【公式】清水vs京都の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2022年8月27日):Jリーグ.jp
今さらの更新。1-0の完封負け。よく戦ったが、結局は決定機の数が少ない。いつもの京都。
例えばの話だが、「PKとゴールから25m程の直接FKとでは、どちらが決めやすいですか?」と尋ねられたら、99%の人は前者を選択するだろう。
それはなぜか。FKは相手が壁を作ってコースを狭めてくるが、PKはGKとの1対1だ。邪魔をする存在が少ない。ゴールまでの距離も11mと短い。(それでも外したり止められたりはあるが。)
だからこれを読んでいる貴方も、「PKの方が決めやすい」と思ったのでは?
よりシュートが決まりやすい状況を何度も作る事ができれば、それは有効的な攻撃ができていると言える。逆に言えば、敵陣でボールを保持し続けてもシュートが撃てない。あるいはゴールマウスから遠い位置やコースが制限された中で撃たされている状況は、有効的ではないと言えるか。
サッカーは得点の大小を競う競技である。よって、攻撃も守備も常に得点の奪取・失点の阻止を基準に、逆算して設計されていなければ有効的なアクションではない。
クロスボールを上げて、エリア内で点と点とで合わせる攻撃は、シュートを撃つ側の人間にとって易しいのか?難しいのか?
プレー経験が無い人でも、相手DFと競り合いながら高速で横から動いてくるボールをゴールマウスへコントロールする作業が難しい事は想像できるだろう。
クロスを上げるも合わない。今度は合った⇨止められるor外す。それは本当に決定機と言えるのか?
曺貴裁監督のサッカーは、端的に括ってしまうと「試行回数を増やす事で解決をしようとする『偶然頼み』のサッカー」なのは周知の事実。
自分達がカオス状態へと突っ込み、相手もカオス(自分達の土俵)の中へ引きずり込む。自分達も相手もミスを連発するかもしれないが、その中で慣れた自分達が局面を制すれば、自ずと勝ち筋が見えてくると云う、泥んこサッカー。「成功確率が10〜20%でも、試行回数を増やせば良いだけの話でしょう?」という考え方。
ポジショナルプレー※が哺乳類の子育てだとすれば、曺貴裁監督のサッカーはかつて信じられていた様なマンボウの子育て※なのだ。
※ポジショナルプレー≠ポゼッション。選手の位置取りやプレーの優先順位によって偶然/不確実性(=予期せぬリスク・事故)を未然に防止/排除し、勝利の確率/プレーの効率性を向上させる為に試合を攻守両面で完全に掌握しようとする思考を指す。
※3億個程の産卵に対して1〜2匹しか育たないと云うのは遥か昔の根も葉もない噂とのこと
その中で、試行回数を増やしつつ、確率を上げる仕組みも構築できれば問題ない。しかし、1年半経ってもサイコロをただ転がすだけで、ピッチ上に効果として現れていないのが実情。
就任当初のPSM鳥取戦やリーグ開幕戦でトライしていた『1-2-1-2-5※』の形で自陣からボールを前進させ、最終的に中央を攻めようとする野心的な保持時の振る舞いも何処かに葬られた。
※荻原飯田が3トップと同じ高さに位置取り5トップ化。横幅を大きくとった本多-バイスの両CBからボールを前進させようと試みた形。
DFラインを極端に高く設定する事でプレス位置の開始位置とこぼれてくるボールの回収位置を高め、ラインの裏は瞬足CBとGK(上福元)の脅威的な守備範囲でカバーする新たな手法も上福元の退場+裏を取られての失点と共に徐々に鳴りを潜めた。
京都はゴールを奪う為のプレーを選択するのではなく、カオスを作ってカオスを制する為のプレー(=優先順位の誤り)に終始する事が多い。
華麗な攻撃的サッカーを標榜して、蓋を開けるとパスを繋ぐ事に終始し、パスが手段ではなく目的になってしまう。よくある"自分達のサッカー"に酔いしれるチームそのもので、ゴールから逆算された振る舞いではない。
それはサッカーをプレーしているのではなくて、勝手に自分達で定義した違う競技を遊んでいる様なものである。
内容は悪くないが、強度を運動量で保っているだけ。曺貴裁の京都らしく中身は変わっていない。
— n (@nks137) 2022年8月27日
サッカーはコーナーフラッグの位置にフリーマンを送り込んでクロスの数を競うゲームではなくて、105m×68mのピッチ内を11人vs11人で戦って、90分後により多く得点を取っていたチームが勝利するゲーム。
相手の得意分野で勝負する必要はない。だが、サッカーという競技の原理原則を軽視したり、無視する様な事は、サッカーで勝ち負けを競う以上は不可能なんだ。
ゴールを奪う為の攻撃と守備。ゴールを守る為の攻撃と守備。それこそがHUNT3の為に求められるものであり、本当に勝利したければサッカーをプレーしてほしい。君達はプロサッカーチームなんだろう?
ならばプロの仕事を見せてくれ。私はプロの振る舞いを全力でサポートする。それでこそ未来は拓ける。