+1 プラスワン

村井チェアマンの功績

 

Jリーグのトップとして4期8年に渡り辣腕を振るってきた村井満氏が、3月15日の任期満了をもってチェアマンの座を勇退された。

就任当初の姿と比較すると、もちろん年齢もあるだろうがその苦労が窺い知れる。長年のご尽力に対して「お疲れ様でした」と改めて申し上げたい。

 

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引用元

https://jinjibu.jp/article/detl/keyperson/1098/

https://www.chunichi.co.jp/amp/article/435096

 

一方で、氏の退任に関する記事を読んでいると「2ステージ制の廃止」「DAZNとの大型放映権契約」「コロナとの闘い」といった局面だけを切り取った振り返り記事しか見受けられない。数多あるサッカーメディアはこの8年間一体何を見てきたのだろうか?(宇都宮氏が都度都度その歩みについて記事を掲載しており、個人的に株が上がったが)

2014年 村井改革のはじまり<前編> シリーズ 証言でつづる「Jリーグ25周年」 - スポーツナビ

Jリーグを変えるデジタルマーケティング 「toC戦略」のキーマンに聞く - スポーツナビ

 

良い事も悪い事も、全て村井チェアマン単独で行った事ではない。ただ、村井体制下でJリーグは大きな進化を遂げてきた。

 

 

 

Jリーグ最大の課題を解決した功績

村井体制で何が一番変わったか?それは経営資源の拡充と言える。

ヒト、モノ、カネ、情報。基礎のキとも言えるこの4つの要素に大きなテコ入れを図ったことが村井氏と近年のJリーグの最大の功績だと個人的に強く思う。

 

就任当初から、Jリーグは「2つの前提と5つの重要戦略」を掲げてリソースを集中投下していった。

2つの前提と重要戦略

前提その1:財政基盤の強化

前提その2:選手育成の強化

戦略その1:魅力的なフットボールの提供

戦略その2:デジタル技術の活用推進

戦略その3:スタジアムを核とした地域再生

戦略その4:アジア戦略

戦略その5:経営人材の育成

Jリーグの改革で描いた「5つの重点戦略」

 

村井チェアマンの就任1年目は入場者数の減少やリーグスポンサーの撤退等、いわゆる「茹でガエル」状態に突入していた時期。かつブラジルW杯での惨敗を契機に当時絶頂を迎えていた日本代表人気にも翳りが見え始めてしまう。

一方でファン・サポーターとの認識の乖離差は埋められず、前任の大東チェアマン体制で決定された2ステージ制導入に対する反発はピークに達していた。

更に(本項では敢えて積極的に触れないが)人種差別問題及びJリーグ初の無観客試合措置と、サッカー畑の外からやってきた村井氏にとって就任当初からとてつもない逆風続きだったことは想像に難くない。

J1各クラブの試合会場での抗議の様子や、NHKサンデースポーツに生出演し説明する氏と紛糾するTwitterのTLや掲示板のコントラストはまだ記憶に新しい。

 

しかしながら、結果として2ステージ制で得た臨時収入を先の重要戦略に対して上手く活用できた事がその後の急成長を呼んだ。以下は2014年の日経新聞からの引用である。

来季からJ1が2ステージ制とチャンピオンシップを導入することで、リーグは10億円の増収を見込む。その増収分を未来に向けた戦略投資として、Jリーグの魅力を伝えるためのデジタル事業と選手育成に毎年、5億円ずつ割くと決めた。

デジタル事業の手始めになるのが、各クラブの公式サイトのプラットフォームの統一化。チケッティング、グッズ類のオンライン販売の決済等を共通で行えるようにし、各クラブのコスト削減、取得できる膨大な顧客データの活用、Jリーグのブランドの統一感の創出を狙う。さらにサイトでの動画配信の強化を構想に入れている。

(サッカー)Jの成長戦略(上)デジタルで攻める: 日本経済新聞

 

"ヒト"つまりは選手、指導者、そして経営人材

"モノ"つまりはスタジアムや練習設備

"カネ"つまりは入場料収入、スポンサー収入、マーチャンダイズ収入、放映権収入

"情報"つまりは顧客情報

 

リーグとクラブを発展させていく上で必要な経営資源を集める為、2ステージ制と引き換えに得た貴重な原資を思い切って集中投下。明確な戦略に基づいた投資はリターンを生んだ。

 

ヒトについては「トラッキングシステム導入「フットパス社による育成組織のスコアリング」「指導者の海外派遣」「育成年代の国外遠征支援や国際大会開催」「JHC(現SHC)の立ち上げ」。

モノについては「スマートスタジアム化支援」「クラブライセンス制度の厳格化」「各ホームタウンや政府へのプレゼンテーション」

カネについては「理念強化配分金の創設」「分配金の増額」

情報については「リーグ公式HPのリニューアル」「オンラインストアのリニューアル」「HPやデジタルコンテンツのプラットフォーム化」「JリーグIDの創設と各パートナー(楽天、Yahoo、LINE…)との協業」「試合映像の制作・著作権の確保」

