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【定点観測】京都スタジアム(仮称) 建設地見学 2018年1月31日

建設地の変更(京都・亀岡保津川公園内→亀岡駅北開発地区)以降、初めて亀岡を訪れたので建設現場一帯を見てきました。

 

撮影場所は下の画像通りです。

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①②:駅展望デッキより

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田畑が区画整理された以外は3年前とそう変わらないなという印象。

 

参考:2015年2月

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③:駅北余部線と亀岡駅北線の交差点(T字路)より

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現状、駅の東側にしか駅北側へと通ずる道がないため、西側にも道路が新設されます。その新設道路と駅から伸びる既存の亀岡駅北線の交差点から、南西方向の商業ゾーン・住居ゾーンに向いて撮影

 

 

④⑤:スタジアム北西側より

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スタジアム北西側(ホームゴール裏側)から南へ向いた視点。駅北側から直接スタジアムへ向かう場合、来場者は私と同じ道筋を辿り、必ずこの北側から各自のゲートへ向かうこととなる。

ブロックでしきられている部分はスタジアム外周道路として整備され、道路左側(東側)にスタジアム本体が整備されます。

 

将来イメージ

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⑥:スタジアム北東側より

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後述しますが、現在使用されている道はスタジアム開業時に形を変えている予定ですので、スタジアム北東部分では様々な場所から複数枚撮影

 

 

⑦⑧⑨:スタジアム北東側より

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スタジアム北東側(バックスタンド側)から南西側を見て撮影。

1枚目の眼前に広がる道は多少拡張などあるかもしれませんが、竣工後も外周道路として使われる予定です。また、騒音と振動のモニタリング機械が設置してありました。

 

将来イメージ

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⑩:保津橋より

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スタジアム東側の保津橋からの視点。アウェイゴール裏側

 

将来イメージ

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今回は日没時の撮影となった為に、最後の方は明るく加工しないとダメでした。

定点観測とは銘打ってますが、現在の道路状況とスタジアム工事後の道路状況(※)とでは微妙に変化する見込みですので今後どうなるかはわかりません。ですがポイントを増やしつつ、出来る限り追っていきたいと思います。

 

※道路状況の変化

以前

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現在

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(元動画:https://youtu.be/OrSE2UW0XR0)

 

これから

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(転載元:二ノ湯しんじWeb)

 

 

 ではまた

 

京都スタジアム(仮称)、着工

 

1月20日

遂に、1992年7月のスタジアム建設表明から26年弱の紆余曲折を乗り越えて、京都スタジアム(仮称)着工の日を迎えることができました。

 

 

 

2010年からの計画だけを切り取っても、建設地変更等本当にいろいろあっての着工。

府知事、市長、理解ある地権者、予算承認に関わった各議会議員、なにより一番汗をかかれたであろう担当職員全員に心から感謝申し上げたい。そして、竣工まで工事がストップすることもなく、無事に進んでほしい。

 

 

 

なお、工事と並行してスタジアム運営にまつわる3つの計画が目に見える範囲では進行しています。

一部は以前の記事にも書いてますが、新しい動きも見られた為、再度備忘録的に。

 

 

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スタジアム運営者・運営権をどうするかの検討

現在は運営事業計画の策定が行われているものと思われる。計画の策定はPwCアドバイザリー合同会社が運営権PFI事業導入可能性調査(要するにコンセッション方式導入調査)に引き続き行っており、「スタジアム・アリーナ改革推進事業」の第2期公募分支援対象に採択されている。この支援というのは「事業計画策定に向けて設ける官民連携協議会の開催費、関連調査費に充てる補助金」であり、「京都府公民連携プラットフォーム・京都スタジアム(仮称)分科会」にて民間事業者らなどから運営計画におけるアイデアを募集したり、実際にスタジアムを多様なシーンで利用する機運の醸成などが図られる。運営の実施方針自体は平成30年度中に決定される予定である。

 

亀岡市のシンボルプロジェクト

これは市民参画型の会議体を亀岡市が設け、スタジアム開業に向けてまちづくりにどう活用していくか議論し実行していくものである。

 

地域未来投資促進法同意基本計画

これについては以前まとめましたが、その後に京都府の政策提案・要望が公表され、府は同意計画に対する地域創生推進交付金の申請を行っている事がわかりました。

内容を見る限り、基本計画内に記述されていたICT環境の整備等に関して要求を行っており、スタジアムの機能高度化とスタジアムを核としたまちづくり実現に向けて期待が更に膨らみます。例えば、サンガの試合を見に来た人を街に誘導するだけでなく、アプリ等利用者ら(=亀岡市民や観光客ら)をサンガの試合に誘導することも当然可能になるわけで。

もっと言うと、亀岡にスタジアムを建設した要因の一つに「府北部と府南部の中間地点」を挙げているので、府北部・南部の観光地や近辺の嵯峨嵐山エリア、またサンガそのものと色々絡めていけるともっと面白くなるのですが…

 

 

 

そして、スタジアムの工事自体は2019年12月末頃まで行われ、2020年春に開業を迎える予定。

比較材料として市立吹田サッカースタジアムの建設工事の様子を引っ張ってくると、大体着工から半年~7か月ほどは基礎部分の工事なので見た目は地味。それ以降はニョキニョキと組み立てられていく…はず。定点観測するにしても、わかりやすい変化が出るのは夏以降だろうから注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

2017シーズン選手短評

 

GK

No.1 菅野孝憲

昨年に引き続きキャプテンを務めた守護神。終盤はケガを機に清水と入れ替わる形となったが、守備網がズタズタだった中で好守を見せて勝ち点の積み上げに貢献した。豊スタでのゲームと群馬戦(H)終盤の鬼セーブ2連発は忘れない。

一方、パフォーマンス以外で疑問を抱かざるを得ない点もあり、今オフは出ても残っても「うーん…」と思っていたところに札幌と個人合意の報道。現状考え得る選択肢のうち最もwin-winな選択肢ではないだろうか。今となってはあのコメントの意味も分かる気がする。

新千歳からもハワイ行の便は出ているようなので心配ないだろう。可愛い奥さんと娘さんとお幸せに

 

No.21 清水圭介

残留争いを繰り広げた15年にチームを救った守護神が終盤戦にポジションを奪取。残留に大きく貢献した。

J2ではどう考えても優秀なGKであり、絶望的な被決定機でも彼の正面にシュートが飛んでくる。ポジショニングが凄いという事なのか。無事に契約更新し、来季は開幕から1stチョイスとなる事が予想される。来季、まず降格から免れるには彼の神がかり的なセービングが必要だ。

 

No.29 永井建成

熊本からやってきた長岡京っ子。京都橘出身で、仙頭らと京都橘カルテットが誕生も、出場機会には恵まれなかった。

選手の入れ替えが激しい京都において、SNSの更新等ピッチ外での貢献度が高い選手はサポからすると「優等生」的な扱いを受ける傾向にあるが彼もそうであった。プロ入り前の大会会場のトイレでばったり一緒になった事もあり縁を感じていただけに←、いわきでも頑張ってほしい。カテゴリーは落ちるが、クラブハウスやクラブそのものの質はあちらさんの方がはるかに格上である。

ただ、1つ言っておきたいことがある。彼が悪い訳ではないのだが、29番は奥川→沼と31番と似たような「ユース上がりの前目のタレントが背負う期待の番号」的ポジショニングとなりつつあった。それがいきなりGKの番号に逆戻り(※奥川以前は杉本大地の番号)。アホ???

 

No.34 若原智哉

二種登録されていた京都U18の守護神。世代別代表なので確実に上げるとは思っていたが、無事にトップ昇格が決まった。

現段階でGKが清水と若原しかいない状態にあり、ルーキーイヤーにベンチ入り・出場もあり得なくはない。でも、できればGK3人体制の若原は鳥取期限付き移籍というシナリオがベストである…セカンドチームを所有していないデメリットは大きい。

 

 

DF

No.2 湯澤聖人

監督と共に柏からレンタルで加入も、通年での活躍は果たせず。柏へバックからの甲府へ完全移籍が決まった。

サイドバックとして起用されればもっと目途のたったと思うが、左サイドをただふらふら上下動させてもなんの意味はなかった。器用さがあるような選手ではない。あと個人的な偏見かもしれないが、走っている時の上半身と下半身のバランスがサッカー選手と言うよりラガーマンやアメフト選手にしか見えない。三根もそうだったが凄くアンバランスに見える。矯正しなくていいのかな。

 

No.3 高橋祐治

そして全員いなくなる

イケメン生え抜きCBは鳥栖がお買い上げ。鳥栖甲府に引き抜かれるのが京都サンガさんなんです。営業収益が20億にすら載らないんです。

高さはあるものの、どこかふわっとした仕上がりのまま(24)に。すまぬ。鳥栖で伸びシロを埋めてくれ。

 

No.4 田中マルクス闘莉王

残留の立役者。今季はほぼFWとして出場も、圧倒的高さとファーサイドへ逃げて叩き込む巧さにシュートセンス、"時折"見せる本職ならではの勘所をおさえた守備はさすがであった。ありがとう。

が、しかし、あまりにも重すぎる。守備タスクが軽いのはわかるが、カウンター時にゴール前まで走れないとか、競らないとか、あまりにもコンディション不良すぎる。そのような状況でも必ず90分ピッチに残り、メンバー入りを果たし、通算100得点を果たした途端数試合休んでいたのは…練習もろくにこなせていないとの話が聞き漏れてくる選手を起用するチームに健全な競争環境があると言えるのだろうか。

あと、ファンサービスはプロサッカー選手として最低限度のことはこなしましょう。こなすようにクラブは契約に盛り込みましょう。管理不行き届き。

 

No.6 本多勇喜

器用さはないけど色んな意味で頑丈なSBなだけに、今年の京都においてもまあまあ輝いた。ボールをただ前に蹴るだけの時期はため息しか出なかったが。仕方ない。

もうちょっと賢い選手に化けてほしいのだけど…来季もよろしくお願いします

 

No.15 染谷悠太

セレッソに移籍した時から年々粗さが増していてなんとも言えない。昨年はコンディション不良感が凄くて、今期は改善されたようにも思えたが…結局逆戻りか。

空中戦に絶対的な強さがあるわけでもないし、地上戦でやられることも多いし、手使う頻度も変わらないし、復帰3年目となる来季は色々と勝負の年なので頑張ってほしい。一番輝いたのが最終戦の「しゃべるから黙れ!」では困る。

 

No.17 牟田雄祐

ケガから復帰も試合勘のなさかパフォーマンスは低調、夏場に今治期限付き移籍となった。

来季は活躍してくれないと困るので頑張って

 

No.24 内田恭兵

石丸監督の下でSHとして使われることも多かったが、今期もSH(WB)起用がちらほら。しかし帯に短し襷に長し感は払しょくできず、契約満了に。スピードと運動量がストロングポイントだと思うけれど、足つる試合が2回あったのはなあ…

