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三ツ沢公園新スタジアム整備案に反対します

 

横浜・ニッパツ三ツ沢球技場の改修の件で動きがありました。

市は屋根付きの球技場への建て替えや、現在の建物に屋根を増設する案などを検討してきた。しかし屋根を設けることで芝生の日照時間が減少するほか、生育のために稼働日数も減らさざるを得ないとなると市民とプロスポーツ両者の利用枠の確保が困難になるとして、新球技場の整備方針を打ち出した。

三ツ沢公園 球技場の新設 構想へ 老朽化や屋根無し等を受け | 神奈川区 | タウンニュース

 

 

元々この話は、1964年東京五輪でも使用された三ツ沢球技場の老朽化が進む中で、横浜市長にキングカズこと三浦知良選手(当時横浜FC所属)が直談判をしたのが大きな契機。

>2019年12月3日13時6分

カズは林文子市長に、本拠地の三ツ沢球技場に触れ「屋根がね…。雨の日はサポーターがぬれてしまう。そこも協力していただけたら」と、横浜市が所有するスタジアムに屋根の設置の要望を出した。

カズ「屋根がね…」横浜林市長に三ツ沢の要望も - J2 : 日刊スポーツ

>2021/3/4 11:30(最終更新 3/4 11:30)

市はスタンド屋根の設置を含む大規模改修に向けた検討を本格化する。全面的な建て替えなどを選択肢とし、2021年度に具体的な改修方法を調査して早期の着手を目指す

三ツ沢球技場大改修へ カズさんも熱望 屋根新設へ検討本格化 | 毎日新聞

20年度の調査で既存メインスタンドへの屋根架設は困難との結果が出ている。メインスタンドやスタジアム全体の建て替えを視野に入れた検討になる見通し。21年度予算案に約1000万円を計上した

【全面建替も視野、屋根設置は困難】横浜市、三ツ沢球技場(神奈川区)の大規模改修検討 ~ 日刊建設工業新聞ブログ

 

 

そこで横浜市が6月6日に公表した資料を見てみると、三ツ沢公園内に別途新たな球技場設備を検討するという構想に至った経緯が解説されていました。

PDF注意:https://www.city.yokohama.lg.jp/shikai/kiroku/katsudo/r4/JohninOnkanshiR04.files/J-OKS-20220601-ks-12.pdf

【常任委員会】温暖化対策・環境創造・資源循環委員会(令和4年5月13日から) 横浜市

 

 

この案のメリットは以下の2点に尽きるでしょう。

①既存施設の改修ではないので球技場が1つ増える(しかも同程度もしくはより安価な費用で)

②最新のスタジアムができる

 

一方でデメリットが複数散見されます。例えば以下の要素。

三ツ沢公園のスポーツを「する」場としての機能が低下する恐れが高い

②その他公園としての機能が低下する可能性が高い

③全く同じ場所に似た施設が2つできる可能性があり、ある手の二重行政的行為になる恐れがある

④新スタジアムに対する多方面からの検討が不足している

 

 

①と②については、今の構想では代わりに姿を消す施設が出るのは必須。代々木公園・織田フィールド内のスタジアム建設議論と一緒。


 

③については同じ公園内にプロスペックの同じような機能を有した施設が2つできる事になりますので、市民サービスとしてどうなのか。スタジアムという特殊な施設とは言え横浜市ってかなり広いし。もしくは新スタジアム建設後に現・三ツ沢球技場をダウンサイジングで「する」場としての意味合いを強くさせるのか。

 

 

④については、仮に3万人規模のスタジアムを建設するとしましょう。

(無いでしょうが)Jリーグトップリーグなどが同日開催されて最大5万人弱の来場者が集まった際にスムーズに人流は捌けますか?

