+1 プラスワン

加藤久氏退任・安藤BAが強化部長就任の報道に対して

 

表に出ている情報だけでの判断にはなりますが。

 

 

 

加藤久強化アカデミー本部長退任の報道について

スポニチで既に報じられていたので驚きは無し。

 

以下個人的感想。

・氏については、監督の身元後見人としての役割以外にクラブに残せるものがないと評価していた。現代フットボール界に於いて、氏が強化と育成のトップというのは5周くらい時代遅れだったのでタイミングとしてはむしろこれ以上ないと思う。

・そもそも彼が全権監督としてクラブの財務基盤を痛めた事※や、美濃部氏・佐藤勇人氏からの証言もあり、何の説明もなしに彼を復帰させた事がまず理解が追いつかなかったし。

※2008〜2010年にかけて多額の違約金・移籍金を支払い積極的な補強を敢行。クラブ史上初の2年連続残留を果たすも、3年目の成績低迷で自身も退任。チームもJ2降格。更には債務超過に陥る。翌年より文字通り「負債」を削減していくこととなったが、以降も社長交代(今井社長→山中社長)まで財政健全化の為にチーム人件費をやや過剰なまでに抑制する経営方針が続いた。

>千葉MF佐藤勇人(25)が、今季J1に復帰する京都に移籍することが4日、決定的になった。大型補強で優勝争いを目指す京都から、移籍金3億円近い完全移籍のオファーを受けていた

>水本はJリーグの移籍規定で年俸×8倍の移籍金がかかるが、G大阪と複数年契約を結んでいるため、移籍金は約4億円にものぼると予想される

>東京ヴェルディのMFディエゴ(24)が、京都サンガF.C.へ移籍する可能性が高まった。スポーツ報知によると、J1の4クラブが獲得に乗り出していたが、京都が最有力候補として浮上。移籍金は最高の場合、Jリーグ史上最高となる500万ドル(約4億7000万円)に上る可能性もある

>05年に初来日したディエゴは神戸、柏、東京Vと渡り歩き、09年から京都でプレー。当時5年契約で年俸1億円(推定)という破格の条件で契約した

>今季限りで契約満了となる柳沢に対してクラブ側は当初、契約を更新する方針を固めていた。だがJ2降格が秒読み段階になり、親会社京セラの内部で6000万円(推定)と高額年俸の柳沢を残留させることに疑問の声が噴出したという。再考を迫られた強化部は、元日本代表で経験豊富なエースFWを「クビ」にする結論を導き出した。

>京都はJ2降格が決まれば、高額年俸選手や、有望な若手選手の流出は避けられそうにない。クラブ幹部は「もうすでに代理人を使って移籍先を探している選手もいるようだが、無理に引き留めたりはしない。京都に愛着の強い選手だけが残ればいい」と話した。

 

 

 

安藤BAの強化部長就任報道について

概ねTwitterに書いた通りである。

 

 

・前提として安藤BAの事は現役時代同様応援しているし、それは彼が強化部長というポジションに就いても変わりない。

・ただ、「応援する」と「受け入れ賛同する」は別の話。

 

・ピッチを離れてからの1年半を"ブランドアンバサダー"として広報的な活動に従事してきた彼が、強化スタッフとしての形式知暗黙知を兼ね備えているか?

・間違いなく有している訳がない。だって未経験なのだから。彼が悪い訳ではない。当然の事なのだ。

・ましてや「強化部長」ともなると、強化部の最終責任者である。選手の査定、ユースと新卒選手も含めた選手補強およびチーム編成、代理人事務所やスポンサーらクラブ内外の決裁者との交渉…その全ての責任は現場の責任者である彼の肩にかかってくる。

・脇を固めるのは、現状では中山博貴スカウトと山田俊樹スカウトの両名だろう。前者は2018年から5年目。後者は2年目か。どちらもプロ生活は京都でしか送っていない。つまりは京都サンガ以外の景色を見たことすらない。京都ではなく、鹿島や浦和とかならまだ理解できるけど。二人には申し訳ないが、井の中の蛙すぎる。また、安藤とヒロキの関係性や如何に。