昨年の豪快なプロ初ゴール以降、積極的にこぼれ球はぶちこんでいくようになったので褒めて伸びるタイプだと思う(勘)。長野でもっと成功体験を。

 

No.25 麻田将吾

U18から昇格のルーキー。試合出場も果たすも、スタメンを飾った金沢戦では前半で下げられた。その後のフォローについて何も聞こえてくるものが無いので判断がつかないが、あれもどうなんだか。仮に監督がフォローしたのなら、それはクラブがオウンドメディアで語ってほしいものだが。ストーリー性が無さすぎる。

カマタマーレへのレンタルが決まったので、ジプシー状態の讃岐でもまれてほしい。セカンドチームも選抜チームのないので、J2・J3の出られるクラブへ移籍するのは良い移籍。頑張れ~~

 

No.26 下畠翔吾

今期はCBとボランチで起用。いぶし銀の活躍を見せた(まだ25歳)。右SBに戻ってほしいが、、、

宮吉駒井伊藤久保原川高橋…そして下田軍団。皆がいなくなる中で1人残り続け仕事をこなす。これを野口メソッドと命名したい。

来季も頼んだミスターサンガ候補

 

No.30 石櫃洋祐

今年も右サイドを爆進。前線の高さに頼りきりのチームなのにクロッサーがそんなにいない。というかクロスを上げる場面を作り出せない事と、プレースキックを蹴れることもあって重宝した。

が、来季で(35)。フロントは世代交代を考え続けなければならない。

 

No.41 土屋往夫

夏場に甲府から加入。本人は悪くなかったが、チームと合わなかった。

高さに分のある土屋を取ってきて、「これからはDFラインを高く設定したサッカーを」と語り、数試合で吉野をCB起用し始めたのはギャグ以外のなにものでもない。可哀想である。

お子さんがまた生まれたことだし、来季もどこかでプレーする姿を見せてほしい。

 

 

MF

No.5 吉野恭平

なぜJ2にこんな選手がいたのだろうか。本当にありがとう。

正直手放しで褒められるプレーをしていたかというと言葉に詰まるが、今期の京都で、全てを任せられた中で、あれだけやってくれたらサポーターは感謝するしかない。仕方ないじゃん、布部京都だもん。

これくらいの選手がひっそり欧州組として活躍して、また新たな若手がJでプレーして…となると、もっとレベルが上がると思うんだけどなあ。広島で頑張ってね。町田戦のあのゴールパフォーマンス、忘れないよ。

 

No.7 田村亮

完全にSHとして起用されているが、これでいいのか。

サンガ初ゴールを奪うなど昨年以上の活躍を見せたが、出場機会は今年も限られていた。プロ入り以降、キャリアの積み方としては順調ではないのだが、フロントはどう考えているのだろうか?頑張ってくれ~

 

No.8 ハソンミン

プレー集の時点で嫌な予感はしていたが…Jには合わない選手であった。

ただ、彼も被害者な一面はあり、コンディション不良と相まって「こんなはずじゃ…」という思いは強かったはず。京都での挑戦は失敗に終わったが、来季は再びキャリアに輝きを取り戻す活躍を期待している。

 

No.14 仙頭啓矢

橘カルテットの1人。高校時代はFW、大学時代はMFでの活躍が主だったが、京都ではボランチで起用されるなど中盤で重宝された。しかしチームスタイルがキック&ラッシュへと変更すると、完全にポジションを失ってしまうなど受難のルーキーイヤーに。

それでも終盤にはOMFとして定着し、24試合5ゴールと合格点の出来。

フィジカル面での強化と、プレッシャーに対する強さを磨いてほしい。後ろからのプレッシャーに弱いのはボランチ向きではないように思う。年パスのお礼レターのサインが仙頭だったので来季はより期待するよ~~

 

No.18 望月嶺臣

小兵なボランチ。パスの技術は確かで、数少ないレシーバーとして活躍を見せた。

しかし、守備とフィジカル面での弱みが露骨に出てしまう。キック&ラッシュスタイルだっただけに尚更。

もうちょっと守備面で活躍を見せてくれるといいのだが…来季加入するボランチも似たような選手ばかりなので、1stチョイスとなる可能性はかなり高い。頼みます。

 

No.20 伊東俊

山形から来たテクニシャン、活かしきれなかった。ボールテクニックは確かで、攻撃面で気の利くプレーができる選手だと思うのだが、チームのスタイルと適していなかったの一言に尽きる。小兵だし。あとボランチ起用はよくわからなかった。「は」じゃないな、「も」だな。

渋谷さんの熊本では輝くだろう。そして恩返しされそう。

 

No.22 小屋松知哉

過労死しそうなくらい走っていた橘カルテットの1人。ツインタワーからのこぼれ球を中心に8点を挙げた。勝ち点獲得にかなり効いたね。

正直J2だから通用している感もあり、SHとしてはより一層の奮起が求められると思うが、なにせ走りに走りまくっていたので評価に困るのである。来季は報われてほしい。

それと、久御山町出身であり、数少ない京都出身者として頑張ってもらわなければならない。それにしても長岡京だの久御山だの本当の京都(以下略)

 

No.23 島村拓弥

坊主のドリブル小僧のルーキーイヤーはベンチ入りに留まるのみ。来季は岐阜へレンタル移籍である。

ボールを持つと面白いプレーを見せてくれるが、すなわち今期の京都では一番しんどいタイプ。

島村君を上げて財前君を上げない基準もよくわからんよ、フロント。別に島村君を上げたらダメだったとかじゃなくてね。

 

No.38 重廣卓也

阪南大4年で特別指定選手登録。ユニバーシアード優勝の実績をひっさげて、来季より晴れて京都の選手としてプレーする。

昨年から練習に参加することもあり、開幕前のキャンプにも帯同。鈴木慎吾のすっぽんマークが実った形。しつこいねえ~ねちっこいねえ~

来季は望月・カセラス・荻野と似た系統の選手が多い為、ポジション争いは熾烈(どっこいどっこい)であるし、出られたとしても相方に困ってしんどいシーズンになりそうな気が…4-3-3とか4-2-3-1とかなら本人にとって良いかもね。顔は今風のイケメンなのでピッチ外での活躍にも期待がかかる。

 

 

FW

No.9 ケヴィンオリス

ツインタワーの一角として君臨。ベルギー産巨漢FWはチート級の選手であったが活かしきれなかった。すまぬ。

激高することも多かったが、紳士な選手であった。ああ勿体ない。コスパが悪かったのは本人のせいじゃないだろう…時折見せるスナイパーみたいなシュートは札束ビンタ感が凄かった。貧乏人をひっぱたくの最高やな!

何処でプレーするのかは不明だが、娘さんたちとの新たな挑戦の成功を祈ってます。

 

No.10 エスクデロ競飛王

明らかにコンディション不良であった10番は早期に戦線離脱。復帰後はボランチとして起用される理不尽な扱いに耐えるも、9月に超重症を負い、来季の開幕までに帰ってくるかどうかの状況である。

そもそもギャランティが高額故に昨年限りでお別れもあり得たと思うのだが、まさか3年もJ2で過ごすことになるとは思っていなかっただろう。まずケガを直す事と、トップフォームに戻す事、そして前線でプレーの幅を増やすことが求められる。

開幕前にバルバッコアおごりまくってたのは◎。

 

No.13 岩崎悠人

橘カルテットの1人。走りまくったシーズンであった。

フィジカルは既にJ2でも上位レベルで、競り勝つし走り勝しすげえ。でも戦術的な部分は抜け落ちていて、プレーヤーとして大成するにはより一層の奮起と指導者とのめぐり逢いが必要である……

U20W杯後は完全に燃え尽き症候群状態であったが、ホぺイロのケアで復活。いかにも京都っぽい選手だなあ…「前任者」同様、変に染まらないでほしい。そういう背番号の伝統は要らない。

かわいい系真っ盛りなのでもっとファン増えないかな。まだ足りぬ。

 

No.16 イヨンジェ

2年目の今季はツインタワーに押しやられる形で成績を落とした。契約満了報道が出ており、フリーで岡山へ移籍したと思われる。

シュートセンスに欠けるのが残念なところで、フィジカル面で強みを持っているし、面白い選手ではあるのだが。しかしファンヴィジョといい韓国産FWは皆似たタイプが多い。日本だと金崎みたいなのはレアなのに。

嫁さんが美人なので新婚生活を満喫してほしい。お幸せに。

 

No.19 大野耀平

大卒ルーキーながら早々に出場機会を得るなど、期待された選手だったが…負傷等もありシーズン終盤までは沈黙の時が続いた。若手主体となった愛媛戦では初ゴールを奪うなど、来季に向けて自信と悔しさの両方を得られるシーズンだったのではないか。

他のルーキーと違っていまいち人間的な個性が見えてこないのだが、それは出場機会によるものというより、クラブの問題ではないだろうか。以前はあった個人へのインタビュー等がめっきり減っているのだが、、、広報スタッフに広報をさせるようタスク整理すれば???

 

No.31 大黒将志

前監督とわだかまりがあったものの、契りがどうたらこうたらで復帰。

プロフェッショナルな選手であり、監督批判以外は問題ないように見えたが、「輪を乱すやつは要らない(意訳)」とまで言って出したのに、戻した行為。いま思えばあの時から崩壊が始まっていたなという感じである。大黒本人の問題ではない、クラブの問題である。これ以上は言わない。

彼もまたキック&ラッシュの影響をもろに喰らった選手であるが、栃木がオファーを出したことが報じられている。たぶんそっち行った方が良い。もっと輝いている姿が見たい。(※本日、栃木に期限付き移籍が決まりました)

 

 

サポカン開催の見送り

 

 

サンガってなんだ?

チーム運営とクラブ運営の両面に皆が抱くその疑問にアンサーを提示できるのか。大げさでもなんでもなく、クラブの運命は今の判断に懸かっている。

 って書いた翌日に「サポカンやりません」リリースが出ちゃったでござる。

 

 

 

 

えーっと、なになに。

リリースを良く読んでみると、

さて、昨年一昨年とシーズン終了後に開催致しました「ファン・サポーターカンファレンス」ですが、今季に付きましては秋に現状説明会を行ったこと、今季の強化部スタッフ退任、そして2017シーズンの成果と課題を踏まえ新たな体制での新チームの編成が佳境にあることから、シーズン終了後の「ファン・サポーターカンファレンス」は開催しないことと致しました。

 

①今季に付きましては秋に現状説明会を行ったこと

→現状説明会(議事録)は、シーズン中につき聞く側も答える側も当然トーンダウンせざるを得ない部分があったほか、9月16日開催という事でその後の3か月間に起きた布部監督続投や小島スカウトの昇進といった首をかしげるほかない行動について当然触れられる訳もない。

また、現状説明会ではトップチーム以外の話を全くできていないのですが…?サポーターカンファレンスというのは"クラブの説明会"であり、「マッチデーの企画もっと改善します!」「グッズもっと良いの作ります!買ってください!」「育成・スクールはきちんとサッカー教えて!安心してください!」「新スタジアムに向けて動いていきます!地域密着を体現します!」ってのをやる場でしょう???

