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布部監督退任によせて -さようなら布部陽功-

「ちょっとなに言ってるかわからない」

人気お笑いコンビ『サンドウィッチマン』のネタでお馴染みのフレーズである。
タカアンドトシの「欧米か!」同様に、ボケ側がツッコミに対してツッコミを入れる形のボケで実にコミカルなのだが、サンドウィッチマンとは違って全く笑えない、リアル「ちょっとなに言ってるかわからない」人間が京都サンガには3人"いた"。

 

本日、3人のうちの1人、布部監督が「近日中に退任する」とついに報じられた。近日中にというのは、親会社である京セラの決裁が必要だが連休中なので未処理ということであろう。

布部監督の問題と強化部の問題については昨年末に駄文をしたためたが、布部監督を1年以上追ってきた私としてはやはり振り返っておきたいもの。

 


①「ちょっとなに言ってるかわからない」監督 布部陽功

発する言葉は常に抽象的で不明瞭。インタビューや記者会見コメントでは、「集中力が足りない」「質が足りない」「ちょっとしたところが足りない」とボヤけた言葉と精神論を1年以上繰り返した。
1年以上かけても「ちょっとしたところ」が改善されないのであれば、それは「ちょっとしたところ」ではないし、改善する術を持っていませんと自白しているのと同じである。

 

このように原因を正しく把握できない指揮官は、とことん無能であった。
そもそも、PDCAサイクルのPの字も無かった。

布部氏は、監督2年目となる今年の新体制発表記者会見にて、志向するサッカースタイルについて「スタイルを具体的に言いますと、守備はコンパクトに。攻撃は多彩な攻撃をしていきたいと思います。サイドであったり、中央であったり、そういった攻撃をしていきたいと思います」と述べている。(動画19:00あたりから)

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手の内を明らかにする必要性は皆無であるのだが、「犯人は男性か女性で、年齢は20代から50代。高齢者の可能性もある」と答えているようなものである。「具体的に」と自身でハードルを上げているにも関わらず。

 

また、今年3月の讃岐戦後には、

 「Q.修正という部分で、シュートの質など昨シーズンもずっと言っていた技術の部分もあると思いますが、チーム戦術として得点を取るために監督としてどういう風なことが足りていない、必要だと思いますか?

A.戦術とテクニックとメンタルと3つがありまして、メンタルとテクニックという所がまだまだ上がってきていないなと考えています。自信という部分ではテクニックをもっと磨かないと。またコントロール1つにしても、もっともっと自信をつけていかないとダメだと思います。戦術の部分ではみんな理解できていると思うので、試合の流れによって時々意識が出来ていない、忘れていたりはあると思いますが、そこをしっかり90分通して、戦術を守って、同時にテクニックのミスをなくしながらメンタルも上げていきたいと思います。」

いまチームは、京都のスタイルを作っているところ。目指しているもの、取り組んでいることに間違いはないですし、勝つためだけにこれを変えるつもりはない。勝てないことに申し訳なさを痛感しているが継続することで見えてくるこれからの京都サンガのために、見守り共に戦ってほしい」

 と語っている。

あのサッカーで戦術に問題がないと思える絶望的な戦術眼の無さ。そもそも「走れるサッカーを目指す」や「スタイルを作る」と言いながら50分ほどでガス欠する闘莉王を必ず起用したり、「勝ちにいかなきゃいけないので、先発は勝ってきたデータを踏まえて考えたい」等々、数々の歴史的迷言を残してきているので、本当に言語化する能力が乏しく知性の欠片もない気持ちマンでしかない。

(迷言は沢山ありすぎるので今回はこの程度で一旦割愛させていただく)

 

プラン(戦略・戦術)の欠如。
レーニングで落とし込めないコーチングスキルの欠如。
原因を正しく分析できない戦術眼の欠如。
無秩序に攻撃的な選手をボランチやSHに組み込み、幾度なく爆死を遂げてきたファイヤーフォーメーションをラストゲームでも披露する◯◯◯以下の学習・改善能力。

