産スタジアムなどを「サッカースタジアム」と呼んでいる人を見ると、とても悲しい気持ちになるものです)

そして「複合型スタジアム」とは、サッカースタジアムとしての機能だけでなく商業施設の併設などで複合化を果たしたスタジアムの事です。日本だとノエビアスタジアム神戸カシマスタジアムがこれに当たります。

 

全く知識の無い方からすると、記事にある「サッカー専用」と「複合型」は矛盾していると思われるかもしれません

しかし、そもそも「専用=陸上競技機能のない」という意味であってサッカーにしか使えないという訳ではありません。

サッカー専用スタジアムで音楽ライブやコンベンション利用は可能ですし、スタンドやコンコースを利用して展示会を行う事もできますし、別のスポーツを行う事も可能です

かつ、必ずしも複合化させる事が正解ではありませんが、スタジアムにジムや商業施設などを複合させて収益性を高めるのです

野球専用スタジアムでありながらライスボウルの開催地であり、イベント利用もあり、ホテルや遊園地などの複合施設がある東京ドームを知らない方はいませんよね?

 

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●東京と日本のサッカースタジアム事情

記事中にJリーグクラブであるFC東京の本拠地化について記述がなされていますが、現在FC東京東京ヴェルディの本拠地である味の素スタジアムは、2013年の国体開催もあって建設された陸上競技場。サッカーができるスタジアムであって、サッカースタジアムではなく陸上競技場です。f:id:naoki_ks13_7:20170731203335j:plain

ご覧の通り、陸上競技場ではピッチ(※)と観客席の間にトラックがある為、球技を観る上では迫力や臨場感が失われてしまいます

となると、観戦で得られる経験価値が減少し、エンタメ性が低下し、興行主とスタジアムにとっては収入の落ち込み』。地域にとっては波及効果の落ち込みというマイナス効果がおよびます。

※サッカーのコートのみを指す言葉がピッチ。タッチラインゴールライン外の芝やウレタン部分も含めて指す言葉がフィールド。

また、味の素スタジアム2019年ラグビーW杯の開催地にもなっていますが、ラグビーのフィールドは本来縦方向に120mほど必要。陸上トラックとの兼ね合いで縦に107mほどしか芝生部分を確保できない陸上競技場ではそもそも球技をする場として不適当なのです。「アスリートファースト」がコンセプトらしいですけど笑

 

更にサッカーはする・見る共に日本で一二の人気を誇るスポーツであり、JリーグチームだけでFC東京東京ヴェルディFC町田ゼルビアの3チームが都内にあるにも関わらず、都内にあるサッカースタジアムは0。

ただ一つ、プロが恒常的に使うような施設ではない簡素な国立西が丘サッカー場(収容人数7000人)が存在するのみ。

というか、日本全国に範囲を広げてみてもカシマ(茨城)・柏・さいたま・大宮・日本平(静岡)・吹田(大阪)・鳥取の7つしか1万人以上の観客を収容できるサッカースタジアムは存在しないのです。悲しいかな。

8月2日16時追記:"茨城県立サッカースタジアム"でありながらアメフトの開催実績があったり、"市立吹田サッカースタジアム"よりも球技専用スタジアムである"ミクニワールド北九州スタジアム"や"ヤマハスタジアム"の方がフィールドが小さかったり… 我が国においてサッカースタジアムと球技専用のフットボールスタジアムの定義等は実に曖昧です。その為、今回は報道された計画同様に「公称がサッカー専用」のスタジアムを切り取って紹介いたしました。しかし、サッカー・ラグビー・アメフトを定期的に開催する1万人以上収容の「フットボールスタジアム」は、紹介した7か所とは別に全国に14か所のみ存在する事も紹介すべきだとご指摘を受けましたのでここに追記致します。〉

サッカー:カシマ・埼スタ・大宮・日本平吹田鳥取

フットボール:仙台・栃木・蘇我(千葉)・三ツ沢(横浜)・松本・長野・ヤマハ(磐田)・豊田・福井・長居(大阪)・御崎公園(神戸)・北九州・博多の森鳥栖

 

そしてそもそもの話、「サッカースタジアムが要るか?要らないか?」だと要るに決まっているのです。

別にサッカースタジアムでなくてもイイです。陸上競技場でもいいし、コンビニでもいいし、葬儀屋でもいい。入る言葉は基本的になんでもいい。

必要"だけど"、この場所は違う、高すぎる、もう既に数が足りている、景観や都市計画にそぐわない…「だからこの場所には必要ない・今はまだ無理だよね」という話になるのであって、ゼロベースで考えた時に要らない施設なんてのは基本存在しない。