先日のマリノス戦含め2回しか三ツ沢には行った事がありませんが疑問でしかない。横浜駅からも近いが住宅街すぎるのでは。

公益性・収益性の観点でも三ツ沢という立地では疑問符が付きます。そもそも横浜はJリーグクラブだけで3つも存在する為、利害関係者の立ち位置の整理は必須です。

 

 

 

三ツ沢球技場の改修を検討した結果、費用対効果などから新設が相応しいと判断」はわかります。

ならば次は「新設するスタジアムの費用・効果・規模の検討」と「それを三ツ沢に新設するべきか否か」を議論するステップに移るべきです。

 

スタジアムは建てる場所や規模が先行して決まるものではありません。

「なぜ建てるのか?(=目的)」が先行し、「誰が(建設主体・運営主体)、何処に(場所)、どんなスタジアムを(機能)、いつまでに(時間軸)、どのように(資金調達手法・運営手法)、建設・運営することで達成するのか?」を議論して決まるものです。

 

大都市ゆえに建設用地・開発の余地が無いのはわかりますが、スタジアムプロジェクトの進め方としても血税の利用法としても非常に稚拙な構想でしょう。

まずはスタジアムを新設する事について予算が付けられて、ゼロベースで検討が進められることを望みます。

 

 

 

完成すれば日本屈指のスタジアム―― 広島市サッカースタジアム建設地見学

 

 

スタジアム建設現場まで

今回は5月21日のアウェイ広島戦前後に新スタジアム建設現場の見学へ行ったお話。9時に広島駅に着いてそこからシェアサイクルを利用した。繁華街を駆け抜けて10分ほどで原爆ドーム前駅に到着。

京都同様に紆余曲折あった広島のスタジアム計画も、最終的には市内中心部に位置する中央公園案に落ち着いた(今回は言及を避ける)。


地図を見ればわかるが、ここならば繁華街や平和記念公園からもすぐである。改めてアクセスの良さを実感。

 

まずは市電の最寄り駅となる原爆ドーム前駅からのルートを確認する。

将来的には旧広島市民球場跡地からのアプローチも整備されるが、その球場跡地も今まさに再整備中なので画像2枚目にある一番左大外から北上するルートを行く。

 

いやー近い。ペデストリアンデッキ整備後は徒歩6分程度でスタジアムまで行けるのではなかろうか。

 

 

 

着々と進む基礎工事

現場を散策すると周囲を囲む壁達にはこんな掲示物が。

これを見て興奮を覚える人種は間違いなくマイノリティだろうが、何といっても設計担当が上羽氏なのだ。思わず声が漏れてしまった。

サンガスタジアムbyKYOCERA産みの親の1人であり、個人で寄付もしてくださった東畑建築事務所のエキスパートその人である。

なかでも「スタッド・ドゥ・スイス・バンクドルフ」は、上羽さんがそのデザインに憧れ、長年行きたいと思っていたスタジアムだという。その直線的なデザインの美しさをサンガスタジアムの観客席に取り入れた。

J2京都、"新スタジアム"をお披露目! 建築家、選手、サポーターが語る魅力とは? | フットボールゾーン

 

今回のスタジアム案は4つの候補が競ったコンペの中で採択された設計プラン。

 

当時のツイートにも残しているが外観の意匠性だけを見た時に、個人的評価では1番手ではなかったのが本音。

一方で、プレミアリーグMLSで見られるような選手入場口に位置するガラス張りのVIPゾーンや、安っぽさが漂うサンガスタジアムとは異なりラグジュアリー感のあるラウンジ、そして公園ゾーンとの繋がりを生かした諸機能の配置とトータルの満足感が高いプランであったことは記憶に新しい。明言はしていないが、あのロッカーとラウンジのパースでNo.2評価は与えていた。(サンガスタジアムはサンガの立ち位置が低すぎた故にVIPゾーン・ロッカー・ベンチが本場と比較してあまりにもチープすぎる)

 

以下、https://www.sanfrecce.co.jp/stadiumpark/gallery/ より引用。

(「The Tunnel Club」などで検索すると素敵な高級サービスが沢山出てくる)

 

 

サンガスタジアムと兄弟的存在になる訳だな〜〜〜

などと思いながら引き続き散策を進める。

 

地図上の数字順に見ていく。

 

 

①の場所から北向きに撮影したのが下の2枚。メインスタンド部分はまだ基礎工事中だった。

 

 

②の位置から西向きに。バックスタンド側は鉄筋が見えている。この状態から骨格が出来上がって行くのは驚くほど早い(経験上)。やはり上へ伸びていくのが楽しいので、広島サポはここから注視した方がいい。

