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曺貴裁京都の歩みとは。正体不明の「成長」と見えた限界 〜2022年京都サンガレビューその②〜

 

 

 

 

はじめに

アクセス数稼ぎや炎上商法で付けたタイトルではない。

言いたい事がより伝わる様に、自分の中で今年1年間燻り続けた素直な感想を最初に述べた。ただそれだけである。

 

 

さて前回に引き続き、2022年の京都サンガについて振り返る。初回はこちらから。まず目を通してほしい。


ちなみに前回の補足をしておくと、私自身は、親会社である京セラの社風とサッカースタイルに近似性が見られる事は好ましいことだと考えている。

例えば、エナジードリンクメーカー大手企業のレッドブルと、そのレッドブルが関与するサッカークラブ(レッドブルザルツブルク/RBライプツィヒら)は共通の世界観を有している。

資本投下を促す意味でも、親会社の経営方針の根底にある"ベース"とサッカースタイルの根底にある"ベース"が似ている事は有益だろう。ただ、ベースはベースであって、その土壌に根を張り、太く大きな幹や枝葉をこしらえなければ、立派な花を咲かせる事は難しい。

 

 

補足は以上である。

 

前段となる初回ではクラブの過去からの道程を振り返り、少し異なる視点から今季のチームについて考察を行った。

今回は今季の京都サンガと云うチームそのものについて触れて考えてみる。キーワードは「成長」だ。

 

 

 

「成長」と云う虚像

今季、曺貴裁監督が試合後コメント等で幾度となく繰り返したワードがある。

それが成長だ。

 

コロナ感染による隔離と、脱水症状により会見をキャンセルした計2試合を除くリーグ戦の試合後コメントにて、成長と云うワードは述べ17回も使用されている。

(「成長」の登場回数をまとめた謎の図…!)

11月16日付京都新聞朝刊での総括記事に於いても、"J1の舞台 若手に経験"とアカデミー育ちを筆頭に若手選手の成長について触れられている。

確かに、J1昇格の立役者であるアカデミー育ちの若原・福岡・川崎・麻田は、今季が初めてのJ1での戦い。武田や井上も初のJ1挑戦。その他の選手達も通年を通じてJ1で出場した経験の乏しい選手ばかりであり、経験が浅いと言える面々で挑んだ中で勝ち点10や20で終わらず、15.5枚だけ用意された来季への切符を掴み取った事は、一定程度「成長」を感じたと言っても良い。

 

しかしながら、経験の浅い選手がよりハイレベルな舞台で出場機会を与えられれば、元々あった伸び代の分だけ伸びていくのは当然の流れとも言える。

J1の強度や速度を前に圧倒される事なく、戦える様になった事は大きな成長と言えるが、初回で述べた様にハードワークや対人プレーの強度は土台であってサッカーの全てではない。

 

例えば麻田と井上。(後述するが)後半戦は数的不利な状況や被カウンターの局面が多く、いわゆる"晒される"事も多かった中で見事に耐え凌ぐ強さを発揮してくれた。麻田なんて、魅力的な左足は持っていたが、対人守備が強いとはユース時代から今年までお世辞にも思えなかった。

一方で、マイボール時の運ぶドリブルやビルドアップ、ゾーンディフェンスやセットプレー時の守備対応については、よりプレーが洗練されて市場価値が高まったなどとは思えない。

 

例えば白井。文字通り"ジェネレーター"としてチームに活力を与え続けたし、右の"リードアクセル"として彼のドリブルやアップダウンはシンプルにエンタメ性も高く、観る者の心を打つ物がある。2度目のコロナクラスター感染が発生した直後のG大阪戦以外は全試合に出場し、主力として活躍したのは間違いない。

一方で、そんな白井のプレーは得点を奪う事・勝利する事に対して、効果的に結びついていただろうか。

 

Jリーグの場合、ピッチの幅は縦方向に105mもある。動画の様に自陣ゴール近くからパワーを費やすと肉体的にも精神的にも負担は大きく、最もクオリティと繊細さを要する相手ゴール前に辿り着く頃には、心身ともにアブノーマルな状態でプレーせざるを得ない。

彼がより敵陣深くで持ち味であるスピードやアジリティを発揮できれば、シュートやパス、クロスボールの質は向上し、得点に結びつく可能性はもっと高まったのではないか?

 

シーズンを通じて獅子奮迅の活躍を見せていた白井だが、5月3日の名古屋戦を最後に彼のアシストが記録される事はなかった。

なんと2022シーズンの白井のアシスト数は、わずか『2』アシストのみである。

 

果たしてこれは成長したと言える状態なのだろうか。

 

 

J1参入プレーオフ後に「やはり選手が自分のプレー範囲を広げ、自分のプレーが伸びていることを自分自身が実感することが必要だと考えています。皆、成長したと思います。」と語られているが、できなかった事ができる様になる。できていた事の精度や確率が上がる。培った能力を試合の中で勝利により結びつく様にプレーできる様になる。今季の京都の選手達がこれを実現し、正しく成長できていたとは思えない。

 

また個人の成長についてフォーカスされる事が多かったが、サッカーはチームスポーツである。

チームとしての成長はどうだったか?これも大いに疑問符が付く事象が通年で見受けられた。

 

では、この違和感について考えてみよう。

 

 

 

命じられた役割

違和感を整理するには、監督の考え方を理解するのが近道だ。

冒頭からここまで、"ジェネレーター"や"リードアクセル"と、京都を日頃から追いかけていない人にとっては聞き慣れない固有名詞を使用した。京都サポーターにとっては周知の事実だが、曺貴裁監督の京都にはサイドバックボランチも存在しない。(と言いつつみんな普通に用語として使うけど)

 

京都の基本布陣は1-4-1-2-3(CBを増やして1-3-5-2にする時もありますが)。

11個あるポジションにはそれぞれ独自の名称と役割が振られており、選手の選定基準・評価基準は与えられてた役割を全うしているかどうかと言っても過言ではない。理解するには、"ガンバ番"の印象が強いスポーツ報知:金川記者の記事が最も有益だろう。

(下記記事より引用)

京都・チョウ貴裁監督の独特すぎるサッカー用語「リードアクセル」「ホールディング7」…命名の根底にある信念 : スポーツ報知

シャトルカバー:GK。最終ラインの裏をカバーする

コマンド:CB。最終ラインの高さを指令・コントロールする

リードアクセル:4バックのSB、3バックのWB。チームを車とするならば、上下動によりアクセルとブレーキを踏む

ホールディング7:中盤の底。いわゆる3センターのアンカー。前方に居る7人(リードアクセルを含む)をガッチリと操る

BB:いわゆるBOX to BOXの略語。BOX to BOX =豊富な運動量で自陣と敵陣のペナルティボックス間を行き来し、攻守に貢献する

スイッチ:いわゆるWG。攻撃の起点として、守備の起点として、スイッチとなる

リエーター:いわゆるCF。最前線で攻撃をクリエイトする

 

【番外編】

ジェネレーター:ピッチ内外でチームを盛り上げる発電機役

 

曺貴裁京都では、こうして個々に役割が振られ、役割を全うする事が強く求められる。

もちろんポジション毎に役割があるのはどのチームでも同じ事ではあるのだが、京都の場合は組織の中で役割を果たす事よりも、各々が役割を強く意識し、役割を果たす事で組織が形作られる思想が強くなっている。

秩序の中のカオス(混沌)」という考え方にも現れている様に、縛ってしまう事で起こる硬直性を恐れて、一定のルールを与えつつ、判断の裁量は選手に大きく委ねられているのだ。

 

 

 

アンビバレントの代償

もちろん、組織としてのルールも設けられてはいる。

 

例えばスローイン

試合中、スローインを投じるのは原則リードアクセルのみに限定されている。直ぐに投げてパスを交換して進めれば良いシーンでも、福岡や武田、豊川らがボールを白井・荻原へ渡す風景はもう見飽きるほど目にした。「ああ、確かにそう言われると」と膝を打つ読者も多いのではないだろうか。これは一つの規則性である。

しかし、スローワーの交代にかかる所要時間を除いても、スローインを投げ切る迄にものすごく時間を要する。挙句、相手にすぐボールが渡る。

これは何処に投げるべきか、どう繋ぐかまでは整理されておらず判断に迷う。また、整理されていないが故に繋ぐ事ができない。その結果、時間もかかる上に相手にボールをプレゼントしてしまう状態が散見されるものと思われる。

 

