+1 プラスワン

京都サンガF.C.の試合を1年間全て現地観戦するとどれだけお金はかかるのか? 〜Jリーグクラブは収益性をどう高めるべきか〜

 

タイトルの通りです。

1年間、好きなサッカークラブの試合を全てスタジアムで観戦すると、一体どのくらいのお金が必要になるのでしょうか。

そして副題として、見えてきたJリーグの課題とは。

 

2023年シーズンの京都サンガF.C.公式戦全試合を観戦した私が、家計簿を基に振り返ってみます。

 

実際に掛かったお金

遠征費

アウェイ会場での試合観戦に要した交通費+宿泊費について。京都からアウェイ会場最寄駅又は主要駅迄の、実際に支払った交通費をまとめています。一部、主要駅発着にて換算をしているのは、観光等寄り道をするケースがある為です。

また宿泊費は含みますが、スタジアム内外での飲食費や家族・職場へのお土産代等は除いています。

寄り道の一例

 

 

リーグ:名古屋グランパス(豊田)

【行き】自家用車(名神:京都東IC〜名古屋高速:烏森IC+下道 2,220円)

【帰り】自家用車(名神:一宮IC〜名神:京都東IC+下道 1,990円)

=計4,210円

 

リーグ:湘南ベルマーレレモンガスS)

【行き】夜行バス+電車(京都駅〜横浜駅平塚駅 7,320円)

【帰り】電車+新幹線(平塚駅〜新横浜駅〜京都駅 14,120円)

=計21,440円

 

リーグ:横浜FCニッパツ三ツ沢)

【行き】夜行バス(京都駅〜横浜駅 6,500円)

【帰り】夜行バス(横浜駅〜京都駅 7,200円)

=計13,700円

 

ルヴァン杯FC東京(味の素)

【行き】夜行バス+電車(京都駅〜八重洲口〜飛田給駅 6,061円)

【帰り】電車+新幹線(飛田給駅〜東京駅〜京都駅 13,801円)

=計19,862円

 

リーグ:アビスパ福岡ベスト電器S)

【行き】夜行バス(京都駅〜博多駅 5,700円)

【帰り】新幹線(博多駅〜京都駅 13,440円)

=計19,100円

 

ルヴァン杯セレッソ大阪ヨドコウ

【行き】電車(京都〜長居駅

【帰り】電車(長居駅〜京都)

=計1,400円

 

リーグ:柏レイソル(三共フロンテア柏)

【行き】夜行バス+在来線(京都駅〜八重洲口〜柏駅 8,971円)

【帰り】在来線+夜行バス(柏駅八重洲口〜京都駅 5,851円)

=計14,822円

 

リーグ:横浜F・マリノス(日産S)

【行き】夜行バス(京都駅〜横浜駅 7,600円)

【帰り】新幹線(新横浜駅〜京都駅 13,700円)

=計21,300円

 

リーグ:北海道コンサドーレ札幌(札幌ドーム)

【行き】電車+飛行機+電車(京都〜神戸空港新千歳空港〜札幌 11,000円)

【帰り】電車+飛行機+電車(札幌〜新千歳空港神戸空港〜京都 7,700円)

【宿】1泊(2,250円)

=計20,950円

 

ルヴァン杯ガンバ大阪(パナスタ)

【行き】電車(京都〜万博記念公園

【帰り】電車(万博記念公園〜京都)

=計1,160円

 

リーグ:サンフレッチェ広島エディオンS)

【行き】在来線+新幹線(京都駅〜広島駅 7,680円)

【帰り】新幹線(広島駅〜京都駅 10,700円)

=計18,380円

 

リーグ:アルビレックス新潟デンカビッグスワン

【行き】電車+飛行機+バス(京都〜関西空港新潟空港新潟駅 12,040円)

【帰り】バス+飛行機+電車(新潟駅新潟空港伊丹空港〜京都 11,010円)

【宿】1泊(3,600円)

=計26,650円

 

リーグ:鹿島アントラーズ(カシマ)

【行き】夜行バス+バス(京都駅〜八重洲口〜カシマ 9,850円)

【帰り】バス+夜行バス(カシマ〜八重洲口〜京都駅 9500円)

=計19,350円

 

