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京都サンガよ、無意味にSNSを乱用しないで

最近の京都サンガ公式SNSに対する感想をそのまんま形にした記事を発見した。

オリ「耳が痛い」、球団SNSに学生がダメだし:朝日新聞デジタル
www.asahi.com

関大は球団の公式インスタグラムについて提言。11月のある週の1日の平均投稿数をみたところ、オリックスは10・5。阪神の2・4、ソフトバンクの0・2と比べて圧倒的に多かった。

 一見、「マメな」投稿に見える。ところが学生らは「多く投稿されると、友達の投稿にたどりつくまでに時間がかかる。結果フォローを外すことにもなる」とダメだし。「投稿こそ一球入魂」とまとめた。

ぐうの音も出ない正論とはこのこと。ズバリである。




そもそもSNSは、ネットワーク上で「自らの手によって」、「(概ね)リアルタイムに」、「全世界へ発信できる」、「(基本)双方向型」の交流ツールである。

youtuberやインスタグラマーといった用語が定着したように、いまや一億総メディア時代。「報道量が少ない」などと言われるJリーグクラブには持ってこいのオウンドメディアと言えるかもしれない。活用しない手はないだろう。
実際、2017年度のJリーグ観戦者調査結果が公表された際に、SNSを活用したプロモーションが入場者数の年齢層等に好影響を与えたとの見解をJリーグも示している。
www.footballchannel.jp



だが、(概ね)などと付け加えたように、SNSは各ツール間でそれぞれ特徴が異なる。

例えばLINE。
LINEは立ち位置的には連絡ツールのような存在であり、双方向性はあまり無い。公式アカウントを所有しているJリーグクラブも、試合結果やチケット情報などを直接伝達する手段として活用しているケースが多い。
キャリアメールより断然利用頻度が高く、通知が来てから既読するまでの間や既読率そのものもメールマガジンより高いと推測されるから、見てほしいお知らせを届けるのに一番適したツールとして使われているのだろう。

当たり前の話ではあるが、SNSはこうしたツール単体の特徴と自らの狙いを適合させる事ではじめてうまく活用することができる。




話を元に戻す。
京都サンガ公式instagramの投稿が、新チーム始動そして沖縄キャンプ突入に伴って非常に増えている。「投稿が多すぎて邪魔」という感想を抱くほどに。

Repost(Retweetと同じく他者の投稿を自分のTLに引用する行為)を除いた、1月1日からのサンガ公式アカウントの投稿を数えてみると、

1月2日=1投稿(本多誕生日)
1月10日=3投稿(指名練習開始)
1月11日=3投稿(指名練習2日目)
1月15日=5投稿(始動日)
1月17日=9投稿(新体制記者会見)
1月18日=1投稿(望月誕生日)
1月19日=1投稿(宮城誕生日)
1月21日=9投稿(初の練習試合)
1月22日=4投稿(練習試合翌日でレクリエーションメニュー)
1月25日=1投稿(集合写真撮影)
1月26日〜1月31日=開幕戦カウントダウン写真×1
2月1日=10投稿(カウントダウン+キャンプ初日分×9)
2月2日=1投稿(カウントダウン)
2月3日=10投稿(カウントダウン+キャンプ2月2日分×9)
2月4日=8投稿(カウントダウン+キャンプ2月3日分×6)
2月5日=5投稿(カウントダウン+キャンプ2月4日分×4)

重い……。


もはや説明不要なくらいだが、instagramは写真共有型のSNS
他のSNSと違い、写真・動画がメインで文字は補足でしかない。また、2016年からは24時間すると投稿が消滅する「ストーリー機能」も追加されている(もちろん写真・動画がメイン)。
写真なメインなSNSであることもあってか、基本的にユーザーはtwitterほど投稿頻度は高くなく、ストーリー機能へ1日複数回投稿することはあっても、通常の投稿を1日に何度も何度も分けて投稿するのは希である。
特に、1投稿につき最大10枚の画像を添付することができるようになってからは、旅行の思い出もスポットスポットではなく1日単位で区切って投稿したりするケースが多いと感じる(個人の感想です)

そんな投稿の頻度が高くないツールで、いきなりバーっと投稿されてもオリックスバファローズが指摘を受けたのと全く同じ感想を抱かざるを得ない
公式戦ならわかる。しかし、たかだか練習や練習試合でただ写真だけを複数に分けて投稿しても、「別にインスタじゃなくてよくね?」という気持ちにしかならない
京都サンガF.C. (@kyotosanga_official) • Instagram photos and videos
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少し擁護するならば、現在のinstagramは時系列で表示される訳ではないので目に止まるようにプッシュしているのか。はたまたフォロワー数にノルマが課せられて、投稿数を増やしているのか。狙いがあっての行動ならまだ理屈自体はわかる。
それでも昨年のトップチームの攻撃同様に利口とも再現性が高いとも思えないし、instagramは拡散性が高いツールではないのでプッシュ型のサービスではない。