(ラストゲームとなった5/3に行われた栃木SCでは、ウォーミングアップアップをしていなかったDF闘莉王をFWで途中起用。(ピッチレポーターによると投入4分ほど前からアップ実施。出場が決まってから体を動かしたのだろう)
昨年何度も見た長身FWを並べる『ツインタワー』を発動させると共に、CBには攻撃的なMFの重廣を、左SBには元FWで昨年からSHを務める小屋松を、ボランチにはFWのエスクデロ競飛王と元FWの仙頭を配置という小学生でも行わない選手起用を実行していた。まあ去年の山形戦もボランチ以前が全員FW・元FWかつ試合終了後に「もっとパワーが必要ですね」と発言していて、"時折出くわすハード目のやつ"感半端無かったが)

そりゃあPDCAサイクル回らない、、


挙げ句の果てに、敗因に「選手のミス」を挙げる試合もいくつか存在。
もちろん、選手側に問題があるケースも多数存在する。人はミスをする生き物であり、サッカーは足でボールを扱うが故にほぼミスしかない競技。日本代表級の選手ですら致命的な欠陥を抱えていたりする。

しかし、リスクをミニマム化し、組織の破綻を防ぐのが監督の仕事。

選手達にプレーの判断基準や原則、規律を与え、ノビノビとプレーできる環境を整える仕事をした上で、致命的な判断の誤りや「居るべきポジションに戻らない」などの人為的な『ミス』が起きたのならば、ザッケローニハリルホジッチらが日本代表監督自体に嘆いたように「選手が悪い」と叱ってやる資格がある。

布部監督にはその資格があっただろうか?
前述したように、何もかも欠如した指揮官には、当然その資格も無かったはずだ。

最低限の責務を果たさず、部下のミスを庇えないマネージャーに何の価値があるのか。
彼の懐に名だたるスポンサー企業らからの資金や私のなけなしの財産が消えていったのだから全くもって迷惑な話である。

 

※布部氏の名言についてはtwitterの@nunobe_botにて随時公開しているので、興味と強いハートがある方のみご覧になっていただきたい。

 

②ちょっとなに言ってるかわからない強化部長 小島卓

サッカー監督のお仕事は、「様々なスキルを駆使し、チームを適切にコーディネートするマネージャー」と定義することができるが、監督1人だけではチームは強くなれない。
監督に不足したものを補佐するコーチが必要だし、監督の教えを受けてピッチで実践する選手たちは勿論重要。それ以前に、1人のマネージャーに依存していては長期的な成功は望めない。監督にとって選手が駒であるように、監督もまたクラブにとって一時の駒でしかない。サー・アレックスファーガソンベンゲルのような全権監督も一部存在はするが。

 

ではどうすればチームは長期的に強さを維持し、成功体験を多く積み重ねることができるか?

長期的な戦略と計画の策定。実行するサッカースタイルの原則固め。戦略に従った選手の育成および編成。監督の選考…などなどを実行する必要があり、日本のサッカークラブの多くでは『強化部』という部署がその責を担っている。ここがチーム作りの肝である。
故に、強化部のトップである『強化部長』のスキルと、これまた1人のマネージャーには頼らない、属人的なスキルに頼るのではなく、組織にナレッジとして落とし込んでいく企業として当たり前の行動は非常に重要なのである。


で、肝心の京都サンガの強化部長。小島卓氏にはなんのスキルも存在しない。
あるのは自身が所属していた名古屋時代に口説いた選手を連れてくる『コネ』のみである。

もちろん、コネは重要である。確かなパイプが引かれているのは悪いことではない。
しかし、コネほど属人的なスキルはない。コネ頼みではいずれたち行かなくなる。

ましてや、有能な人物を連れてくるのではなく、無能な人物を連れてくるコネしかない奴に何の価値があるのか?
16年の末に石丸監督を解任した張本人である小島強化部長は、自身の旧友である布部氏を招聘し、17年の低迷中も後も留任させた。

 

報道では、

クラブ幹部のコメントとして「低迷は強化部の責任もある。監督は選手たちを統率できており、若手も成長している。監督は次々と変えない方が良い」

 

近大時代の同級生だからでは、との批判は甘んじて受け止めた上で、あくまで情実を排した決定と断言する。「監督とは上辺だけの付き合いはできない。フロントとしっかり連携を取り、ぶれずに、強い気持ちでできる人を探したら布部しかいなかった」

などのコメントが出ている。

5位に導いた石丸監督を「お金と時間が足りないので泣く泣く解任した」との理由で途中解任しておいて、布部留任をやってのけるメンタルの強さと傍若無人っぷりには恐れ入る。世界中に数多いる監督の中で布部しかいないなどと「私は無能です!」宣言を恥じらいもなくできるのはこの人しかいない。羞恥心や人を思いやる心、常識は持ち合わせていないのだろうか。