 

③から西を向く。南北通路の真ん中の位置。

公園ゾーンが整備される東側(右側)はまだ工事関係者の駐車場として更地のままであった。



 

 

④は広島城天守閣から。

若干遠く、基町アパートが視界に被ってくるが、俯瞰で見ることができる。様々な場所から見学が可能なのは周囲に建物がない亀岡とは異なるところ。



 

なお⑤のパセーラ空中庭園からだと満足に確認できないので注意。



 

もし最も俯瞰で綺麗に見たければリーガロイヤルを利用するべきだろう。来年は泊まって見ようか…

 

 

 


稀に「理想のスタジアムは?」と聞かれる事があるが、「サッカーが見易い」のは前提条件であり当たり前の話。よって陸上トラックと屋根の有無なんて論点はそもそも争点ではない。そんな低次元の話はする意味がない。

 

優れた観戦機能に加え、収益性と公益性のベストミックスが図られて、地域の社会課題解決に資する持続可能なフットボールスタジアムこそが完全体。プラス意匠性などの個人のこだわりを加味して判別すべきだろう。

なので、理想的なスタジアムは増加しつつあるが、悲しいかな究極の理想形は未だ我が国に存在はしていないというのが正直なアンサーだと思う。

 

その点において、広島も決して完全無欠ではないが、国内随一の好立地にこのスペックで完成して順調に稼働すれば、長崎新スタジアム計画と並んで最も理想的なスタジアムとなるのは間違いない。

あとは建てる事が優先されて、何をテーマとするのかがややボケている(完全無欠と言えない部分。というかそもそも致命的では…)ので、広島市策定の基本計画では『地域活性化・にぎわいの創出の起爆剤』『地域の誇り・アイデンティティの醸成』と書かれているが、「基町エリアの活性化・イメージアップ」なのか「昼間人口の増加」なのか、定量・定性的な目標設定と達成状況のチェックは必須。どうなるか見てみたい。

 

 

なお、現在も広島市ではスタジアム建設に対するふるさと納税を活用した寄付を受け付けている。

まだの方は是非。

 

 

 

 

 

 

7thシングルヒットキャンペーン@ナガシマスパーランド

 

 

こんなタイミングで名古屋戦が入るなんて。

滞在時間1時間弱。来場者だけが見れる特設VTRまであって、乗り物に一切乗らずとも楽しめました。ありがとうございました。こさかなおかえり〜〜〜

 

引き続き、サッカーとラジオと日向坂にしか心が動かなくなったおじさんとして突然サッカークラブの経営に物申したり美味しいラーメンを啜っていく所存です。嗚呼本当はこんにゃくパークも行きたい。

 

 

 



 

【2022 ルヴァンカップ PO】名古屋グランパス - 京都サンガF.C.

 

いや、まいったね

 

誤解を恐れずに言うと6-1 の大負けというスコア単体は別に良い。ほぼベストメンバーでカップ戦のトーナメントに挑んであの内容ではちょっと。

そんで5点のビハインドを負ってホームでの第二戦ってなると解せない。このチームは定期的に起こすが蛮勇がすぎる。13-1のシチュエーションとはまた異なる。

 

そしてINSIDE GRAMPUSは本当に有能だなあ。京都も昨年の京都大宮のピッチサイドからの動画や生の音声を見聞きしてみたい…


 

 

 

今回一つ収穫があったとすれば名古屋港サッカー場というレア会場を体験できたのは良かった。目前の散水機にしか目が行ってなかったけど、確かによく見ると対岸は直接噴水されている。

こうしたグラスルーツ向けの「サッカー場」とは別に、人口200万人都市の名古屋に相応しい「サッカースタジアム」が整備されることを期待したい。

 

【2022 J1 15節】横浜F・マリノス - 京都サンガF.C.

