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Jリーグは高校生・大学生に厳しい? 2023年J1クラブ 年間チケット割引率比較【暫定版】

 

 

まだシーズンレビューの途中だが、京都の年パス情報が公開されたので割り込み投稿。

 

自分達の分析をする上で、他所との比較を行うことは現在地を正しく見極めるのに役立つ。

今回は12月6日時点での暫定版ながら、年間チケットの割引率と、同時に価格の区分けについて取りまとめをしてみた。

 

 

 

年間チケットはクラブの経営基盤

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曺貴裁京都の歩みとは。正体不明の「成長」と見えた限界 〜2022年京都サンガレビューその②〜

 

 

  • はじめに
  • 「成長」と云う虚像
  • 命じられた役割
  • アンビバレントの代償
  • 致命的な欠陥
  • サッカーの魅力とは
  • 不運か必然か。希望はあるのか
  • 最後に

 

 

はじめに

アクセス数稼ぎや炎上商法で付けたタイトルではない。

言いたい事がより伝わる様に、自分の中で今年1年間燻り続けた素直な感想を最初に述べた。ただそれだけである。

 

 

さて前回に引き続き、2022年の京都サンガについて振り返る。初回はこちらから。まず目を通してほしい。


ちなみに前回の補足をしておくと、私自身は、親会社である京セラの社風とサッカースタイルに近似性が見られる事は好ましいことだと考えている。

例えば、エナジードリンクメーカー大手企業のレッドブルと、そのレッドブルが関与するサッカークラブ(レッドブルザルツブルク/RBライプツィヒら)は共通の世界観を有している。

資本投下を促す意味でも、親会社の経営方針の根底にある"ベース"とサッカースタイルの根底にある"ベース"が似ている事は有益だろう。ただ、ベースはベースであって、その土壌に根を張り、太く大きな幹や枝葉をこしらえなければ、立派な花を咲かせる事は難しい。

 

 

補足は以上である。

 

前段となる初回ではクラブの過去からの道程を振り返り、少し異なる視点から今季のチームについて考察を行った。

今回は今季の京都サンガと云うチームそのものについて触れて考えてみる。キーワードは「成長」だ。

 

 

 

「成長」と云う虚像

今季、曺貴裁監督が試合後コメント等で幾度となく繰り返したワードがある。

それが成長だ。

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「曺貴裁のサッカー=京セラフィロソフィー」、だから京都は曺貴裁を解任しない。 〜2022年京都サンガレビューその①〜

 

 

辛くもJ1残留を達成した京都サンガF.C.

地元紙、京都新聞での総括記事では肯定的な論調で3日に渡る総括記事が掲載されていたが、はたして今シーズンの歩みは本当に歓迎できるものだったのだろうか…?

 

そこで、数回に渡り、2022年シーズンの振り返りをここにまとめる。

 

初回となる今回はプロローグ編である。(10月末にTwitterで先走って垂れ流してしまったものを一部加筆・修正したものになる。一部内容はほぼ同一である。)

 

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【2022 J1参入PO】京都サンガF.C. - ロアッソ熊本

 

 

相変わらずの酷い内容。薄氷のドロー。

それでも、11シーズンももがき苦しんだJ2で、自動昇格の目安である勝ち点84を獲得し自動昇格を成し遂げた昨年。そして自分達より資金力で上回るクラブしかいないJ1で、自動降格を回避した今年。苦しんで、苦しんで、やっとの思いで登頂して得たアドバンテージを活かし、J1残留を掴み取った。

この場所に到達するまでがどれほど難しいことか。理解のできない者など放っておけば良い。

 

しかしながら、昨年、そして今季序盤のサッカーは、誤解を恐れずに言えば死んでしまった。ただボールを捨てて走るだけ。「シャトル」だの、「アドベンチャープッシュアップ」だの、残念ながらそんなものは消え失せた。アドバンテージもまだまだ薄く脆い。このまま来期へ突入したとして、1年後にどんな立ち位置に居るのだろうか。

 

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ふるさと納税を活用して、建設費の寄付ができるサッカースタジアム計画リスト(2022年末ver)

 

 

今年verです。もし漏れてたらごめん。

 

 

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京都サンガF.C. サポーターズカンファレンス開催の検討要請について