 

②今季の強化部スタッフ退任

→「野口・細川両氏が悪者で、彼らが責任を取ったから説明せんでもええやろ」というシナリオにするんですね? でも、結果責任なのか任命責任なのかわかりませんが、この2人が結果責任任命責任で切られるのならば、当然現場の最高指揮官である布部監督も一緒にいなくなるべきですよね?おかしくないですか?

更に、責任を押し付けたとしても、「今後同じ失敗をしない為に実行する事」の説明が大事ですよね?それがないと信頼は得られないですよね?「この2人がめちゃくちゃしよってん~だから切ればなんとかなるねん~」ってことですか?

でもそれっておかしくないですか?監督選考の指標もサンガバリューといった属人的ではない基準を作って、それを基にチーム作りをしたんですよね?失敗したってことは、その基準がおかしいんじゃないですか?2人がいなくなったら基準は戻るんですか?

でもでも、ある程度までチームを整備して5位に導いた石丸監督より監督未経験の布部監督の方が上になる指標なんだから去年の段階でおかしいのは丸わかりで、布部監督で1年やってみて石丸体制からの積み上げも無く、壊れて12位フィニッシュ。でも布部監督続投します~強化部長は小島です~って流れじゃん。

結局「去年末から小島が布部でOK出してるんです。野口と細川はお飾り」という答えを自分からネタバラししちゃってるのに、「二人が辞めるから」って言っちゃうんだ。そのブラックっぷりゴイゴイスー!

 

そして2017シーズンの成果と課題を踏まえ新たな体制での新チームの編成が佳境にあることから

なるほど。ストーブリーグで忙しいってことですね。これは真っ当な理由ですね。

「15年と16年は問題なくやれてたのに、今年はダメなんですかあ???」とは言いたくなりますが、

2017シーズンの所属選手(二種登録含)=29(後に牟田の期限付移籍で28)

OUT=8名:永井・湯澤・高橋・内田・土屋・ハソンミン・島村・オリス

IN=若原・磐瀬・荻野・湯澤・沼

加入報道=宮城・カセラス・ロペス

契約満了報道=ヨンジェ

契約更新済=13名

不明=菅野・闘莉王・麻田・吉野・伊東・大黒

残留13名+加入決定5名+加入報道組3名=21名

不明6名

で不明の6名の引き留めないし移籍交渉、また代わりとなる選手の加入交渉に手間がかかるってんならまあ理解はしますよ。疑いはするけど真っ当な理由ですから。

 

 

でもまあやーっぱり①と②が無茶苦茶すぎるし、スポンサーもこんな顧客視点の抜けた運営してたら手引きかねんよ?どうすんの?ただでさえ広告価値どころかCSRの効果もあんまりないのに。

 

大体年内開催の約束をしてたんだからさ、

 せめて「開幕までの開催を模索しております」とか入れとけばよかったのに。なぜこういうところでは逃げ道を作らないのか。へたくそ?

 

「昇格します!でも監督は布部監督のままです!」といい、嘘をついているつもりはなくともほぼほぼ詐欺師みたいなもんなんだから。出せる範囲内で客観的な根拠を出すとか、努力の痕跡を示すとか、プロなんだから「頑張りました!でもダメでした!」だけでは済まんけどもそれくらいはがんばれや~~~い

 

 

 

 

-2017年シーズン振り返り- 京都サンガに何が起きたのか?【下編 STOP闇だらけ運営】

 

2016年シーズンでJ1昇格PO出場圏内の5位に導いた石丸監督を解任し、監督未経験の布部陽功氏を招聘。16年末サポーターズカンファレンスでは当然「なぜ?」と疑問上がったが、決してJ1昇格をあきらめる訳でもなく、チーム人件費リーグ2位(予定)となる額を費やしJ1昇格を目指す事を再度発表。

だが、蓋を開けてみると開幕以降1度も一桁順位に食い込むことはなく、J1昇格も早々に消滅。ホーム最終戦では、昨年終盤戦や開幕頃と比較して数もまばらになったサポーターからクラブ史上最も酷いと言っても過言ではない低迷っぷりとクラブの体質、そしてその元凶であるフロント・監督らを名指しで非難する異例のメッセージが送られるほどであった。

 

ホーム最終戦を終えてあいさつする山中社長にサポーター席からは批判する横断幕が掲げられた(11日、京都市右京区・西京極陸上競技場)

サンガ下位低迷、サポーターらブーイング 怒りの横断幕も : 京都新聞

 

 

なぜ2017年はこのような低迷に至ったのか?いったいどれほどおかしなことをしていたのか?

いよいよ17年そのものを見ていきます。

 

上編と中編

 

 

 

 

前任者の遺産が消滅した序盤戦

シーズン序盤、3-4-3のシステムで臨んだ布部サンガは開幕7戦で1勝1分け5敗という圧倒的なクソ成績を残しました。

 

J2で勝ち点を積み上げるには、湘南に代表されるようにスタートダッシュが肝心です

いや、正確には「開幕時点で完成度の高いチームだからこそ昇格できる」と言えるかもしれません。

2012年の開幕戦で天皇杯準優勝チーム/大木体制2年目だった京都に逆転勝利を果たし、最終順位でも京都を3位に追いやって自動昇格を果たした湘南ベルマーレは、トップチームでの指揮は初めてだったチョウキジェ氏が反町氏のあとを引き継いで素晴らしいチームを作りあげ、開幕10戦で勝ち点25を積み上げる圧倒的なスタートダッシュを決めていましたね。

 

一方の京都。

たまたま勝てた徳島戦も、リカルド・ロドリゲス監督の素晴らしいチーム89分間圧倒され殺されていたのにたった一本のロングボールとフリックで奇跡的に金星を挙げただけであり、鹿児島キャンプは単なる遠足か?と思ってしまうような完成度の低さ。

 スタートダッシュに完全に失敗した京都は、まさに開幕時点で完成度の高いチームにとってのカモ」側

 

理由をいくつか挙げてみると…

開幕からつまづいた要因その1:布陣と選手層のミスマッチ

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まず、WBの適任者が石櫃/内田/湯澤くらいで、三人中レフティーは0。左利きという事もあってか本多を一列前に上げて起用したこともあったが、オフェンス面での能力が高い選手でもなく…島村はレフティー(図記載漏れ)だがどう考えてもWBではないし、麻田同様にユースから上がったばかりの高卒ルーキー。

フォーメーションでサッカーをするわけではありませんが、選手という持てる資源を最大限有効活用する為にも適したフォーメーションを用いる必要があります。また、相手あっての競技ですから、自分たちの強みを発揮することだけでなく、相手の弱みにぶつける事、相手の強みを消す事も求められます。

おそらく、この3-4-3は闘莉王を使いたくて3バックに設定し、そこから組み立てたんだろうと個人的に予想していますけど…

予期された編成面の不備=強化部の怠慢と、監督のマネジメント不足の両方によって布陣と選手層のミスマッチが起きてしまいました

 

開幕からつまづいた要因その2:闘莉王らのコンディション不良

先ほど挙げたように、この3-4-3は戦力的なものなのか契約的なものなのかはわかりませんが闘莉王を柱とする事を前提に組み立てられたのではと個人的には思っています。(仮にそうだとすると、この時点でおかしなことなのですが…)

ただ、闘莉王選手自体が「これは活きるように中心に据えますわ」という出来であれば、3バック導入自体は納得できるし、そこから考えていくのもまあ理解できなくはないはずの話。

しかし、開幕戦では「時代遅れの車」とでも形容するほかないようなエンジンのかからなさ。2節 徳島戦では怪我の功名で"FW闘莉王"が生まれ、FW闘莉王のおかげで勝ち点3を奪うも、DFラインはコンディションに合わせるように「ドン引き」状態。DFラインが低ければ悪いって訳ではないし、高ければ良い訳ではないのですが闘莉王いない試合ではガンガン気持ちプレスかけたりしてるんだよなあ…

3節 福岡戦はケガの影響でメンバー外だったのに現地には謎帯同。

4節 岡山戦ではクローザー的に途中出場も逆転負け。そして8節まで連続欠場…

(チームの出来もそうですが、)キャンプ中に「これはアカンやろ」と止める人間はいなかったのか?????

 

もちろん選手は駒でしかないので、ダメな選手は外せばいいだけの話。闘莉王選手に関しては起用する監督または起用せざるを得ない状況を作った人が悪い訳ですが。

(※起用せざるを得ない云々は「明らかにへばっているのに必ずフル出場」とか「試合中一切アップしないような状態でベンチ入り」とか「練習で合流できていないメニューがあるのに試合に出れる」とかを見聞きして想像で書いてるだけですからね。一応)

また、闘莉王選手以外のコンディション問題。例えばケヴィンオリス選手のケガ等は監督にとって不運な出来事だったと思います。

しかしそのケヴィン選手に関しても、「この日のパフォーマンスから、単純に『大黒よりオリスがいい』というわけではない。サッカーはチームスポーツだ。大黒を起用するなら、最前線での動き出しを生かせるパスの供給役が必要となる。そのタイプが不在ならば、オリスのように前線で起点を作れるタイプを置くほうがチームとして機能しやすいのではないか」と雨堤氏が指摘したように、本来あのような(要因3で後述)状況であればスタートから使うべき選手であって…

 

開幕からつまづいた要因その3:ビルドアップできない問題

自陣側からパスを繋いで攻撃を組み立てていく行為のことを「ビルドアップ」と言いますが、この「ビルドアップ」が全く整理されていないからボールが繋がらない。

なぜなら、規律が見当たらないから

 

以下は第3節の福岡戦の雑なキャプ画ですが、これを用いて少し見ていきます。アウェイ側の京都は白のユニフォーム着用です。

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ボランチ吉野選手が福岡の選手間に陣取っており、真ん中を抜かれたくない福岡側はファーストディフェンダー2人が中央に絞ることで吉野選手へのパスコースを消していました(赤丸部分)。福岡からすると「ゴールにより直結するプレーはやられたくない」「中央よりセーフティな外側へ追い込みたい」が故の行為ですね。

逆に京都視点だと、吉野選手がこのポジションをとる事で「福岡のファーストディフェンスを中央に釘付けにできている」と言えます。京都の左サイド(画面側)は左CB本多選手で、右サイド(奥側)は右CB染谷選手。ボールホルダーのCB牟田選手と染谷選手の間に居るのがボランチの仙頭選手。サイドに開いたCBは両者共にWBの選手より中央に絞った位置に陣取っています。

 