 

前半途中からの観戦だったので、若原のビックセーブの数々はDAZNでしか見ておらず…

ハマれば面白い試合になるかと思ってましたが、錬度が違いすぎましたね。

秩序のあるカオスではなく、カオス寄りの秩序でないと戦力差を安定して埋めるのは難しいだろうなとも。

 

 

 

【必然のJ1復帰と見えぬism】2021年度 京都サンガF.C. 決算分析+グッズ問題について

 

どうも、勝ち組です。

 

今年も各Jリーグクラブの決算報告が出てきました。※3月決算クラブ除く

株式会社京都パープルサンガさんも同様です。

21年度Jクラブ経営情報公表!「コロナ前の規模に戻りつつある」赤字34→20クラブ、債務超過は10クラブ | ゲキサカ

クラブ個別経営情報 - 経営情報 | 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)

 

 

他クラブが順次リリースを出す中、相変わらず京都はそれすらしないので代わりに見ていきましょう(怒ってます)。

 

なお今回は以下の3つのテーマを対象に触れていきたいと思います

①前年度との比較(売上と人件費)

②財務状態

③物販(グッズ)について

 

普通はクラブがこういう事をやるものなんですけどもね。

 

 

 

また、2020年度決算についてはこちらをお読みください。


 

 

 

1:売上増加→人件費増加→チーム力の強化→必然のJ1昇格

2020年度決算において大きなインパクトを与えた新スタジアム効果は、昨シーズンにおいても予想通り大きな恩恵をもたらしてくれました。

ここでは単年の売上と費用について触れます。

 

以下の表は直近2年間の対比。

この表から見て取れるのは、「各部門で収入が増加」→「チーム人件費も比例して増加」→「利益幅は減少も1億円の純利益確保」という大まかな流れです。

 

 

営業収益に関する分析

前項の表と長期推移をまとめた上表からわかる様に概ね各部門で増収となっています。傾向として、コロナ禍初年度の2020年度の業績が底のクラブが大半なので、増収はある種当たり前ではありますが。

 

なお各部門別収入についての解説は以下の通り。

引用元:Jリーグクラブ経営ガイド | 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)

 

京都は2020年度も新スタジアム効果で増収増益を果たしたレアケースでしたので、2021年度も連続して伸ばして行けたのは非常に良かったと言えるでしょう。

この項目では広告料収入と入場料収入についてピックアップします。物販はあえて最後に言及します。

 

スポンサー料(広告料)収入

スポンサー料(広告料)収入は前年度比微増に留まりましたが、柳沢敦佐藤勇人らを補強した2008年(カトQJ1復帰初年度)に迫る金額でクラブ史上2位の金額となっています。

日に日に増えていくスタジアム内のスポンサー様の看板たちは壮観であり、「よく陸上競技場は看板を置くスペースが多いからとか現実逃避の声を聞くけど、全く意味ないまやかしだよな」と改めて感じた次第であります。

 

ただ良くも悪くも、京都は毎期売上の3分の2がスポンサー料収入。更に広く深くスポンサー料収入を得ながらも、リスク分散の為に対売上高比率を押し下げていく事が求められます。その為にはまず「J1・J2とカテゴリーに関係なくスポンサー様へ変わらず大きな価値を提供する」事が必須です。どうする?どうする?どうする?

 

サポーターにとっては・・・

この2年間で亀岡を中心に新規のスポンサー様がかなり増えています。日頃から支えてくれている企業のアップグレードも目立ちます。本当にありがとうございます。

日々の生活の中で、ほんの少しだけでもスポンサー様の商品・サービスを利用する回数を増やし、それを発信していく事が大事です。

オフィシャルスポンサー|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

 

 

入場料収入

入場料収入については、前年度より無観客試合が減少した事が寄与しているものと思われます。観客動員数がやや回復しました。

上限5千人の期間も大変長かったですが、リーグ戦終盤に掛けて上限1万人へ緩和された事によって、昇格のかかった秋田戦・最終節金沢戦では来場者数9900人と9608人を記録。高い着券率を誇りました。それにしても、あれだけ制限があって布部→ボスコ期の2018年度と同水準とは。逆にどれだけ酷かったのかがよく分かる。

 

一方で客単価は下落しています。これは2020年度よりも入場制限やコロナへの意識が緩和された事で、無料招待プロモーションの回数が増加。無料招待客の来場比率が高まった事で客単価が減少したのではないでしょうか。また、高価格帯であるVIP席の契約動向も関係があるかもしれません。

 