 

あくまで抜粋であり挙げていくとキリがないが、投資→基盤強化→投資→基盤強化…という新陳代謝が前任までとは比較にならないくらい進んだ。

 

勿論、外部環境の変化も大いにある。DAZNとの大型放映権契約や安倍政権の成長戦略に於けるスタジアムアリーナ改革、過去の体制の遺産など…追い風が吹いた影響は大きいが、それでも前体制の大きな功績であることは間違いない。

安定した財政基盤を得たJリーグ護送船団方式を改め、J1への傾斜配分や思い切った規制緩和を進めると、リーグ全体の投資活動が更に活発化。Mixi・メルカリ・DeNAといったIT企業らの新規参入や、楽天・ジャパネットら既存スポンサーによる巨大な資本投下はJリーグの景色を一気に変貌させた。

並行してJリーグの組織内部にもメスを入れ、各グループ企業の整理に着手。またHPのプラットフォーム化やオンラインストアのリニューアルなどリーグがクラブの仕事を一部集中処理する事で、質の担保と現場の負担軽減を進めた。

Jリーグは生まれ変わる まずは組織の大改革: 日本経済新聞

 

JHC(現SHC)の立ち上げも、残念ながら既存メディアでは触れられていないが大きい功績の一つ。これを契機に他業界からの経営人材の流入が進み、サッカー畑以外からプロフェッショナル人材が加わる事でクラブ経営にポジティブな変化が生まれつつある。

いくらリーグ内部を改革しても、各クラブが自力をつけて成長しなければ爆発的な成長はあり得ない。収入の源泉とも言えるフロント人材の強化・育成は必須であったが、おざなりにされてきた分野。サッカー畑で生きてこなかった、リクルート出身の村井チェアマンだからこその施策と言える。(個人的にはリーグが雇ってクラブへ出向というのもアリだと思っていたが…恩恵を受けるクラブと受けないクラブで不公平感が出てしまうのかもしれない)

またJリーグ経営ガイドの公開も、意義としては方針の公開とサポーターへの"教育"に近いかもしれないが美しいものがある。

 

 

この一連の流れの中で、地方クラブのサポーターを中心に「格差が広まった」と思う人は多いかもしれない。一方でプラットフォーム化や降格クラブへのパラシュートペイメントといったリカバーもあるし、投資を呼び込む規制緩和は地方クラブにも長い目で見れば恩恵は大きい。決して特定のクラブを贔屓する訳ではなく、天井を吊り上げる事で全体的な成長を促していた。村井体制はこの塩梅が絶妙だった様に思う。

チャレンジしてのミスに対して一定の保証措置を行っていたのは、それを良しとする氏ならではか

【解説】10年2100億円をどのように使うのか(1)リーグ価値向上に向けた『競争環境構築』と『セーフティネット整備』 : Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

 

 

 

 

夢の向こう側に

時に、「周囲の声に耳を傾けない人だ」という評価を目にする事があった。

私はこれを強く否定したい。彼が就任後すぐに行ったのは、各クラブへの訪問とホームタウンの首長への表敬訪問だ。そこで現場の声をヒアリングした結果こそがデジタル化の推進であり、他方で各首長に対してポテンシャルを発揮する為にスタジアムが必要なのだと整備の意義を代弁した。今振り返ると、氏が事あるごとに説く"傾聴力"と、誰よりも愛しているからこその"Jリーグへの自惚れ"が滲み出ている様に思う。

>チェアマンに就任してから、J1からJ3すべてのクラブを回っているのですが、クラブの社長が共通して悩んでいたのがデジタルへの投資でした。それならば重複するのももったいないので、「裏側の共通基盤をJリーグで作りましょう」と提案したら、皆さん合意してくれたという経緯があります。

Jリーグが進めたデジタル戦略と国際戦略 2017シーズンを村井チェアマンが振り返る - スポーツナビ

Jリーグを変えるデジタルマーケティング 「toC戦略」のキーマンに聞く - スポーツナビ

 

この自惚れとヒアリング結果がツキをも呼んだのかもしれない。デジタル化を推進していたからこそ、試合映像の制作・著作権を持ちながら巨額の放映権料を確保できたDAZNとの大型契約という大きな追い風も吹いた。前述の通り財政基盤を固める事ができたJリーグは2ステージ制の早期撤廃と様々な規制緩和へ動くことができ、投資が更なる投資を生んで非連続の成長を実現させた。

 

競争力の低下が叫ばれていた中でJクラブが2年連続でACL制覇。2019年にはJ1リーグが史上初の平均入場者数2万人を記録する。自惚れは、過信から確信へと変わりつつあった。だけどもコロナ禍がこの爆発的な成長に蓋をしてしまった。

 

 