 ②1枚目の時点でそうでしたが、福岡のウェリントン選手が本多選手側をケアする動きを見せたこともあり、ボールホルダーは赤丸ゾーンの吉野選手にパスを預け、吉野選手は即座にリターンパス。このパス交換によって、アビスパの1列目は体の向きが中央を向くくらい中央に釘付けです。

 

③リターンを受けた牟田選手は左側に位置取っている本多選手へとパス。しかし画像左側を見るとわかるように、即座に福岡の選手がプレスへ走っています。動画ではないのが申し訳ないですが、牟田選手のパスの蹴り方は動作に入った時点でどの方面へ蹴るか読みやすいものでした

 

④福岡の選手の出足が早かった分、パスを受ける本多選手にかなり接近。

 

⑤本多選手は左利きですが、左足で開き気味(左側)にトラップしてそのまま左サイドへ展開するのではなく、最もリスクの小さいプレーを選択。すなわち、右から来るパスを迎え入れると同時に左から来る相手選手とボールの間に体を置いて守れる自陣側へのトラップです。牟田選手のパスの蹴り方とスピード・本多選手のポジション取りや技量・映っていない左サイドの状況(=次のパスの選択肢)次第では、もっと余裕をもってボールを迎え入れ、左サイドに余裕で展開することもできたはずですが…

 

⑥自陣側へトラップした本多選手はそのまま牟田選手へリターン。福岡からするとここでギャップを創ったりして吉野選手に通されてしまうと元も子もないですが、牟田選手へとリターンさせることに成功したので今度はリターン先へウェリントン選手がプレス

 

⑦リターンを受ける側の牟田選手は、ウェリントン選手から逃げると同時にパスコースを作りたい意図があったのか、ボールから受け入れにいくのではなく逃げるような形でパスを受けようとします

 

⑧この時、牟田選手には、右サイドの染谷選手と後ろに控えるGK菅野選手への2通り、セーフティなパスを出せる相手・選択肢があると言えるかと思います。しっかりボールを止めて本多選手へ戻す選択肢もあるでしょう。

しかし牟田選手は余裕のある味方選手にパスするのではなく、1列前の仙頭選手へのパスを選択します

 

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⑨仙頭選手にボールが一応通りますが、背後から相手選手のプレッシャーを受けている事もあってか、少し仙頭選手がトラップ処理にもたつきます。右足(赤丸部分)でボールを保持しています

 

⑩このまま自陣深いところでボールを奪われてしまうと大ピンチですので、ここで仙頭選手は繋ぐことよりリスク回避を取る判断をします。反転してボールを大きく前へ蹴りだします

 

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 ⑪福岡DFがボールを回収。京都は低い位置でボールを奪われてそのままピンチへ…という最悪の展開こそ免れましたが、この10秒ちょっとの展開の中で簡単にボールを失ってしまいました。

 

なお、後半もこんな感じの様子が。(牟田→仙頭のところで捕まる→本多に叩いて本多は前に無理くり蹴りだすの図)

 

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というような地獄絵図でして……

横幅68mをたった2人で担当している福岡のDFライン1列目に対し、これだけ人数をかけて、しかも2列目の壁にぶち当たって前進に四苦八苦とは一体どういうことなのか。

選手が探り探り、また福岡の圧力にビビりながらプレーしており、各選手のポジショニング・プレーの優先順位…どれもトレーニングにて整理されていないままに試合をこなしているから、重心の重たさ/ポジショニングのいびつさ/精度の低いパスやトラップ/自陣深くでのリスキーなプレー等の問題が起きているとしか私には思えませんでした。

ちなみにこの試合で布部監督はこうコメント

Q:開幕から難しい試合が続いていますが、終了間際の粘り強さのようなものも出せていると思います。今後、どのあたりを修正して波に乗りたいとお考えでしょうか?
「自分たちとしては、ハーフウェイラインまで、もう少しボールをつないで、相手陣内に侵入してから、いろんな攻撃を仕掛けたいと思っているんですけれども、ハーフラインまでの組み立てが、現在の課題だと感じています」

【無料記事】【監督会見 J2第3節 福岡-京都】一矢を報いるも完成度に課題。「今日の試合を次につなげたい」/布部陽功監督 : 「football fukuoka」中倉一志

 
開幕からつまづいた要因その④:守る事すらできない問題

えー、更にこのように、"試合中に監督が大声を張り上げてプレスの開始地点を指示する"驚きの光景が見られました。

ゴールを奪われない/ボールを奪う為に必要な、ボールの奪いどころ・ポジショニングなどがトレーニングで十分に落とし込めていないが故の事象ではないでしょうか?高校サッカーの県大会3回戦じゃないんだから。もちろん試合中にズレが起きていたら即座の修正は大事なんですけども、こういう場合は……

秋田氏が解説してるのが良い味出してますね。

 

そしてこの試合の後半、先の動画で監督から指示を受けていた石櫃選手がボールにチャレンジするところからズレてズレて失点。もっと言うとこの1試合前の千葉戦でもズレズレ守備を露呈。

 ※丁寧な解説ツイートを引用させていただきます

中編で書いたように、前任の石丸体制でもボールホルダーへの寄せが甘い等々立て直したとはいえ守備にも少々不備がありましたけれど、これはもう問題外です。

石丸監督では足りないからと、布部監督を招聘したのに、酷い弱体化です。

twitter.com/tome_beta/status/850323522291245056

 

後に、9月に開かれた説明会でフロントにサポーターから疑問を投げかけてみたところ返ってきた答えは…

・PO後に監督が決まったので、ストーブリーグに出遅れて監督からの要望に応えきれなかった

・キャンプ地の芝が火山灰の影響で硬くなって思っていたトレーニングが積めなかった。コンディション問題にもつながった

・サイドと高さを活かそう!闘莉王をCBに据えるなら3バックだろう!と強化部と監督が話し合って3-4-3でチーム作りを進めた

・ビルドアップができない問題は、キャンプでブロックを敷いて守るJ1のクラブとしか試合をしてなかったから。いざ開幕するとJ2のがんがんプレスに手を焼いて前に運べなかった

・また、選手の技量などが監督が想定していたレベルに達していないからビルドアップができない

・(J2 5位に導いた監督を「時間とお金が無い」で切っておきながら)布部監督が現状なにができるかを見ている

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ちなみにこの頃のわたくし。

「見たらわかる。バドゥと和田さんの時と同じやつやん」ってな。

 

 

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ツインタワー依存の春~中盤戦

こうした「守れないし攻めれない」という絶望的な状況下ならば、本来監督交代があってもおかしくないところ。しかし、さきほど紹介したように「現状でなにをできるかを見ている(キリッ)」で布部体制のままで山のようにある問題を解決しようとします。

 

そこで、解決の為に強化部との話し合いと布部監督の説得とやらで8節以降採用されたのが、オリスと闘莉王をFWに据える4-4-2システム。

そう"ツインタワー"です

 

思えば、唯一勝利を収めた徳島戦の決勝点がそうだったように、192cm92kgのオリスと185cm85kgの闘莉王がゴール近くで競ればJ2のディフェンダーにとっては勝ち目なし。

89分試合を支配されていてもたった1本で壊せてしまうその圧倒的ば物量面での優位で他クラブに札束ビンタを喰らわせます。

クロス/ロングフィード/ロングスローを放り込むだけでチャンスになるという札束攻撃により、京都は8節以降の11試合で5勝6分けと復調します。

 

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しかし見ての通り、引き分けの数が先行しており連勝も0。

 

それもそのはず、

①4-4-2に切替により守備時にブロックを敷いてごまかせるようになったほか、前年の遺産でなんとかマシ(開幕7試合11失点→次の7試合7失点)にはなったものの石丸体制より明らかにふんわりした守備。2トップが共に重量級の為に守備タスクをこなせず、2列目への守備の負担が激しくなる問題発生

②前に蹴ってごまかしているだけでビルドアップは相変わらずできない。また、そもそもプレーの選択肢から捨てている。その為、ツインタワーがそろわないと分が悪い

③J2ではチート級とはいえ同タイプの2トップ故に2トップ間でなんとかしてはもらえない。速攻時に闘莉王にボールを持たせても鈍重故に停滞したりする

④先の映像で見せたように、半年間のブランクと年齢などの影響からなのかコンディション不良の闘莉王(36歳)の運動量の少なさ。および試合欠場

と、ツインタワー導入によって前線にポイントができる→キック&ラッシュでボールを前に運べるようになる→ボールを持てる時間が増える→ボールを持っていれば守備をしなくて済むので失点のリスクが減る→しかもツインタワーのおかげで相手がラインを下げたりしてくれるとより安全になる→勝ち点が積みやすくなる

というだけで、ビルドアップや守備等の問題自体はなにも解決されていないが故に、「2点目が取れない」「1点を守り切れない」状態が生まれます。

 

また、ツインタワーしかないやり方故に、ツインタワーが封じられたり、そもそも2枚揃わない事が出てくると機能はせず当然結果にも影響が出ます。4-4-2導入以降、闘莉王が未出場の公式戦8試合は1勝4分け3敗。オリスが未出場の11試合では4勝5分2敗となっています。

じゃんけんで絶対に勝ちたければ、相手の出す手が分かっていればいい。相手がグーを出したら後出しでパーを出す。あるいは相手にグーを出させてパーを出す。敵と戦って勝つには、引き出しの数を増やし、状況に応じて最善の手を選択することが重要。グーしか出せないから相手の顔面を殴るようなやり方では当然限界を迎えます。

 

何より、組織で連携して相手を崩したり、ゴールを守ったり、そういった戦術的な洗練度合のないチームは見ていて実につまらない。今季「サッカーをした」試合はいったい何試合あったのか?