リーグ:ガンバ大阪(パナスタ)

【行き】電車(京都〜万博記念公園駅

【帰り】電車(万博記念公園駅〜京都)

=計1,160円

 

リーグ:FC東京(味の素)

【行き】夜行バス+電車(京都駅〜バスタ新宿飛田給駅 8,563円)

【帰り】電車+夜行バス(飛田給駅横浜駅〜京都駅 10,544円)

=計19,107円

 

リーグ:ヴィッセル神戸ノエスタ

【行き】電車(京都〜御崎公園駅)

【帰り】電車(御崎公園駅〜京都)

=計1,760円

 

リーグ:浦和レッズ(埼玉)

【行き】新幹線ツアー+電車(京都駅〜新横浜駅浦和美園駅

【帰り】電車+新幹線ツアー(浦和美園駅〜新横浜駅〜京都駅)

【宿】1泊

=計33,800円

 

リーグ:サガン鳥栖(駅前不動産S)

【行き】電車+新幹線+電車(京都駅〜博多駅鳥栖駅 9,650円)

【帰り】JR特急+新幹線+電車(鳥栖駅博多駅〜京都駅 13,770円)

【宿】1泊(5,505円)

=計28,925円

 

リーグ:川崎フロンターレ(等々力)

【行き】夜行バス+電車(京都駅〜八重洲口〜新丸子駅 7,426円)

【帰り】電車+新幹線(武蔵小杉駅〜新横浜駅〜京都駅 13,797円)

=計21,223円

 

リーグ:セレッソ大阪ヨドコウ

【行き】電車(京都〜長居駅

【帰り】電車(長居駅〜京都)

=計1,400円

 

年間計309,699円

 

当初、「1試合辺り1.5万円に抑えたい…!」と計画していましたが、ニアイコールとなりました。ルヴァン杯の予選Lにて在阪クラブ2つと同居したのが大きかったです。助かりました。というか、J1って本当に遠征が楽ですね。J2とは何だったのか…正田醤油スタジアムで日曜ナイター開催なんぞが無い。あと首都圏は近隣クラブばかりでさぞ楽でしょうね。

 

遠征手段については、基本的に公共交通機関を利用する様にしています。理由はいくつかありますが、1つは車での遠征は疲れる。特に日曜開催の試合は、月曜日の仕事を考慮して新幹線で帰宅したいもの。寝過ごさない様に深夜ラジオをタイムフリー聴取しながら、その週の仕事の段取りを考えるくらいが丁度良い。ケチって疲れを残す方が後々しんどい。

その分、費用を均す為にも夜行バスを積極的に利用する様にしています。ただし、3列シートの便や、4列でも前後の間隔がゆったりとしたリッチな便はマスト。試合にはちょっとでも良いコンディションで挑みたい+客層が値段に比例するので。

 

 

ファンクラブ

年会費 3,000円

 

後述しますが、もう少しお金を気持ちよく使わせてほしい項目。京都も3年ほど前からファンクラブ会員のグレードが複数に分かれたのですが、正直ハイクラスを選択するメリットを感じません。

引用元:【12/9(金)19:00プラチナクルー受付終了】2023 SANGA CREW会員募集のお知らせ | 京都サンガF.C.|オフィシャルサイト

 

 

チケット

シーズンパス(年間チケット) 38,600円

天皇杯チケット 1,710円

アウェイ戦チケット代総計 57,130円 

計97,440円

 

京都サンガの本拠地は、全面屋根付き・駅近・ピッチまでの距離が近く臨場感と見易さが抜群の"サンガスタジアムbyKYOCERA"。

しかし、そんな素晴らしい環境での観戦よりも、アウェイ会場での観戦にて支払うチケット代金の方が高い。。。

全面屋根付きのフットボールスタジアムが京都・ガンバ・神戸+広島(2023年から)だけな事を考えると、コアな層にはもっと値上げして良い。その分、学生や初心者に優しければ良い。

 

 

グッズ

ユニフォーム(ネーム入り)×3着 59,400円

Tシャツ 4,950円

計64,350円

 

2万円する代物を観戦初心者層が気軽に購入するのは難しい(よほどの熱狂を創造しなければ)と毎年強く思います。

 

 

 

観戦費用まとめ

遠征費+ファンクラブ会員費+チケット代+グッズ代=全部足して471,489円。

高いor安いorそんな程度なのか……貴方の感覚ではいかがでしょうか?