コロナ禍での村井氏の振る舞いは確かに賞賛に値するモノだと思う。

ただ、「2つの前提と5つの重要戦略」からバージョンアップされた「Jリーグビジョン2030」が深化していく様子を一人のファンとしてただただ見たかった。村井体制の総仕上げとも言える、Jリーグの存在意義をより強固なものにする素晴らしい計画だっただけにコロナが憎い。

当座のリーグ・クラブの安定した運営維持の為に今なお制限が掛かっている。どうしようも無い部分もあるのだが、野々村チェアマン体制で遅れをどれだけ取り戻せるかどうかに期待したい。

 

 

良くも悪くもプレゼンテーションやパフォーマンスがべらぼうに上手い人ではなく、それ故にクラブへの制裁やハラスメント問題に対する姿勢で「温い」と取られたり、逆上されてしまったり。

チェアマン室の廃止やフリーアドレスといったオフィス改革同様に、PuBレポートの公開やオウンドメディアでの発信を通じてステークホルダーへの情報公開に努めるなど、"天日に晒す"姿勢も良かっただけに、最後まで一部との溝が埋まらなかった事と適切な評価が得られていないのは残念である。

 

村井チェアマンはサッカー畑の人では無いかもしれないけれど、その分Jリーグが持つ魅力と、社会を変革できるポテンシャルに対する大きな夢と熱意とアイデアを持っている人だった。「シャレン」はその最たる例だろう。打ち手はどれも的確で、筆者がして欲しい事を適時適切にしてくれた。この8年間は驚きの連続だった。

日本が抱えている課題や次の日本を作っていくために必要なことは、すべてスポーツで解決できると思うんです

Jリーグチェアマン 村井満「なぜJリーグはコロナ禍に立ち向かおうとするのか(後編)」…【連載|私たちがJリーグを支える理由 #8】 | サッカーキング

 

何より理屈抜きにサッカーとJリーグを愛している人であった。でないとわざわざ京都みたいな大した人気もないクラブの視察でゴール裏まで来てサポーターと肩は組まない。この人はガチなんだよ。

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できる事ならJFA会長に…なんて思ってしまうが、一先ずは一人の単純なサポーターとして気楽に楽しんで欲しい。いや、それも中々難しいだろうか。

理事としての期間を含めると述べ14年間お疲れ様でした。そして本当にありがとうございました。

 

 

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【招待します】学生のアナタに4/29(祝)京都サンガ対福岡のチケット代を賄います 

 【4/24追記 当選者にメールを送付致しました。できましたらキャリアメール以外のメールアドレス返信をお願い致します。確認できない恐れがあります】 




4月29日に開催される明治安田生命J1リーグ 京都サンガF.C.アビスパ福岡の試合に学生さん2名を招待します!

「初めて行ってみたい」でもよし、「デートの行程の一つに」でもよし、普段から応援していて「友人を誘ってみたい」でもよし。ご応募お待ちしております。

以下の内容をよく読んだ上で申し込んでください。

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●内容

京都サンガの試合観戦チケット(ホーム指定席)を24歳以下の学生さんを対象に2名まで招待します。大学生と院生については半額優待です。

小学生、中学生、高校生・・・・・・・・・無料

大学生、大学院生、高専専門学校生・・・半額

 

※4人組で観戦し、内2名に招待を利用…などの利用法もOKです

※応募は代表者1名からでOKです

 

 

 

 

●試合詳細

日  時:4月29日(金祝)15時開始

場  所:サンガスタジアムbyKYOCERA(JR亀岡駅徒歩すぐ)

対象試合:京都サンガF.C. 対 アビスパ福岡

アクセス:JR嵯峨野線 亀岡駅徒歩すぐ

     亀岡駅までは快速だと二条駅から15分、京都駅から19分

ポイント:①駅近で移動が楽

     ②全面屋根なので雨でも濡れる心配なし

     ③延長戦も無いので前後の予定も決め易い 

応募対象:学生に限ります

※会場の雰囲気はこんな感じです。


 

 

 

●応募方法について

・期限は4月6日21時迄です。(追記:4月18日迄延長します)(再々延長で4月22日24:00締切にします)

・方法は2つあります。

・1つ目は筆者のTwitterアカウントで投稿される本ブログ記事の更新ツイートに対して、「リツイート」+チケット招待を希望する旨「リプライ」をしてください。リプライには「観戦予定人数」と良ければ「利用方法」も記入いただけると幸いです。

 

・2つ目は以下のアンケートフォームを通じて応募してください。

 

・応募者多数の場合、抽選にて当選者を決定します。

・当選及びその後の連絡は電子メールまたはTwitterのDM機能を利用します。メールアドレスは捨てアドで結構です。その際に身分証明書や学生証を提示いただき応募資格の有無を確認させていただきます。