 

また、このツインタワー方式はユースや若手育成的にも当然良くありません。

「チームの強みを活かしているサッカー」と言えば聞こえはいいが、それしかできないから活かすほかないし、活かしているというより依存しているだけ。補強ができるトップチームだからこそ成し得るサッカーであり、育成年代において大型FW2枚並べてそこにボールを集めるなんてサッカーは実現可能性がほぼ0な上に、仮にできたところで選手の成長になんにも繋がらない。育成組織に対する投資の比重が非常に高い京都において、ツインタワー頼みのサッカーをトップチームがやっていても無駄でしかない。

また、争奪戦を制して獲得した高卒ルーキーのFW岩崎悠人について「最低でも代表には」と語っておきながら、サイドハーフの位置でツインタワーの介護をする事を良しとしていたのだから、岩崎本人の成長曲線の変化や新卒選手獲得等多方面に生じる悪影響も怖い。

仙頭のようにキック&ラッシュへのスタイル変更でポジションを失ってしまった選手もいる。ボールを繋げないチームにおいて潤滑油的な役割を果たしていた仙頭は、ツインタワー導入以降、TMでは活躍を見せたりするものの出場数が激減する。

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つまり、「その場しのぎのプランとしては良いが、やがて終わりが来るプランであり、かつ戦略的に見ても正しいとは思えないやり方」である。

そしてこのプランから正しいプランへと修正を実行するには、布部体制で無理なのははっきりとわかっていた。だってツインタワーに当てるほかに何もないのだから。

 

暑い夏が来れば、試合中にそがれる運動量や集中力はより増す。組織として整備されきってないチームにとっては苦しい夏だ。整備されていない分、無駄走りでカバーをする。整備されていない分、思考を要する、なのに、暑さがそれを邪魔するのだから。

さらに、監督交代やコーチ招聘によって解決を図ろうにも、夏ではコンディション調整が優先されてトレーニングで戦術を落とし込むには支障が出るかもしれない。

一刻も早い決断が求められていた…求められていたはずだった…

 

 

ツインタワー効果、消える

 湘南に敗れて負けなし記録が11戦でストップすると、気持ちでなんとか持っていた部分が切れたことと暑さが原因だろうか、選手の動きも悪くなって、改善されてこなかった問題が超顕在化してくる…そらそうだわな…だから監督変えろってずっと言ってるのに…

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どれくらい酷いかってこんな感じ。

 

更にこのあたりからプレーの粗さだけでなく"荒さ"も目立つようになる。

J3の沼津にほぼベストメンバーで挑んで完敗を喫した天皇杯では、吉野が差別的発言で3試合の出場停止。水戸戦では吉野とハソンミンの両ボランチがそろって退場。さらにハソンミンは水戸さんの看板を破壊。「負けていて熱くなり言ってしまった」と吉野が語るように、いびつな組織故の負担がかかるポジションなだけに、ストレスまでためこんでいたのかもしれない。もちろんやった本人らが悪いのだが、下手なチームはファウルが必然的に増加するもの。

「闘争心を持ち、フェアプレーに徹し、最後まで全力でプレーする」サッカーを標榜しておきながら反則ポイントは昨年の70から120に増加しJ2最下位となった京都と、ロティーナ監督&イバンコーチ招聘で戦術的に洗練されてPO進出にも成功し、例年100ポイント程度貯めてしまうところが今季はたった15ポイントの東京V。両者を比較すれば答えはおのずと出てくるのでは。

 

また、指揮官の"迷言"がより一層目立ったのもこの頃。

①4-4-2システムでボランチ以前(=4-2の部分)にオリス・ヨンジェ・岩崎・小屋松・闘莉王エスクデロ・仙頭・大黒とFWと元FWのみを起用する策を展開後に「逆転する為にもっとパワーが必要」

 

②最下位相手に試合を終始支配され、しかも誤審による得点取り消して勝ち点3を辛くもつかみ取った群馬戦後の前半戦総括コメント

「自分たちの力が分かったと思います。上位チーム相手でも自分たちのサッカーをやれば十分に通用するし、勝利出来ると確信したと思います」

 

③力負けを喫した長崎戦の試合前後

試合前日「勝ちにいかなきゃいけないので、先発は勝ってきたデータを踏まえて考えたい」

試合後「ミスが起きたときに、それは技術的なミスだったのか、それとも周りの選手のポジショニングや選手を落ち着かせるためのコーチングが必要だったのか。そういった個人戦術とチーム戦術が少し足りなかったと感じています」

(補足:「コミュニケーションは戦術の一つ」)

 

⑤繰り返される「まだまだですね」と「ちょっとしたところ」

・まだまだ編

30節

40節群馬

 

・ちょっと編

41節

「もう少しというところまで」「もうちょっとのところで」

「そういった部分でも東京ヴェルディさんは、勝負強さも持っているなという風に感じましたし、そういった部分が我々に今必要なところかなとも感じました」

「ちょっとしたところをもっと磨かなければいけない」「ちょっとしたパスのミスでピンチを招いたり」

「今日も負けました。でも、みんな負けた感じがしないという、選手の表情をみても感じましたし、選手もそういう声を出ています。やってきたことはここ何試合も間違っていないと思いますし、もう少しちょっとしたところをこの後(残り1試合)やっていきます」

42節

「松本さんが今日の試合まで13敗。我々が13敗。でもこの順位の差。そのちょっとした差というところで課題があったシーズンだったと思います。来季に向けてはそのちょっとしたところを埋めていけるように、一歩、1メーター、1プレー1プレーをしっかりこだわりながら、上を目指してプレーしていきたいと思います。」

 

・どちらも詰め込んだ欲張り編

27節

32節

京都新聞「ちょっとしたところが足りない」と布部監督や選手たちは繰り返す。昇格プレーオフ圏の6位にいる東京Vとは勝ち点差が13。「ちょっとした差」で済まされない現実に、来季サンガは向かい合わなければならない。

大木武監督たとえば「距離感」、たとえば「コンパクト」。具体的にどれだけの距離・広がりかも示さず、指導を曖昧・難解にしている。指導者の整理の仕方、伝え方、指導者と選手の言葉の共有(コノテーション)、選手の理解力をわかったうえでの効果的な言葉遣いが必要ではないか

"指導者としてよく口にしているのは「言葉をかみ砕く」。例えば「バイタル(攻撃エリア)」という言葉があるが、一言で「バイタル」と言われても、各選手が頭に浮かべるイメージは三者三様だ。イメージがバラバラではチームにならない。だから、風間監督はあいまいな言葉は一切使用しない"

 

もちろん、記者会見で監督が事細かにしゃべる必要はない。むしろ手の内を隠すためにはぐらかすべきだろう。しかし意図して抽象的に話すのと、具体的に話せないのでは当然訳が違う。指導の際にも非常に難解な表現を用いているのではないかと心配にしかならない。

 

また、チームの機能不全の原因を正しく認知できているのだろうか?指揮官はどうも選手に責任をなすりつけるような表現を用いる時がある。「ミスが響いた結果かな」とか、じゃあそのミスの原因はなに?っていう。貴方たちに原因あるでしょう?っていう。

認知→判断→決断→実行というサイクルを回す、またトレーニングにおいてチームの課題から計画を立ててPDCAサイクルを回す…って作業が重要だと思うのですが、監督もフロントもわかっていない、またわかっているのに実行に移す術もやる気もないのであれば、何時まで経っても「ちょっとしたこと」は改善されませんよね。うん。

 

https://twitter.com/nks137/status/901785270156009472

http

 

s://twitter.com/nks137/status/926062208710197248

 

 繋いだ!繋いだ!布部サンガはまだ終わらなーい!

 そんなこんなでサッカーと呼べないような代物を展開しつつも、さすがは名古屋に次いでリーグ人件費2位(予定)を費やしただけはあるチーム、なんとか12位フィニッシュでJ3降格は免れます。

秋ごろからオリスが使われなくなって代わりに仙頭がスタメンに復活したあたりは、「ツインタワーから脱却したい」が為の能動的な起用法/戦術の変化と、来季以降を見据えた(=来季残さない人間は使わない)受動的な戦い方の変化の両面を感じましたが、昇格も降格もなくなった事で大野らを含め若手の出場機会が増加したのはいいことでした。

 

ただまあ相変わらずサッカーはgdgdで…

https://youtu.be/RKN_IDJ8NWg?t=1m35s

 

ハソンミンの前半早々の退場にキレておきながら、出場停止明けの残り3試合全てスタメン起用で…相変わらずよくわからなくて…

 

 

5位に導いたサンガOBで天皇杯優勝時のキャプテンだった監督を「時間とお金が無い」で切っておきながら、42試合で14勝15分13敗/55得点47失点の12位という成績とサッカーになっていないサッカーを残した監督を「雰囲気がいい」などと述べて続投……

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私物化クラブよ、どこへ行く

という訳でして、いよいよまとめに入るんですけども…

 

どこまで書いて良いものかわかりませんし、まだ言えない(ひょっとしたら今後も言えない)話もあるので、ぼんやりした記述になってしまいます。ごめんなさい。

ただ、昨年末および今年いろいろな方から聞いた信頼できる情報や、表に出てきている情報から察するに、この2年間は以下のようなシナリオかなと思います。

公表・報道されている部分に関しては太字にしておきます。

 

2015年 前社長が私物化して17位と低迷

オフに大補強。本多牟田と名古屋の主力を引き抜く

小島卓スカウト加入

自主規制

石丸監督の解雇および放出選手内定

5位になるもPO準決勝で敗退

自主規制(※時期不明)

小島卓スカウトと同級生で近畿大学/ブラジル留学/V神戸での繋がりがある、監督未経験の布部氏が就任

田口(名古屋)と同じ代理事務所で同じボランチの選手である望月を獲得。吉野を残そうとしつつも田口にもオファー

偏ったままの編成で始動。「キャンプ地のコンディション不良」「J1のチームとばかりTMをしたからプレスに来るチームに慣れなかった~」

去年のサッカーの見る影もなく、7戦1勝1分5敗で「布部、涙」報道

強化部が介入し、4-4-2導入で誤魔化すことに成功

ツインタワーが効かなくなるけれど、監督更迭はなし

自主規制

リーグ戦成績が昨年の勝ち点69 5位から勝ち点57点 12位と大幅に悪化

闘莉王らへ契約延長オファー

野口強化部長と細川強化本部長が更迭

小島スカウト、強化部長へ昇進

布部監督、続投

あの人にフラれる

自主規制

ボスニア代表監督候補でもあったボスコにヘッドコーチのオファー

現在

 

 

というわけで、

本来は、「軸となるクラブとしてのプレーモデルおよび戦略の策定/決定→適した監督/選手の獲得および育成」という流れで有能なフロントがチームビルディングを行い、有能なコーチングスタッフが戦術の落とし込みやマネジメントを図るもの。ですから、中編で「サンガバリューの策定→キジェ監督にオファー→石丸監督の留任」という流れを私は褒めたのです。

※「プレーモデル」=「チームの全プレーヤーが共有する原則/判断基準」という意味で使用しています。 

交渉の席でフロント陣は「マリノスとしてのプレーモデルは決まっているので、それをさらに成長させてくれる監督にする」と説明 [契約更改交渉スタート]

 

しかし、いまの京都は明らかに「プレーモデルおよび戦略等中長期的な視点の欠如」。そして「軸とすべき判断基準より、ある特定の個人の意思や考えの方が意思決定時に優先されている」異常事態です。名古屋や群馬、そして2年前の京都で起きた悲劇がまた繰り返されようとしています。

クソ編成のチームを任された布部さんも、闘莉王選手のせいでやりづらかったとか、色々と被害者な部分はありましたが、でも加害者な訳でもあって。辞任って責任の取り方もあるんですよ。でも来年の契約更新にも合意してしまった。

 

なにより、前年に5位に導いた監督を「時間とお金が無い」とか嘘ついて解雇しておいて、全てをぶっ壊した監督は続投させる客観的な根拠って何なんでしょう?