 

だからサッカースタジアム自体は必要に決まっているので、頭ごなしに否定や賛成をするのではなく、「本当にここに建てることが必要なのか?」と妥当性を考える必要があります。全てに通ずるほんとに当たり前の話ですけど。

 

 

●スタジアム改革

さっき言ったようにそもそもサッカースタジアムは(※サッカースタジアムではなくともなんでも、)無いより有った方が良いに決まっていますが、さらに「どれだけ必要性が高いか?」「どうすればより良くなるか?」というのを昨年スポーツ庁経済産業省が資料にまとめてくれました

概要の方を見るだけでもだいたいわかるので見てみてください。

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http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/008_index/toushin/1379557.htm

 

また、スポーツ立国戦略他の法案なども含めてざっくりまとめると、「スポーツのハブ機能を活用すれば社会が活性化されるから、軽視されてきたスポーツへの投資を通じて良い国にしよう!!!」って、国が地方自治体や民間企業、そして私達国民にいま言ってるんです

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第2期スポーツ基本計画について(答申):スポーツ庁

 

政府の掲げる日本再興戦略の中にもスタジアム・アリーナ整備は盛り込まれていて、2025年までに民間活力を活用しながら20か所整備するという数値目標も立てられました

 

スタジアムやアリーナを民間の力も借りながら作っていって、JリーグBリーグクラブのポテンシャルを最大限発揮できるようにし、地域に波及効果を広げていって活性化されるには、まだ人口の減少ペースが緩やかな今しかないのです

(※またスタジアムのような大規模スポーツ施設だけでなく、公園や水道などでも民間活力が導入されていく方向にあります。)

 

これまでは、「サッカースタジアムを建てるべき」と言うと"サッカーファンのわがまま"などと言われてきましたが、「公共性重視ではなく、利用者(観客や興行主)のニーズに応える事を重視したスタジアムは社会に大きな効果をもたらすよ」とお墨付きをもらった事を頭に入れていただきたいと思います。

 

いわば陸上競技ができないというデメリットが生じた代わりに、アスリートファーストであり、顧客ファーストであり、地域ファーストなのです。

(なお昨今では陸上連盟も「陸上競技場を取りやすくなるから」と言う理由でサッカースタジアム整備を応援してくれています。陸上界にとってもメリットがあることも抑えておいてください。)

日本には1試合平均1.8万人(J1)の人が集まるJリーグがあります。ラグビーにはトップリーグという全国リーグがあります。しかし陸上には定期的な興業の場などありません。世界を見渡してみてようやくスーパーリーグのような『IAAFダイヤモンドリーグ』があるのみで、興行には適していないのです。全日本選手権などでも1万人規模の観客数です。

これまで、サッカーW杯や今回の東京五輪でも、何万人規模の陸上競技場を日本は整備してきましたが、サッカースタジアムと陸上競技場をあわせてしまう事が間違いなのです。

サッカースタジアムと陸上競技場を分けてしまう。あるいは設計段階からサッカースタジアム化や野球場化できるようにしなければならないのです。その方が記録会がメインの陸上界と、興行がメインのサッカー界の利害が一致するのです。

(※新国立競技場はこれに失敗してしまっているので、球技専用にしても「赤字額が少し軽減される」程度でしょう)

 

 

●波及効果

例えば、今この記事を読んでいるあなたは、特定のアーティストであったり、アイドルであったり、作品であったり、そういったものを追いかける事で自分の人生に良い効果が生まれていませんか?

働くモチベーションは上がるし、ガンガン消費するし、単にグッズや遠征にお金を費やすだけでなくてCM起用してくれる企業の製品を進んで購買するし、共通の趣味を通じて新たな出会いがあったりするし…と。

 

スポーツの場合、特にJリーグは「地域密着型」「世界的に愛されている競技」「1試合に数万人が集まる」…という特徴があります。その為、単なるコンテンツではなく高い公共性を有した社会の公器であり、個人・法人・地域住民・行政…と波及する範囲も大変広く、かつ終わりが無いので恒常的に影響があります。

 

地元にスポーツチームがあるけれど「無いよりはあった方が良いけど別にどちらでも困らない」という方オリンピックのごたごたで「スポーツ?もうどうでもよくない?」という方、そんな方もきっとなにかハマっている事等あるはず。