・氏名や顔写真等は消し込み処理をしていただいた上での送付をお願いします。年齢等のみの確認とする方針です。招待欲しさに偽造等はお控えください。

・チケットについては当選者ご自身に購入いただき、購入を確認後に相応の金額を送付する方法を予定しております

・その為、ホーム指定席の範囲内に限られますが観戦する場所はご自身で選択できます

・電子チケットのスクリーンショット等で購入の確認は致しますが、その際は席番号を消し込み処理いただいた上で送付をお願いします。筆者に席を特定される事はございません。

・招待は2名迄ですが、4人組で内々で割り勘をする等はご自由です。

・ただし北と南の両ゾーン共にホームチーム応援の為の席種ですので、対戦相手の応援目的でのご利用はお控えください。

・その他不明点や気になる点があればコメントまたは更新ツイートへの返信等でお尋ねください。

 

 

 

●注意点とお願い

・前述の通り、応募資格の有無やチケット購入について確認手続きがございます。個人を特定できる情報は消した上で送付をお願いします。ご協力いただけない場合は次点繰上がりと致します。ご容赦ください。

・招待の対価と今後の参考として、試合以降に観戦した感想と個人が特定されない範囲のパーソナルデータ(年齢、性別)等をお伺いします。ご協力ください。

・各自の購入時に必要になってくると思われますが、未だの方は本件を機にJリーグIDの取得(無料)とお気に入りクラブへ京都サンガの追加をお願いします。

・またこちらは強要ではございませんが、チケット代を優待させていただく代わりに是非ともスタジアム内の飲食や物販等で消費してくださると幸いです。

 

 

 

コロナ禍で学生の皆さんも色々と苦労が多いかと思います。

Jリーグプロ野球の試合観戦でクラスター感染が起きた事例はありません。

GW初日、「遠出はちょっとな…」という方は是非とも近くで楽しめるエンタメとして如何でしょうか。

 

当ブログやTwitterを普段見ていただいている対象年代の方がこれまであまり観戦と縁のなかった方を誘う…というのが主流になるかと思いますが、ご応募お待ちしています

 

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#蝗活 と観光振興

 

スタジアム建設計画が話題となる度に、スタジアム来訪客による経済効果を建設メリットの一つに挙げる人が居る。

カテゴリー関係なく、2千人ほどの県外からの来訪客が年20回(試合)分一定の消費活動をしたとしても…年間4万人。

地方都市なら確かに大きな効果と言えるかもしれないが、世界的観光都市に住んでいる身からすると、それだけでは弱いと常々思っていた。現にコロナ前の京都は年間8791万人もの観光客が世界中から訪れている。我々とは違う、”持たざるもの”の意見でしか無いと思っていた。

 

 

あれから2年。コロナ禍で京都の風景も様変わりした。

主要駅、市内中心部、そして観光スポットのあちこちで、耳障りなほどに飛び交った中国語・韓国語は一切聞こえない。

タピオカ屋から女子高生の列が消えて歩道が広く感じるようになったと同時に、食べ歩き目的の観光客で芋洗い状態だった錦市場も往来しやすくなった(歩かないけど)。

「これくらいが丁度いいね」なんて語る市民も居るし、同感なところもある。元々観光都市ではあったが、ここ10年くらいの変化は異常なものがあった為、公共交通機関の混雑やマナー違反等観光公害とも言うべき事象も多数見受けられ、市民感情も良いものでは無かった。

ただ、外資や東京資本の飲食店やレンタル着物業者だけでなく、純粋に京都で商いをしてきた人達へのダメージも大きい。ただでさえ右肩下がりの伝統産業が多かっただけに、先の見えないこのままでは益々深刻化してしまう。(そして京都市の財政は既に赤信号が点りつつある)

 

 

 

その点に於いて、母数は明らかに足りないかもしれないが安定したリピート客が見込めるのはJ1リーグの経済効果として良い部分かもしれない。

今も往来を躊躇う時期であることは間違いない。それでも浦和→磐田→FC東京と3チームを亀岡の地に迎えて、J2ではあり得ない数のアウェイサポーターに来場いただいた。

 

 

 

これは『試合観戦』という主たる動機が強いからこそ為せること。

あくまで観光が目的では無いからこそ、こんな時でも誘致できるという1つの強みかもしれない。もはや娯楽目的で来ているのではなく、ある種の義務感で僕達は足を運ぶ。

 

単純に人の数だけを考えたら、サッカーである必要性は無い。別に音楽ライブでも良い。

京都大作戦イナズマロックフェス。京滋が生んだ人材が、自分達のカルチャーを豊かにしようとするだけでなく、故郷に恩返しをしようと頑張っている。県外からの来場者数で比較して勝てるか?難しいだろう。

 

ではなくて、『新しい京都の魅力を伝える』でもよい。リピートが望める層だからこそ、府北部へのゲートウェイとして亀岡に新設されたスタジアムだからこそ、市内の手垢にまみれた観光スポット以外への人流を作っていく。