チーム作りにおいて、ファンの心理を過度に考慮する必要はありません。勝利というゴールから逆算してチーム作りを行う、その為にチーム内で絶対に守らなければならない原則などを作りあげて継承する、それができていればチームが崩壊する事はありませんし、「なんであんな奴取ってきた!」というファンも結果を出されると文句を言わなくなります。現場はプロダクトアウトの形でいいんです。

しかしですよ、天皇杯優勝時のOBを切って、山瀬を出して、(また乗っ取られたから擁護しないけど)ミスターサンガ野口も切られて、小島氏と布部氏がこのクラブに居残る。

ただでさえチームアイデンティフィケーションがJ1/J2でワーストクラスの京都サンガ、ファンがまた消えますよこれ?????

ボスコを招聘する事で「J3降格はないな」という安心はできますけど、でも監督はこのまま布部氏でスタートする訳で、そりゃあこんなおかしな事をわざとやってたら消えちゃいますよ。しかも一部のサポには知られている自主規制部分のネタもあるしねえ。

Twitterで取ったアンケートの結果

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サンガ(に限った話ではないですが)が弱いのは、軸となるサッカースタイルやプレーモデルが定まっておらず戦術的な優位性がないからです。今年に関しては、人件費がリーグ2位(予定)と物量では比較優位を有していながら、戦術面でしてやられて12位になっとるわけです。

だから、世界の潮流と適しているサンガのサッカーを作って管理できる強化スタッフ人材・サンガのサッカーが実現できる監督・そして選手が必要なのです。

 

例えば、競技面でサンガがやらなければならない事をかいつまんでみるとこういう事。

①全カテゴリーで共通したプレーモデルの設計/中長期的な戦略の構築

②1で挙げた事を実行し、モニタリングできる有能な強化スタッフの招聘

③1や戦術的な適応能力等を選手に落とし込める有能なコーチングスタッフの招聘

④1.2.3によってトップと共通の基準のもと、スクール~アカデミーにおいて戦術的な適応能力やボールテクニック・フィジカル等全てを早い段階から鍛え上げる

⑤プレーモデル/戦略/監督の戦術に適した選手の補強

⑥優秀なコーチングスタッフと選手で、軸に沿ったトップチームを作りあげる

予算のハンディを覆すためにも、育成組織にかなり投資していることを活かす為にも、日本人のスタッフで満足していてはいけないし、ましてや今いる人間なんかに任せたらダメですよ。せめて失敗さえしなければいいのに、訳のわからない監督を連れてきたり、クラブが私物化されたり…2年に1度ペースで大ダメージ喰らわされたらそりゃあ無理。新スタジアムで連覇なんて無理。J3連覇(債務超過状態でJ2ライセンス取得できず)の方が可能性あるくらい。

なんで戦略→組織→戦術駆使という当たり前の事ができないのか…私心だらけで無茶苦茶ですよもう。

 

 

 

最後に

京都新聞の振り返り記事に、書いてあったのですが

サンガは、京セラが長年メインスポンサーとして支え、資金的に恵まれたクラブという印象があるが、今季の収益見込みは約18億円で、実はJ2でも5番目前後にすぎない。京セラからの収入もJ1時代に比べて大幅に減少しており、稲盛名誉会長が西京極に観戦に訪れることも減っている

 まあ撤退はないにせよ、このままではクラブ消滅も近いかもしれませんな。「勝てば客が集まる」「良いサッカーができれば客が集まる」。そんな"病気"に経営者らがかかっている中で、まともなサッカーの構築すらできない。

そもそも、ファンサポーターを騙す行動を取っていて、誰がついていくのだろうか。嘘に嘘を重ねていった先になにがあるのだろうか。

 

膿は外へ出すべきだ。たとえもう手遅れでも、痛みを伴うモノだとしても、このまま蝕まれ朽ち果てていくよりも、はるかにいい。今季はU18がJユースカップ優勝を果たしたが、彼らの目指す先がアレっていうのは、むごすぎる。悲しすぎる。

私は貴乃花でありたい。サンガにはクリーンなクラブであってほしい。罪を罪と認めず、なあなあにすることは許されない。サンガは単なる企業の持ち物ではない。みんなのものだ。このまま破滅に向かってはいけない。

クラブハウスに掲揚されている「敬天愛人」の書は、単なる飾りのままなのだろうか? 理念の達成、行動指針の実行はいつなのだろうか?

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サンガってなんだ?

チーム運営とクラブ運営の両面に皆が抱くその疑問にアンサーを提示できるのか。大げさでもなんでもなく、クラブの運命は今の判断に懸かっている。

 

 

 

 

今日の1曲

 

 

 

今年1年間、必死に耐え抜いた選手・スタッフ・ボランティアの皆さん。そして耐えて耐えてチームを支え続けた同志の皆さん、おつかれさまでした。

特に選手。今年のサンガに来てくれて本当にありがとう。J2残留を成し遂げられたのはあなたたちのおかげです。ありがとう。

 

南長野運動公園総合球技場【スタジアム訪問記】

 

2017シーズンの振り返りブログ下編は一旦おやすみ

(月末までに書きたいと思います)(書くまでにまた動きがあるでしょうけれど、M.K氏招聘・Y.M氏スカウトに復帰ぐらいはあるんでしょうな)(なんならR.T選手とかM.Y選手獲得とかもありそう)

 

Jユースカップ決勝の観戦で長野Uスタジアム(南長野運動公園総合球技場)に初めて訪れたので、いい機会だし備忘録的に京都スタジアムと比較しながらレポートを。

 

 

 

南長野運動公園総合球技場(長野Uスタジアム)

入場可能者数 15515人
開場 2015年3月(現スタジアム)
アクセス JR篠ノ井駅より徒歩30~40分
事業主体 長野市
所有者 長野市
運営者 南長野スポーツマネージメント共同事業体
設計者 竹中工務店・東畑建築事務所・アーキプラン
建設者 竹中工務店・北信土建・千尋建設
総事業費 80億円
内スタジアム本体 69億円
フィールドサイズ 128m×90m
天然芝 120m×80m

 

JR篠ノ井駅近くのセブンイレブンでレンタサイクルをお借りして飛ばすこと10分。2つの大きなスタジアムを擁する南長野運動公園に到着。

レンタルサイクルやってます[南長野をつなぐレンタル自転車] | 公益社団法人南長野青年会議所 2017

最寄りである篠ノ井駅からスタジアムへ向かうには、①徒歩②レンタサイクル③タクシーの内いずれかを選択して向かうことになるので、健脚でもなく、単独で会場へ向かう人は長野駅からのバスとどちらを選択するか吟味する必要があると言える。

篠ノ井駅~スタジアム間を自転車で走った感想としては「南茨木~市立吹田よりややしんどい」。駅周辺にいくつかレンタサイクルはあるようだが、台数に限りがあるのでパルセイロ公式戦の際はどうなるのか…やはり「最悪歩きでもいい」という人にしかおススメはできない。

 

 

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スタジアムは、1998長野五輪の開会式会場で現在はBCリーグ信濃グランセローズの本拠地である長野オリンピックスタジアムと隣接している。

スタジアムへと伸びる大きな「ビクトリーロード」、場外コンコースは車も入る事ができるようになっており、緊急時の車両手配はもちろん、バンドワゴンの乗り入れも可能なつくり。

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先日公表された沖縄県のJリーグ規格スタジアム整備基本計画では、国内においてこの手の場外コンコースは実例がないとされていたが、見落とされていたのだろうか?

京都スタジアム(仮)も南長野と同じ東畑建築事務所が設計に携わっており、この外周コンコースをはじめいくつかの共通点が見受けられた。

 

 

スタジアム内部

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一枚目の写真からわかるように、ベンチがスタンド内に埋め込まれるような形で設置されている。Jリーグの基準上、プレミアリーグであるような屋根ナシのベンチ(※各自検索してください)は置けないのだが、極限まで距離を取っ払ったと言えよう。

スタジアムの形状としては、全面屋根付きで南側のアウェイスタンドのみ1層となっている。北サイドスタンド・バックスタンド・メインスタンドが繋がり、U字型を成していることが愛称:長野Uスタジアムの由来である。日本でここだけのU字型スタンドは、芝育成の為の風と日光の入りを考慮した設計の結果であり、南北のスタンド下にも通風孔が設けられている。しかし、その分、寒い時期の観戦では風に苦しめられたりするのかもしれない、、(憶測)

京都スタジアムとの共通点その②としてこの通風孔が挙げられるが、騒音対策等の観点などから南長野のような上層の客席~屋根間のスペースは開けない。風の入りは悪くなるかもしれないが、密封されることで音の反響はよりよくなるのではないか…と先日TLに流れてきたツイートと重ねて改めて思う。

https://twi

 

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tter.com/reona32/status/928595445906997248

トイレは入り口と出口が分かれており、混雑を軽減させる仕組みを取っている。旧型のスタジアムではこうした設計すらされていないが、今では標準モデルだ。

1層目と2層目の間(1層目最後方部分)のコンコース幅は通常サイズか。撮影したコーナーフラッグ付近などを除き、基本的にどこからもピッチが望めるつくり。これは京都スタジアムとの共通点その③であり、市立吹田スタジアムも同様のつくりである。

 

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1層目の傾斜が25度。2層目の傾斜が32度。2層目の角度は京都スタジアムと一緒であるが、残念ながら2層目が解放されなかった為に撮影および確認はできなかった。また3枚目の通り、ここでは1層目の最前列から2層目を見ても全く見えないのだが、京都スタジアムでは2層目後方からも立って見る場合だと1層目最前列が見れるらしい(ソースは府から貰った回答)。

それから、大型映像施設。南スタンドの屋根上に一機設置されているのみなので、アウェイ自由席の客はビジョンを観る事が出来ない。元々は北スタンド上層に設置予定だったのが変更された。来場者への案内や災害時の喚起、演出なども考えると、やはりビジョンは2機欲しいなと個人的には思う。105m×68mをカバーしないといけないサッカーもなかなかわかりづらいが、スクラムを組んだりビデオ判定が進んでいるラグビーでは観戦しやすさを追求する上でより重要ではないか。

スマートスタジアム化を進めて、スマホで対応できると少しマシにはなるが、、はてさて。

 

 

見易さ

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サイドスタンド(ゴール裏)からゴールラインまで11.5m。バック&メインスタンドからタッチラインまで11mの近さかつ、25度の傾斜なので近い!見易い!陸上競技場とは違う!

