+1 プラスワン

【2023 クラブユース選手権U-18】関西地区予選 ヴィッセル神戸U-18 vs 京都サンガF.C.U-18 @いぶきの森球技場

 

ヴィッセル神戸U-18 3-2 京都サンガF.C. U-18

得点者(京都のみ)

【京都】11'、28'熊谷

 

 

下道で3時間半。遠いな、いぶき。いや神戸が遠いのか。

 

 

スタメンはやや変化あり。GKに1年生の本多を抜擢。

FPは見慣れた面々。DF右から三宮・神田・喜多・飯田の4枚。中盤3枚は尹星俊と石本と前に安藤。3トップは右から兎澤・熊谷・吉田で変わりなし。

 

 

試合は開始早々から動きを見せる。

今年度関西勢唯一のプレミア所属クラブである神戸に、京都は物怖じすることなく攻勢に出る。

 

守備時はオーソドックスな4-4-2で迎える神戸に対して、右サイドを中心に攻める京都。神戸のプレス強度も低く、前へ前への姿勢が上手くハマる。またCF熊谷のポストプレーと兎澤の収まりの良さが前進を助ける。

 

積極的にシュートを放っていく展開の中で、敵陣深く右サイドを侵入し兎澤からエリア内の熊谷へ。

体勢はゴールに対して背を向けるような形だったが、マーカーを背負いながら足裏でのボールコントロールで上手く右サイドへとターン&コースを作り、逆サイドへグラウンダー気味にフィニッシュ。

熊谷の技ありのゴールで先制に成功する。

 

 

その後もペースを握る京都。

神戸自陣深くでのプレーで、神戸GKがビルドアップを引っ掛けプレゼントする形に。すぐさま熊谷にボールが送られ、右サイドから角度はあまり無い中で脚を良く振り、GKが触った様に見えたが勢いで押しきる。追加点。早くもドッピエッタ

 

更にはDF裏へロングフィードに抜け出し、あわやハットトリックのシーンを迎えるも、粘る神戸DFと飛び出した神戸GKの好守もあり、なんとか当てただけのシュートは力なくセービングされる。

 

 

ここまで完全に京都のゲームであるが、こうなると揺さぶりが怖いもの。この予感は的中してしまう。

 

 

京都DF裏へのボール処理で喜多はバックパスを選択も、GK本多がキャッチしてしまい間接FKを献上。

これ以前にも二度三度GK〜DF間のボール処理が有ったが、きちんと声を掛け合えているのか、連携がパーフェクトとは言えない素振りであった。

神戸FWの進路を背中で切っている間に前へ出て処理して欲しい3年生の喜多。1年生で公式戦では初スタメンの本多。この関係性も滲み出たか。

 

神戸はこの間接FKを決めて、1-2で折り返す。京都としては2点目こそ許さず切ってハーフタイムに突入できた。

 

 

しかし後半開始以降、ゲームはじわりじわりと神戸のものになる。

少しポジションを工夫しつつ、京都のプレスに慣れた神戸はボールを失わず京都陣地に侵入回数を増やしていく。というか握り続ける。

 

京都は前から果敢にプレスに出るが単発。ないし行って剥がされた後に、剥がした選手をマンマークで追えれば良いのだが浮いてしまう。だからトップチームと一緒で、相手はワンツーで落ち着いて簡単に前進することができる。

もちろん奪いきる、ミスを誘ってマイボールにするシーンもあるのだが。自陣ゴールへ戻りに走らされるシーンが増え、方や奪った後のボールは上手く前進させられず潰れてしまう。

 

ジリジリと神戸の時間が続く中で、京都右サイドで突破に対するスライディングが遅れて入りPK献上。まあこういうプレーが出るよねという展開。神戸はしっかり決めて2-2。試合は完全に振り出しに戻る。

 

 

スコア上はイーブンでも、特にユース年代の試合ではこうなると精神的に圧倒的優位は神戸である。

 

それでも京都もショートカウンター、ロングカウンターで決定機を迎える。安藤のミドルシュート。右サイドを深く抉って、マイナスの折り返しに柴田が合わせたシーン。刃は突き付けたまま。

 

しかし神戸もロングカウンター含め決定機を演出。行ったり来たりでオープンな展開になってきた。

 

この様な状況下で、より相手を見てプレーができれば良いのだが……

例えば、相手PA内で同数ないし局地的に(ファーorニア)数的優位ならば抜ききらずとも早めにクロスを上げてみるとか。しかし、どうしても焦りと体力の低下もあり、最後のズレで僅かに合わない。また相手が嫌がる選択肢を突き付ける様なプレーが出ない。この一皮を剥ける剥けないはクラブが授けてあげられるかどうかである。

 

72分。CKのこぼれ球をエリア外から被弾もブロック。エリア内でリフレクションを豪快に叩き込まれ失点。

逆転を許した後も最後まで諦めずに攻勢へ出るが及ばず。3-2の逆転負けとなってしまった。

 

 

 

神戸は全体的に選手の身体が大きく、また守備のディシプリンを感じたほか、世代別代表の本間ジャスティンを筆頭に「相手を良くみてプレーを選択できる」選手が複数居た。

中でも本間選手の落ち着き具合は流石と唸らざるを得ない。対人守備の安定感と、前面の味方サイドアタッカーのフォロー。後輩へのコーチングも相手を良くみて発している。正直、彼は今日の試合に出るよりも、トップチームの練習に混じった方が経験値が詰めるのではないかと思ってしまう程であった。

 

京都は、神戸相手に良く戦ったが、0-2からコントロールできなかった面を含めて、ここ数年の京都サンガF.C.のサッカーが如実に現れた試合と言えるだろう。

この壁を乗り越えられるかどうかは、勿論本人たちの気付きや頑張りは不可欠だが、周りの大人の助けも必須である(戦術批判ではない)。

 

 

 

See you soon…!