例えば、前にパスを付けるプレー。

基本的に、京都はパスミスを恐れずにシンプルに縦方向へ手数をかけない攻撃を志向している。その中で、「受け手の体勢に関係なく、ボールをより前方に位置する選手の足元へ付ける」と云う規則性・プレー原則が確認できる。

パスを受けた人間は、反転してドリブルまたはパスを選択するか、視野に捉えている味方へポストプレーやフリックをする。状況によって選択肢は異なるが、「ダイレクトプレー」が選択される事が多い(その分、ミスも多い)。結果として大きなワンツーやピンボールのようなパス交換が生まれる。この時、同時に「ボールホルダーを追い越す」と云う規則性・プレー原則も重なる事で、人数と走力により、物理的に迫力のあるカウンター攻撃を創造する。

この規則性が見られる得点シーン・好機を演出したシーンを紹介しておく。これもまた見慣れた景色だろう。

 

しかし、原則はあるものの、先に述べた様にカオス(混沌)を受け入れ、選手にかなり裁量が与えられている為、発動条件はかなり属人的である。

一定のプレー原則により再現性が0ではないけども、いつでも自由に繰り出せる手札ではないのだ。

 

その最たる例が、話題にもなった柏レイソル戦での得点である。

 

視野に入った味方へパスを付ける。ウタカによるダイレクトプレーでの落とし。ボールホルダーを追い越す動き(更には荻原のバイタルエリアへの突撃)。

決して偶然のゴールではないが、必然のゴールでもない。それは今季の京都の得点がリーグワースト2位の30点に留まっている事が物語っている。

 

秩序はコピーしやすい。しかし、カオスはコピーが難しい。

整っていないからこそ「相手に読まれづらい」「陳腐化しない」メリットもあるが、故に味方同士でも共通の絵を描けない。再現性に乏しい。

カオスを受け入れ、ミス上等で正確性よりも速さを重視し両ゴール前を行ったり来たりする、いわゆるオープンで忙しない展開を志向している為、ダイレクトプレーの信奉も相まって数十cmやコンマ何秒のズレが生じ、パスやプレーの意図が合わない事も今季はより目立った。(対戦相手のレベルが上がった事でより難易度が高まったのだろう)

 

今季、12人の新加入選手を迎えた京都だったが、終わってみれば基本メンバーは昨年とそう変わり映えはなく、FPについてはバイス放出の穴に井上が入り、前線では終盤戦にコンディションが整わなかったウタカと宮吉の代わりに山﨑と豊川が並んだ程度。

特に三沢がアキレス腱断裂で長期離脱を余儀なくされたBB+ホールディング7の中盤3枚は、福岡・武田・川﨑に掛かる負担が大きく、中でも武田はプレー精度の低下と運動量の低下で最も勤続疲労が目に見えて現れていた。

昨シーズンと変わらない面々が重宝されたのは、「戦術理解度が高い」と評するよりも、「慣れ親しんでノッキングが起こりづらい」「カオスに対する耐性がより強い」からと評する方が適切だろう。

 

結果的に、再現性が単に乏しいだけではなく、選手個々の裁量が大きい→属人性が高い→再現性が低くなると云う悪循環が問題点として挙げられる。

荻原がコンディション不良で離脱して、荒木に変わるだけでそのポジションは大きくクオリティが変わってしまう。荻原にできない事ができる代わりに、荒木にできない事はできない。

人が変われば何かが変わるのは当然。とはいえ、誰が出ても問題のないチームこそ理想だ。しかし、このチームは配置や戦術で弱みを隠したり、強みを大きくするチームではない。戦術が個を守るのではなく、個々が機能して組織になる。

 

これではチームとして「成長」したとは言えないのでないかと云う疑問と、そんなチームで果たして個人が正しく「成長」できるのだろうかと云う疑問は強まる。

 

 

致命的な欠陥

「成長」と連動して、曺貴裁監督は勝負を読む力や大人になる事が大切だと説くことがある。

奪ったボールをプレゼントするプレーがまだ見られるので、そのあたりの精度を上げていくことがまず大事です。ちょっとしたボールロストが相手のエネルギーとなることがありますから

選手たちが日々大人になってきていると感じました

特に試合の最後の方の場面では、まだまだ我慢が足りないと思ったところもありますので、子どもから大人になるよう、これからも選手と向き合って改善したいと思います

我々の最初のコーナーキックや、その後に続いたコーナーキックで点が入っていればまた違った展開になったかもしれません。試合経験の少なさを言い訳にしてはいけませんが、そこで決められないのは、まだ勝負のツボを読む力が足りないと言うことだと思います

最悪でも失点を1に抑えて、後半に川崎さんの脚が止まってきた時に我々が1点返す場面が訪れれば、充分相手にもプレッシャーをかけることができたと思います。そういったゲームの綾や経験を、まだ選手たちに伝えきれていないという自責の念もあります

「ただ、ビルドアップどうこうよりも、2点目をイージーに決められてしまうチーム力が私は気になっていて、我慢するべきところはしっかり我慢して自分たちのペースに持っていく部分が、まだできていないと感じました」

「やることはやったつもりですが、試合に勝ったり、勝点を獲るためにはもう少し大人のプレーをしていかなければならないと感じました

 

直近で最も印象的なのは参入PO前のこのコメントだ。

「でもな、ガンバは地力あるしな」

「サンガにはJ1で厳しい戦いを経験している選手が少ない。あわてたり、パニックになったりする傾向がある。地力というのはJ1で長くプレーしないと身につかないと思う」

 

言いたいことは、わからなくはない。

しかし、選手に与えられた裁量が大きい中で、ボールの落ち着かないオープンな展開を志向し、個人個人の物理的な切り替えの速さと運動量で相手を幾度となく押し寄せる荒波の様に飲み込もうとするサッカーが曺貴裁京都のスタイルだ。

その様な肉体的なハードワークが求められるサッカーで、組織としてどう動くかが整理されていないのにも関わらず、「大人になれ」と要求するのは無茶振りに近く、精神論の範疇を過ぎないとも言える。

 

途中出場で投入した選手を途中交代させる"インアウト"の多さも目立ち、今季公式戦では負傷による交代を除いて4回も行われた。(山田・宮吉・木村・植田)

 

そもそも、『ボールを失っても素早くボールを奪うこと』『より高い位置でボールを奪うこと』を植え付けたチームでありながら、選手の裁量が大きく、ボール保持とボール保持時の攻撃が整備されていない事は大いなる矛盾を抱えている

例えば浦和戦(A)の得点シーンなど、相手GKへのプレッシングを契機にペナルティエリア内もしくは付近でボールを奪えれば大きなチャンスを得る。

 

しかし、この様なボール奪取は試合中にあっても1〜2回程度であり、そう繰り返し訪れるものではない。

なぜなら自分達のプレッシング・高い位置からの守備が上手い下手以前に、相手のポジショニングやビルドアップの手法に依存してしまうからだ。そもそも自陣から繋がずにロングキックですっ飛ばされれば、必然的に陣地は押し下げられる。

 

ボールを失ったと同時に猛烈なプレッシングにより奪い返しに行く。ボールを奪えなくとも、クリアに逃げる相手選手のプレー精度を奪い、ボールを拾って再度ゴールを目指す。この"ボールを持っていない時の攻撃"によって試合を優位に運ぼうとする思想自体は間違っていない。

しかしサッカーではボールをゴールマウスの中へ押し込めなければ得点とはならない。その為、全てのプレーはゴールを奪う事とゴールを守る事に結びついたプレーでなければ有効的とは言えない。即時奪回により攻撃のターンを幾度となく迎えても、奪ったボールをゴールマウス内に押し込む術が組織として整備されていなければ、得点は生まれない。

 

曺貴裁京都では裁量は大きく選手に委ねられており、標榜するサッカースタイルが手段ではなく目的化してしまい、自然とゴールから逆算したプレーが少なくなってしまう致命的欠陥を抱えている。

 

唯一、最前線で守備のタスクが軽減されている、攻撃の「クリエーター」ことウタカは、その類まれなる能力によって京都の致命的欠陥をカバーし続けてくれていた。

チームがリーグ8位タイの59得点(42試合)に終わった昨年は21得点10アシストと52%超に関与。リーグワースト2位タイの30得点(34試合)に終わった今季は9得点2アシストだが、その内訳を見てみると開幕14試合で8得点1アシストと驚異的な数字を叩き出していた。フェノメーノと云うほかない。

 