 

個人的には「こんなもんかな」というのが素直な感想です。

スタジアムグルメ等飲食費+サンガスタジアム迄の交通費+ユースの試合会場迄の交通費+DAZNの年間視聴料…等々を勘案しても、年間50〜55万円ほど。(本当は収入の7〜8%程度に抑えておきたかった。2024年の課題かな)

 

自家用車であったり、抑える努力をすればもっとローコストにはできたでしょうが、公共交通機関が主体でも年間50万あれば(あとチームが弱くて最小限の試合数になってしまえば…)全部見れます。

だからこそ、京都ももっとアウェイ会場でも席が埋まるはずだと思うんですよね。往年のパ・リーグ並みに空席の多さが目立ってますが。読んでいる貴方、もっとスタジアムで応援できますよ。

 

そしてここで1つ思うのが、観戦頻度の高い所謂"コア層"に該当するサポーターが年間50万円強も叩いていても、応援するクラブの売上に繋がっているのはグッズ代+シーズンチケット代+ファンクラブ年会費の計105,950円のみという現実です。

 

こんな京都サンガサポーターが居たと仮定します。

・アウェイ観戦は年1〜2回程度

・ファンクラブは最上位グレードに加入

・ホームゲームはメインスタンドのシーズンチケットを購入し、9割方観戦

・ユニフォームは1着購入

 

すると、このペルソナの場合はファンクラブ年会費50,000円+シーズンチケット70,500円+ユニフォーム19,800円=計140,300円で、全試合現地で観戦し応援する層よりもクラブへの売上貢献度が高い。そしてホームゲーム時の交通費や年1〜2回のアウェイ遠征関連費用、DAZN視聴料を足しても年間で20万円ほどの出費に収まるでしょう。

 

スタジアムへ足を運び、応援というアクションをより行っているのは全試合現地で観戦する層かもしれない。

しかし、監督・選手・クラブスタッフらの人件費=チーム強化の資金原資に対して、よりダイレクトに貢献しているのは皮肉にも後者の方。

 

つまり、Jリーグというコンテンツは、全国各地域の交流人口を増加させ、本拠地周辺の交通機関・宿泊施設・飲食店・観光施設などに対して一定の経済波及効果をもたらしてくれる・消費を促す力を有する一方で、Jリーグクラブ自身の収益力が弱い側面があります。

熱心なリピーターが、経済的観点で実態を捕捉すると、実は優良顧客とは言えないこともある。観戦頻度の高さとクラブの実入りが必ずしも比例する訳ではない。これがJリーグの特徴の1つです。

 

 

 

非効率なビジネスモデルからの脱却へ

そこで3つのアイデアを述べておきます。

 

イデア1:経験価値の会員特典の充実でランクアップを誘発

1つは安価な席種のリピーターからの収益を上積みする方法です。

京都に限らず、ファンクラブ会員グレードが上がる程、チケット引換券やグッズ等の割引券の枚数を増加させるプロスポーツクラブは多いです。しかし、チケット引換券はシーズンチケットを購入する層にとって魅力を感じづらいもの。だってもうチケットがあるし。

 

好事例として紹介したいのが、ヴィッセル神戸の最上位グレード(プレミアムクルー)。お値段なんと33万円と国内のスポーツ興業では類を見ない価格設定ですが、希少価値の高い特典を盛り込んでいて訴求力を強めています。

引用元:コース概要 - ヴィッセル神戸ファンクラブ | VISSEL SHIP(ヴィッセルシップ)

 

また、プロ野球読売巨人軍では55万円の最上位グレード(グランドスラムメンバー)では、選手のサイン入りバットorボールorユニフォームを含む様々な特典が得られます。岡本か坂本か長野のサイン入りバット…中々魅力的です。

引用元:GRAND SLAM MEMBER|CLUB GIANTS 2024シーズン|読売巨人軍 公式ファンクラブ

 