特産品の魅力を伝えることで、スポットの購買ではなくふるさと納税を促進するもよし。移住の推進もよし。今はご時世的に難しいが、分断が進んでしまったこの世の中だからこそ現実世界での『繋がり』の場を設けるもよし。

 

帰属意識や地域性、来場層……他とは違うJリーグというコンテンツやアウェイサポーターの特性を踏まえた上で、一種のDMOとして活動を展開することで、一過性ではなく継続的に地域へ還元していく。

単なるイベントやアーティストなど他のコンテンツとは一線を画した活動こそが真のシャレンであり、差別化によってJリーグJリーグクラブの存在意義は高まっていくはず。

 

地域貢献→存在意義の高まり→賛同者の増加→新たな地域貢献→存在意義の高まり…というサイクルを回していく事ができれば、サンガスタジアム by KYOCERAの賑わいはより増していく事だろう。これは他都市でも同じことが言える。

今回『 #蝗活 』タグを追っていって、京都という観光都市にあるクラブでもポジティブな可能性を再認識させられたし(本拠地が9万人足らずの亀岡だからこそでもあるが)、外部へ積極的に発信してくれているFC東京サポーターの方には本当に感謝する。

と同時にもうこれ以上ホームで負けたくないので、今後は勝ち点とお金の両方を落としていってもらう様にチームのより一層の奮起に期待したい。

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(※もちろんFC東京サポーターの投稿に京都のスポンサー企業様の名前が出てくる訳ではないけど、行政担当者や各既存・新規スポンサーに対して「地域にこんな波及価値があるよ〜」って材料集めはちゃんとするよね…?)

 

 

 

 

 

投げ銭を始めてみる

 

 

タイトルの通り、今後投げ銭機能をテスト的に使ってみます。

理由は以下の通りです。

 

 

その1:学生世代への支援の為

・来場者数増加へ向けて、自分より年下の層向けに個人の範囲で無理なくできることを始めてみたい

・例)学生向けにチケット代を一部支援する等検討中

・ポケットマネー以外の原資を模索

 

その2:モチベーション向上

・支援する→その為に書く→支援する→書く…というサイクルを作る事で更新頻度を上げる

・(良くも悪くも)需要の可視化

 

 

noteを使えば良い話かもしれませんが、はてな様は京都サンガの京存共栄パートナーでもあるので変える気は0。とりあえずやってみてどうなるか

(社長直々に熱いエントリーありがとうございます!)


 

 

 

5連戦を終えての感想

 

【取り組んでほしいこと】

1、失点後の京都サンガコール音声を無くしてほしい

・去年迄は良かったが、太鼓有りの現行ルールでは不要ですね

・キックオフ前は別に有っても良いと思うけど

・被るのを避けて音声を待つと静寂が生まれる悲しさ

・言うは易し、行うは難し。でも要らないのでどうか早急に

 

 

2、集客プロモーションの実施

・一昨年と去年は仕方ない。今現在もまん防とは言え…

・広大な長居公園と比較するのは酷だけど、やはり何らかの打ち手は要る

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・スペースだけを考えた場合、駅北広場の活用とスタジアム東側の歩行者天国化。したとて何が実行可能かはさておき

・昔っから他クラブと比較してかなり低次元のクオリティで「やってます!」感を出す体質だけど、そろそろ弁えてね。あれめっちゃ寒くて萎えるから。シャレンもプロモーションも、資金力やマンパワーが京都以下のクラブでも頑張ってる処ばかりなので

 

 

3、帰りの人流の分散化

・まさか8千人以下の磐田戦で詰まると思っていなかった

・臨時改札を含めて、亀岡駅の改札口フル稼働はマスト

・滞在時間をより長くする取組みも、J1ではさすがに必要と実感

・あと駅北〜駅南の導線強化

柿落としマッチの時点でわかってたけど、福知山方面や亀岡市街地へ抜けたい人も全部あの陸橋に集約されるのは終わってる

・落ちる金も落ちないので、これは亀岡市さんサイドのご尽力を…

 

 

4、スタジアムWi-Fiの利用

・なぜ

・はよ

 

 

5、公式アプリ

・容量空けたいので消しても良い…?

 

 

 

【良いところ】

1、拍手を煽る演出の向上

・ダサさは消えた

・シンプルで悪くはないと思う

 

2、注目度の大幅改善

・自発的に何かした訳ではないと思うけど素晴らしい

・折角の素晴らしいスタジアムなので、チケットでもスポンサー開拓でももうちょっと「動画」というコンテンツを使ってください

・やはりそれだけの箱があるという事なので

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5千人が各々誰か1人連れてきたら1万人なので。

言うは易し行うは難し。コロナ禍ですが何か面白い事をできないか考えながら追いかけて行きたい所存

 

 

【2022 J1 2節】セレッソ大阪-京都サンガF.C.