しかし、2度目のコロナクラスター発生以降ベンチメンバーからも漏れ、明らかなコンディション不良でクリエイトできなくなると、京都の攻撃はより単調かつ得点力不足に悩まされる。再現性の乏しさと属人性の高さが結果にも表れてしまった形か。

 

 

 

サッカーの魅力とは

これは私見になるが、サッカーというスポーツの魅力とは、11人が協力してゴールを奪う事そしてゴールを守る事であると思う。

みんなで助け合って、誰かのミスもお互いにカバーして、勝利を目指す。その為に、ゴールに対して、どうボールを運ぶのか。どうボールを奪うのか。味方との関わり、スペースや時間の使い方、相手の意図を読んで阻害する。もちろんボールテクニックや身体能力も必須だ。

 

曺貴裁京都は、とても精神的な連帯感は強く、残留争いの沼に足を突っ込みながらも誰一人下を向く事なかった。これまでの京都サンガの歴史を考えれば、シュンとして階段を転落していきそうな場面で反骨心を見せ続けてくれた。それはとても驚異的な事であり、11年ぶりの昇格を手繰り寄せた事も含めて、確かに先人達との対比で「成長」を感じる場面もあった。

 

一方で、偏見かもしれないが、互いのミスをカバーするというプレーが結果ベースで見ても少ない様に思う。

21年の大宮戦(A)でウタカが荻原を救ったくらいで、"誰かがPKを外した試合で誰かがカバーして勝利してチャラにする"というのがあまり無い。

個人名の言及は避けるが、決定的な場面でシュート外した選手らはその後も外しっぱなしでシーズンを終えてしまった。そして、誰かが代わりに得点を決めて、「結果的に勝てたから良いか」という試合も無かった。強いて言えば、守りの方でGKの若原や上福元が1vs1やPKを再三止めたり、DFがゴール寸前でクリアする様なプレーくらい。

 

 

中でも最も印象的だったのは、リーグ磐田戦(A)のラスト1分間とJ1参入プレーオフでの前半37分の被カウンターだ。

白井のスーパークリアは本当に素晴らしいが、そこに至るまでの過程は恐ろしい惨状である。もちろん、残留の為に博打的なアタックを仕掛ける中での後半ATの振る舞いであることは考慮されるべきであるが…リーグ最多失点で最下位の磐田相手に博打は一切実ることなく、逆に刺し違えられる所であった。この様なイレギュラーな状態を切り取ってはいけないとは言え、カオスそのものでありチームとしての体を成していない。

 

熊本戦では、相手選手やスペースの状況を鑑みずに「受け手の体勢に関係なく、ボールをより前方に位置する選手の足元へ付ける」「ボールホルダーを追い越す」プレー原則が優先されて、とんでもない戦術的エラーにより被決定機を迎えた

DFにとって背中を向いた相手ほどアタックしやすい相手は居ない。日頃のトレーニングから速いパスを蹴る・止める事を意識する一方で、ボールを受ける姿勢やコントロールオリエンタードについては軽視している様に見える事も一連の流れに滲み出ている。

 

しかし熊本はこの好機を逸し、逆に京都がこのプレーからそのままの流れでひっくり返して、強引な決め打ちのロングパスが豊川へと奇跡的に繋がり、貴重な先制点をもぎ取る。結果だけを見ればカオスの中で京都がモノにした形だが、熊本の選手ではなくJ1のFW・MFの技術を持ってすれば先に決め切っていた可能性は高い。

 

私の中では……もうこれはサッカーではない。あまりにも相手の事を軽視し、自分達の行動にしか焦点の合っていないプレーであって、サッカーというスポーツのルールや原理原則や特性に反している。アンチ・フットボールと言わざるを得ないのが正直な気持ちである。

 

この様なサッカーを選択してしまうチームで、本当に選手個人は「成長」するのだろうか?

 

仮に個人が大人の振る舞いを身につけて、「成長」したとして、その選手個人が海外クラブなどステップアップの道を選ぶとどうなるだろう?

必然的にその穴はまた誰か個人の「成長」で埋めようとする事になる。つまりまた1からやり直しになる。

 

初回で述べた様に、クラブは曺貴裁監督に依存傾向にある。

監督は選手個人の「成長」に依存傾向にある。

 

このままではチームとしての「成長」は望めず、誰かが居なくなる度に屋根や柱や壁が消えて、土台だけになる。

京都サンガという家が完成される日が来ることは無いのかもしれない。これは正常ではない。

 

 

 

不運か必然か。希望はあるのか

エクスキューズがない訳ではない。

京都は、今季のJ1ではおそらく人件費が最下位からワースト3位以内程度。他クラブと比べて非力なのは否めない。終始、交代カードの差を感じた。

かつ今季は現在行われているW杯の影響で超過密日程であり、選手の摩耗が想定以上だったことも考えられる。後半戦はトラッキングデータの数値もみるみる低下していることがわかる。2度のクラスター発生も、ウタカの無効化然り逆風であった。

(チーム走行距離とスプリント回数の集計)

 

それでもやはり、チームとしての「成長」の無さは気掛かりでしかない。

 

今季京都がリーグ戦で挙げた勝利は計8つ。

内訳は札幌×1。柏×1。浦和×1。川崎F×1。神戸×2。鳥栖×2。で8勝。

 

いずれもボールポゼッションを大事にしたチームであり、自分達の理想を大事にするチーム。さらに誤解を恐れずに言えば、完成度が低く、相手を圧倒するほどのレベルに無かったチームだ。

札幌は前半早々にGK菅野が退場し、真夏の京都で数的不利の戦いを強いられた。

柏はネルシーニョ監督が京都同様に事細かくチーム内の秩序を整備してはおらず、8月6日の京都戦以降10戦未勝利でシーズンを終えた不安定なチーム。

浦和はコロナクラスター直後の開幕戦。岩尾らを欠き、京都のプレッシングに屈した。

川崎Fは過密日程で疲労困憊の中、気温35度の京都で明らかな不調状態。走行距離は京都の110.701kmに対して101.962kmと即時奪回と自慢の攻撃力は鳴りを潜めた。

神戸は4人も指揮官が変わったシーズン。アウェイではリュイス監督代行が指揮を取った初戦。ホームでは疑問視される声も大きい吉田監督が立ちはだかったが、早々の2失点と退場者でThe End。

鳥栖は川井監督の下で理知的なフットボールを繰り広げるが、そもそも財政悪化から大量に主力を放出しており、選手層と人件費は京都とどんぐりの背比べ状態。

 

逆に湘南や福岡、降格した清水・磐田、残留へ向けた6ポイントマッチではことごとく勝ち点をプレゼントした。

思えば、J1昇格を果たした昨年も、5敗の内4敗は京都より資金力のある磐田・長崎に喫したもの。自分達より上回る相手を攻略することはあまり無かった。

その点でもチームとしての成長は見られなかったとも言えるし、このやり方で勝つには選手が著しく成長するか、ものすごい選手を他所から連れてきて揃えるほかない。揃えるにはお金がかかるし、成長すれば海外含め引き抜きの恐れは高くなる。それで良いのだろうか。

 

このブログを書く前に、いつも参考にしている、とめさんのチーム分析を改めて読んでみた。少し引用させていただく。

>ゴール前を固める相手を動かしてチャンスを作るという作業を苦手としている。個人のひらめきに期待している節もあり、局面の打開をエースのウタカに頼っているのが現実だ。

>ここまでの京都の試合を見て、確固たる得点パターンが確立されただとか、プレッシングがより巧みになっているだとか、チーム戦術の向上があまり見られない、というのが素直な感想になる。スタメンの選び方も相手を見てのものでなく、その時点での最強と思われるメンバーを選択しているように思える。

>主導権を握り圧倒する試合を見せる一方で、一旦相手にリードを許してしまうと、お手上げとも言える展開にもなってしまう。チームスタイルが強力であるがゆえに、そういった戦術的な幅の狭さは今後の懸念事項といえる。極端な話をすると、自分たちよりも強い相手に対して勝ち筋はあるのか?という事だ。

 

懸念事項が当たってしまい、進歩が見られない。見る目が変っても同じ欠陥が気になってしまう。これは偶然か、必然か

 

 

最後に少しだけポジティブな事を言えば、リーグ戦での出場機会が乏しいメンバーで臨んだ天皇杯清水戦での試合内容はとても明るいものであった。ボール奪取とボール保持の循環が意識されており、チームとして工夫が見受けられた。