 

 

2022年シーズンの終了に伴い、公式HPの問い合わせフォームを通じて、伊藤社長宛でサポーターズカンファレンス開催の検討をする様に依頼を実施した。

そこで、依頼に際して送付した文面をこちらへ掲載する。(全文ではなく一部抜粋+資料添付)

 

行政・スポンサー企業への挨拶周りなど、慌ただしいシーズンが終わった今はオフシーズン故の活動が本格化し多忙な中で恐縮ではあるが、京都府民をはじめ多くのステークホルダーから真に愛される"強いクラブ"づくりの実現のためにも、まずは早期に開催の有無に関する声明が発せられることを願いたい。

 

 

 

 

以下、抜粋。

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【サポーターズカンファレンスについて】

今オフシーズン中に、2022年シーズン及びそれ以前を総括し、2023年以降のクラブのさらなる発展に寄与する情報交換の場として、クラブ主催の説明会(所謂サポーターズカンファレンス/ミーティング)の開催を検討するよう願いたい。

 

以下はその理由である。

 

 

1.トラブルの未然防止へ向けてクラブの考えを周知徹底する場として

本年は他クラブに於いて、観客による数年来に渡る観戦ルールの常習的な違反に対し、運営能力の欠如・管理不十分を理由に、リーグから大変重大な裁定処分が下される事案が発生した。

また、京都に於いても故意ではなかったものの、「政治的、思想的、宗教的主義、主張または観念を表示し、または連想させる」旗が長年に渡って掲出されてしまっていた事案は記憶に新しい。

なお前述の問題でリーグから罰金100万円の裁定を受けた際に、「再発防止の徹底を行い、誰もが楽しめるスタジアムづくりに向け取り組む所存です。その一環として、啓発活動を徹底すると共に、掲出物の事前申請制度を設けてまいります」との声明を発出しているが、「啓発活動の徹底」が図られているとは現状の活動からはお世辞にも言えず、同種の不適切事案が再発した際には、クラブが負うべき注意義務が軽んじられていたと判断されても致し方ないものと思われる。

 

公式HP内記載の「クラブビジョン(目指すべき姿)」にて、「多くの皆さんに楽しんでいただける賑わいのスタジアムを創造する」と謳っており、観戦環境改善へ向けた意見の集約、およびクラブの考えや周知徹底が図られるべき事項を直接ファン・サポーターへ発信する場として、サポーターズカンファレンスの開催を検討する事が望ましい。

 

 

2. Jリーグクラブとして透明性の高い経営の推進・徹底を図る場として

項1と関連して、多種多様なステークホルダーに支えられ、地域を代表する存在であるJリーグクラブは、ホームタウン自治体の出資の有無に関わらず、公共財たる自覚を持って経営を行うべしである。これはJリーグが公表するJリーグ経営ガイドラインに於いても記述されている、大変重要な考えの1つである。

Jリーグクラブ経営ガイド2021verより引用)

狭く閉じたコミュニティではなく、広く開かれたコミュニティを形成し、クラブに対する支持・支援の幅をより大きくしていく為にも、リーグからも公表される数値(売上高等)を公式サイトの片隅に載せるだけでは、ステークホルダーを軽視した形式的な情報の発信に留まっていると言わざるを得ず、透明性の高い経営を実現するべくサポーターズカンファレンスの開催を検討する事が望ましい。

 

 

3.経営基盤強化に向けて信頼を得る為に情報を発信する場として

本年は「安藤淳氏のブランドアンバサダー退任及び強化部長代理就任」や、「声出し応援再開に伴う声出し応援運営検証対象試合へのエントリーの有無」など、ファン・サポーターをはじめとするステークホルダーに対して、広く情報公開すべき重要な経営決定事項が数々あった中で、クラブ側からの対外的な情報発信や、そうした場は全く見受けられなかった。

元を辿れば、近年に限っても「加藤久氏の招聘」「曺貴裁監督の招聘」「實好監督の登用及び退任」「山道氏の招聘と退任」「中田監督の退任」等、トップチームに関する人事だけでも実に様々な人事決定があった中で、ファン・サポーターに対してクラブ側からの説明は公式HPでのリリースコメントのみであり、広く信頼を得る為の努力は皆無であったと言い切ってしまわざるを得ない。

