+1 プラスワン

【2022 J1参入PO】京都サンガF.C. - ロアッソ熊本

 

 

相変わらずの酷い内容。薄氷のドロー。

それでも、11シーズンももがき苦しんだJ2で、自動昇格の目安である勝ち点84を獲得し自動昇格を成し遂げた昨年。そして自分達より資金力で上回るクラブしかいないJ1で、自動降格を回避した今年。苦しんで、苦しんで、やっとの思いで登頂して得たアドバンテージを活かし、J1残留を掴み取った。

この場所に到達するまでがどれほど難しいことか。理解のできない者など放っておけば良い。

 

しかしながら、昨年、そして今季序盤のサッカーは、誤解を恐れずに言えば死んでしまった。ただボールを捨てて走るだけ。「シャトル」だの、「アドベンチャープッシュアップ」だの、残念ながらそんなものは消え失せた。アドバンテージもまだまだ薄く脆い。このまま来期へ突入したとして、1年後にどんな立ち位置に居るのだろうか。

 

 

 

 

 

 

話は変わるが、京都の客といえば、試合終了と同時にすぐ帰る人が大半で、ここまでバックスタンドやメインスタンドに、人が残っている日は極めて珍しい。

 

では、これだけ多くの人が試合後も残っていた日と言えば……昨年のリーグ最終戦である。

 

 

涙を目に浮かべ、声を詰まらせながら唄った森脇良太その人の姿は、もう京都には無い。

ただ、あの時、彼が作り上げた劇場空間の一節は、確かに今もなお生きている。そう強く感じた。

 

現在進行形で繰り広げられる、「積み上げては壊す」が伝統芸のクラブ。

勝利後のコーヒールンバも、以前と同じ様に、負けが続きすぎてまた有耶無耶になる時もいつか来るのだろう。

 

 

この日はクラブ史上初の快挙へ向けて熊本サポーターも多く詰め掛けていたし、SNSを見た限り関西在住の他クラブサポーターの来場も一定数見受けられた。

ただ、それ以上に多くの京都サンガ愛する人がこの大一番に詰め掛けたのだと、試合後の風景からは遺産を感じる事ができた。

 

この日最も心が暖まった瞬間であり、同時にこの遺産を無為なクラブ運営ですり減らすような事があってはならないと改めて決意したのであった。

 

 

See you soon…!