特に得点シーン前後(動画参照)はボール保持と素早い切替によって何度も何度もゴールへのアタックを繰り返し、最終的には相手を自陣に張り付けさせて、ゴールを奪った見事な攻撃だ。

また開幕戦の浦和戦(H)を見返すと、ビルドアップで配置の工夫が見られ、J1でもこれならば十分やれると云う手応えを得たあの日の事を思い出した。昨年そして今年と、いずれも序盤の数試合で諦めてしまった「ボール保持時の5トップ化」と「中央突破」を、浦和戦や天皇杯清水戦の様に実現できれば、矛盾は解消されて課題も幾ばくかは解決できる。

 

しかし、今年と同様の戦略と戦術で来シーズンに突入した際には、勝ち点は積めても20を越すか越さないか程度ではないだろうか。

繰り返しになるが「秩序の中のカオス」「秩序のあるカオス」という戦略・考え方自体は否定しないし、秩序とカオスが必ずしも矛盾するものではないとも思う。しかし、構造上の致命的欠陥と矛盾をクリアしなければ、来季の順位表の一番下に京都の名前が刻まれても何らおかしくはない。それもダントツで。

 

 

 

最後に

J1残留・ルヴァン杯GL突破・天皇杯ベスト4と一定の成果を残した京都。その働きぶりは評価に値する。若手選手の起用のタイミングなど、流石と唸る場面も多々見受けられる。

リーグ戦34試合全てをこの目で見届けたが、1試合たりともファイティングポーズを無様に下ろした試合は無かった。よく戦い抜いたと思う。しかしながら、中身を冷静に見てみると5月のGW明け頃から既に限界点に到達していると感じざるを得ない。

 

通常であれば、このままでは終焉の日は近い。

 

監督を変えないことが継続性?持続性?それは明らかな間違いである。

選手が変わっても、監督が変わっても、脈々と受け継がれるものこそがスタイルであり、継続性があると言える。私は特定の誰かに依存する姿を見たいのではない。

 

終焉を回避するには、今の考え方を改めなければならないだろう。それは決してこの2年間の歩みを否定する事にはならない。それこそが「大人」への「成長」であり、組織としての成長に繋がるはずだ。

そして、あの楽しかった日々は、やはり二度と戻ってくる事はないのであろうと改めて感情を噛み殺す。私もまた、大人へと成長しなければならないのかもしれない。

 

 

 

 

以上でチームの振り返りは一旦終了とし、京都新聞の総括記事同様に、最後は観客動員数等クラブの今年の歩みについて考えて、今季の振り返りを締めたいと思う。

なお、先日公開したクラブに直接送付した「サポーターズカンファレンス開催検討の要請」に対して、繁忙もあってか、この記事を編集している11月27日現在で特段の返答や声明等は未だ発せられていない。

 

 

 

See you soon…!

 

 

P.S.

文の締めに使用している「See you soon」は今話題の影山優佳さんのブログをリスペクトしています。良い子はInstagramもフォローしようね。

https://www.instagram.com/kageyamayuka_official/

 

「曺貴裁のサッカー=京セラフィロソフィー」、だから京都は曺貴裁を解任しない。 〜2022年京都サンガレビューその①〜

 

 

辛くもJ1残留を達成した京都サンガF.C.

地元紙、京都新聞での総括記事では肯定的な論調で3日に渡る総括記事が掲載されていたが、はたして今シーズンの歩みは本当に歓迎できるものだったのだろうか…?

 

そこで、数回に渡り、2022年シーズンの振り返りをここにまとめる。

 

初回となる今回はプロローグ編である。(10月末にTwitterで先走って垂れ流してしまったものを一部加筆・修正したものになる。一部内容はほぼ同一である。)

 

 

 

2022年の京都について触れる前に、私が京都を見始めた2000年台後半からの歴史を振り返り、そしてクラブ側の視点から考えたもの。曺貴裁京都について考える前には、まず情報整理をしなければ理解度は高まらない。よって改めてここに置いておく。

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はじめに

J1京都サンガ・曺監督、来季続投へ チームに向き合う姿勢評価|スポーツ|地域のニュース|京都新聞

>次節の最終節でJ1残留の可否が決まるが、選手たちのモチベーションを高く保ち、サンガや京都の未来に真剣に向き合う姿勢を評価したという

>クラブ幹部は「監督には選手の心を奮い立たせる力があり、監督自身も成長したいと常に思っている。サンガを進化させるのは彼しかいない」としている。

 

 

最初に断っておくと、私個人のスタンスとしては曺貴裁以上の指揮官を招聘できるのであれば機を見て交代すれば良い。ここで言う「以上」とは、私個人が考える京都サンガの理想のサッカー像に対して、より適切な人選であるかどうかという話である。そしてその機はもう既に迎えてしまっている。

 

長期政権=良い訳では無い。良い監督だから長期政権になるのだ。継続性とは監督が代わっても変わらないモノであり、受け継がれるもの。人を代えない事が継続性・連続性ではない。

監督も、所詮はクラブの戦略に組み込まれる歯車の1つにしか過ぎないことを適切に理解する必要がある。(まあこれをできる・できない以前に、理解しようとしない人がどのクラブも多い気がします…)

 

 

さて、前置きはこれくらいにする。

 

 

 

 

 

京セラ"フットボール"フィロソフィー

個人的な今の京都サンガのサッカーへの仮説。

それは一言で言ってしまえば、『曺貴裁のサッカー≒京セラフィロソフィー』『サンガのサッカー≒京セラフィロソフィー』『曺貴裁のサッカー=サンガのサッカー』であるということ。

 

京都のサッカーとは、即ち京セラフィロソフィーである。

 

 

これだけではわかりづらいので、より噛み砕くと、具体的には大きく二つの要素があると考えている。

その①:ハードワークが基本方針であり、それ以上に緻密な戦略及び評価基準、そして評価できるだけのスキルを、強化部門が有していない。

その②:具体的なサッカースタイルの構築については、その時々の監督にほぼ全権を委任している。

 

その①は、更に以下の3つに細分化される。

ア:ハードワークが基本方針

イ:緻密な戦略及び評価基準の欠如

ウ:適切に判断できるスキルの欠如

 

 

まず、アについては、代表例が「闘争心を持ち、フェアプレーに徹し、最後まで全力でプレーする」と2015年途中に定めた"サンガバリュー"である。(引用元:2015年サポーターズカンファレンス議事録より)

 

 

これはクラブ内部で京都のサッカーとは何かを定めた際に、わかりやすく共有できる様、山中 前社長が一文にまとめて言語化したもの。(山中社長であることは細川前強化本部長より2016年に聞き取り)

 

この「闘争心を持ち、フェアプレーに徹し、最後まで全力でプレーする」という言葉は、山中氏が一から考えて創ったものではない。

 

では誰が考えたのか?

その起源こそが稲盛名誉会長であり、この言葉は京セラフィロソフィーの一環なのである

フィロソフィ | 稲盛和夫 OFFICIAL SITE

 

 

また、2015年開催の説明会に於いては、サンガバリューについて触れる前に、「私が就任して一番驚いたのが、どんなサッカーしたいのか言えなかった事。今季の順位になった一番の大きな原因は、組織として一貫性が図れていなかった事。結果として統一したチームを作り上げる事が出来なかった」との発言がある。

苦戦のJ2京都「自分たちのサッカー」確立で常勝軍団目指す― スポニチ Sponichi Annex サッカー

答えの一端を今季途中から就任した山中大輔社長(57)が明かしてくれた。就任前は知識はもとより、サッカー観戦もできないほど多忙なサラリーマン生活を送っていたという。そんな中、クラブの社員に「このクラブのスタイルは何ですか?」と問いただした。誰も明確な答えを挙げられなかった。

 

 

実は、同様の発言をこれよりもっと前にした人物が居る。それは梅本 元社長である。

(※現職の伊藤社長から遡って3代前。伊藤→山中→今井→梅本)


梅本氏は、盛和塾の会報誌への寄稿にあたり、社長に就任した経緯のほか、サンガのサッカーについて大変興味深い記述を残している。

https://seikeijyuku.jp/wp/wordpress/wp-content/uploads/2021/12/%E7%9B%9B%E5%92%8C%E5%A1%BE96%E5%8F%B7.pdf

 

勝手ながら一部引用する。

 

 