 

更に過去を振り返れば、2015年末開催のサポーターズカンファレンスにて山中社長(当時)が発言した「今後はサポーター、スポンサー、フロントがしっかり意思疎通をしていきたいと思っている」「ファン・サポーターさんに非常に悲しい思いをさせてしまった」や、2017年シーズン中に開催の現状説明会にて発言した「(サポーターズカンファレンスで目標の到達度合いなどを開示し、議事録に載せて出来得る範囲内で公表する事について)分かりました。全然難しい事ではございませんので、それはやらせていただきます。」という回答があったにも関わらず、2017年秋の現状説明会以降に開催されたオフィシャルな対外説明の場は2018年12月22日開催の「2018シーズン総括」説明会のみで、更にこの会の議事録は公表されていない状態である。

 

(それどころか、公式HPのリニューアル等を契機に、過去の様々なリリースへのアクセスすらもできなくなっている。)

 

他方、非対面形式も駆使しながら、クラブの方針や経営情報に対する詳細な説明を行うクラブは、アビスパ福岡セレッソ大阪ら複数見受けられる。

 

「セレッソ大阪サポーターズコンベンション2022」レポート | セレッソ大阪オフィシャルウェブサイト | Cerezo OSAKA

「セレッソ大阪サポーターズコンベンション2021」レポート | セレッソ大阪オフィシャルウェブサイト | Cerezo OSAKA

「セレッソ大阪サポーターズコンベンション2019」レポート | セレッソ大阪オフィシャルウェブサイト | Cerezo OSAKA

 

またJ1クラブだけでなく、京都よりも売上等クラブ規模が小さいJ2〜J3クラブ(盛岡・福島・群馬・北九州・熊本etc…)でも実施されている。

2/14開催 「2022リモートサポーターカンファレンス」議事録公開のお知らせ – ザスパクサツ群馬

 

コロナ禍やクラブの運営規模(人員・体制)のみを要因にするのは理屈として成り立ちづらく、顧客を軽視し、説明責任を放棄していると受け取られても止むを得ないと考える。

こうしたマイナスのアクションは、クラブアイデンフィケーションの低下要因とも考えられる事から、クラブビジョンに掲げる「サンガのブランド力を高めるとともに、多くのステークホルダーの支援のもと、経営基盤の強化を図る」に反する行為である。

 

その為、信頼を得る為の情報発信の場として、サポーターズカンファレンスの開催を検討する事が望ましい。

 

 

以上3つの観点から、クラブの理念「サンガに関係する全ての人々と夢と感動を共有し、地域社会の発展に貢献する」を実践する為に、今オフシーズン内にサポーターズカンファレンスを開催する事について検討するよう強くお願いしたい。

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以上。

 

 

【2022 J1 34節】ジュビロ磐田 - 京都サンガF.C. +J1参入POレビュー 〜夢は何歳まで?〜

 

 

【公式】磐田vs京都の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2022年11月5日):Jリーグ.jp

 

0-0でよく済んだと言うのが率直な感想かもしれない。

 

昨シーズンもあまりの進歩のなさに不満と疑問を覚える場面はあったが、特に顕著だったのが今年のルヴァン杯PO。勝ち抜けには大量得点が必須の状況下で、シュートが打てる場面ですら打たない。

このチームは得点が渇望される場面で、得点の確率を上げる為の振る舞いができない。なぜならトレーニングでの仕込みが足りておらず、対峙する相手を上回っていないから。

ウタカとパウリーニョを投入し、終盤にはいつもの博打的な戦い方を見せた磐田戦も同じで、リターンを得るどころか残り30秒の京都の守備は小学生のサッカーと表するほかなく、井上の素晴らしい対応と白井のスーパークリアが無ければ失点でThe Endだった。

 

思い返せば、秋田・琉球甲府・長崎の守備ブロックを攻略できなかった昨年と同様で、残念ながら「進化」は見られずにリーグ戦は終わってしまった。今期、清水・磐田の失点合計111の静岡勢からは、0-2で緩んだ磐田からウタカの個人技で1点をもぎ取ったのみで3度も零封を喫している。