 

霜降り明星ANNからのトークショー、ありがたいですねえ〜

 

 

清水と原川もありがたいですねえ〜

 

 

伸びシロですねえ

 

 

試合は1-1でした。

 

 

今回の交通費・・・1500円くらい

 

 

京都サンガのコミュニケーション不足 〜チェックインバトル優勝からユニフォーム品切れまで〜

 

目次

  • チェックインバトルとは
  • 3つの変化?
  • JリーグIDとファンベースの拡大
  • パートナーを増やす為の積極的なコミュニケーション

 

 

チェックインバトルとは

昨年のJ2リーグで、ひっそりと京都が1位に輝いたものの1つが"チェックインポイント"である。

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このチェックインポイントとは、Jリーグ公式アプリ上でスタジアム来場時に位置情報を活用して"チェックイン"を、またはDAZN視聴時に"リモートチェックイン"を実施した総数のことを指す。スタンプラリーのスタンプの数そのものと思ってもらえれば良い。そしてそのポイントの合計で競われたレースが"チェックインバトル"なのだ。

 

つまりは、単純な来場者数・視聴者数の合計ではなく、Jリーグアプリ所有者数×チェックイン率で測られる指標のこと。

 

昨年のJ2リーグにおける観客動員数ランキングを振り返ると、1位から順に新潟・松本・磐田・京都・山形・長崎…と続いているので、チェックインランキングと比較すると相関関係があると言える。

しかし、無観客試合や収容制限の影響も大きく、1位の新潟と京都とでは動員数に倍近い差があった。(新潟=228,452人 京都=109,239人)試合会場に足を運べずとも積み上げが可能なリモートチェックイン機能を勘案しても、かなりのハンディと言えそうだ。

 

ではなぜ動員数で劣る京都がチェックインバトルで1位を獲得することができたのだろうか。

 

 

 

3つの変化?

前述した様に、仕組み上"アプリのダウンロード数が多い"×"チェックイン頻度が高い"=チェックインポイントがより増加する図式となっている。(以下、ダウンロード=DL)

 

なので単純に考えればこの図式で数は増やしていけるものと思われる。

1.観客動員数(とDAZN視聴者数)を増加させる

2.来場した観客のJリーグアプリDL率を高める

3.DLしたユーザーには漏れなくチェックインさせる

 

1については、繰り返しになるが首位新潟との差こそあったもののJ2の中で4番目の動員数を誇った。

要因としてはチームの好調が大きな要因として考えられ、感染者の減少と収容制限の緩和+昇格争いが佳境を迎えた終盤戦は秋田戦の9900人を筆頭に多くの来場者を記録した。

おそらくではあるが、DAZNでの視聴者数についても12年ぶりのJ1復帰を決めた千葉戦(フクアリ)を筆頭に今季は多かったのではなかろうか。

 

 

2と3については、チェックイン・リモートチェックイン共に促進活動が目立った。

特にホームゲームでは毎試合プレゼント企画を実施し、『アプリ起動→チェックイン』を習慣化させるプロモーションを徹底した。

コロナ禍以前であれば、全クラブ共通でチェックインにて取得したポイントを招待チケットの抽選券として利用できたが、2020〜2021シーズンは観客誘致以前に安全な運営を心がける必要があり、Jリーグ本体も運用方法を模索。

京都もニンジン作戦以外に打ち手がなく、アプリの活用方法自体についてはまだまだこれから改善の余地はある。

 

 

ここまで、チェックインポイントについてひたすら語ってきたが、そもそも論としてチェックイン機能がユーザーにとって何のメリットがあるのだろうか?

 

売店のポイントや航空会社のマイルならば、貯まった分を商品購入や特典との交換で利用できる。スマホゲームのログインボーナスで得られたアイテムは、ゲームクリアへ向けて利用できる。

その一方でJリーグアプリユーザーがチェックインして得られる物は、前述の様にプレゼントの抽選権利だけになってしまっている。毎試合の様にプロモーション活動を行っており、筆者自身もチェックインが習慣化していたが、冷静に考えてみると動機付けにはいささか小さすぎるのではないか?

 

 

そこでもう少し本質的な部分を掘り下げてみる。

仮説を3つ提唱したい。

 

1つ目は「JリーグIDとアプリDLへの動機付け強化」

試合観戦チケットの購入にあたり、京都サンガ公式HP上において推奨されている方法がJリーグチケット(以下Jチケ)上での購入である。


ウェブ上で席の選択から購入・決済までを一貫して行えるほか、コロナ対策で全席指定席となった事でチケット購入時にJリーグ公式チケットサイト"Jリーグチケット"を利用するほか無い状態へと変化した。(※ユーザーは販売開始と共に希望の席を指定して購入しなければならず、クラブは万一の為に来場者の観戦位置を把握する必要がある)

 

Jリーグチケットで購入するにはJリーグIDの取得が必要で、Jリーグアプリの利用にもJリーグIDの取得が必要である。故にJリーグID取得者の増加はアプリDL数増加(=チェックインポイント積上げ)にも寄与する部分はあるかもしれない。