加藤さん※が来られて、「京都サンガはいったい何がしたいのですか」と言われても私たちはピンとこなかった ※注釈:加藤久

・イタリアンのシェフ(監督)を連れてきました。そのシェフが好む材料を揃えました。それが、選手です

・ちょっとうまくいったけども駄目になったら「オーナー、次は中華に変えます」と言って中華のシェフを連れてきます

・それでまた駄目だとなると今度は和食

・今までこうしたことを京都サンガはやってきたので加藤さんから「いったい何がしたいのですか」と聞かれたのです

・つまり、京都サンガはどういうチームをつくろうとしているのかを、まず考えなければならなかったのです

・よく名誉会長が言われますが「チンタラチンタラと後ろの方でボール回しをするな」
お客さまはうちの選手が勢いよく攻めてゴールを脅かすところに感動するのであって、ボール回しを見ていても「なにをしとんのや」となります

京都サンガのチームカラーは、まず「ハードワークを信条とする」ことです

・やはり闘争心が非常に重要です。そして、「フェアプレーの精神を貫くこと」です

 

 

あら不思議。2015年に語られた事と極めて似た話が。

そして曺貴裁率いる京都がこの2年繰り広げるサッカーと通ずるものまで語られている。

 

2009年に語られた失敗と今後の方針。

しかし、6年後に別の人物から再び似た内容の話が繰り返される。

 

これは、ハードワークという基本方針以上に緻密な戦略を立てられなかった証拠の一つであり、体制(人)が変われば方針が受け継がれない、極めて属人的なクラブの体質が表れたエピソードと言える。

 

こうなると、2016年の布部監督の招聘についても、新たな一面が浮かぶ。

・評価表で上位を獲得し、現場からの人望の高さ、現柏レイソルの礎を築いたチームの一員であった点、サッカー界での現場での指導能力が高く、将来性が豊かである、加えて熱血漢、情熱が決め手

・本当に、京都を強くしたい、と思ってくれているのが、布部監督でした



この時、J2残留→昇格PO進出へ導いた石丸監督よりも、トップチームでの監督未経験の布部氏の方が評価が高いとする話に対して、

『小島が連れてきた布部ありきの採点表ではないか』と思われた方は多かったと思われる。私もその一人であった。でなければ説明がつかないからだ しかし…?

 

「ハードワークを信条とする」という観点に絞って言えば、ポジションを崩さずバランスを保った4-4-2で堅いサッカーをする石丸氏と比較すれば…

闘莉王・オリスのツインタワー目掛けてボールを当てて8人が奔走する。時にピッチ上に6人ほどFWの選手を送り込む布部監督の方が、理知的ではなく、やけくそでも、闘争心に溢れている様に見えるかもしれない。

 

つまり、お友達人事と揶揄された小島チーフスカウト(役職名は当時)との関係、闘莉王獲得及び起用への姿勢に加えて、

純粋にサッカーだけを切り取っても『布部監督>石丸監督』だと判断してしまうだけの評価基準とスキルしか有していなかった可能性があることに、今季の曺貴裁監督の振る舞いとクラブを見て、私は気付いてしまったのだ。

 

繰り返しになるが、布部監督の招聘理由と、内容も結果も低迷にしたにも関わらず更迭しなかった理由について、「加えて熱血漢、情熱が決め手」「本当に、京都を強くしたい、と思ってくれているのが、布部監督」「雰囲気は良い」と語られていた。

京都、布部監督が来季続投 チーム雰囲気など評価 - J2 : 日刊スポーツ

 

それだけで評価した訳ではないと理解してはいるが、「選手たちのモチベーションを高く保ち、サンガや京都の未来に真剣に向き合う姿勢を評価」と書かれた今回の京都新聞の記事だけを見ると、悪夢の布部体制時から本質的には何も進歩していないのではないか?という恐怖心に苛まれる。

 

 

ここまで①のアとイについて触れたので、最後にウについて触れる。

近年の京都サンガで強化部門の要職に就いた人物は、祖母井氏(GM)・高間氏(TD)・細川氏(強化本部長)・野口氏(強化部長)・小島氏(強化部長)・山道氏(強化部長)・加藤氏(強化育成本部長→R4年、組織変更に伴い強化アカデミー本部長へ改称)・安藤氏(強化部長代理)の8名。

 

この中でトップチームで監督経験があるのは加藤氏のみ。 他クラブで強化部門の要職に務めた後に就任したのは祖母井氏・山道氏・加藤氏のみだ。

 

中長期的な指針となるサッカースタイルの構築、評価基準及び年棒査定基準の策定・改定、選手補強…領域はクラブによりやや異なる点もあるが、監督への評価を下すのは、どのクラブも"通常"は"クラブ"内"に設置された強化部門の業務領域だ。時に、何者かの一声でそれがまかり通らないこともあるが…。

よって強化部門の要職に就く人物は、監督人事に対しての影響力は大きい。

 

だから、監督を評価する人間は監督としての能力を有さずとも、監督を評価できるだけの能力は必須である。

つまりは、指導理論が乏しかったり、実際にトレーニングで落とし込みするのは不得手であっても、クラブの目指すサッカー像に対して現監督が効果的に働いているのか、指導内容について理解していなければ適切な判断は下せない。また、適切な後任候補の選定も困難を極める。

クラブがどういうサッカーをするかという戦略の構築と理解と、戦略に合う監督を目利きする力、その両方が要る。

 

しかし京都のこれまでの責任者はその資格を有していたと言えるだろうか…?

 

また、現体制の中山氏・山田氏は、スクールとアンダーカテゴリーでのコーチでしか指導経験は有しておらず、そんな京都の強化部門しか経験していない。 安藤氏に至っては引退から間もなく、指導経験もない。

たしかB級ライセンスくらい迄は現役選手でも取れなくないので保持していたかと思うが、各クラブの底上げと質の担保の為に、規制緩和だけでなく箇所によっては要求を厳格化してきているJリーグでは、今季よりクラブライセンス制度にて(強化部門責任者の総称として)TDのA級ライセンス保持を基準(但しB等級)として定めた。

適切な判断を下すには、その為の知識と経験が必要であることはやはり自明の理だ。



 

安藤氏は強化部門と事業部門を繋ぐ架け橋役には適任の人材になれると個人的には思っている。 しかし、強化部門の責任者としてタスクをいきなり任せるのはあまりにも酷すぎる。それ相応の経験を積ませる親心も無しに、巣立ちを求めるのは無責任だ。 監督を評価する前に、監督を評価する人物を、評価する必要がある。

 

 

 

以上がその①に対する個人的な意見とその論拠の一部である。 その②についてはまだ自分の中で反芻が終わっていないので、早くまとめきりたいと思っている。

しかし一言だけ添えておくと、ホーム最終戦での伊藤社長による続投要請発言が全てを表している。

「今、京都中の思いをしっかりと受けて、これを形に変えて、サッカーを進化させていただけるのは、私は曺監督しか、いらっしゃらないと言う風に思っております。これまで2年戦っていただきました。私はどんどん進化していると思ってます。京都の夢を乗せて、本当に曺監督にこれからも私はしっかりと預けたいと云う風に思っております。」

 

この発言は曺監督に京都のサッカースタイル構築を一任するマインドの表れであると言え、厳しく言えば思考停止であり、責任放棄でしかない。

強化部門の責任者ではないが、クラブの代表が公の場でこの様なメッセージを発信する意味合いは極めて重大である。

曺貴裁のサッカーこそが京都のサッカーであり、京都のサッカーと曺貴裁のサッカーである。と発している事になるのだが、果たして彼がクラブを去る際はどうするのだろうか。彼が居なくなれば、また新たなサッカー探しの旅に出るのだろうか……?