両者共に、リーグ屈指のスター選手を確保しており、故にプレミア価値のある内容となっている側面はあります。ですが、一種の金券をただ単にバラ撒くのではなく、ハイグレード会員ならではの経験価値の高い特典を増やす事で、グレードアップの誘引および収益性の向上に結びつけています。

 

例えば京都でも、「川﨑颯太のサイン入りキャプテンマーク」や、「武田将平と数本パス交換→サイン・写真撮影」など、何千人には提供が難しいけど数十人に絞れば提供可能かつ一定の需要家には高く評価されるものは探せば有るはずです。

上記の例で言えば、原価なんてキャプテンマーク×個数分だけ。1個1,000円程度の代物が人によっては1万円〜2万円の価値が付く物になるかもしれません。実際に試合で着用したものの提供であれば、もっと高まるでしょう。

ファンにとっては、希少価値のある経験やモノがお金を払う事で確実に確保できる。クラブにとっては高い粗利を確保できる。更には、きっかけは特定の選手個人だったとしても、ハイクオリティな経験価値の提供を通じてクラブへの愛着向上と定着率向上に期待できる。非常に良いWin-Winの構図ができるのではないでしょうか。

 

サッカー選手は365日の内、クラブチームでは年間40日程度しか試合がありません。その内、クラブの収入源となるホームゲームは20試合程度。更に試合に出場するのは30名前後の内、スタメン11名+数名。あとの345日ほどはクラブが年俸を負担して、選手にトレーニング環境と雇用(但し期間限定)を確保してあげている訳です。スポンサー営業やチケットセールスのスタッフとは桁違いの年俸を受け取りながら、実際にお金を生む活動としては稼働時間は本当にごく僅か。はっきり言ってコスパが悪い。

ならば選手には試合以外でもお金を生む働きをしてもらえば良いし、ファンにはお金を気持ちよく落として貰える仕組みをつくれば良い。

 

 

イデア2:リッチな観戦体験の充実

1と同様で、経験価値の高い観戦パッケージを提供する事により、客単価を向上させようというものです。

PSGの《100万円VIP席》に座った記者が国立でビビりまくり体験「高級シャンパン飲み放題なの?」「クラシックを生演奏してる…」 - Jリーグ - Number Web - ナンバー

戸惑いと成果と。当事者たちが振り返る、ガンバ大阪「ユウキ♥︎ガール」企画の賛否両論――クラブ×サポーターの共創がもたらすもの(前編) - footballista | フットボリスタ

 

昨今、Jリーグでも"ダイナミックプライシング"の導入により、チケット単価の向上を図ろうとするクラブが増加傾向にあります。

京都やガンバ大阪の様な観戦環境の整ったスタジアムを保有するクラブや、収容率(=入場者数/入場可能数)が高止まりし常時満員に近い状態のクラブならば、需要と供給のバランスに応じて価格の弾力性を高める事も理解はできます。

 

現実はどうでしょうか?陸上競技場を始めとした見窄らしい観戦環境・体験ながら値上げを敢行し、その結果、観戦初心者や家族連れの客足が遠退く様な価格設定で流通。適切な価格設定により観戦者の層・パイを広げるよりも、元々1万人程度居る既存のリピーター層の財布を無理やりこじ開けているだけの施策に感じてしまっています。(短期的には見た目の収益性は向上するのでしょうが)

 

チケット価格を軒並み底上げする事で収益性を高める行為は理解こそできますが、その分金銭的な観戦障壁は高まってしまいます。

世の中を広く見渡せば、映画館では2千円出してもお釣りが返ってくる。なんならNetflixAmazonプライムの様なサブスクで十分。家を出る必要もない。雨風に打たれながら、暑さ寒さに耐えながら、遠く離れた豆粒大の選手達による特に盛り上がりを見せることない試合を見るよりも、家で違うコンテンツを見ている方がよっぽど快適で計算も立つ。

 

パレートの法則」をご存知でしょうか?