京都スタジアムは10.5/7.5/8.5なので、最前列あたりでは南長野よりピッチに近い所で観戦ができます。

 

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気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、椅子はVIP席とマルチボックス席(写真)を除いてどこも背もたれアリ/非跳ね上げ式/ドリンクホルダー付き仕様。コトブキシーティングのHPを見ればわかります。

VIP席とマルチボックス席は跳ね上げ式。改修前の南長野球技場芝生席の雰囲気を残してほしいとの意見もあり、カスタマイズされて設けられたテラス席部分には固定椅子は設置せず。テラス席の方は一般販売されています

 

京都スタジアムでは北サイドスタンド1層目のコーナーあたりに座敷席、その他にVIP席・スカイボックス席・レストランテラス席を整備予定であり、南長野よりも多様なサービスを提供できそうです。

 

 

以上

 

-2017年シーズン振り返り- 京都サンガに何が起きたのか?【中編 たった一年しかもたなかった規律】

 

史上最悪の2017年シーズンを振り返るにあたり、初回では理解を深める為に2011~2015シーズン(今井社長体制下での5年間)を振り返りました。

 2回目となる今回は、15年オフからの立て直し。そして地獄の16年オフを振り返ります。

上編を読んでから、読み進め下さい。

 

 

失望が期待へと変わった15年オフ

「さて、来年はどうなるかな」「ひとまずお手並み拝見させてもらおうか」と、諦めにも似た感情を抱きながら2015年末のサポーターカンファレンスに参加したサンガサポーターは多かったのではないでしょうか。私もその1人でした。

が、良い意味で裏切られる展開が待ち受けていました。

議事録から抜粋して要旨をまとめると

今までの反省を生かし、統一したチーム作りを推進している。監督の方針、戦術にあった選手を選定

「闘争心を持ち、フェアプレーに徹し、最後まで全力でプレーする」という方針を掲げ、この方針にそぐわない監督からの売り込みは断った

「9月の段階で、海外を除き人選を行い、クラブの方針に合致した監督が結果として、ご指摘の監督でした。メールでも回答いただきましたが、やってみたい仕事、すなわち、サンガの再生を強く思っていただきました。しかし、やるべき仕事とやってみたい仕事が違ったと、選手の慰留やチーム状況で苦しんでいるクラブを見捨てることはできないとおっしゃっておりました」

赤字になったとしても強化する。大手スポンサー様からのご支援も取り組む。にわとりが先か、卵が先か、今回は「卵が先」

驚くような選手を含め6人の獲得が確定している(補足:おそらくポジション的にイヨンジェ,堀米勇輝,アンドレイ,染谷,牟田,本多*1 )

 という事で、戦略→組織づくりという当たり前のプロセスでチーム作りに取り組むことがわかったほか、事前に報道で漏れていた、国内有数の監督であるチョウキジェ氏へのオファー*2 をクラブは認めました。

チーム編成の戦略・軸の策定に、高いレベルで戦術を駆使し駒を活かせる監督を札束ビンタしてまで引っ張ってこようとする姿勢、突然の『正常化』に期待は高まる高まる。

残念ながらキジェ氏を招聘する事はできなかったが、シーズン途中から指揮を執りチームを立て直し、一定の成果を残した石丸監督が「理念に合う」としてそのまま指揮を執ることに。

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「ひょっとして来年はいけるんじゃあないか?」。補強の中身が明らかになると同時に、「J1昇格。そしてJ1連覇」の妄言ともいえる理想にも現実味が帯びてゆく。菅野が来るなんて誰が予想したことか。

駒井だけでなく、伊藤原川宮吉ら若手の相次ぐ流出。SHとFWの駒不足は不安材料であったが、「当たり前のことにしっかりと取り組む」、一年前の事を思うと感慨深いもの。(※ただし2億円赤字出してまで組んだスカッドです)

J2 17位からの再起を図る、そして昇格をつかみ取りに行く勝負のシーズンが幕を開けました。

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安定するも課題に泣いた2016年シーズン

 石丸監督は15年シーズン途中に就任した際もそうでしたが、まず4-4-2のブロックを敷いたゾーンディフェンスの徹底と、攻撃時には「相手を見て」を速攻と遅攻などを使い分ける事を求めました。

 

しかし、開幕5試合で4分け1敗とつまづきスタートダッシュに失敗。攻撃の形が無く試合が硬直化、石櫃の攻め上がりや個人技など個の力に頼ることが多かったですね。

湘南ベルマーレが良い例ですが、J2でスタートダッシュを決められるチームは昇格戦線において強いです。J1への選手流出や、残留争いやPO争いに向けた監督の交代等、リーグの特性上リセットを余儀なくされることが多いJ2において、早い段階で戦術が浸透しているチームはその優位性で殴ることができます。湘南の場合、2012年に開幕10試合で8勝1分1敗。2014年に開幕14連勝。驚異の強さでした。

 

話を元に戻します。スタートこそ出遅れた者の、10~11節のセレッソ大阪戦と清水エスパルス戦では戦力的に劣勢が予想される中、ロングカウンターとセットプレーから得点を奪い、GK菅野を含めた粘り強い守備で6ポイントマッチに連勝。9戦負けなし(7勝2分)を記録し、一時は自動昇格圏内へ上りつめそうな勢いに。

しかし、その後は引き分け癖か連勝も1度のみ。J1昇格PO圏内を安定してキープはするものの勝ち点69のシーズン5位でフィニッシュ。

J1昇格POでは準決勝にてセレッソ大阪とドロー。年間順位で京都より上だったセレッソ(4位)がアドバンテージで決勝進出し、そのまま昇格枠3枠目をつかみとったのでした。

セレッソ戦では守備の不安定さと攻め手の乏しさという通年の課題がもろに出てしまい、最後は拙いパワープレーに出て下手を打つという痛恨の展開。雨中の試合でフィジカル強度の差がよりにじみ出てしまったのも、実力不足・資金力不足を感じられましたね。

 

もしも雨じゃなかったら、もう少し京都のゲームができたと思います。

勿論、雨だろうが晴れだろうが、「POで勝っていたら…」とも当然思っています。今でも。

 

それはただ単に「J1へ行きたかった」とか、「今年壊われたから」というのもありますが、Jリーグの潮流が大きく変わった事が個人的にもクラブ的にも一番大きい。

Jリーグの有料放送がスカパー!からDAZNに移ったことはサッカーファンなら認識済みだと思いますが、DAZNJリーグとの契約で支払ってくれる巨額の放映権収入で、潤ったJ本体はJ1へ集中的にその金を分配→Jリーグの魅力を高める事にしたのです。

まず、2017年のJ1クラブは均等配分金で3.5億円もらえます。J2は1.5億円ですから2億円もの差があります。

更に、J1で優勝すると優勝賞金3億円+新設された理念強化配分金15.5億円が貰える事になり、合計で22億円も貰えちゃうわけです。

 

2016年シーズンの京都サンガは、チーム人件費に9億6000万円も費やしてチームを編成しました。その結果、営業費用20億円とJ2ではトップクラス・J1ではショボい程度の支出額となり、最終的に2億8400万円の赤字を計上しました。

「収入が年間予算が20億円に満たないようなクラブでも、J1に上がって優勝すれば予算1年分以上が貰える!」という視点で見れば大変夢がある話。逆に、「このお金が今いるお金持ち達の手に渡ったら、差は更に広がり追いつけなくなる…」という視点で見れば大変残酷な話。

 

京都の場合、京セラをはじめとする大手スポンサー企業が複数存在する為、昇格できれば一気に30億円程度の金を使う事もできたかもしれません。半分の15億円をチーム人件費に費やすとして、J1トップで20億円ちょいの世界ですから、本当に昇格即優勝→ビッグクラブへ――

という夢物語の実現もあったかもしれません。現に、収入30億円・人件費約15億円を費やしながらJ2をギリギリ脱出という半端ない効率の悪さを誇ったセレッソ大阪は、ユン監督招聘で一気に生まれ変わり、一時はJ1首位、そしてクラブ初タイトル獲得と夢物語を(一部分)現実にしています。

プレーオフで上がったのがセレッソ大阪ではなく京都サンガであればどうなっていたのでしょうか……?

 

 

 

石丸監督の功罪

2016年シーズンについて、もう少し深堀りしてみましょう。

石丸監督の良かったところと言えば守備の安定。15年の51失点から、16年は37失点と大幅な改善でした。

「J1でも通用する守備か?」と聞かれると答えにつまりますが、J2では簡単に失点をしない程度の守備ではあったかなと。

 

一方、攻撃面ではたったの51得点と課題が残りました。

「決定力不足」という月並みな言葉で終わるような問題ではなく、流れの中から&セットプレーからの両面で攻撃の型がなかった事が、上位6チームの中で最も多い引き分け15個にもつながってしまったことかと思います。再現性のある崩しは見られず、攻撃回数などのデータでも他チームより劣る結果となっています。

以下の画像はフットボールラボのデータですが、高さのある選手をそろえただけに、セットプレーでの得点がもう少し伸びるだけで年間の勝ち点は異なっていたのではないでしょうか。

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また、サッカーは攻撃と守備を分けて考えてはいけない競技です。得点力不足については守備にも原因が考えられます。

大木武監督のサッカーがまさにそうでしたが、高い位置、すなわち相手ゴールに近い場所でボールを奪取できればその分奪った後の攻撃で有利になります。

昔のサッカー動画(20世紀~2002年頃)を見れば一目でわかりますが、現代サッカーとは比べ物にならないくらいプレー速度が遅い! 現代サッカーでは戦術の高度化や選手のアスリート能力向上に伴って、守→攻(また攻→守)の重要性が高まり、「トランジションサッカー」なる用語まで出てきました。

 

2016年の京都のゴールパターンをちゃんと整理してみると、高い位置で奪ってゴール!という得点は、北九州戦(A)でプレスしてスローイン獲得→素早く投げて山瀬が決めたもの以外にないです。

一方、ロングカウンターは非常に多いです。この事はプレッシングで果敢に守るより、ブロックを敷いて守る形をとったことと関係していると思われます。

 

じゃあ「前からハメていけばよかったのか?」というと、そういう訳にもいきません。

昨年の京都の場合、開幕戦ではFWに有田とイヨンジェという比較的運動量があってパワフルめの選手を2トップに起用していました。

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これが、開幕直後に獲得→合流したエスクデロのコンディション向上に伴い、エスクデロを2トップの一角に入れ、MFとCF(この場合ヨンジェ)の間に入るセカンドトップ(ST)のような機能を持たせるようになりました。

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これは、強化部の「エスクデロサイドハーフ(SH)で使える*3」という目論見と、実際のエスクデロのプレーに乖離があった為にST固定となったのだと思います。事実、SHで起用された清水戦では早々にイエローカードを貰うなど、SHとして計算の立ちにくいプレーをしていました。

FWにおいても守備タスク・運動量の問題はつきまといますが、多少は免除して攻撃面で収支が合えばよい話。なにより、有田もイヨンジェもいい選手ではありますが、石丸監督に課された守備タスクをこなしながら得点を量産できるような能力は残念ながら有していなかったのが現実です。(もちろん、個人能力でどうこうできる訳でもないですし、石丸監督の「罪」の部分が大きかったのも影響していますが)