サポーターにとっては・・・

観戦する機会を増やす。シーズンパスを購入する。1人で見るのではなく、誰かを誘って一緒に観る。

今よりもっと楽しみの総量を大きくする事が、中長期的にはあなたにとってもクラブもwinwinになるものだと思います。

 

 

 

営業費用に関する分析

チーム人件費

Jリーグクラブの事業活動において、費用の大半を占めるのはチーム人件費です。

チーム人件費とは、注意書きの通り、選手の総年俸ではなくトップチームスタッフの人件費や、いわゆる移籍金も含まれます。その為、選手名鑑の推定年俸合計額とはかなり乖離が生じます。

 

見ての通り2010年以来の人件費10億円突破で、昇格へ向けて相応の札束を積んだことがわかります。なんと前年度比2億1百万円の増加です。本当にありがとうサンガスタジアムbyKYOCERA。

要因としては、ウタカやバイスら主力の残留に成功した処に”曺監督ら新コーチングスタッフの招聘”と”松田天馬らJ1からの引き抜き”で年俸と移籍金支出が膨らんだものと推測されます。

 

なお、この11億3千万円という金額は昨年のJ2リーグ内で磐田・長崎・大宮に次ぐ4位が濃厚。大宮はあの選手層のどこに金が消えているんだろうか。。。

いずれにせよ収入増加でチーム強化が図れた事がJ1復帰に繋がったと言えるでしょう。

 

 

純利益について

人件費が2億増えた影響もあって純利益は前年度比5千万円減。それでも1億6百万円も確保しています。問題のない数字ですし、むしろもっと費用を使って良かった。

 

基本的にJリーグクラブは純粋な営利企業とは事情が異なります。

従業員を雇用し事業を継続するには売上を上げる必要がありますが、利益を沢山儲けて株主や役員へ還元する事が第一義ではありません。

どれだけ利益が大きくてもチームの成績が奮わなければ「失敗」と見なされますし、戦力増強や地域貢献活動へ投資していかなければなりません。スポンサー企業からしても、クラブの収益増加の為にスポンサー料を支払っている訳ではないでしょう。極論、利益は必要最小限で良いのです。

 

ただし、クラブ運営の安定化には、利益を確保して現預金や自己資本を積み上げていく事が重要です。またクラブライセンス制度の観点からも重要です。

純利益数千万円程度で着地するのがベストでしょうね。

 

いずれにせよコロナ禍に於いて二期連続の増収・純利益1億円オーバーは優良児と言うほかありません。そして12年ぶりのJ1復帰という大きな果実まで。何度でも言わせてくれ、ありがとうサンガスタジアムbyKYOCERA!

 



 

2:財務状態

個人的にですが、Jリーグクラブの貸借対照表は分析してもあまり意味がないと思っています。

その理由は「良くわからないから」。選手の権利関係とかややこしいし、参考値程度に考えるべきだと思うのです。

 

それなのに今回あえて触れるのは、今年度からクラブライセンス制度のコロナ特例が無くなるから。

2022年度以降のクラブライセンス判定における財務基準について | 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)

 

京都は2008年〜2010年の加藤久全権監督時代に、採算を無視した大型補強を繰り返し、弾薬が尽きてJ2降格&債務超過という暗い過去があります。(その加藤久氏が今また現場の最高責任者として君臨している訳ですが…)

以下は直近5年間の貸借対照表です。

Jリーグ全体では、鳥栖が4億円、お隣のセレッソに至っては12億円の債務超過状態ですが、京都は大幅な黒字着地で繰越損失をちょっとずつ減らしています。

よって簡単に言えば、2021年度末時点で4億6千8百万円分貯金がある様な状態です。即座に債務超過になって強制降格処分となる可能性は極めて低いと言えます。

 

なお、松田天馬の獲得にあたり移籍金がかかった様ですが2020年度〜2021年度で固定資産額に変動がありません。

湘南MF松田 J2京都完全移籍が決定、クラブは移籍金を満額支払う― スポニチ Sponichi Annex サッカー

なぜ経済的理由で選手を売却したクラブが、新たな選手を”移籍金あり”で獲得できるのか|Yuta Saito Jクラブ強化部/元コンサル|note

 