パレートの法則とは、「2:8の法則」とも呼ばれる。 顧客全体の2割である優良顧客が売上の8割をあげているという法則のこと。
全ての顧客を平等に扱うのではなく、2割の優良顧客を差別化することで8割の売上が維持でき、高い費用対効果を追求できるとするもの。パレートの法則は当初の所得分布の経験則としてだけではなく、現在では、品質管理、在庫管理、売上管理、マーケティングなどにも適用できるとされており、経済以外の自然現象や社会現象まであてはまると言われている。たとえばマーケティングにあてはめると、「全商品の上位2割が8割の売上をあげる」、「10項目の品質向上リストのうち上位2項目を改善すれば8割の効果がある」などのように使われている。

「パレートの法則(2:8の法則)」とは? | マーケティング用語集 | シナジーマーケティング株式会社

 

2万人から500円を徴収するのも、20人から50万円を徴収するのも、結果は同じ1,000万円なのです。

相応の対価を支払ってくれる層をターゲットにしっかり価値を提供してあげれば、固定化された既存客を相手に"せせこましく"値上げをせずとも、収益性の向上と誰もが気軽に購入できるチケット価格帯との両立はできるはずです。

 

 

イデア3:ゴール裏のチケット価格の値上げ

敢えて、2で挙げた事と相反するアイデアを最後に挙げたいと思います。

 

スタジアムの席種を、ホームサポーター席&アウェイサポーターエリア※・バックスタンド・メインスタンド・その他の大きく4つに分別し収容率を比較した場合、ホームサポーター席&アウェイサポーターエリア=所謂"ゴール裏"が多くのスタジアムで最も収容率の高い席種となるでしょう。

※京都で言えばホーム指定席+ビジター指定席

 

この背景には「価格が安い」「席数が少ない」といった要因も含まれると思いますが、考えられる最大の要因は「応援したい熱心な層が集まる」から。

京都でも、2022年秋に声出し応援が解禁された際には早期の完売となりました。(席数が上限50%だったことも多分に影響しましたが)

≪声出し応援適用試合≫【10/8(土)名古屋戦】当日券販売について | 京都サンガF.C.|オフィシャルサイト

 

先述した通り、Jリーグクラブの収益性を高めるには熱心なリピーターからの集金効率について見直しが必要です。

熱心なリピーターが、経済的観点で実態を捕捉すると、実は優良顧客とは言えないこともある。観戦頻度の高さとクラブの実入りが必ずしも比例する訳ではない。これがJリーグの特徴の1つです。

 

ならば、これまでも「西京極においてSB自由席に当たるバックスタンドの自由席、こちらを2500円に。熱心なサポーターが集うゴール裏はそれより高い価格(例えば2800円)で良いと思います。お金は取れるべきところから取るべき」などと述べてきましたが、人気のある席は需要を勘案して値を上げれば良いのです。

 

値上げをすれば「安いから」という理由で選択する層は違うエリアへ流出が予想されます。裏返せば多少高くとも「応援したい」からこそ購買する層が残る訳ですから、熱量はむしろ高まるかもしれません。これは「応援したい」と思って購買する層にとって、より価値を高める側面もあります。

反対にデメリットも複数考えられますが、「シーズンチケットの割引率を増す」「学生〜25歳以下については安価な価格設定に抑える」といった柔軟なプライシングでカバーをすれば良い話だと思います。

①小中学生は最安2,000円で年間見放題の川崎フロンターレ

シーズンチケット2024 - チケット・観戦 | KAWASAKI FRONTALE

 

②U-25価格帯の設定があるヴィッセル神戸

ヴィッセル神戸 チケット : シーズンシート2023 : 座席・料金

 

③バックスタンドの一定エリアよりも、ゴール裏の立ち見で応援可能なエリアを高価格に設定するセレッソ大阪

2023シーズン セレッソ大阪ホームゲームのチケット販売について | セレッソ大阪オフィシャルウェブサイト | Cerezo OSAKA

 

 

 

熱心なリピーターからの収益を今より積み上げ、マーケティングや競技普及に活用する。チーム強化に活用する事で試合内容の質向上や「見たい」と思える選手の獲得を図る。その結果、クラブの裾野・マーケットを大きく広げることができる。そうした好循環を作らなければならない。

しかし、日本にプロサッカーが産声を上げて30年が経ちますが、今なおJリーグ全体で稼ぐ工夫の至らなさを感じてしまいます。

2024年は、キャッシュポイントを創出する面白い取り組みが今まで以上に増えることに、期待しています。

 

See you soon…!

 

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