京都の選手の中では非常に個人能力の高いエスクデロは使いこなしづらさもあるけれども魅力的。そこで、前からガンガン行くのではなく、リトリート気味にブロックを敷く形にして、FWに組み込んだと。これがロングカウンターでの得点数増加の要因ではないでしょうか。

 

ただ、エスクデロ選手。アシスト数11とチャンスメイクでは結果を残しましたが、ボールを持ちすぎて孤立するような場面もありましたし、なによりゴール数がたったの5に留まった事は誤算でした。もちろん彼個人だけが悪いわけではありませんが、獲得に失敗したクリスティアーノ選手(現 柏)ならば…と(※京都サンガJリーグ1のたらればクラブなので私の「たられば」にももう少々お付き合いください)

ジェイ選手ぐらい得点数があるか、鄭大世選手のように攻撃面での結果と守備を両立してくれる活躍が(年俸的にも)求められていましたから。コスパ悪いな…と。

 

また、数少ないSH枠である堀米選手・山瀬選手、そしてロビーニョ選手が、単騎突破力ないし前への推進力を持っていたことも功を奏したのかもしれません。本来FWのロビーニョ選手を右SHで使うくらいやり繰りには苦労していましたし、他に人材がいればゴールパターンや数も異なったかも。

 

結果として、「コンパクトなブロックを敷き、エスクデロの守備タスクを軽減しながらJ2ではやられない程度の強固さがある守備を構築できた。」「奪う位置を低く設定した為にロングカウンターが主なゴールパターンとなった可能性がある。攻守にエネルギーを使う事が多く、またSHの少なさや得点源となるFWの不足などリソース不足が攻撃面で影を落とした恐れがある。セットプレーでの得点数の伸び悩みや、エスクデロの攻守の収支の釣り合わなさも足を引っ張った。

というのが昨年の京都サンガではないかなと思います。

 

また、人件費の順位がリーグ3位で、2億円強も赤字を出しているのに対し、試合成績は自動昇格圏からかなり離れた5位だった事も課題の1つでした。先ほど説明したように、Jリーグの構造が変わる中で「勝ち組」に入っていくには昇格がマストでしたから、なによりも結果が残せなかった事が非常に残念な点です。もう少しはうまくやれたかなというチームでしたから。

ただ、今井体制で弱体化したが為に選手を他所から引っ張ってくる必要があり、必然的に選手年俸が高騰した側面がある為、ただ単に「コスパが悪い」と切り捨てられるものでもないです。(念の為)

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それと「一丸 よみがえるサンガ」というフレーズをスローガンに戦いましたが、実際に「目に見える範囲での一体感」はありましたね。これは間違いない。


 

 

チームからやりだした訳では無く、リードされている方がまずなによりのきっかけでしたが、それにノった選手およびコーチングスタッフは、お客を楽しませて収入を得ているプロとして素晴らしい働きを見せてくれたと思います。勝敗とは直接関係ないかもしれませんが、ピッチ外でこうした行動ができるのは素晴らしい事です。

 

ただ、一体感があろうがなんだろうが気持ちでどうこうできる訳ではありません。J1昇格&定着を考えるともう少し上積みが欲しい状態。

なにより、クラブライセンス制度とDAZNマネーを考えると、2017年は絶対に失敗の許されないシーズン。昇格を果たす為のより一層の努力が問われるオフシーズンになりました。

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狂気が再び目覚め始めたオフシーズン

「どう上積みするか?」という問題に対し、クラブが下した判断をざっくりまとめるとこうでした。

 

http://www.sanga-fc.jp/uploads/pdf/20161217sapokan_005.pdf

石丸監督と古邉フィジカルコーチの解任

「闘争心を持ち、フェアプレーに徹し、最後まで全力でプレーする」サッカーを実現できて、2016シーズンの課題を解決できる布部監督の招聘

決定力不足を補うストライカーの獲得

精神的支柱の獲得

個で打開できる選手の獲得(ドリブラー)

ボールを奪い、縦に正確なスルーパスを出せる選手の獲得

セットプレーのキッカー不足解消

 

①の解任については、わからないでもない事です。先ほど挙げたように石丸監督で1年半やってみて見えた課題はありました。

しかし、石丸監督の後任に監督未経験の布部氏を招聘した事は謎でした。当然、サポーターカンファレンスでもこの点は皆問い合わせようとしましたが、「監督(監督の選定方法)、これは絶対聞かれると思っていましたので、持ってきました(資料掲示)。実を申しますと「リーダーシップ」「マネージメント能力」「フットボールスキル」を基準に、来てくれる可能性のある監督、外国人も含めまして、みんなで採点をしまして、それの平均点を取りました。実を申しますと、布部さん、監督経験がないのに採点できるの?との話も出ましたが、実際には断トツでこの人しかいない。ということで選ばせて頂きました。先ほども言いましたが、3年連続で赤字は出来ませんので、来年が我々の勝負の年になります。3年、4年、今年の体制で続けられるのであれば、守備面を完璧に立て直してくれた石丸監督にいてほしかったんですけど、残念ながら、時間もお金もないということで、泣く泣く解任をさせていただきました」。とのこと。

昇格が必須の年に未経験の人が断トツでトップになるリストって、他の候補者の所は「バドゥ」「和田昌裕」「前田浩二」「セホーン」などと書いてあったんでしょうか? どんなリストなのでしょうか?

クラブライセンス制度の関係上、赤字を計上してまで補強ができるのは最大2年まで。正真正銘勝負のラストイヤーとなる年に、実績のある監督を招聘するでもなく、未経験者を招聘という大大大ギャンブル。ギャンブルに失礼なくらいですけど。

ちなみに、強化部の小島卓スカウトは神戸時代に布部氏と同僚

布部陽功 - Wikipedia

小島卓 (サッカー選手) - Wikipedia

 

更に、造反が原因でクラブから追放する形 *4で山形へ出した大黒を決定力不足を補う為なのか復帰。+精神的支柱として田中マルクス闘莉王を獲得。

 

闘莉王の獲得自体は私は賛成でしたが、「明快に分かったんですけど、ism、主義がないんですね。作戦と選手の能力だけでは勝てない。今年の戦績がよく示しております。ここ一番で勝ったのは、(10/30)岡山戦だけ。もうここ勝てば、勝ち点差4差に縮まるというところで負けて10(点差)に広がるとか、何回も繰り返しました。これは選手たちも、頭をひねるところでございます。鹿島の「ジーコ・イズム」にあたる、チームの芯がないということで、我々は結論付けをいたしました。ンガバリューだけでは不足なのか?の不徹底なのか?という話までやりましたけれども、「じゃあこれは何で?」って言ったら、ピッチ上での精神的なリーダーとしては、菅野選手(キャプテン)がおりますが、菅野選手はGKでありますので。今季は1点取られて、取り返す、追いついた試合が3試合しかないんじゃないかな、その弱さというのは、チーム全体が若くなったというのもありますが、先制されていますと下を向いてしまうという悪い流れを取り戻すことができなかったことにあります。「じゃあ、それは何で?」ということになりますと、いまほど申し上げました通り、キャプテンの菅野選手はGKなので、前線まで気迫が届かない。ピッチ上での精神的なリーダーが明確でなかった。という結論付けをしております」。

という、「何その旧日本軍的考え方?????」な話も出たので、15年末のサポーターカンファレンスで見えた当たり前の強化プロセスはどこにいったのか……?と。ほんならね、竹槍でB29落としてみせてくださいよと。

 

5000兆歩譲って、仮に精神的支柱が解決策だとしましょう。

それで解決するのなら既存のコーチ陣および選手層に闘莉王を組み込めば良いじゃないですか? 未経験の監督連れてきてまでガラガラポンする意味ないじゃないですか?

 

更に、チーム得点王(タイ)でありながら戦力外通告となった山瀬功治選手はブログにて、

本日、チーム側に詳しい話を聞きに行きましたが、来シーズンのチーム編成を考える中で、様々な観点からチームの事を考えた所、構想外になったという点。また、今シーズンの僕自身のプレーに対するチーム側からの評価の部分においても戦力外になったという事を聞かせて貰いました。」と公表。

チーム得点王でバリバリ活躍していた選手でも、年俸や年齢などからクビになる事があるのは三浦知良柳沢敦への戦力外通告をやらかしたクラブのサポなのでよーーーーくわかっていますが、プレー自体がダメだったというのはどういうことか?

後に私はにわかには信じがたい話を聞くのですが(※自主規制)、つまりは理由は後付けて追い出したのではないでしょうか? 2017年シーズンのチームがベテランばかりで、かつ90分スタミナが持つことがない背番号4番の選手がなぜか必ずと言っていいほどスタメン起用されている。一方、山瀬「ら」は昨年とそん色のない活躍を他クラブで見せている。なによりの証拠でしょう。

その内、どこかの新聞が裏取って書いてくれるといいのですが。

 

また、⑤に関しては伊東俊・小屋松・岩崎(新人)を獲得したものの、伊東は今季SH起用と謎のボランチ起用の数がトントンくらい。後者2人は本職はFW。

⑦に関しては、堀米が甲府にとんぼ返りしてしまい、佐藤健太郎も切った為に左利きのプレースキッカーが全滅。右利きに関しても山瀬を切ったので石櫃とエスクデロの2人のみ。

⑥に関しては名古屋の田口*5 中村俊輔に手を出すも獲得失敗。

サポカンで言ってる事が表面的・抽象的、的外れなのに、実現すらできていませんね。

 

 

この結果、ボランチ本職の選手が吉野&ハソンミン&望月の3名のみ。

手薄なSHは、主力のチーム得点王の山瀬(16年J2リーグ成績34試合7得点)と堀米(同37試合7G8A)が抜けて、代わりのSH本職選手が田村(出場時間19分)+島村(新人)+伊東(28試合1G)+小屋松(J1 6試合0G)。

何もかもが狂った編成でそのまま2017シーズンを迎えます。これでも1.5億円赤字になるほどチーム人件費に金をつぎこんだ編成です

 

そもそも監督未経験だから予想フォーメーションもわからなかったし、編成の組みようもあったのかどうかすら怪しいですが、下の図は16年に採用していた4-4-2を用い、2016年と2017年の編成を比較したものです。

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↓(※オリスとハソンミンはKリーグからの移籍の為にここでは〇付き)

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https://twitter.com/ryoutarou888/status/832021750812520448

たったの一年で組織としての規律が崩れ落ちた京都サンガ

2015年オフと2016年オフ間で言っている事とやっている事に大きな違いがある中で、一体どこが「統一したチームづくりの推進」なのか?

新人監督は石丸体制の課題を克服しJ1へ導けるのか?

 

本当の地獄はこれからであった……

 

 

今回は(上編と比較すると)少しざっくりとした振り返りになってしまいましたが、次はこれでもかというほど罪という罪を追求します。

最後(の予定)となる次回は、いよいよJリーグ史上の中でも5本の指に入るであろう矛盾と無能だらけの地獄の1年、2017シーズンについて振り返ります。