少なくとも、前提となるJリーグIDを取得"せざるを得ない"仕組みがコロナ禍の影響で強化されたのかもしれない。

 

 

2つ目に「来場者層の変化」

Jリーグでは、コロナ禍以前までは毎年実地にて観戦者調査を行なってきた。そのレポートから新潟と京都の来場者の年齢層を確認する。

 

直近3年間(2017〜2019)のデータで、50歳以上の回答者が占める割合について見ると、新潟53.9%・京都34.7%。18年で新潟44.4%・京都37.0%。17年で新潟43.5%・京都33.8%となっており、新潟の方が来場者の中でシニア世代の占める割合が大きい結果となっている。

 

つまりは元々シニア層の比率が新潟よりかは少ないと思われる京都だが、サンガスタジアム移転後の2年間で、JリーグIDやアプリへの親和性がより高いと考えられる若年層の来場者がさらに増加したのでは無いだろうか?

年齢層が高い=DL者が少ない と言うのはステレオタイプすぎるかもしれないが、西京極と比較して観戦環境の整った新スタジアムでの2年間は、平均年齢以下の来場者が増えた様に思うのだが…

 

 

3つ目に「デジタルマーケティングの体制が変化」

新スタジアム開業のタイミングで、かつてファジアーノ岡山の経営に携わってきた小川雅洋氏がJリーグ本体からサンガへと入社。現在は地域連携本部長兼マーケティング部長として辣腕を振るっている…はず。

小川雅洋 常務取締役 統括本部長の退任 並びにJリーグ クラブ経営アドバイザーに就任のお知らせ | ファジアーノ岡山 FAGIANO OKAYAMA

 

いわゆるサポーターズカンファレンスのような発表の場も無い為全くわからないが、影では前述のJリーグID等も絡めた様々なプロモーションが行われている可能性がある。少なくともSNS上でのチケットプロモーションは昨年発見する事ができた。いずれにせよ、長年の経営課題である"サッカークラブ経営におけるプロフェッショナル人材"を確保できた意義は大きい。

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(岡山からヘッドハンティングされて各Jクラブへ経営指南をされていた方が京都の様なクラブへ来るというのは、おそらくJ本体の意向もあったのでは無いだろうか。言ったもの勝ちだ。)

 

 

つまり、チェックインバトル優勝という目に見える事象から

1.コロナ禍と試合毎のプロモーションによってJリーグIDとアプリ取得及びチェックインへの動機付けが強化された

2.来場者の若返り

3.デジタルマーケティングの強化体制構築

京都サンガの内部環境と外部環境において上記3つのポジティブな変化が起きているのでは無いか?と推測したい

 

 

 

JリーグIDとファンベースの拡大

ユーザーにとってのチェックインの意義についてここまで述べた。

一方でJリーグクラブにとってのチェックイン・JリーグIDの取得増加は、マイル制度やポイント制度同様に何らかのインセンティブを与えながら顧客情報を収集し、事業活動に活かしていけるメリットが有る。

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参考)アクティブ率30%超、Jリーグアプリに隠されたデジタル戦略 | 日経クロステック(xTECH)

名古屋グランパス | 事例 | シナジーマーケティング株式会社 SynergyMarketing

グランパスの緻密な集客。 そもそもチケッティングってなんだ? | footballista | フットボリスタ

 

その為、Jリーグクラブ経営ガイドでも解説されている通り、JリーグID登録者はクラブ経営におけるKPIの一つと言える。

※KPI=目標達成へ進捗管理を行う為の定量的な指標みたいなもの。例えば「体重を5kg減らす」為に、「毎日腹筋30回×2セットを行う」←これ

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つまり、Jリーグクラブは経営活動の中で、JリーグIDの取得という山の裾野から様々な手段を通じて、ファンクラブ会員や年間チケット所有者へと登頂させて、山のサイズを横と縦にどんどん大きく成長させる事が求められている。

そうして大きくなった山は、比例して引力も強大なものとなり、クラブの経営基盤の安定と共に、地域への経済波及効果など"我が街にJリーグクラブがある意味"がよりくっきりはっきりするものと思われる。

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だからこそ、チェックインバトルの優勝という事象は、小さな出来事かもしれないが京都サンガにポジティブな変化が起きている兆しなのかもしれないのだ。

 

 

 

パートナーを増やす為の積極的なコミュニケーション

ただし、改善点と注意点は現在進行形で残っている。

 

一点目は「より効率的なID取得の促進」

ユースチームへのセレクション参加時など、多方面でJリーグ ID取得を義務付けする事は素晴らしい。しかしながら新スタジアム開業から2年が経過する中で、未だにスタジアムWi-Fiを活用したID取得の推進は実施されていない。ちなみに、近隣のパナソニックスタジアム吹田ではガンバ大阪がフリーWi-Fi利用シーンの中でJリーグID取得を促している。

