25日、京都新聞の報道により京都スタジアムの指定管理者とネーミングライツパートナーが判明しました。
前者は地場のスポーツ系企業であるビバと、サンガによるSPC、「ビバ&サンガ」とのこと。後者は大勢の予想通り、メインスポンサーである「京セラ」に決まったとのこと。
府は25日、命名権の優先交渉先に京セラ(京都市伏見区)を選んだことを明らかにした。名称は、サッカーJ2京都サンガFCのホームとなることを踏まえ「サンガスタジアム by Kyocera」とし、毎年1億円を20年間支払う契約となる見通し。
また、施設の指定管理者は4~5月に2社の応募があり、京滋でスポーツ施設経営を手がけるビバ(上京区)と、サンガを運営する京都パープルサンガ(下京区)による特定目的会社「ビバ&サンガ」を内定した。指定管理期間は、施設が完成する12月末から10年3カ月の予定。
この記事のポイントは複数点ありますが、まず、『サンガスタジアム by Kyocera』というネーミングは1つのサプライズでした。
「プロモーションもメセナ活動を優先させる」という京セラの判断は、"らしさ"を感じると共に少し残念な気持ちにもなるのですが、まずは素直にそのメセナ精神を歓迎しておくべきでしょう。なお、スタジアムにクラブ名を冠するのは磐田に続いて2例目。現在のJリーグにおいては唯一無二です。
2つ目のポイント。指定管理者団体にサンガが加われたこと。
府の公表資料や、担当者への質疑応答から察するに、サンガが何らかの形で運営に関われる。というより、関わらせるであろうという感触は持っていました。単独の指定管理はサンガの体力・資質的に厳しいものの、選定されたJVにサンガを入れ込むような形を取る。いわば「サンガが指定管理を握れるか?」ではなく、「指定管理を任せられる団体とサンガを組ませる」というような進め方ではなかったのかなと。故に、当初「指定管理企業が決まりました」としか記載されていない京都新聞web記事を見た時に以下のようなツイートに至った訳です。
指定管理者については「サンガと協働できるパートナーを選ぶ」って感じだったので、サンガもノータッチではないと思う。ノータッチならそれはそれで運営上デメリットあるし。
— n (@nks137) 2019年6月25日
3つ目のポイント。"ビバ(上京区)と、サンガを運営する京都パープルサンガ(下京区)による特定目的会社「ビバ&サンガ」"とあること。
これまで、日本のプロスポーツクラブによる施設管理の方法としては、「①クラブ・球団単体で管理」or「②関連団体とJVを組んで管理」or「③オーナー企業が管理」の3つに分けることができます。
①のケースはガンバ大阪や広島東洋カープなど。②のケースはセレッソ大阪や横浜Fマリノスなど。 ③のケースは阪神タイガースや柏レイソル、エヴェッサ大阪など。
今回はSPCを立ち上げてとありますので、文字だけで判断するならば前例のない手法を採用するということになります。(例外として元々あったSPCを買収して傘下に置いた横浜ベイスターズの事例はある)
現在、長崎でのスタジアム建設計画においてもSPCを立ち上げての建設・管理が進められていますが、来年から開業する京都スタジアムが先を行くわけなのでどうなるか見守りたいところ。
4つ目のポイント。"施設の指定管理者は4~5月に2社の応募があり"とあること。
結局ね、2社しかなかったんですよ。もう1社がM社だったのか、O社だったのか、はたまた別だったのかはわかりませんが。コンセッション制ではなく指定管理者制度を採用したことが大きく影響したとは思えませんし、やはりマーケットとしての価値は低いと見られたのでしょう。これを良い意味で裏切ってほしいものです。
SPC立ち上げてやるメリット等は詳しい人がわかりやすく説いてくれればいいと思うの。それではまた。