・強化編成担当としても全くの未経験者である強化部長と、まだまだこれからのスカウト達。これで魑魅魍魎が渦巻くフットボール界を上手く乗り越えていける可能性が高いと思っているのならば、その愉快な理論を是非教えて欲しい。

・おそらく「可能性を信じて」とか言い出すのだが、全くの未経験者に突然プロジェクトを任せるのは、世間一般ではどっちに転ぶかわからない「不確実性が高い状態」と言うのである。つまりは博打だ。

・誰だって最初は皆未経験なのだが、抜擢するとしたら順序を踏まえたり、補佐に熟練者を配置したり、仕組みを作る。それがリスクカバーであり、組織のマネジメントであり、仕事なのである。

 

・また、何人かが心配されているように、現監督への責任が重くなる事はパワハラ再発防止の観点からも好ましくない。

・今期は昇格初年度なので致し方ない部分もあるのだが、この2年間の補強に於いて「キジェチルドレン」の比率が高すぎる。この夏に加入した佐藤響を含め、直近2期で述べ日本人選手21名を獲得(新卒含む)した内、8名が過去にチョウ監督の薫陶を受けている。(松田、武富、白井、中川、アピ、金子、山崎、佐藤)

・監督の求める選手およびフィットし易い選手を補強するのは良い事だが、こうしたコネでもない限り獲得が難しいのではないかと邪智も入る。そうした中で、カトQのoutはともかく……

 

・監督兼チーム統括と言う絶大な権限を持たせてしまったが故に、ブレーキを踏む人物が居らず失敗したのが先述の加藤久体制のお話。

・一方、経験の浅い人物やチーム編成に携わってはいけない人物が舵取りを行った結果、「よからぬ者」の暴走を許したのが2014〜2015年や2016〜2018年。強化責任者が不在で、なぜか今井社長がキャスティングボードを握ったり、野口/細川氏が矢面に立つけど実際は「落ちひん」でお馴染み小島チーフスカウト(2018年強化部長就任→同年末退任)が暗躍していたり。

・このクラブは創設以来、「無能なワンマンによる暴走時代」と「代理人事務所を含む外部からの食い物にされる時代」とを交互に行き来している。時に凪の状態もあるが、その様な奇跡的に過ごし易い時間は、京都盆地の春と秋くらい短い。

・にも関わらず、誰が主導しているのかわからないがまた同じ様な事を進めている。

 

・安藤BAが強化部長になるのなら、ウィークポイントを補佐できる優れた外部人材が必要だ。

・しかし、その人材が安藤BAを隠れ蓑に暗躍する。また、責任だけを安藤BAが取らされる様な過去からの失敗を繰り返してはいけない。

・よって、仮に安藤BAが今期末までの当座の対外的「つなぎ」であったとしても、編成に携わる人物の存在はきちんと表に出さないといけない。

 

・ではなくて、そんな補佐を期待できる人材がそもそも準備できていないのあれば、場当たり的な配置転換をしただけの話。

・そんなお気楽人事で、チームの強化と安藤BA本人のキャリアの両方の為になると思っているのならば、京都新聞の記事にもある通り「大役に抜てきしたクラブの考えは計り知れない」。

 

 

 

ちなみに、Jリーグ経営ガイドでは、競技面に於いても何が求められるのかガイドラインの策定が為されている(だいぶ抽象的ではあるが)。なんとなく「指針や基準を定める事で属人的でない強化体制を構築する事が重要なのね」ってのが理解ができるかと。

これについては数年来このブログでも書いてきましたが。

 

 

Jリーグクラブ経営ガイド | 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)

参考までに一部引用させていただく。

 

 

読み物として非常に面白いので、一度全部目を通してみる事をお勧めしたい。

 

 

see you soon…!

 

 

 

P.S.

皆、フォローしようね。