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Jリーグは高校生・大学生に厳しい? 2023年J1クラブ 年間チケット割引率比較【暫定版】

 

 

まだシーズンレビューの途中だが、京都の年パス情報が公開されたので割り込み投稿。

 

自分達の分析をする上で、他所との比較を行うことは現在地を正しく見極めるのに役立つ。

今回は12月6日時点での暫定版ながら、年間チケットの割引率と、同時に価格の区分けについて取りまとめをしてみた。

 

 

 

年間チケットはクラブの経営基盤

 

シーズンオフに入り、クラブによって「シーズンパス」「シーズンチケット」など呼称は異なるが、一年間の試合観戦チケットを一括で前売販売する年間チケット(以下、今回は年間チケットで統一)の販売情報が次々と公表されている。

 

京都サンガも同様で、来季の年間チケット・ファンクラブ、そしてユニフォームデザインについての詳細が公表された。(さっさと買いましょうね)

 

クラブ経営に於いて、「まとまった売上(現金)をシーズン冒頭に確保する事ができる」「販売代行業者への手数料を軽減できる(=粗利率の向上)」「購入者は高い頻度で来場が見込める(=観客動員数の確保と追随して協賛価値等の維持増強)」などのメリットが見込める年間チケットは、最も多くの数を売りたい商品である。

購入者特典として多少割引を実施しても効率よく現金を回収できるアイテムなので、クラブは販売数を伸ばしに掛かる。

また、本来であれば毎年の購買数は右肩上がりになるはず(サポーターの数を積み上げていく事で)であり、少なくとも予算を設定する上で「堅い売上見込み」は非常に助けになる。

 

逆に、サポーター側にとっては、売れ行きに関係なくチケットを一括で先抑えできる上に1枚1枚購入するよりもお得に購入できると云うメリットがある。そして最もクラブに直接(金銭的に)貢献できる手段とも言える。

 

 

 

割引率高めの京都

来季の明治安田生命J1リーグに参加する全18クラブの年間チケット事情を調べてまとめたのが上の表になる。ちなみに熱心なホーム側のサポーターが集う席種(所謂「ゴール裏」)の価格であり、これが各クラブ・スタジアムの最安値という訳ではない。

なお、通常の1試合あたりのチケット単価がまだ公表されていないクラブも多いが、その場合は2022シーズンの値段を引用している(※該当のクラブは単価の数字に下線を引いている)。

 

陸の孤島こと鹿島の異様な安さ(ルヴァン杯ACLの全ホーム戦も対象となる)が目立つが、京都も割引率が31%とお買い得な価格設定である事がわかる。

これは過去から京都の年間チケット購入要因が、「クラブへの愛着?そんなものより安いからよ」と、いつまで経ってもクラブとしての成長が乏しい事の答え合わせの様な傾向が強いこととも関係があるだろう。

https://www.jleague.jp/docs/aboutj/funsurvey-2018.pdf

https://www.jleague.jp/docs/aboutj/funsurvey-2017.pdf 

https://www.jleague.jp/docs/aboutj/spectators-2016.pdf

 

京都としては、「クラブへの強い愛着」故に年間チケットを購入してくれる優良顧客をもっと育成しなければならない。

 

 

 

学生の財布に厳しい?

ついでに取りまとめをして気になったのは、大学生料金はおろか、高校生料金すら無いクラブが目立ったこと。

村井チェアマン体制で観客の高齢化はかなり鈍化したが、再び平均観客動員数2万人を突破し、そして持続的に増加を図るには、「青田刈り」は必須と言える。

 

しかし、現実はこうである。(広告主のお陰で)無料で楽しめてしまうコンテンツの世界から出てこないよねという気持ちになる。

 

 

サッカーをプレーする学生は、自身の練習や試合がJリーグとバッティングする。

可処分所得が限られる中で、チケットを買おうにも大人料金……

 

普及とは何だろうね!

 

 

See you soon…!