ちなみに、「日記」的な要素が強いfacebookの投稿は1月17日以来ない。元々facebookは力を回す余裕もないのだろうが。
だが写真を複数枚UPしてレポートするのであれば、Facebookやサンガ日記(公式HP内の1コーナー)の方が適している。
(もっと言うと、検索に引っ掛かるようにせめて名前を「京都サンガF.C. / KYOTO SANGA F.C.」としてほしい。youtubeの動画タイトルもそうだが、少しでもリーチ数や登録者数を増やすための単純な努力が足りなさすぎる)
また、拡散性のあるtwitterならば、数打ちゃ当たれの精神も決して悪くはないし、RTを介して他サポに広まる可能性も考えられるから、新加入選手を推して「お、元気にやってるな」と思わせてフォロワーを増加させるのも1つの手である。しかし、こちらもinstagramと比べて投稿数そのものが少なく、特筆すべき投稿もない。
なぜinstagramなのだろうか?




例えば他クラブのinstagramだと、マリノスや名古屋といった広報活動に力を入れているクラブだけでなく、柏や横浜FCのように「京都と体質が似ているダメな所」もinstagram仕様に合わせて活用している。
名古屋は加工こそ少ないが、オフの様子など選手の素の部分をPRしているのがわかる。
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(なお、ガンバみたいに元々のサポの母数が多いからフォロワーも多いだけで酷いところも勿論存在する)
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横浜FCでできるのであれば京都もできるだろ」と思ってしまうのは私だけではないはず。




サンガと他クラブでこうした差が出る理由は2つある

1つ目は「絵が描けているかいないか」の違い
KGIだとかKPIなんて言葉があるが、"入場料収入を増やす"といった目標から逆算して手段が練られていないから、ただこなしているだけ状態に陥ってしまう。
何の為にSNSを活用するのか?最適な手段・手法は? 根本から見直さなければいつまで経っても今の低レベルなままだろう。京都サンガとはいったいなにをする集団なのか?京セラ子会社なのにフィロソフィーがなってない。

USJ再建の森岡毅が語る、マーケティング下手な企業に足りない3つの視点 | マーケティングが「機能する会社」と「機能しない会社」は何が違うのか? | ダイヤモンド・オンライン
diamond.jp


2つ目は「スタッフへの負担」が大きい
これは京都サンガ以外のJリーグクラブにも言えることなのだが、「降格や低迷を恐れてチーム強化費に真っ先にお金を回す→残ったお金でやりくりする→収入が伸び悩む→強化費が増えない・・・」というの負のスパイラルのしわ寄せがスタッフにいっていてつらい。夜中遅くの更新を見て「良いね!」という気持ちにはならない。一応押すには押すが、もはや「お疲れ様…」という意思表示のいいねである。
余裕があれば、個人でベンチマークして改善する事だってできる可能性はあるし、そもそもエキスパートや簡略化するハードに投資すれば解決する話。(結局1つ目に行き着くが)

スタッフより、来年にはもうチームからいないかもしれない選手の方ばかりに金注ぎ込んで何が得られるのか?
理想像が描けない。自分達の問題点を認識していない。認識していても改善する為のリソースが割けないから直らない…そんなクラブ、もう止めたらよろしいやん。






結論としては、まず現在のinstagramの活用方法を即見直すべきである。
もっとinstagramに適した投稿をinstagramに適したペースで投稿しなければならない。私がターゲット外なだけで、狙いと勝算があって確実に結果が出ているのであれば大幅に変える必要性はないが、そうであるとは思えない。ニーズから外れすぎ。もっと絞って、公式SNSだからこそ&instagramだからこその打ち手がいる。

また、J2下位のように予算がカツカツで、人件費自体も限られながら必死にやっているクラブならまだしも、年間10数億収入があって『昇格は難しい。若手を鍛えて躍進する』クラブなら組織の建て直しに回せる金は当然出てくるはず。
収益に結び付きづらい「instagramにリソースを割け!」なんて馬鹿なことはいわないが、マネジメントできる人材・スポーツビジネスなどの専門知識を持った人材・営業の登用やハードへの投資を経営者が行う必要がある。
"我々は、チームが強くなればフロントはいつかは大きくなるだろうと思って必死でチーム、チーム、チームでやってます。でもそこは、やはり少し違うんじゃないかなっていうのは思います"と、「おいおいおいおい、1990年代か?」とツッコミたくなるような事を言ってしまう人材が事業本部長を務めてなにができるのか。



Jリーグ加盟数年のクラブならまだしも、20年経ってこれではJリーグのお荷物でしかない。