 

 

 

 

最後に

7年前、サンガバリューを定めた際に、京都が真っ先に狙った人物こそが曺貴裁その人だ。 一見芯が無いように見えて、実は芯はあるのが京都。

湘南曹監督が続投表明 他チームから破格条件も - J1 : 日刊スポーツ

特に京都は稲盛和夫名誉会長が直接思いを伝え、条件も破格だった。それでも湘南残留を決めた経緯に「自分も考えた。湘南が一番、僕という人間を必要としてくれた。それがすべての理由」と明かした

 

しかし、その芯は細い。極めて細い。時に途絶えてしまうこともあった様に。

 

京セラフィロソフィーは『哲学』であって、戦略や戦術ではない。

心を『ベース』に経営するのであって、土台の上に様々な事業戦略と戦術が用いられて、今日の一大コングロマリット、京セラグループが形成されたのである。

 

福岡慎平らが、まだユース年代で輝いていた頃、特にJユースカップ優勝前後に「スーパーハードワーク」なる単語が独り歩きした際にも述べたが、ハードワークは基礎部分の、それも一部にしか過ぎない。

家を建てるには柱も壁も屋根も要る。 基礎の鉄筋だけを見て一喜一憂しても意味がない。コンクリートを注がなければならないし、柱を立てていかなければならない。

サッカーは得点の多い少ないを競うスポーツである。相手より多く走ったかどうかや、ボールをより支配できたかを競うスポーツではない。履き違えてはならない。

 

 

 

今季の京都は、ピッチ上の現象から判断すると、昨年以上にサッカーの原理原則や相手の存在を軽視し過ぎている様に見える。

「秩序のあるカオス」と言う理論は、チームのノビシロ・余白を意図的に残して、ライフサイクルに於ける衰退期の到来を先延ばしする意義があると思っている。だから曺貴裁監督が戦略として掲げる事は理解ができる。賛同できる。また運動量をベースに掻き乱すことで、戦力差・資金力の差をひっくり返そうというのも戦略の考え方として頷けるものはある。

 

しかし、現状は何度でも言うが「秩序がない只のカオス」状態。

ボールはうまく前に運べない。得点を奪う術もない。それはプレーの優先事項こそ整理されているが、選手に与えられる裁量が大きいが為に、ゴールへのルートを共有し実行できないからだ。

カオスの中で突如こぼれてきたボールを決めきれない。あるいは小気味良くパスを繋いでも、それはPAの3辺の外の事であり、相手の最後のブロックを剥がしてシュートまで行き着きつく事できない。術が無いからサイドからクロスを千本ノックのように挙げるが、点と点を合わせるのは至難の技。ましてや高さで相手DFに勝るアタッカーは山崎ひとりくらい。

 

「守りは堅いのだから、得点が増えれば成績は向上する」「押せ押せの内に点が入れば」。。。

果たして本当だろうか?それはサッカーという競技の本質と、このチームの特性を見誤っているのでは?

一見押せ押せの展開を演じている様子に見えて、得点が奪えず勝ち切れないのは偶然ではない。確率は低くとも、偶然であろうとも、試行回数を積み重ねれば必然になるという思想の下プレーするチームだからこそ起こる必然の現象である。そしてサッカーは、野球の様に攻撃と守備のターンがセパレートされた競技ではない。

 

 

ジャンケンで例えるならば、グーを出して、同じグーの土俵に相手を引き摺り込み、上回る。でもチョキとパーも出せる様にはするよ。これが曺監督の提唱する理論なのだが、現実はグーで殴るだけでチョキとパーは持ち合わせているとは言えない。レベルの上がったJ1ではグーの強さも通用する箇所としない箇所がある。

曺貴裁監督が明かす「京都スタイル」。ボールを、下げるな!ゴールへ向かう「4-3-3プラス1」 | footballista | フットボリスタ

選手に何を提示するかというシステム的なことで言うと、秩序は絶対作ります。だけど、そこに“カオス”が生まれないと、もう勝てないと思ったんです。『ここに相手がきた時はこうして、こう埋めて、クロスはこう守れ』と言うだけだと、言葉って体重を後ろに下げるんです。だから、どうしてもカウンターの要素が強いチームになってしまう。でも、流大はカウンターもありましたけど、それが強いチームではなくて。今の京都もカウンターは持っているけど、それが強い印象はないはずです。ボール保持と、ボール非保持の時の、両方に刀があるというか。僕は自分もそうありたい。そのやり方しかできない、その言葉しか使わない自分じゃなくて、もう一方の刀をちゃんと持っていないと、今の時代のサッカーで選手たちを伸ばせないと思っている

 

J2 42試合で59得点、J1 34試合で30得点のみのチームが、得点までのプロセスに問題がない訳がないのである。(※選手たちが下を向かない様にマネジメントの1つとして虚勢を張っている可能性はあるが)

自分たちの距離感や、ボールを奪うところ、ボールを奪った後のルートも共有されていました。松田(天馬選手)の1対1のシュートを始め、良いシュートを打つことができていれば、得点は生まれていました。サッカーはシュートまでのプロセスではなく最後のプレーが大事だと改めて感じました。ただ、最後までに至るプロセスは非常に良かったと思います。

 

 

ジャンケンの必勝法は後出し。

相手の出し手を見て、勝てる手を出す。相手に先に手を出させて、後から勝てる手を出す。

しかし、その柔軟性は京都にはない。でも京都のサッカーとは、もはや曺貴裁のサッカーであり、これ以上はない。

 

サッカーはどういうスポーツか? クラブとして正しく認識し、理解し、戦略を構築できなければ持続可能性は無い。土台は土台のままになる。
(具体的には、霜田氏のような人材を登用できれば、うまく塩梅が取れるかもしれない。個人的にはこれがベストだと思っているのだが……。)
 
 
 
どうか、京都サンガがサッカーに真摯であり続ける事を心から祈る。
 
曺貴裁サッカーとは、サンガのサッカーとは、いわば京セラフィロソフィーなのである。
 
だから、彼が解任される事は先ず無い。続投要請も当然。
もはや彼こそが基準であり、彼こそが正解であり、一蓮托生をクラブは選択している。
 
曺貴裁監督は優れた監督の1人ではある。しかし、誰であろうと、何人たりともこの図式は健全ではない。スターティングメンバーがサンガタウンでの健全な競争を勝ち抜いて選ばれるのと同じ様に、監督も1人のパーツとして選択されなければいけない。
 
 
歴史の1ページを作ったのは他でもない曺貴裁監督率いるチームだった。しかし彼らが今後も歴史を塗り替え続けられるのか、特定の誰かに依存する組織では、その連続性・持続可能性は極めて未知数だ。

 

 

さて、今回はクラブ側からの視点で、曺貴裁京都について振り返ってみた。

あくまでプロローグであり、次回はよりチームに焦点を置いて、戦術的な要素も含め曺貴裁京都のサッカーそのものについて考えてみたい。

 

その際のキーワードは「成長」である。

 

 

See you soon…!

 

 

 

 

【2022 J1参入PO】京都サンガF.C. - ロアッソ熊本

 

 

相変わらずの酷い内容。薄氷のドロー。

それでも、11シーズンももがき苦しんだJ2で、自動昇格の目安である勝ち点84を獲得し自動昇格を成し遂げた昨年。そして自分達より資金力で上回るクラブしかいないJ1で、自動降格を回避した今年。苦しんで、苦しんで、やっとの思いで登頂して得たアドバンテージを活かし、J1残留を掴み取った。

この場所に到達するまでがどれほど難しいことか。理解のできない者など放っておけば良い。

 

しかしながら、昨年、そして今季序盤のサッカーは、誤解を恐れずに言えば死んでしまった。ただボールを捨てて走るだけ。「シャトル」だの、「アドベンチャープッシュアップ」だの、残念ながらそんなものは消え失せた。アドバンテージもまだまだ薄く脆い。このまま来期へ突入したとして、1年後にどんな立ち位置に居るのだろうか。

 

 

 

 

 

 

話は変わるが、京都の客といえば、試合終了と同時にすぐ帰る人が大半で、ここまでバックスタンドやメインスタンドに、人が残っている日は極めて珍しい。

 

では、これだけ多くの人が試合後も残っていた日と言えば……昨年のリーグ最終戦である。

 

 

涙を目に浮かべ、声を詰まらせながら唄った森脇良太その人の姿は、もう京都には無い。

ただ、あの時、彼が作り上げた劇場空間の一節は、確かに今もなお生きている。そう強く感じた。

 

現在進行形で繰り広げられる、「積み上げては壊す」が伝統芸のクラブ。

勝利後のコーヒールンバも、以前と同じ様に、負けが続きすぎてまた有耶無耶になる時もいつか来るのだろう。

 

 

この日はクラブ史上初の快挙へ向けて熊本サポーターも多く詰め掛けていたし、SNSを見た限り関西在住の他クラブサポーターの来場も一定数見受けられた。

ただ、それ以上に多くの京都サンガ愛する人がこの大一番に詰め掛けたのだと、試合後の風景からは遺産を感じる事ができた。

 

この日最も心が暖まった瞬間であり、同時にこの遺産を無為なクラブ運営ですり減らすような事があってはならないと改めて決意したのであった。

 

 

See you soon…!