 

 

また先日は、J3降格圏内に突入した結果と1年以上進歩のない内容を根拠に「このままではJ3へ落ちる」と至極全うな意見を発言したサポーターに対し、「(J3に)落ちひん!そんなこと言うから落ちるんだよ!!!」「継続すれば良くなる」などと、根拠もなく、自らの責任を認めずに、喧嘩腰の反論を繰り返した。

 

「あいさつや身の回りのことができていない選手が多い。これでは勝てない」。自身も同じ思いだった。人間性が高く、献身的な選手がそろわなければ組織力は上がらない、と。目指すは「京都府民に尊敬されるチーム」。遠回りのようでいて「それがJ1復帰への近道だと思う」

と語っておきながら、よくもまああんな口調でサポーターに意味不明な発言を繰り返せるものだ。本当に恐れ入る。
「落ちひん!」でなく「落ちないように善処します」が強化部長として求められる発言であり、改善していくことが求められるポジション。このままいけばJ3降格の状態で「落ちひん!」とは本当ちょっとなに言ってるかわからない。

 

しかも、「我々の目指すサッカースタイルがなにかわかりますか?」などとサポーターに逆質問する始末。

当然サポーターからは「それが見えてこないから辞めろ言うてるんやろ!」「それ。実行するのがお前の仕事じゃ!」と至極全うな声が飛ぶ。アホの極みかつ新体制記者会見同様に逆質問で発言者にマウントを取るろくでなしである。

youtu.be

明るみにはなっていない重大事案を含め、様々な問題行動を起こし続ける非常識っぷりには反吐しか出ない。
"疑惑"が多いので、早くマスメディアの皆さんには裏をとってもらって真実を明るみにしてもらいたい。


貴乃花部屋を巡る一連の騒動やハリルホジッチ監督解任騒動でスポーツ界のガバナンス欠如が改めてフィーチャーされたが、数少ないプロスポーツ興業であるJリーグにも未だに昨年の群馬や2015年そしてこの2年間の京都サンガのように、一般企業ではあり得ない問題を沢山抱えたまま死にひた走るクラブが存在する。
本当に今は21世紀なのだろうか。

 

 

 

おわりに

 ラスト1人の『ちょっとなに言ってるかわからない男 山中大輔社長』については、事業の話をしないといけないので後日また語るとして、布部陽功監督が退任する今、彼や闘莉王選手を引っ張ってきてチームをめちゃくちゃに壊した小島強化部長も当然責任を取ってもらわないといけない

この2年間暗躍し、クラブを崩壊させていった張本人に改善能力は一切ない。あればこうはなっていない。故に切るか辞めてもらうかの2択しかない。

しかし、小島強化部長の暗躍によって低迷した昨年末に、当時の強化責任者である野口氏(クラブOBで現 セレッソ大阪フットボール統括部)と細川氏(クラブOBで現 サンガ事業本部長)が責任をとる形で退任。更には岩崎・重廣・仙頭ら世代別代表級のホープを他クラブとの争奪戦の上に招き入れた鈴木慎吾スカウト(クラブOB)も退社。
故に今の京都サンガの強化部には、小島卓強化部長の他にはスカウト1年目の中山博貴(クラブOB)と加藤氏(トップチーム分析コーチから異動)しかおらず、事実上小島強化部長の独裁状態となっている。


ボスココーチがトレーニングを主導するも、試合時には布部氏が声を張り上げ交代策を実行するという二頭体制のチグハグさはこのたびの監督退任によって解消され、現場レベルでの意思決定プロセスにおける問題は改善されると言える。

しかし、元凶である小島強化部長を追放しないことには未来はない。

「落ちひん!」など無根拠の精神論を振り撒く非人格者を取り除くのは誰か。
戦略がなく、精神論は蔓延り、財源(収入)も細り、高齢者(ベテラン)を若年層が介護。まるで日本社会の縮図のような京都サンガには、真のリーダーが不足し続けている。

 

 

 

 

 

PS:布部監督

お疲れさまでした。是非ともサッカー指導者および解説者以外の世界で頑張ってください。あと京都の土を二度と踏まないでもらえると精神衛生上助かります。