J2ではリーグ8位タイの59得点(42試合)。昇格した今期はワースト2位タイの30得点(34試合)。

決定力不足ではなく、正しくは決定機を作る事ができない。伸び代ではなく、もはや永遠に埋まりそうもない溝が空いている状態である。

 

この日、MF川崎が迎えたGKとの1vs1こそは、紛れもなくチームで作り出した1点ものの決定機ではあった。

しかし試合全体を通じて見ると、京都が勝手に崩壊することで、磐田へと多くのチャンスがこぼれていた。その現実から目を背けてはならない。

(オープンな中で90分間+αを耐え忍んだ井上・白井・上福元には最大級の賛辞を改めて送りたい)

 

 

 

 

 

振り返れば後半戦17試合でたったの3勝。しかも、その内2勝は退場で10人になった相手に試合を支配されながら、耐えに耐えて掴み取った勝利。

それでも、清水の大失速もあり、なんとか自動降格こそ免れた。

 

我々にはツキがあるのかもしれない。

 

 

このクラブの目指す先は、「国内最高峰」なのか、「数年おきにタイトル・ACL争いに関与できる程度」なのか、はたまた「優勝争いからは程遠いけどほのぼの路線」なのか。"S Adventure"をチームスローガンに掲げながら、その冒険の行き先は残念ながら明かされていない。

 

世界的ビッグネームの来日と数多くのA代表戦士の輩出。何より悲願のタイトルを2つも手にしたセレッソ

同様に、サッカー史に名を残すレジェンドの来日と、悲願のタイトル獲得を果たし、今やJリーグ随一の営業規模を誇る神戸。

チーム成績こそ低調なものの、念願の新スタジアムを手にしてビッグクラブへの礎を確立したガンバ。

 

関西他3クラブのみならず、ものすごい加速具合で成長を遂げるJリーグの中で、京都は唯一取り残されていた。

しかし、失われた10年から一転。新スタジアム開業を契機に、どんな果てなき夢であろうと、手が届く可能性を夢見る事ができるまでは不死鳥の如く舞い戻る事ができた。

 

我々にはツキがあるのかもしれない。

Jリーグは日本全国でサッカー文化を育むために、小さなクラブを保護してきた。いわゆる「護送船団方式」だ。しかし、その弊害でビッグクラブが生まれづらい状況になっていた。

今、村井満チェアマンはその問題に取り組もうとしている。スポンサー収入や放映権料に実力主義を導入し、格差が生まれるのを許容し始めたのだ

護送船団方式を止め、競争主義でJリーグを変える

 

 

 

元々3枠あったJ1⇆J2の入替枠が、投資に対するリスク軽減の為にもJ1クラブを優遇すべく2.5枠になった。

更には、20チーム制へ移行の為に来年度の降格枠は1つに絞られる可能性が浮上している。

我々にはツキがあるのかもしれない。

>来季の大会方式はJ1から1チーム降格、J2から3チーム昇格とする案などが示されたという。

>新たな成長戦略として来季から均等配分金の比率を改め、J1の上位クラブを中心に傾斜配分する方針も固めた。上位クラブの競争力や資金力を高めることで質の高い試合を増やし、リーグのさらなる価値向上などを図る狙いがあるとみられ

Jリーグ 24年からJ1~J3の20チーム案検討 配分金比率も変更、リーグ価値向上狙う/サッカー/デイリースポーツ online

 

 

 

●W杯日本代表選出人数(通算)

J1所属:100人 > J2所属:3人

 

●平均入場者数(2022)

J1平均:14,328人 > J2平均:5,019人

 

●チーム人件費(2021)

J1平均:23億4千万円 > J2平均:6億6千3百万円

 

●売上高(2021)

J1平均:41億5千9百万円 > J2平均:5億9百万円

 

ツキが巡って迎えた今季最終戦。この一戦はもう34分の1ではない。正真正銘の一発勝負。京都の未来の為には、どんな形であろうと勝ち抜く事が求められる。

ツキを手放したくなければ、いつも通りアグレッシブに挑みなさい。あの日の様に最初の15分でシュート5本撃ってこい。満員のサンガスタジアムでサポーターも含めて熊本へ巨大な圧力を掛けろ。

明日の一戦は、J1残留とその先の夢を叶える為に、全員で全てを懸けて闘わなければならない。必ず勝つ。