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〜フロントへの横断幕掲出について〜【2023J1】第34節 京都サンガF.C. - 横浜F・マリノス

 

はじめに

今回のポストは、リーグ戦および2023シーズンの最終戦にて横断幕を掲出した件についてです。

 

 

・起きていた出来事

・メッセージの意図

・一連の流れに関する私見

試合後にツイートしました通り、時系列で詳細の説明をしたいと思います。

 

先立ってお詫びしないといけないのが、12月3日に開催された最終戦から4週間遅れでの投稿となってしまった事です。

この遅れについては、1点目は単純に多忙で書き終えるまでに時間を要した事。2点目に、フロント側から「安藤強化部長代理については、強化部長として就任するというリリースを近日中に行う」との説明があり、この事に言及する以上は就任リリースを待って投稿する必要があった為、遅くなってしまいました(※就任リリースは12月22日に実施されました)。ご了承ください。

 

また、ツイートにも記載した通り、今回の幕作成については多くの方の協力をいただきましたが、文言の内容については文責である私にあります。クレームや御意見については私1人のみにぶつけていただければと思います。

 

 

時系列

・10月末

最終節に「横断幕という形でメッセージを掲出しよう」という話を持ち掛けてもらいました。

 

そこで私は、過去(2014年と2017年)のホーム最終戦にて掲出された幕を振り返り、ここ数年のクラブの道のりを精査し照らし合わせた上で、文言を考え始めました。

(2017年に掲出された内の「聖域・私心・保身・精神論・全部不要」は、当時の私が考えた文言でした。)

 

 

・11月15日

ULTRS KYOTOさんでチーム向けに幕を出される様子…とのことで、チーム(現場)ではなくフロント・クラブを対象とした幕を掲出する方向となりました。

限られた文字数で、コンテクストを全て詰め込むのは不可能。なので、京都サンガの更なる発展と成功を成し遂げる為に、少しでも良い未来を皆で目指していく為に、

サポーター・スポンサー・マスメディア…京都サンガに関わる全ての人が「現状は一体どうなんだ?このままで良いのか?」と改めて考えるきっかけになる幕を作ろう!という目線合わせの上で、原案の整理を行いました。

 

 

・11月21日

「30年目も尚、強化・経営のプロ化は未完。いつまで強化部長"代理"?」を軸に制作する事が決まりました。

 

このメッセージですが、

・現役引退から1年半の間を広報畑のブランドアンバサダーとして活動してきた安藤氏を、22年夏に強化部門未経験ながら突如"強化部長代理"という実質強化部門トップのポストに就任させた事とその説明がない事

・就任させた後、"強化部長代理"という謎の肩書のまま1年半放置されていた事

・文字通り"代理"で、実際には過去からクラブ内で繰り返されてきた様に、安藤氏を隠れ蓑に暗躍する人物が居る可能性がある事

・安藤氏就任の要因である、加藤久 強化アカデミー本部長の突然の退任理由およびそもそもの招聘理由についても一切の説明がない事

・経験不足/スキル不足である安藤氏をフォローする人材の採用等について、実施の有無が不明かつ一切の説明がない事

・仮にフォローする人材の採用が無い場合、22年夏の就任当時で判明していた安藤氏以外の強化部スタッフは中山博貴氏(2015年引退→2018年より強化部)と山田俊毅 氏(2015年クラブに復帰→2021年より強化部)の京都しか知らずまだ強化部門のスタッフとしては"駆け出し"の2名のみと脆弱な体制である事

・繰り返しになるが、この様な状況下でクラブからサポーターらに対してオフィシャルの状況説明は一切なく、不信感を払拭しないまま「応援してください」と都合よく要求してくる事

を背景に、まず最も耳目を集めやすい"強化部長代理"のワードを使用。

 

そして2014年のプロ化20周年目や2017年(そしてJ3降格危機を迎えたあの2018年)と比較して、強化(競技)部門と、強化部門も含めたクラブの運営・経営において、残念ながら目に見える情報からクラブの内情を分析したり、この目と耳で情報を可能なだけ集めた限りでは、実態として進歩したとは言いづらく、プロ化30年目を迎えた今もなお過ちを繰り返しかねない脆弱な状態に見える事から、歴史・継承も重視した上で、私が考えた文言です。

 

 

・12月2日の13時

試合前日です。パトリック選手の契約満了リリースが為された以外に特段発表が無かった為、予定通り幕の作成に着手しました。

その際、ULTRAS KYOTOさんの幕と内容が重複しない様に打ち合わせ。また、あくまで掲示する対象はフロントや世間に対してであり、選手たちの頑張りを批判する訳ではないことを示す為に、幕の掲出は最終戦後セレモニーの『入場〜主将挨拶』間にのみ掲示することを決めました。

 

原案こそ決まっていたものの細かい文言・ニュアンスを悩んでいた為、ULTRAS KYOTOさんが、先にパトリック選手への惜別の幕と同時に「2024さらなる成長を内容だけでなく結果でも示せ」の文言でチームへの幕を書き上げられました。