是非、自分事として捉えていただいて、スポーツの持つ価値を理解していただければ幸いです

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●代々木公園に建てるリスク

しかし、私も問答無用で「民間主導で文句なしの計画だ!必要なんだからすぐ建てろ!」と言う訳ではありません

先ほど紹介したスタジアム・アリーナ改革指針にて挙げられている成功の為の条件が重なった立地ではありますが、建てた際の弊害もいくつか当然出てくるでしょう。

 

1つ目に『景観』。ただ、すぐ南はNHKがありますからそこまで問題なさそう。

2つ目に『代替施設』。記事によると織田フィールド・球技場・野外ステージの場所に建てる計画とあるので、特に織田フィールドの代替施設を用意する必要があります。これが一番重要な問題なのに、「なんで公園を狭くする?」みたいな意見ばかりだったのには正直辟易。ちなみに現職の渋谷区長さんは織田フィールドは入れない球技場プランを掲げて当選されています。野外ステージおよびイベント機能に関しては、スタジアム内を代わりに使用できるようにすればいいかと個人的に思います。フード系のイベントも、屋根の下で椅子に座りながらできたて熱々のものを食べられるようになりますし天候の影響を受けずに快適に実行できるってのは開催側が一番うれしいでしょうねえ)。建設中の空白期間をどうするのか(駒沢など他の公園で場所がとれるのか)等の問題が一番重要なところかと。

3つ目に『生態系への影響』。これも候補地の場所的に重大な影響を及ぼすとは見えませんが、環境アセスメント等必要になってくるので自然と問題かどうかわかってくるのでいずれ答えが出る話。

4つ目に『新国立競技場との兼ね合い』。新国立競技場は五輪・パラ大会後に陸上トラック上に観客席を設置し、球技専用スタジアムとして供用される事がほぼほぼ決定しました。しかし、8万人と大きすぎる上に最低の設計で、FC東京が恒常的に使う可能性は極めて低いと言えます。そもそもJリーグでは国立競技場を本拠地利用しようとして断られたチームがいますし…新国立は紹介したスタジアム・アリーナ改革指針にまとめてある事と真逆の進め方で整備が進んでおり、悪名高きあの宮城スタジアムを越して我が国史上最悪のスタジアムとなってしまう恐れが非常に高い代物。

〈以下8月2日16時追記:というのも、家を想像してください。新しくマイホームを構える場合、理想的な空き物件を選ぶor自分の理想に沿う住宅を作ってもらう(注文住宅)のどちらかでしょう?

しかし新国立競技場は建設後の主な利用主を決めきれず、「元々陸上競技場だったし、ラグビーW杯の後にすぐ五輪が来るし、サッカーの日本代表戦やコンサートで儲けたいし…」と八方美人的に計画が進められたが故のザハ案撤回に至ったのはまだ記憶に新しい大失態。さらに撤回で計画を適正化するチャンスが再度与えられたにも関わらず、「まずは五輪の為に陸上競技場として整備。その後サッカーW杯を開きたいから8万人のスタジアムに転用できるように設計」というコンセプトで進めてしまう3度目の失態。更にコンペに上げられたA案とB案とでサッカーやラグビーなど球技が見やすいB案ではなくA案を選択しておきながら『球技専用スタジアム化で収益性UP!』などと言い出す3度目の大失態を犯したのでした。

確かに、50年に1度あるかどうかのW杯を睨んで非現実的な"8万人規模"を要望したJFAの責任の一端はあります。しかしながら、建設主体である日本スポーツ振興センター(JSC)がサッカーにすり寄ったのは「サッカー日本代表戦とコンサートが一番金を回収できるから」・「オリパラ後にサブトラックを常設しておけないから」である事。JSCが常に舵取りをミスり続けたことによってサッカー界とラグビー界は「粗大ごみをいかにマシなようにに見せる事ができるか?」という罰ゲームを負わされた状態である事。ザハ案への批判に終始し、そもそも常識から逸脱していた計画を修正できなかった事。この3点を認識しなければなりません。

それでもJFAとは直接関係の無いFC東京に新国立を本拠地として使わせる事で尻ぬぐいをさせて、「サッカー界でなんとかしろよ」と言われてもと個人的に思います。FC東京には宿を選ぶ権利があるし、本拠地化させるのなら英国同様にそれ相応の忖度をするか、最初からFC東京やサッカー側の都合の良いように進めないといけなかったのです。先述したスタジアム・アリーナ改革指針にもそう載っています(文部科学省がらみの事業をスポーツ庁(と経産省)が叩き切った形なのがまたもう…)。民間企業に運営権を売却する事を検討している際中なのでホワイトナイト的存在に期待するしかありません。