この事からも、やはり私個人としてはJリーグクラブの貸借対照表を見る時は、売上・損益以上に参考値程度で見ておくべきだと思います。

 

 

 

 

3:物販(グッズ)について

最後に、再び売上・損益面について立ち返って、物販収入に触れておきたいと思います。

物販収入の内訳は、先ほど紹介した経営ガイドにて「グッズ販売収入」「委託手数料」「ロイヤリティ」と記載があります。

 

委託手数料については、長野パルセイロの森脇氏のツイートがわかりやすいです。要するに外注ですね。

 

 

最近、京都サポの「グッズがイマイチ」という声をSNS上で見かける回数が増えた気がします。たぶん最近見始めた方が気付き始めたんでしょう(笑)

悲しいかな昔からずっと言われている事ですし、京都に限った話でもないです。

 

Jリーグでは、近年村井チェアマン体制で物販(マーチャンダイズ)に関する規制が大幅に緩和されてリーグ共通ECサイトも立ち上がりました。

引用元:https://jlib.j-league.or.jp/-site_media/media/content/48/1/html5.html#page=75

 

世界的にもマーチャンダイズ部門のテコ入れが目立ち、国内でも前述の規制緩和も相まって、金沢・岡山など地方クラブを中心に独自のマーチャンダイズ開発が進んだり、神戸やガンバの様に大手ブランドとのコラボでタウンユース商品を拡充するクラブが増加傾向にあります。

ユベントスの新ブランドロゴは、サッカークラブの常識を覆す | footballista | フットボリスタ

『PSGってなんかクールじゃん!』。BAPEにストーンズ…超異例コラボの意図を首脳に直撃 | フットボールチャンネル

 

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サイト|挑戦を、この街の伝統に。

『岡山魅力再発見プロジェクト』 第一弾 宮下酒造コラボ 『ファジビール』『ファジレモンサワー』を販売 | ファジアーノ岡山 FAGIANO OKAYAMA

ヴィッセル神戸 GELATO PIQUE×VISSEL KOBE 特設サイト

「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」が、Jリーグ・ガンバ大阪とのコラボアイテムを企画・制作|株式会社ユナイテッドアローズのプレスリリース

 

 

また、現Jリーグチェアマンの野々村氏も札幌時代に「グッズの売上が伸びて観客動員数が伸びれば将来有望な選手が獲得できる。そうすれば、クラブが更に強くなれるし、ACLも夢じゃない」と説いたそう。

世界的なデザイナーはなぜJ1札幌と契約したのか サッカークラブが抱える収益の課題(村上アシシ) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

北海道コンサドーレ札幌は、単純にクラブの売上を増やすだけでなく、クラブの理念を体現する手段として何ができるか?その一つがマーチャンダイズであると認識。

マーチャンダイズを入口に「コンサドーレ」というブランドに対する愛着を持った新規顧客を獲得し、その人達を試合観戦・チームの方へ結び付けていく事ができるかもしれない。また、地域の社会課題解決に繋げられるかもしれない。仮説を検証していく力強さを感じますし、その志の高さには惚れ惚れします。

今回開始する「PROJECT 179」事業は、北海道の全179市町村の地域活性化を目的とした事業です。プロジェクトに賛同いただいた企業や団体が購入するミズノ品の収益の一部を地域活性化策として還元します。今後はプロジェクトへの参画対象を一般生活者にも拡大する予定です。 還元施策の第1弾として、2022年から4月に入学予定の北海道全域の小学校1年生全員(約38,000人)に「PROJECT 179」オリジナル文房具を毎年提供する予定です。今後は、運動教室の開催や道内の施設への寄付等を予定しています

株式会社コンサドーレ ミズノ株式会社「PROJECT179」事業連携のお知らせ

 

 

前置きが長くなってしまいましたが、翻って京都はどうでしょうか?