 

そして私共は、文字数やキャッチーさなども勘案して最終的に「いつまで代理?京都のスタイルとは?J1定着とその先へ強化・経営のプロ化は急務」の内容で幕を作成しました。

 

「いつまで代理?」・・・既述の通り。一番前に持ってくる事で、疑問を呈しようと。

 

「京都のスタイルとは?」・・・1つ目に、選手たちが迷いながらプレーをする場面が散見される点。2つ目に、ULTRASさんの文言では、その様な状態で"内容が成長していると手放しで認めてしまう"事になるなと感じた為。3つ目に、フロントは曹貴裁監督に委任しすぎていて、アカデミーを含めクラブとして持続的な強化が難しい点。この3点から少し文言を加えました。

選手コメントでも、後半はボールを握れる時間ができたんだけど、前半からああいう戦いをしなきゃいけなかった。例えば前半の立ち上がりの部分で、割り切って長いボールを蹴るのかどうか。そういったところも少し曖昧だったのかなと思います。」「試合の中で僕たち選手が考えて、ピッチ状況も含めて、どういうサッカーをしないといけないのか、どういう時間帯でどう戦うのかなどを、もっと話し合うべきだったと感じています。などと語られるなど、体制3年目にしても尚、チーム内でプレーの優先順位や狙いが整理しきれておらず自滅する・後手を踏む場面が多く見られました。

これまでも説明してきた様に、曹貴裁監督はチームとしてどう戦うかを隅々まで整理する監督ではありません。選手に個人としての役割を与え、どう振る舞うか具体的なタスクそのものについては大部分を委任しています。その為、選手個人は各々与えられた役割を果たそうと一生懸命頑張るが、チームの利害と有機的に結びついておらず、チームスポーツでありながらチームワークが生まれづらい仕組みとなってしまっています。

曺監督はチームをまとめるにはルールが必要とした上で、「ルールを作るほど選手が自分で考えなくなり、ピッチ上で乗り越えようとする力がどんどん下がっていく」と話し、できるだけルールを作らないようにしていると明かした。

「スタイル」の定義は人それぞれ異なってしまう為にリスクもありましたが、現実としてピッチに立つ選手達が迷いながらプレーしている時点で、このままではただ単に運動量やスプリント回数で勝るだけでなく、"これが京都のサッカーだ!"と広く誇れるだけのスタイルやクオリティは体現できるはずがない。いつも見せられているのは曹監督のサッカーでしかなくて、京都サンガのサッカーにはなり得ていない…と。

 

「J1定着とその先へ」・・・目線を提示する為に盛り込みました。監督や安藤強化部長代理らは"成長"というワードを用いる事が多いですが、その成長は一体何を基準に判断しているのか?昨日より一歩前へ進めば確かに"成長"、でも周囲のライバル達も同じ様に"成長"を遂げる。少なくともあの日掲出された言葉たちは、"J1定着とその先(=タイトル等好成績・常に満員のスタジアム・真に地域に愛されるクラブetc…)"という高みを見据えてのものである事を広く理解してもらう為でした。

 

「強化・経営のプロ化は急務」・・・先に見据えた目線に対して、プロ化30年目もなおこのクラブは真のプロではない。トッププロではない。おかしな事だらけで、おかしな事について原因を追求しようと情報開示を求めると「やりたくない」「できない」と説明を行わない。この体質を改めないといけないよというメッセージを込めました。

 

限られた文字数で示す為、「プロ化は急務」と、裏返せば「君たちはアマチュアですよ」と捉えることのできる表現になった為、直球過ぎたかなとは思っていました。

し、この時点では「内容は伏せて出すしかないんじゃない?」という風に話し合っていました。

 

12月2日の夜

ULTRASさんの幕が、掲出許可申請を行ったところ、クラブからNGの返答を得た事がわかりました。

理由としては「"示せ"の文言が高圧的である」ことを含めて、「クラブを応援する内容の幕ではない」「クラブの現状認識と違う」といったものでした。

 

「示せ」が高圧的ならば、「邪魔する奴らは全部ぶっ飛ばそうぜ」や「◯◯黙らせろ」といったチャントの歌詞はどうなるのか?主語に選手達も含まれているから良いのか?

クラブと認識と違うから、批判は全く受け入れないのか?

