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京都サポーターから見た岡山【2019 J2 31節 岡山-京都】


岡山。京都から在来線で約3時間半。

倉敷とか、かつてはチボリ公園だとか、観光スポットが無いわけではないので泊まりの旅行をする人もいるかもしれないが、
京都人にとって日帰りで行ける距離であり、わざわざ泊まることはそうない街の1つである。


少なくとも、私自身はそう泊まることはないなと認識していた街に、「Jリーグ」というコンテンツの影響で泊まり旅行をするというネタができたから惰性でを消化しておく。

 

 

1日目

日曜ナイターなので、土曜に岡山入り。
岡山に前泊。新鮮。

 

試合以外ほぼノープランの1泊2日であったが、
1日目の晩だけは早々に予定が埋められていた。つまる話、飲み会である。
(この飲み会目的で1泊2日の旅程になったのであった)

Jリーグが無ければ出会わなかった人達と美味しい酒を飲む。Jリーグが無ければそうは訪れない場所で。


高尚に言えば、この行為そのものが、Jリーグもといファジアーノ岡山の存在価値の1つであると言える。

 

通常、消費者は対価を得る為に代金を支払う。

我々サポーターは何を得る為にコストを費やしているのか。サッカークラブ(リーグ)は顧客にどんな価値を提供しているのか。


永遠のテーマとも言えるこの話題。

価値そのものは千差万別。各クラブ間で目指すべき所が異なるであろうから、当然ながら一くくりに答えを出すことはできないと思う。

 

ただ個人的な考えとしては、サポーターとは消費と生産を同時に行う存在であり、クラブはそれを促進する存在であってほしい。
この岡山の晩で言えば、飲み食いこそが消費であり、サッカー仲間との親睦というコミュニティの創出こそが生産。

 

SNSが発達した今、以前と比較するとこうしたコミュニティの創出はどんなコンテンツでも容易になっていると思うので、独自性が高いとは思えないが……

 

 

そろそろポエム度が限界突破しそうなので1日目の話はここまで。

 

 

2日目

今まで岡山遠征と言えば『行って、試合見て、帰る』みたいなスケジュールでしかなく、観光など皆無。

今回は前泊して余裕もあるので、岡山駅⇔スタジアム間以外も楽しみたい。という訳でまずはえびめしを食べにホテルから岡山駅まで。

途中、ランニング中のエンゲルスコーチと出くわしながら、駅ビルのお店でご当地料理えびめしを食らう。

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映えてはないがうまい。

デミカツ丼とか、B級グルメグランプリで名を上げた津山ホルモンうどんひるぜん焼きそば、この日お目当ての店が混雑で断念したカキオコなど、岡山はご当地料理のバラエティと質がイカしていると感じる。

正直、ひるぜん焼きそば以外はこうした岡山遠征や後述する『ファジフーズ』によって知ったのだが、もっと広まればいいのに。

 

 

朝兼昼食を口にしお腹も満たされたのでレンタサイクルで後楽園へ。

乗り捨て型のレンタサイクルがあるのは自転車大好きな人種である京都人にとって良い。路面電車岡山駅東側の『碁盤の目』状に整備された道筋も良い。

先の大戦の影響なのかはわからないが、やはりこの形状は良い。岡山の都市開発したひと偉い。

 

道中、ファジアーノの運営するフットサルコートに遭遇。コートの存在自体はファジアーノがJに加盟した年ぐらいの選手名鑑に掲載されていた広告かなにかで認知していたが、ここまで立地が良いとは。

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京都の場合、練習場に併設されたフットサルコート以外にないので、クラブの広告塔となり得る施設が好立地にあるのは大変良い事だと思う。コート単体の稼働率・収益性の面でも。

 

 

そして後楽園へ。

J2にこれだけ居ながら初の日本三大庭園。確かに美しい。

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ただまあ、リピーターを生む観光スポットかというと…私のような素人には1回見たら十分。京都の場合は1日や2日で回り切れる訳がないので必然的にリピートせざるを得ず勝手に増えていく側面があると思うのですが、多くの都市では0を1にする事と同様にリピーターを増やすのも難しいでしょうな。

逆に言えば、年1回必ず足を運びたくなるコンテンツには価値がある。

 

ちなみに、京都だと天龍寺の庭が個人的オススメです。

 

 

既に滲み出てるが段々めんどくさくなってきた。箇条書き気味に。

ここからはもう試合まで時系列的に振り返るほかないし。

 

 

・13時半

1時間ほど後楽園に居たので、14時より開始のシート貼りの為にスタジアムへ。

後楽園への道中でも目についたが、ファジアーノのポスターを貼っている店・企業が多い。地道な努力の現れ。

 

