+1 プラスワン

【2023高円宮プリンス関西】16節 京都サンガU-18 vsセレッソ大阪U-18 8-3○

 

前節、ガンバ大阪ユースを8-1の大勝で退けた京都サンガU-18

今節はもう1チームのJクラブユース、セレッソ大阪U-18との対戦に挑んだ。

 

世代別代表の遠征などで、主力の喜多・飯田・熊谷を欠いた京都は、布陣は変えずにメンバーを入れ替え。

GK三反畑は変わらず。DF右から三宮、村田、神田、坂川。中盤は尹星俊、住、立川。前線は右から兎澤、安藤、吉田。

飯田が不在の左SBにはFW登録の坂川賢祐(2年生)を起用。CBは、普段右CBを務める神田を左にスライドし、右CBに村田虎太郎(3年生)を。CFには普段2列目を務める安藤を上げて、立川遼翔(2年生)をスタートから起用。ゲームキャプテンは3年の安藤が務めた。

 

 

GKから地上戦で繋ぎに掛かるセレッソと、前線から果敢にボール奪取を試みる京都。良い試合の入り方をした京都は、ボールを回収すると直ぐに前線の3人へボールを付ける事で相手陣地で試合を進めていく。特にセレッソの右SBを狙い撃ちしていく。

 

セレッソは前進を試みるも、パスの精度・強さ、配置、持った際の個人のキープ力、運び方……明らかに技量が足りていない。ガンバほどではないが、個人能力の差は明らかで、組織としてもチグハグ。浮き玉のパスで京都の1stDFを交わしにかかるも、回収されてしまう。

 

すると前半11分。セレッソGKのグラウンダーのパスを正面で安藤がカット。安藤・立川が立て続けにシュートも防がれるが、最後はこぼれ球を拾った兎澤が1人交わして冷静にゴールへ流し込み先制。

 

喜ぶ間もなく、立て続けに安藤が追加点。

更に21分には、左サイドへのサイドチェンジを受けた左WG吉田遥海(3年生/11番)がドリブルでゴールへじわりじわりと前進させる中で、左SB坂川が機を見て左ハーフスペースへインナーラップ。セレッソDFを惹きつけ、吉田は空いたスペースを活かしてカットイン。左斜め45°の"デルピエロゾーン"から糸を引く様なコントロールショットで逆サイドネットを揺らす。

吉田はいつも美しいコントロールショットを見せてくれるが、このゴールは今年の京都の全ゴールの中で最も繊細で美しいミドルシュートだったかもしれない。

 

4点目も左サイドから。吉田を再びインナーラップで追い越した坂川。吉田からのパスを受けると、ゴールラインへ突っ込み過ぎて身体の向きは苦しかったが、無理に反転せずヒールパスを選択。走り込んだ吉田とのワンツーが完成。吉田は中へ折り返し、立川がプッシュしてゴール。

 

 

セレッソDFはスライドも特に機敏ではなく、大きな展開からSBとの1vs2を作ることで何度も何度も決定機を作り出せていた。また自陣でボールを持った際も、東海大仰星や興国などはCB→SBのパス交換時に効果的なプレッシングを開始する事で京都の前進を阻んでいたが、ガンバ大阪ユース同様に組織的な守備は見られず、一方でボール保持が上手い訳でも無いので京都に殴られる時間が続く。一体何がしたいのか組織の意図が感じられない。

今年のプリンス関西では、高体連の強豪校と、在阪Jリーグクラブのユース2チームとでは、明らかに前者の方がディシプリンを保ち、ハイインテンシティ(≠単なる物理的な"強度")であった。良いチームだったし、良いサッカーをしていた。京都の選手を見て、どう振る舞うべきか判断し、京都が嫌がるサッカーを仕掛けてきていた。一体全体どうなっているのだろう?)

 

 

前半を4-0で終えた京都は、後半も止まらない。

後半3分。左サイドに負けんぞと、オーバーラップを仕掛けた右SB三宮がクロスを上げようとすると、対峙したDFが広げた手に当たりPK判定。これを兎澤が冷静に沈めて5点目。

 

 

後半13分、立川のパスを受けた吉田が相手DFとの1vs1を縦へ突破。抜き切る前に左足を振り抜き、ニアサイドへ痛烈な一撃で6点目。

 

ここからセレッソも少しずつ反撃開始。後半17分に個人技で1点返す。

対する京都は後半22分に中央から右ハーフスペースへ斜めに抜け出た安藤が、住のスルーパスを受けると、縦ではなく懐を使って切り返し中へカットイン。ワンフェイク入れて左足を振り抜くと、逆サイドネットへ。これで7-1

 

この辺りで1年生が大量に交代出場。3年生の奥慎之介も久々の出場。

 

試合終盤、ミスからセレッソが再び1点返した後、安藤がピッチ中央をドリブル突破。PA手前でセレッソDFがファウルを犯し、得たFKを蹴るのは安藤自身。丁寧に巻いたキックは左ポストに当たり、ゴールの中へ吸い込まれていく。美しい直接FKでハットトリック達成!

 

ただこの後後半ATに再度失点。結果、8-3のスコアで試合を終えた。

 

2試合連続の8得点と見事なゴールラッシュで、ガンバ・セレッソとの力の差を見せつけた事は素晴らしいが、終盤にかけてかなりルーズになってしまった為、試合後は監督・コーチから長めに話を受ける様子も……

 

とはいえ、プレミアリーグ参入プレーオフそしてプリンスリーグ優勝へまた一歩近づいた事は間違いない。

また、ちょうど1年前にセレッソ大阪U-18とのB戦を観戦した際は、個々の足元の技量の差を心配していたが、(相手方の自滅的崩壊もあるとは言え)成長が多々見られた。吉田、兎澤、安藤そしてこの日は不在だった熊谷ら、前線のタレントの個人能力と破壊力は、プリンスリーグである事を差し引いても過去トップレベルではないだろうか。個人的には、山田楓喜の3年時と今年の兎澤なら後者の方が上だと思う。それくらい伸びたし、トップ昇格は逃したが今後が楽しみなタレント達である。

 

 

次節は11月26日(日)16時に近大附属高校(@近大附属)と対戦し、勝利すればプレーオフ進出&優勝が決定する。最大の目標へ向けて、残り試合全勝で有終の美を飾りたい。

 

 

 

で、試合後はやまびこへ。熱々うどんが沁みる季節になって参りました。

 

 

See you soon…!