 

興行としての安全性等を担保する為には、明確かつ理解のできるボーダーラインを基に、NOを突きつける行為も然るべしだと思います。

しかし、このULTRASさんの幕へのNGの時点で非常に恣意的な判断で単なる保身でしかないのでは?という、改めてクラブに対する不信感と疑念を感じました。

 

そしてULTRASさんの幕でNGだった以上、私共の幕はまず間違いなくNGでしょうから、ここで「正々堂々と主張するべきだ」と事前の掲出許可申請を行うことにしました。当然ながらNGを喰らいました。

 

 

12月3日の午前中

諸般の事情で参加できなかったので、代わりの代表者がクラブ側との交渉に臨んでくれました。ULTRASさんも同様で、数時間の不毛な議論が為されたそうです。

交渉の末、ULTRASさんの方は「結果で示せ」→「結果で示すぞ」に修正する事で掲出が許可されたと

 

一方で、私共については「いつまで"代理"?」と「強化・経営のプロ化は急務」がNGでした。

その理由としては、以下のようなものでした。

いつまで代理・・・「強化部長になる事が決まっていて、近日中にリリースが出る」「安藤氏個人への批判と捉える人が出て、安藤氏に大勢からの矛先が向かうのはクラブとして困る」

 

強化・経営のプロ化・・・「営業収入は右肩上がりで過去最高の状態。このタイミングで経営批判をされると、集まったスポンサーからも『経営は大丈夫なのか?』と疑われる可能性がある」「君たちの幕は経営面でマイナスにしかならない。クラブが良い状態にあるのに足を引っ張るのか?マイナスとわかっていて掲出するのか?分かっていて出すのならば、それがサポーターのやる事なのか?」

 

これに対し、"代理"を外せばそれで万事OKではない事。"安藤強化部長代理"を対象に批判しているのではなく、1年半も"代理"のままにしている現状や背景、ひいては指名した側について疑問を呈している事。経営がうまく行っていると言うのであれば、過去から要求しているように、できている点・できていない点を説明し、今尚多く残されているできていない点の改善に繋げてほしいと要求。

しかし、①伊藤社長と安藤強化部長代理に矛先を向けてほしくない・②Jリーグが公表している経営数値以上に開示する気はない。サポーターズカンファレンスを開催した処で、違うベクトルの意見が飛んでくるのは困る。③意見交換会やオフレコで納得してもらう為に個別に話す事は有っても、外には公開しない。やる事はやっている。④サッカー面・競技面についてはサポーターと現場で認識のズレがある。曹監督もズレを直接話をして埋めたいと思っており、場を設ける事も考えている……と、最後まで認めてもらえませんでした。

監督や現場単体ではなく、クラブ全体とサポーターや世間との認識のズレや至らぬ点をそのものを、「J1定着とその先」の為に埋め合わせていきたいのですが……

 

 

12月3日 キックオフ前

掲示を認めてもらえなくとも強行で出す事も物理的には可能でしたし、「出したらええやん!」と言ってくださる方も居ましたが、今回の目的はあくまで現状について広く疑問を呈する事。

クラブ側が妥当性はともかく「経営にダメージを与える」と表明してきた事。クラブとの関係を悪化させたり、ひいてはゲーフラや旗など応援活動に制限を課される可能性を鑑みると、試合後は認められた幕だけを穴空き状態になろうとも掲出する。誤解を招く可能性もある為、当日中にSNSで全容を報告し、後日説明できる時期が来ればもう少し深掘りして説明を行う事としました。(それが当ブログ記事)

それにより、幕の掲示を許さなかったクラブの体質も含めて考えてもらう契機になる。当初の目的は平和に果たされると考えたからです。

 

(事前申請に関わってくださったクラブスタッフ・サポーター連合会の皆様、ULTRASの皆様、コールリーダーのTさん始め、多くの方にご心配とご迷惑をお掛けしました。改めてすみませんでした。)

 

 

12月3日 試合後

掲示のタイミングが遅れましたが、キャプテンの挨拶前に下ろし、掲出が終了。

事前に内容についてSNSで告知した上での掲出も考えましたが、クラブからOKを貰った幕のみの掲出になった事+SNSを利用していない・見れない方も居る事もあり、告知なしで掲出をしました。内容的に心外だったという方については申し訳ありませんでした。

 

試合後、掲出NGの幕を含めて撮影をし、諸々の片付け。第一報としてSNSへ投稿し終了。

 

 

 

私見

幕の内容自体は個人を糾弾するものではなかったものの、かなりド直球な内容でしたので、「興行にそぐわない」とNGを言い渡されるのは当日にも書いた通り、100%理解ができない訳ではなく、一定程度理解ができます。

 

しかし、「いつまで代理?」を安藤強化部長代理へ矛先が集まるとしてNGにし、むしろ安藤強化部長も批判の対象である「京都スタイルとは?」がOKだった事は非常に不可思議でした。

結局は強化部長代理のままにしてきた自分たちへの批判はNGにしているだけで、単なる保身なのではないか?と。

 

クラブの経営・運営についても、社外秘な部分は除いて公開することでコミュニケーションは深まるはずです。しかし、批判は受け入れない一方で、開かれたコミュニケーションは「できない」「やりたくない」と拒む。よくよく検討した上で回答するならわかります。でも、単なる「やりたくない」という私情とそれをクラブのNo.2やNo.3が忖度をしているだけ。これでは愛されるクラブになれるチャンスを逃し続けるだけ。

 

嗚呼、いつになれば父の数々の教えは活かされるのだろうか。

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晦日に慌てて書き上げたから言葉足らず・説明不足な部分も多いですが今年はここまで。よいお年を。

 

 

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