ふるさと納税を活用して、建設費の寄付ができるサッカースタジアム計画リスト(2022年末ver)

 

 

今年verです。もし漏れてたらごめん。

 

 

 

 

 

広島県広島市/サンフレッチェ広島

2024シーズンからの開業へ向けて、現在工事真っ最中の広島市サッカースタジアム計画では引き続き寄付を受付中。サンフレッチェ広島にとって待望の新スタジアムはもう既に骨格が完成に近づいている。

5万円で「新スタジアムに自分の名前を残せる」他、特産品まで返礼されるので一番激アツな寄付先である。

 

 

 

石川県金沢市/ツエーゲン金沢

北陸地方初のJリーグ規格のサッカースタジアム整備が進められている金沢市。金額1,000万円の目標に対して、既に達成率は260%超。こちらも5万円以上の寄付でネームプレートの特典が受けられる。

広島と同じく2024年開業ではあるが、来年度以降の実施可否が分からないのでご注意を。

 

 

愛媛県今治市/FC今治

近年民間資本を活用したスタジアム整備計画が増加してきた中で、金融機関からの借入も活用して社運を賭けた新スタジアム建設を進めるFC今治

ふるさと納税やグッズによる資金調達も行っているので、是非とも支援の輪が広がって欲しいところだ。

FC今治 ゴール裏プレート A(菊間瓦)|【公式】Jリーグオンラインストア J.LEAGUE ONLINE STORE

>このたび、乾汽船株式会社様より、今治市FC今治サッカー専用スタジアム建設プロジェクト」(企業版ふるさと納税)に、1億円をご寄付いただくことになり

企業版ふるさと納税寄附金贈呈式について/乾汽船株式会社|里山スタジアムプロジェクト|SATOYAMA STADIUM PROJECT(FC今治新スタジアム)

 

 

 

宮崎県新富町/テゲバジャーロ宮崎

ちょっと毛色は異なるが、新設したサッカースタジアムに照明設備を用意する為の寄付である。

 

 

 

兵庫県神戸市/ヴィッセル神戸

ヴィッセル神戸が運営管理を担うノエビアスタジアム神戸も、宮崎同様に、スタジアムの設備更新に関するふるさと納税を受付している。

 

 

大阪府河内長野市/スペランツァ大阪

女子サッカーチーム:スペランツァ大阪のホームスタジアムを核としたまちづくりを計画してのふるさと納税。地域の課題をサッカーで解決しようと云う野心的で胸の熱くなる話だが、整備するスタジアムは実情に合わせたキャパシティでこれまた好感が持てる。是非とも多くの人に認知・支援されてほしい計画だ。

 

 

 

京都府亀岡市/京都サンガF.C.

我らがサンガスタジアムbyKYOCERAも引き続き寄付を受付中。

J1昇格を記念して、今年はサンガカラーのネームプレートで自身の名を残す事ができる。美しいスタジアムに。

 

 

 

 

「サッカースタジアム整備を」と求めるのならば、まずは署名活動には参加しよう。寄付が開始されれば素晴らしい未来の為に投資しよう。ねだるな、勝ち取れ。求めるからには相応の責任を果たそう。

 

ともかく、この年末にふるさと納税を考えているそこの貴方。是非一度サッカースタジアム整備へ寄付を検討してみてはいかがだろうか。

 

See you soon…!

 

 

 

 

 

 

 

京都サンガF.C. サポーターズカンファレンス開催の検討要請について

 

 

2022年シーズンの終了に伴い、公式HPの問い合わせフォームを通じて、伊藤社長宛でサポーターズカンファレンス開催の検討をする様に依頼を実施した。

そこで、依頼に際して送付した文面をこちらへ掲載する。(全文ではなく一部抜粋+資料添付)

 

行政・スポンサー企業への挨拶周りなど、慌ただしいシーズンが終わった今はオフシーズン故の活動が本格化し多忙な中で恐縮ではあるが、京都府民をはじめ多くのステークホルダーから真に愛される"強いクラブ"づくりの実現のためにも、まずは早期に開催の有無に関する声明が発せられることを願いたい。

 

 

 

 

以下、抜粋。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【サポーターズカンファレンスについて】

今オフシーズン中に、2022年シーズン及びそれ以前を総括し、2023年以降のクラブのさらなる発展に寄与する情報交換の場として、クラブ主催の説明会(所謂サポーターズカンファレンス/ミーティング)の開催を検討するよう願いたい。

 

以下はその理由である。

 

 

1.トラブルの未然防止へ向けてクラブの考えを周知徹底する場として

本年は他クラブに於いて、観客による数年来に渡る観戦ルールの常習的な違反に対し、運営能力の欠如・管理不十分を理由に、リーグから大変重大な裁定処分が下される事案が発生した。

また、京都に於いても故意ではなかったものの、「政治的、思想的、宗教的主義、主張または観念を表示し、または連想させる」旗が長年に渡って掲出されてしまっていた事案は記憶に新しい。

なお前述の問題でリーグから罰金100万円の裁定を受けた際に、「再発防止の徹底を行い、誰もが楽しめるスタジアムづくりに向け取り組む所存です。その一環として、啓発活動を徹底すると共に、掲出物の事前申請制度を設けてまいります」との声明を発出しているが、「啓発活動の徹底」が図られているとは現状の活動からはお世辞にも言えず、同種の不適切事案が再発した際には、クラブが負うべき注意義務が軽んじられていたと判断されても致し方ないものと思われる。

 

公式HP内記載の「クラブビジョン(目指すべき姿)」にて、「多くの皆さんに楽しんでいただける賑わいのスタジアムを創造する」と謳っており、観戦環境改善へ向けた意見の集約、およびクラブの考えや周知徹底が図られるべき事項を直接ファン・サポーターへ発信する場として、サポーターズカンファレンスの開催を検討する事が望ましい。

 

 

2. Jリーグクラブとして透明性の高い経営の推進・徹底を図る場として

項1と関連して、多種多様なステークホルダーに支えられ、地域を代表する存在であるJリーグクラブは、ホームタウン自治体の出資の有無に関わらず、公共財たる自覚を持って経営を行うべしである。これはJリーグが公表するJリーグ経営ガイドラインに於いても記述されている、大変重要な考えの1つである。

Jリーグクラブ経営ガイド2021verより引用)

狭く閉じたコミュニティではなく、広く開かれたコミュニティを形成し、クラブに対する支持・支援の幅をより大きくしていく為にも、リーグからも公表される数値(売上高等)を公式サイトの片隅に載せるだけでは、ステークホルダーを軽視した形式的な情報の発信に留まっていると言わざるを得ず、透明性の高い経営を実現するべくサポーターズカンファレンスの開催を検討する事が望ましい。

 

 

3.経営基盤強化に向けて信頼を得る為に情報を発信する場として

本年は「安藤淳氏のブランドアンバサダー退任及び強化部長代理就任」や、「声出し応援再開に伴う声出し応援運営検証対象試合へのエントリーの有無」など、ファン・サポーターをはじめとするステークホルダーに対して、広く情報公開すべき重要な経営決定事項が数々あった中で、クラブ側からの対外的な情報発信や、そうした場は全く見受けられなかった。

元を辿れば、近年に限っても「加藤久氏の招聘」「曺貴裁監督の招聘」「實好監督の登用及び退任」「山道氏の招聘と退任」「中田監督の退任」等、トップチームに関する人事だけでも実に様々な人事決定があった中で、ファン・サポーターに対してクラブ側からの説明は公式HPでのリリースコメントのみであり、広く信頼を得る為の努力は皆無であったと言い切ってしまわざるを得ない。

 

更に過去を振り返れば、2015年末開催のサポーターズカンファレンスにて山中社長(当時)が発言した「今後はサポーター、スポンサー、フロントがしっかり意思疎通をしていきたいと思っている」「ファン・サポーターさんに非常に悲しい思いをさせてしまった」や、2017年シーズン中に開催の現状説明会にて発言した「(サポーターズカンファレンスで目標の到達度合いなどを開示し、議事録に載せて出来得る範囲内で公表する事について)分かりました。全然難しい事ではございませんので、それはやらせていただきます。」という回答があったにも関わらず、2017年秋の現状説明会以降に開催されたオフィシャルな対外説明の場は2018年12月22日開催の「2018シーズン総括」説明会のみで、更にこの会の議事録は公表されていない状態である。

 

(それどころか、公式HPのリニューアル等を契機に、過去の様々なリリースへのアクセスすらもできなくなっている。)

 