そして新国立競技場が完成してもスポーツを観る環境が十分整っているとは言えない状況、なので「ダメなものは淘汰されるほかない」と個人的には思うのです。〉

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【※補足】

新国立競技場整備事業に関する技術提案書 | 新国立競技場 | JAPAN SPORT COU

コンペに敗れたB案は、スタンド~ピッチ間がメイン・バックスタンドで最大でも14.5m。ゴール裏で最大29.5m。1層目の上に嵩増しする仕組みで角度も確保。球技観戦に重要な距離の近さと俯瞰で見られる角度の2点で優れていましたf:id:naoki_ks13_7:20170802172636p:plain

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一方、採択されたA案はこの通り。既存の1層目(20°)から地続きする形で客席を拡張する為、角度がゆるゆる。ピッチ間距離はゴール裏から最大27m・バックスタンドから最大20.5m。B案より見劣りしており、非常に見づらいスタジアムに仕上がる事が予想されます。

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5つ目に『公園機能をどうするか?』。冒頭に紹介したツイートでもあったように、憩いの場としての機能を失う事に対する嫌悪感を感じる方も一定数いらっしゃるようです。しかし、明治神宮の境内も込みとは言えこれだけ緑があったら、赤い四角の部分がスタジアムになっても大きな変化はないと言えるのではないでしょうか…織田フィールドが無くなる事の方がやはり重要問題では?

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〈8月2日16時追記:なお、このほかに公園の持つ機能として『防災拠点』が考えられると思いますが、スタジアムは有事の防災拠点となりうる施設であり、現に備蓄倉庫や避難場所としての活用がなされている事を追記しておきます。〉

 

 

●スポーツで「稼ぐ」意識と

最近になってだいぶ改善されてきた感もありますが、なぜか「稼ぐ」事に抵抗がまだまだある日本。

もちろん収益性を重視しすぎて公共施設が本来有しておくべき機能が失われるような事態があってはダメで(TSUTAYA図書館とか)、そのリスクに嫌悪感を示すのは良くわかります。

 

けれども、そもそも「都市公園にスタジアムを建てたらダメ」なんて規則もなければ、都内には代々木公園だけでなく様々な公園が存在します。

ならば「A公園は憩いの場としての機能を強化しよう」「B公園はスポーツをする場所を整備しよう」「C公園は立地が良いから、スタジアムを建てて賑わいをもたらす場にしよう」というマネジメントが行われるのは当然では?

 

特にスポーツをする場と観る場は需要に対して供給が追い付いておらず、かつこれまでに挙げたように機運の盛り上がりもあります。

そして東京は公園の民間活力導入が進んでいる都市ですし(※)、スタジアムに転用できるような良い土地は公園内なら織田フィールド一帯ぐらいしかない。そもそもこの報道が何らかのブラフの可能性もありますが、民間から提案があればかなり良いところまで話が進むのは自然な流れですよね。(※都民じゃないので上野公園等の実際の評判はわかりませんが)

 

 

反対する事は決して悪いことではなく、スタジアム建設はコンセプト固めや設計も含めて慎重に進めるべきプロジェクト。

ただ最初から反対ありきではなく、まず「日本にはスポーツ施設が足りていない事」、「サッカースタジアムの重要性・必要性」「スポーツの持つ可能性」、そして「民間活力を活かした街づくり」を理解してから声に出してもらいたいな~と、今回の件では強く感じました

この記事のように↓

 

 

普段あまり疑問を抱かずに生活する中で、スタジアム問題は自分の街について考える良いきっかけだと思います。

スタジアム以外にも同様のことは言えますが、「必要だとは思うけど今の機能を無くすだけの価値はあるか?どっちが大局的に見て得か?」という観点から、賛成派も反対派もフラットに注視していってほしいところ。

 

ただでさえお先真っ暗な状態なのに、「ハコモノ政治だ!」とか、不必要な反対や自粛で弱りきった社会を若者世代に押し付けないでくださいな。必要なハードを整備する事を悪と見なさないでくださいな。少なくとも記事に書いてあることくらいはちゃんと読んでくださいな。鵜呑みにせずに情報をきちんと集めて適切な判断をくだしてくださいな。

でないと困るんですよ、ほんと。もっと建設的に生きましょうよ。

 

 

 

 

 

 

ではまた。

今度やる気高まった時は「新国立競技場がなにがダメか」を書くよ~

 

●補足資料