以下の表は直近5年間の物販収入と経費を抜粋したものです。

 

2020年度を機に大きく物販収入と物販関連費が減少しています。

これは先ほどのパルセイロのケースと同様に業務委託している可能性が非常に高いです。そして委託先は状況証拠から察するにおそらく加茂商事でしょう。

 

どういった意図・経緯で外注に切り替えたのか不明ですが、物販収入と経費だけを見ると売上だけでなく利益も減少しています。販管費の方で別途経費削減に成功しているかもしれませんが…)

「グッズを買うことでクラブの強化に繋がる!」なんて思いで購買している層にとっては、残念ながら只の片想いと言えます。

 

前述した様なクラブ自身の努力で新しいグッズを積極的に開発したり、それをもってして新規層を開拓する様なクリエイティブな活動も難しいでしょう。

 

これは採算面も勿論、金勘定抜きで現状維持どころか衰退を選んだ非常にチープで愚かな嘆かわしい選択であったと個人的には思います。甚だ遺憾です。めちゃくちゃ時代の流れに逆行しています。

また、広く開かれた経営が求められるJリーグクラブでありながら、クラブの理念やビジョンに反しておきながら、この事について説明責任を果たさないのが更なる憤懣ポイントです。気に食わない。美しくないし品がない。

 

サポーターにとっては・・・

それでも良いと思ったグッズがあれば実際に購買しましょう。欲しい機能や不満について届くように声をあげましょう。

 

 

 

 

最後に

2021年度決算も内容自体は非常にポジティブで、戦績と業績が比例して右肩上がりの好循環が生まれています。債務超過の恐れもなく、安心してリーグ戦を戦える土壌があります。夏のウインドーでの補強も必要ならば資本を投下するだけの余力を有しています。

 

ですがコロナ禍以前の決算情報から鑑みるに、J1で安定して戦うには40億円〜50億円程度の予算を確保していく必要がありますので、20億円強もの不足分を「今ある収入の柱をより太くする事」「新たな収入の柱を作る事」で補って、京都サンガという家の強度を高めていかなければなりません。

(PDF注意:https://aboutj.jleague.jp/corporate/wp-content/themes/j_corp/assets/pdf/club-h31kaiji_1_20200731.pdf )

 

が、しかし。京都サンガが考える家の強度を高める策はさっぱりわかりません。どのように現状を把握し、どんな狙いを持っているのかわかりません。

他クラブがこうした経営状態の開示・説明を高い次元で行い、ファン・サポーター・スポンサーと共にリテラシーを高め、関わる人全てと共に手を携えて前進を図っている中で、依然として遅れをとっている状態を見ると「たまたま」上手くいっているだけでクラブの体質は何ら変わっていない再現性の低い状態です。

 

マーチャンダイズ然り、親方日の丸体質が変わらない限りは持続可能なチーム強化及び真に地域に愛されるクラブの実現は到底不可能と思われます。

 

新スタジアム開業、そして12年ぶりのJ1復帰。最大瞬間風速の追い風が吹いている今だからこそ、自分本位ではなく顧客・地域本位の活動の展開を実施しなければ、チーム成績及び試合内容への依存度を高めてしまう事でしょう。愛されるには、まず愛すること。

延いてはそれが監督への依存強化と、監督へのし掛かる責任の増大に繋がってしまう事は、回避して欲しいと願います。前所属クラブでの過ちと現場サイドへの過度な負担は決して無関係ではないでしょうから。

 

 

曺監督はチームが目指す到達点と目指すサッカースタイルを明確に広く説いています。だからこそ狙いとするプレーが起きた時、スタジアムで拍手が自然と生まれる様になりましたね。

これは選手だけではなく、支える側も含めた全員が共通認識を持って同じ方向を向いているからです。大木監督と中田一三監督の時も同様でしたね。強い一体感を感じます。

 

では、クラブが目指す方向はどこなんでしょうか? 目指すゴールに対して、現在地はどこなんでしょうか?

いま私たちは、明確な答えを共有できていますか…?(そもそも共有できた試しがあっただろうか)

 

私がサポーター向けに説明会を実施しないクラブ(京都に限らず)を嫌い、より明確な説明を実施するクラブを評価する理由はただ一つ。

目的・目標・実践項目を説明していないクラブは、「面倒だから説明しない」ではなく、「答えを持ち合わせておらず、そもそも説明ができない」クラブである可能性が高いから。

 

何の為に生まれて、何をして生きるのか。答えられないなんてそんなのは嫌だ

 

以上

 

 

 

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