他方、非対面形式も駆使しながら、クラブの方針や経営情報に対する詳細な説明を行うクラブは、アビスパ福岡セレッソ大阪ら複数見受けられる。

 

「セレッソ大阪サポーターズコンベンション2022」レポート | セレッソ大阪オフィシャルウェブサイト | Cerezo OSAKA

「セレッソ大阪サポーターズコンベンション2021」レポート | セレッソ大阪オフィシャルウェブサイト | Cerezo OSAKA

「セレッソ大阪サポーターズコンベンション2019」レポート | セレッソ大阪オフィシャルウェブサイト | Cerezo OSAKA

 

またJ1クラブだけでなく、京都よりも売上等クラブ規模が小さいJ2〜J3クラブ(盛岡・福島・群馬・北九州・熊本etc…)でも実施されている。

2/14開催 「2022リモートサポーターカンファレンス」議事録公開のお知らせ – ザスパクサツ群馬

 

コロナ禍やクラブの運営規模(人員・体制)のみを要因にするのは理屈として成り立ちづらく、顧客を軽視し、説明責任を放棄していると受け取られても止むを得ないと考える。

こうしたマイナスのアクションは、クラブアイデンフィケーションの低下要因とも考えられる事から、クラブビジョンに掲げる「サンガのブランド力を高めるとともに、多くのステークホルダーの支援のもと、経営基盤の強化を図る」に反する行為である。

 

その為、信頼を得る為の情報発信の場として、サポーターズカンファレンスの開催を検討する事が望ましい。

 

 

以上3つの観点から、クラブの理念「サンガに関係する全ての人々と夢と感動を共有し、地域社会の発展に貢献する」を実践する為に、今オフシーズン内にサポーターズカンファレンスを開催する事について検討するよう強くお願いしたい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

以上。

 

 

【2022 J1 34節】ジュビロ磐田 - 京都サンガF.C. +J1参入POレビュー 〜夢は何歳まで?〜

 

 

【公式】磐田vs京都の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2022年11月5日):Jリーグ.jp

 

0-0でよく済んだと言うのが率直な感想かもしれない。

 

昨シーズンもあまりの進歩のなさに不満と疑問を覚える場面はあったが、特に顕著だったのが今年のルヴァン杯PO。勝ち抜けには大量得点が必須の状況下で、シュートが打てる場面ですら打たない。

このチームは得点が渇望される場面で、得点の確率を上げる為の振る舞いができない。なぜならトレーニングでの仕込みが足りておらず、対峙する相手を上回っていないから。

ウタカとパウリーニョを投入し、終盤にはいつもの博打的な戦い方を見せた磐田戦も同じで、リターンを得るどころか残り30秒の京都の守備は小学生のサッカーと表するほかなく、井上の素晴らしい対応と白井のスーパークリアが無ければ失点でThe Endだった。

 

思い返せば、秋田・琉球甲府・長崎の守備ブロックを攻略できなかった昨年と同様で、残念ながら「進化」は見られずにリーグ戦は終わってしまった。今期、清水・磐田の失点合計111の静岡勢からは、0-2で緩んだ磐田からウタカの個人技で1点をもぎ取ったのみで3度も零封を喫している。

J2ではリーグ8位タイの59得点(42試合)。昇格した今期はワースト2位タイの30得点(34試合)。

決定力不足ではなく、正しくは決定機を作る事ができない。伸び代ではなく、もはや永遠に埋まりそうもない溝が空いている状態である。

 

この日、MF川崎が迎えたGKとの1vs1こそは、紛れもなくチームで作り出した1点ものの決定機ではあった。

しかし試合全体を通じて見ると、京都が勝手に崩壊することで、磐田へと多くのチャンスがこぼれていた。その現実から目を背けてはならない。

(オープンな中で90分間+αを耐え忍んだ井上・白井・上福元には最大級の賛辞を改めて送りたい)

 

 

 

 

 

振り返れば後半戦17試合でたったの3勝。しかも、その内2勝は退場で10人になった相手に試合を支配されながら、耐えに耐えて掴み取った勝利。

それでも、清水の大失速もあり、なんとか自動降格こそ免れた。

 

我々にはツキがあるのかもしれない。

 

 

このクラブの目指す先は、「国内最高峰」なのか、「数年おきにタイトル・ACL争いに関与できる程度」なのか、はたまた「優勝争いからは程遠いけどほのぼの路線」なのか。"S Adventure"をチームスローガンに掲げながら、その冒険の行き先は残念ながら明かされていない。

 

世界的ビッグネームの来日と数多くのA代表戦士の輩出。何より悲願のタイトルを2つも手にしたセレッソ

同様に、サッカー史に名を残すレジェンドの来日と、悲願のタイトル獲得を果たし、今やJリーグ随一の営業規模を誇る神戸。

チーム成績こそ低調なものの、念願の新スタジアムを手にしてビッグクラブへの礎を確立したガンバ。

 

関西他3クラブのみならず、ものすごい加速具合で成長を遂げるJリーグの中で、京都は唯一取り残されていた。

しかし、失われた10年から一転。新スタジアム開業を契機に、どんな果てなき夢であろうと、手が届く可能性を夢見る事ができるまでは不死鳥の如く舞い戻る事ができた。

 

我々にはツキがあるのかもしれない。

Jリーグは日本全国でサッカー文化を育むために、小さなクラブを保護してきた。いわゆる「護送船団方式」だ。しかし、その弊害でビッグクラブが生まれづらい状況になっていた。

今、村井満チェアマンはその問題に取り組もうとしている。スポンサー収入や放映権料に実力主義を導入し、格差が生まれるのを許容し始めたのだ

護送船団方式を止め、競争主義でJリーグを変える

 

 

 

元々3枠あったJ1⇆J2の入替枠が、投資に対するリスク軽減の為にもJ1クラブを優遇すべく2.5枠になった。

更には、20チーム制へ移行の為に来年度の降格枠は1つに絞られる可能性が浮上している。

我々にはツキがあるのかもしれない。

>来季の大会方式はJ1から1チーム降格、J2から3チーム昇格とする案などが示されたという。

>新たな成長戦略として来季から均等配分金の比率を改め、J1の上位クラブを中心に傾斜配分する方針も固めた。上位クラブの競争力や資金力を高めることで質の高い試合を増やし、リーグのさらなる価値向上などを図る狙いがあるとみられ

Jリーグ 24年からJ1~J3の20チーム案検討 配分金比率も変更、リーグ価値向上狙う/サッカー/デイリースポーツ online

 

 

 

●W杯日本代表選出人数(通算)

J1所属:100人 > J2所属:3人

 

●平均入場者数(2022)

J1平均:14,328人 > J2平均:5,019人

 

●チーム人件費(2021)

J1平均:23億4千万円 > J2平均:6億6千3百万円

 

●売上高(2021)

J1平均:41億5千9百万円 > J2平均:5億9百万円

 

ツキが巡って迎えた今季最終戦。この一戦はもう34分の1ではない。正真正銘の一発勝負。京都の未来の為には、どんな形であろうと勝ち抜く事が求められる。

ツキを手放したくなければ、いつも通りアグレッシブに挑みなさい。あの日の様に最初の15分でシュート5本撃ってこい。満員のサンガスタジアムでサポーターも含めて熊本へ巨大な圧力を掛けろ。

明日の一戦は、J1残留とその先の夢を叶える為に、全員で全てを懸けて闘わなければならない。必ず勝つ。

 

 

 

 

【2022 Jユースリーグ】セレッソ大阪U18 - 京都サンガF .C .U18@舞洲

 

 

【U-17】「2022 J.YOUTH LEAGUE 第4節」試合結果のお知らせ|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

 

 

 

 

Jユースカップ」と異なり、出場機会・公式戦経験が優先で所謂B戦の様な形式に。個人的には28番の柴田了祐(1年生)が印象的でした。あとは来年以降のリーグ戦も考えると、もう少しこのメンバーが突き上げてくれないと困ると云うのが正直な感想。

 

内容自体はトップチームそっくりで…後半は相手GKに対しても行う強気のプレッシングでペースを握るも、攻撃の構造を有していないのでサイドを攻略してのクロスしか攻め手が存在せず。本当に7:3ぐらいで京都のゲームで、押せ押せでしたが、結局得点はPKの1点のみ。

改めてクラブとしてどのようなサッカーを構築するのかを再定義しないと、川崎や横浜FMもさることながら、鳥栖の様なクラブとの差は開く一方でしょうね。