+1 プラスワン

同点で試合をクローズする意義

9月半ば。早いものでもう上半期も終わりに近づいています。

我ら「の」J2も同様で、33試合を消化(一部延期により未消化試合アリ)。J2は22クラブによるホーム&アウェー方式ですから、残りは9節。昇格争いと残留争い、共に熾烈な競争が繰り広げられておりますが、猶予が無くなってきました。


さて、「我らのJ2」と書いたのには意味があって、今季の京都サンガはシーズン前の私の予想を裏切ることなく、一時期はJ2最下位に落ち込むなどJ2残留争いにどっぷりと浸かっており、今現在も降格圏内と勝ち点差1の20位に留まる体たらく。
日頃「J2はもう嫌だ」などと言っておりますが、今季に関しては是が非でもJ2にしがみつきたいという、都合のいいことを述べてしまう状態にある訳です。

たかが勝ち点1。されど勝ち点1。少しでも勝ち点を上積みをしたい。なんとか中位に収まった昨年よりも勝ち点への渇望は強いかもしれません。




前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

昨日、アウェーの地で行われた、J2 第33節 ファジアーノ岡山戦、チームは後半アディショナルタイムに起死回生の同点ゴールでスコアを2-2とし、なおも残り時間が目安3分ほど残った状態で、「引き分け狙い」のシフトを敷きました。
具体的には、FWとして投入した田中マルクス闘莉王のポジションを下げる。FKを獲得してもゴール前へ蹴り混むのではなく、カウンターのリスクを軽減する為にサイドへ選手を集めてそこへ放り込む。

明らかに、得点を奪いにいくことよりも失点をしないことに重きを置いたアクションであり、試合後の監督コメントでも、『2-2になった後、今のサンガにとって勝ち点3が一番必要ですが、勝ち点1でも非常に重要なものなので、闘莉王を後ろに下げ、勝ち点1を守ろうという戦いにしました。』と述べています。
リアリストに徹し、勝ち点1を拾いにいったという訳です。



この行為に対してどう思うのかは自由です。
個人的には不満も覚えます。高さのある選手を途中出場させ、前線に複数枚並べた以上、時間的にラストワンプレーと思えるFKに関してはカウンター対策を施した上で放り込む。相手ゴール前で混乱を作る判断があっても良かったと。

一方で冷静に考えないといけないのは、京都は試合終盤の失点が非常に多く勝ち点を取りこぼしてきたチームであるということ。
今季、76分以降の失点は『12』でリーグワースト5位タイ。内、後半アディショナルタイムでの失点は『6』でリーグワースト2位。この試合では逆に後半アディショナルタイムに勝ち点を「拾った」結果となりましたが、普段はやられる側に立ってしまっているチームであることと順位も勘案すれば、確実にクロージングし、勝ち点1を得る判断は決して悪いものではありません。



チームはどうすれば良かったのか?
サポーターが不満を抱くことが悪いのか?納得することが甘いのか?悪いのか?

肉でも魚でもない結論になってしまいますが、先ほど述べたように、どう捉えようが、どうアクションしようが、それは個人の自由だと思います。

ただ1つ言えるのは、現在の京都に確立された得点パターンや再現性などなく、悲しいかな、得点を奪いに行ったところで期待値は高くありません。
これは編成の失敗によるものであり、監督選考の失敗によるものであり、ボスコ監督と選手の力量不足によるものであり、目を背けることのできない現実です。
(きちんと分析をせずに、エビデンスの欠けた状態で論ずるのは申し訳ないですが、低い位置から石櫃がクロスを上げるしか能のないようなサッカーをかれこれ数ヶ月続けていることが何よりの証拠ではあります)


サポーターの向く方向がバラバラなことがチームに悪影響を与えるとはあまり思えませんが、バラバラよりかは同じ方向を向いている。共通理解がある方が、事がうまく運ぶはず。


勝ち点1に「逃げた」と取るか。「拘った」ととるか。それは個々の自由ですが、京都サンガは昇格争いやプレーオフ争いの真っ只中ではなく、残留争いを強いられるチームであり、余分なストレスを避ける為に、かつては忌み嫌った引き分けですら僥倖であることを頭に入れながら観る必要があると個人的には思います。




P.S.この記事のように、「結局お前は何がしたいねん?」というのが今年の京都なんですなあ。迷子。