スタジアム運営権を有しており、地域イベントへの貸出や独自事業(スタジアムツアーやeSports、コワーキングスペース等)で試合のない日も稼働させるのであれば、クラブと普段接点がない層へもアプローチが可能なはずなのでJ1復帰初年度の今年は必ずやってもらいたい項目の1つ。勿論JリーグIDという非対面接点の増加は勿論、対面でもどんどんと市民との接点を増やしていく事は必須である。

 

 

2点目に「愛着の表現方法の用意」
一般的に、企業や商品への愛着度が高まると同時に、客単価や購買頻度や他者への宣伝回数が向上すると言われている。

【ブランド戦略】顧客ロイヤルティとは?顧客を引き付けるマーケティング手法 | 株式会社Emotion Tech(エモーションテック)

 

最近の流行で言えば「推し活」なんてワードを耳にすることも多いのではないだろうか?

 

ここでようやくこの記事の本題に入るのだが、言いたいのは「鉄は熱いうちに打て」「ほとばしる熱を逃すことなくスムーズに誘導せよ」というお話

例えば、知人をスタジアム観戦へと招待したい年間チケットホルダーが、販売の仕組み上、自分の隣の席に知人・友人を招くことが難しくなっているとか

※12/21(火)更新 2022シーズンパスの販売について|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

 

例えば、ファンクラブの会員ステータスが2つしか無く、金額と照らし合わせて中身もそう大差ないのでより上のカテゴリーへの誘導が効きづらいとか

ファンクラブ「SANGA CREW」|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

 

例えば、受注販売と謳っていたはずのユニフォームが既に品切れで3月下旬頃の再販になるとか

【1/22:追加情報掲載】『2022ユニフォーム』販売のお知らせ|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

 

コロナ禍で制約があり、どうしてもボトルネックが生まれるのはわかる。でも、山を大きくする千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかない。

こんな時こそ、仕組みを整えて自然と誘導する事が下手なクラブだからこそ、はっきりとした言葉で伝えたり、顧客の声に耳を傾けて妥協点を見出すべきなのだ。

 

 

またもや他クラブの話になるが、先日のファジアーノ岡山が開催した新体制発表会での北川社長のプレゼンは実に見事であった。20分ほどになるが、簡潔明快であっという間に終わっていた。

・現在地の共有・・・"過去"を振り返り、クラブのこれまでの歩みと"現在地"を説明

・目標への障壁・・・目標とする"未来"と妨げとなる壁(コロナ禍やIT企業のJ参入)を説明し、現状とのギャップを包み隠さない=正しい理解を得る

・実行プランと想いを伝える・・・クラブの方針をファンへ共有し、壁を乗り越える為に手を貸してほしいと呼び掛ける=理解者ではなく協力者を求める!

 

 

 

 

一方で京都というクラブは、このように方針がファン・サポーターに正しく共有される事が少ない。というかまず無い。

 

その為、ファン・サポーターには「傍観者」が多く、「理解者」や「協力者」が少ない。はっきり言ってしまえばリテラシーも低い。

なので昨年のような好成績を収めた年は上手くいくが、2017〜2018年の様に歯車が狂うと荒れる。途端に目も当てられなくなる。この事は観戦者調査におけるチームアイデンフィケーションの低さという客観的指標にも表れていると言える。

 

ユニフォームの件を例に挙げるならば、『完売しました』という事実だけを伝えても仕方がない。

「なぜ完売したのか?」「いつどこでなら手に入るのか?」「今後同様の事態が他のグッズやチケット販売等でも起きない確証があるのか?」をきちんと説明して理解を得るのが道理ではないか。

また、日頃からクラブとファンの間で関係が構築できていれば、簡単な状況説明で「仕方がない」と溜飲を下げる人も多かったかもしれない。しかし、リリースの隅から隅まで見渡しても、製造から販売まで、川上〜川下のどこで問題が発生したのか要因を読み解く事はできない。

 

逆もまた然りで、今回挙げたチェックインバトル優勝はクラブスタッフの努力の賜物なのかもしれないが、それを確かめる術は今のところ無い。仮に褒め称えられるような快挙だとしても、人知れず流れていく。これが京都サンガの現状である。

 

筆者がこのブログ上やTwitterアカウントにて「サポーターズカンファレンスを開催しろ」と言う背景にはコレがあるのだ。お詫びや言い訳は要らない、共感と協力を得る為には必要最小限の情報は開示せよと。なぜなら直接言わなければ伝わらない集団なのだから。

 

 

 

まもなく任期満了を迎える村井チェアマンは、経営ガイド上でもいつもの天日干しのエピソードを説く。

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昨年1年間、安藤BAをはじめとする広報担当の情報発信により、リアルタイムで現場の温度感をはっきりくっきりと感じ取る事ができた。

 

 

フロントサイドにおいても同様に、熱を伝播させていく為に積極的な情報開示と双方向性のあるコミュニケーションが求められる。(完)

 

 

 

 

 

 

参考)

Jリーグクラブ経営ガイド