 

・14時

スタジアムに着く。14時=キックオフ5時間前。シートさえ貼ってしまえばすることはなにもない。

他のサポーター仲間たちは近くのファミレスへと散っていく。実質的な拘束時間の割にスタジアム本体に時間を潰す手段がない。これは全国共通であるが。

ただ岡山の場合は街中にある分選択肢は多く助かる。別に観光に戻っても良いし。

 

 

・16時

キックオフ3時間前になったので、16時45分の開場に向けてスタジアム前のファミレスを出る。暑い。スタジアムの各ブースも本格稼働している。

岡山はQRチケットで購入しても、それを発券をしなければ入場ができない。岡山だけではないが何の為のQRチケットなのかとこの場を借りて。

私事だが、基本的に①手数料無料②スマホさえあればその場で決済まで完結する③チケット忘れがない の3点からチケット購入時は例外を除いてJリーグチケットで購入している。各クラブ側にとっても、データ収集と手数料面でJリーグチケットユーザーの方がありがたい事だろう。だがその割にはユーザーのインセンティブが小さい。

京都は今季わずか数十円ではあるがJリーグチケットでQR発券するのが一番価格的にメリットが出るように価格設定をいじった。案内ページの創設含め良い施策だと思う。

 

あとTwitterでも言ったが列整理で何百人が30分も待機列に釘付けになるの時間がもったいない。括りつけるより野に放ってお金使わせた方が遥かに効果的なのになあ。

 

 

・17時

開場し、席を確保し、ファジアーノ岡山名物のスタジアムグルメ『ファジフーズ』を漁りにいく。

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J2サポーターには説明不要であるが、やはりファジアーノのオペレーションは素晴らしい。見た目でわかりやすいし、列は綺麗に整っているし、商品提供までの時間も全然長くない。ファジフーズ関連以外でも、これまた既に浸透しているかと思うが来場客の困りごとに素早く対応できるようスタッフが配置されている。

昨年はありつけなかったので知らなかっただけかもしれないが、今年はキャッシュレス決済も充実(チャージミスって現金で払ったけど)。予約サービスもスタート。

ただまあ日銭が一番入りやすい飲食でキャッシュレスって、どうなんだろうなあ。

 

 

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フォトスポット。大事。1枚目の方は背後に止まってる車両やバックヤードの目隠し的に配置されていてセンスあるなと思った。ディズニーランドからは外が見えない的な。

京都も、もう退社された方だけどクラブスタッフさんとお話する機会に「フォトスポットは必須ですよ。今でも遅いくらい」と言ってそのまま案を通してくださったのだが、今はもう機能してないか。

 

 

場内に戻ると対面のメインスタンドに蛍光ピンクのTシャツが目立つ。

この試合、レディース誘致策としてTシャツ配布や日向坂46の来場などの施策が打たれていた。そのシャツの色である。

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言ってる間に日向坂46が試合前のパフォーマンスとして登場。

場内に響くover tureと映し出される煽り映像。残念ながら音響も、ビジョンの映像も、鮮明でない。

ライブイベント会場としては今のCスタのままでは不適格だと感じた。逆に言えば、新たなハコに需要があると言える。

 

ちなみに今までJリーグのスタジアムで見たアイドルグループのパフォーマンスとしては一番スタンドが沸いていた。妖怪ウォッチブームの最中のDream5の5倍くらい。

 

 

・試合

ハーフタイムに再び登場した日向坂のメンバーが「京都からお越しの皆様も盛り上がっていきましょう」的コメントを発していた事以外覚えてません。

 

 

 

 

 

自滅もあって痛い0-3。

ファジアーノ的には1万3千人の大入りマッチで最高の結果。

 

 

 昨年の岡山京都が来場者全員Tシャツ配布デーで今年同様に1万3千人。恒常的に1万人集めているからオペレーション的に破綻している素振りを感じないのは凄い。アウェイ側って部分を差し引き、物理的な部分を見たらわからないけど。

 

ファジアーノというクラブは、チケット代が安価で、この日のようにイベント誘致も熱心で、「ファジフーズとセットで土日の余暇のひとときを楽しんでください」みたいな意図を感じるのだけれども、それでどこまで行けるのかなという。(京都の場合はまずその段階に到達してないが)

外部環境としては恵まれている方で、単純に娯楽性のみを売りにしても結果が伴いやすい土壌なんだろうと思うが、でも恒常的に1万人クラスが集まる中で、もう1つ上のステップへ行くには、やはりハコなのか。でもハコの為には現状打破が必要という鶏と卵状態な訳で。

他人事で申し訳ないが、やはりそこのジレンマを「昇格」以外でどう破るのかが見てみたい。